『名流漫画』 森田太三郎 著・画
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山路愛山氏の無頓着振り
愛山氏が人と話しをする時には必ず何か持つて居る若し何にも無ければ鼻へ指を突つ込んで天然丸藥を造り出し「ベランメー彼奴等に歴史などが解つて堪るもんか」と興に入ると口から夕立を降らすのでお客の頭がビツシヨリ其處へ令息が來て頭をピツシヤリ愛山氏其れでも何とも云は無いで大氣焔其れが妻君の前へ出ると鳴海絞の如く縮み魚の如く一句も出さず金槌の川流れの如く頭が上がらない
引用・参照・底本
『名流漫画』 森田太三郎 著・画 明治四十五年七月二日發行 博文館
(国立国会図書館デジタルコレクション)