米国:国内経済問題の解決を放棄し、関税措置に頼る2025-03-04 18:09

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【概要】 
 
 中国は、2025年3月10日から特定の米国産品に対して10%または15%の追加関税を課すと発表した。これは、中国国務院関税税則委員会の声明によるものである。

 具体的には、輸入される鶏肉、小麦、トウモロコシ、綿花に対しては15%の追加関税が適用され、大豆、ソルガム、豚肉、牛肉、水産物、果物、野菜、乳製品には10%の追加関税が課される。これらの関税は現在の税率に上乗せされ、保税政策および減免税政策には影響を与えない。

 今回の措置は、米国政府が3月3日に中国からの全輸入品に対して10%の追加関税を課すと発表したことに対する対抗措置である。米国はこの関税措置の理由として、フェンタニル問題を挙げているが、中国はこれを一方的な措置であり、多国間貿易体制を損なうものであると批判している。中国国務院関税税則委員会は、米国の関税政策が米国の企業および消費者に負担をかけ、両国間の経済・貿易協力の基盤を損なうと指摘している。

 ただし、2025年3月10日以前に出荷され、同年4月12日までに中国に到着する輸入品については、追加関税の対象外となる。

 また、中国は今回の米国の関税措置に対して、世界貿易機関(WTO)の紛争解決メカニズムを通じて法的手続きを開始した。中国商務部(MOFCOM)は、WTOのルールに基づき、自国の正当な権利と利益を守り、多国間貿易体制および国際的な経済・貿易秩序を擁護するとしている。

 専門家の見解によれば、中国の対抗措置は正当なものであり、必要な対応であるとされる。中国グローバリゼーション研究センターのHe Weiwen氏は、米国がこれまで実施してきた関税引き上げのほとんどは対抗措置を招いていると指摘した。また、中国国際貿易協会のLi Yong氏は、米国の一方的な貿易政策や経済的圧力に対する適切な対応であると述べている。

 さらに、中国は関税措置に加えて、15の米国企業を輸出管理リストに追加することを発表した。このリストには、米国の防衛関連企業Leidosが含まれる。また、台湾への武器輸出や軍事技術協力を行ったとして、10の米国企業を「信頼できない企業リスト」に追加した。加えて、米国企業Illumina, Inc.も2月4日付でこのリストに加えられている。中国商務部は、同社が市場取引の原則に反し、中国企業との正常な取引を妨害し、不当な差別的措置を取ったと指摘している。

 今回の関税措置について、米国政府の政策が国内経済問題の解決策とはならないと指摘する声もある。特に、保護主義的な関税政策はWTOルールに違反し、国際貿易秩序を損なう可能性があるとされている。

 また、カナダも米国の関税措置に対抗し、米国産品に対する25%の関税を発表した。カナダのジャスティン・トルドー首相によると、30億カナダドル相当の関税が3月4日から適用され、さらに125億カナダドル分の関税が21日後に適用される予定である。トルドー首相は、米国が関税措置を撤回しない限り、カナダも追加の非関税措置を検討すると述べている。

 専門家の分析によれば、米国の関税政策は貿易相手国の市場需要を誤算している可能性がある。米国市場への輸出が困難になる一方で、生産拠点を米国内に移転することは根本的な解決策とはならず、結果として各国が米国に依存しない貿易体制の構築を進める可能性がある。また、米国の国内経済や産業構造も影響を受け、関税の影響でインフレが加速し、外国との貿易に依存する業界の競争力が低下する懸念がある。

【詳細】 
 
 中国は、2025年3月10日から特定の米国製品に対して追加関税を課すことを発表した。これは、中国国務院関税税則委員会の発表によるものであり、対象となる製品には鶏肉、小麦、トウモロコシ、綿花(追加関税率15%)、ソルガム、大豆、豚肉、牛肉、水産物、果物、野菜、乳製品(追加関税率10%)が含まれる。これらの追加関税は、既存の関税率に上乗せされる形で適用される。また、既存の保税政策や減免税政策には変更がなく、今回の追加関税は免除されない。

 背景

 この発表の前日である3月3日、米国政府はすべての中国製品に対して追加10%の関税を課すと発表した。その理由として、米国は中国が違法なフェンタニル(合成麻薬)の流通を助長していると主張している。中国側はこれに対し、米国の一方的な関税措置は多国間貿易システムを損ない、米国企業や消費者に負担を強いるものであり、両国の経済・貿易関係の根幹を損なうと批判した。

 追加関税の適用条件

 中国政府は、2025年3月10日以前に出港し、3月10日から4月12日までに中国に輸入される対象製品に関しては、今回の追加関税を適用しないと発表した。この措置は、輸送中の貨物への影響を考慮したものである。

 WTOへの提訴

 中国商務部(MOFCOM)は、今回の米国の関税措置に対して世界貿易機関(WTO)の紛争解決メカニズムに基づく法的手続きを開始した。中国政府は、WTOルールに基づき正当な権益を守るとともに、多国間貿易体制および国際的な経済・貿易秩序を擁護するとしている。

 専門家の見解

 中国のシンクタンク「中国とグローバル化センター(CCG)」の上級研究員であるHe Weiwen氏は、中国の対抗措置は適切かつ必要なものであると指摘した。同氏は、米国の関税引き上げに対して歴史的に対抗措置が取られてきたとし、特にトランプ政権時の最初の10%関税導入時には中国がエネルギー製品に対する関税を課すなど抑制的な対応を取ったが、米国が貿易摩擦をさらにエスカレートさせたため、より強力な対抗措置が必要になったと説明した。

 また、中国国際貿易協会の上級研究員であるLi Yong氏は、中国の対抗措置は正当であり、米国の一方的な貿易政策と経済的強制に対抗するものだと述べた。

 その他の対抗措置

 中国政府は、関税以外の措置として以下のような対応を発表した。

 1.米国企業15社を輸出管理リストに追加

 ・これは国家安全保障および利益を守るためであり、国際的な不拡散義務の履行の一環である。
 2.米国企業10社を「信頼できないエンティティリスト(Unreliable Entity List)」に追加

  ・これらの企業は、中国の台湾地域への武器販売や軍事技術協力に関与しているとされる。

 3.米国企業イルミナ(Illumina, Inc.)を「信頼できないエンティティリスト」に追加

 ・この企業は中国企業との正常な取引を妨害し、差別的措置を取ったとされる。

 国際的な影響

 カナダ政府もまた、米国による関税措置への対抗として、300億カナダドル(約20.69億米ドル)相当の米国製品に対して25%の関税を課すことを発表した。さらに、21日後には追加で1250億カナダドル相当の関税を発動する予定である。カナダのジャスティン・トルドー首相は、米国の関税が撤回されるまで、これらの関税を維持すると述べた。

 米国経済への影響

 Li Yong氏は、米国政府が国内経済問題を解決するのではなく、貿易相手国への追加関税という手段に頼っていると指摘した。特にトランプ政権の保護主義政策はWTOルールに違反し、国際貿易秩序を損なうものであると批判した。また、米国の輸入制限は国内のインフレを悪化させ、輸出関連産業に打撃を与えることで、米国の国際競争力を損なう可能性があると指摘した。

 さらに、他国が米国市場への依存を減らすことで、米国が主導する貿易構造の不安定化が進み、より安定した新たな貿易システムが模索される可能性があると述べた。

【要点】

 中国の対抗関税措置(2025年3月10日発動)

 1. 追加関税の内容

 ・対象品目

  ➡️15%関税:鶏肉、小麦、トウモロコシ、綿花
  ➡️10%関税:ソルガム、大豆、豚肉、牛肉、水産物、果物、野菜、乳製品

 ・適用開始日:2025年3月10日

 ・免除措置:3月10日以前に出港し、4月12日までに輸入された貨物には適用されない
 ・既存の関税に上乗せ適用(既存の減免税措置は適用外)

 2. 背景(米国の関税引き上げ)

 ・2025年3月3日、米国は中国製品に追加10%の関税を発表
 ・理由:中国がフェンタニル(合成麻薬)の流通を助長しているとの主張
 ・中国の反応

  ➡️「多国間貿易システムを損ない、米国企業や消費者にも打撃を与える」
  ➡️WTOへ提訴

 3. その他の対抗措置

 ・米国企業15社を輸出管理リストに追加(安全保障上の理由)
 ・米国企業10社を「信頼できないエンティティリスト」に追加(台湾への武器供与関連)
 ・米国企業「イルミナ(Illumina, Inc.)」をリスト追加(中国企業への差別的措置が理由)

 4. 国際的な影響

 ・カナダも米国に報復関税を発表

  ➡️第一段階:300億カナダドル(約20.69億米ドル)相当の米国製品に25%の関税
  ➡️第二段階(21日後):追加で1250億カナダドル相当の関税
  ➡️トルドー首相:「米国が関税を撤回するまで維持」

 5. 米国経済への影響

 ・米国のインフレ悪化、輸出産業の打撃、国際競争力の低下
 ・貿易構造の不安定化により、他国が米国市場への依存を低減 
 ・中国の専門家の見解

  ✅「米国は国内経済問題の解決を放棄し、貿易相手国への関税措置に頼っている」
  ✅「米国の保護主義はWTOルールに違反し、国際貿易秩序を損なう」

【引用・参照・底本】

China to impose extra tariffs of 10-15% on various US imports from March 10; countermeasures ‘justified,’ expert says GT 2025.03.04
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329450.shtml

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