米国とトランプ大統領を憎んでいる2025年03月15日 17:35

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【概要】
 
 アメリカ合衆国のマルコ・ルビオ国務長官は、2025年3月15日に南アフリカの駐米大使イブラヒム・ラソール氏を「歓迎しない」と宣言した。ルビオ氏はラソール大使を「人種煽動的な政治家で、アメリカとドナルド・トランプ大統領を憎んでいる」と非難し、ラソール氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(外交的に不受け入れの人物)」とする措置を取った。

 ラソール氏は、2021年1月13日にジョー・バイデン前大統領に任命状を提出し、大使としての任期を開始した。これは彼のワシントンでの2度目の任期であった。

 この発表に対して、南アフリカの大統領シリル・ラマポーザのオフィスは、ラソール大使の「残念な追放」を受けて、外交官に対し適切な外交儀礼を保つよう指示した。また、南アフリカはアメリカ合衆国との相互利益に基づく関係を築くことに引き続きコミットしていると述べた。

 アメリカと南アフリカの関係は、トランプ前大統領が南アフリカに対するアメリカの援助を削減したことを契機に悪化した。この背景には、南アフリカの土地政策や、南アフリカが国際司法裁判所でイスラエルに対するジェノサイド訴訟を起こしたことに対するアメリカの不満がある。

 ラマポーザ大統領は、2025年1月に国家による土地収用を容易にするための法案に署名した。この政策は、特に黒人多数派の国家における土地所有の人種的な不平等を是正することを目的としているが、トランプ前大統領は南アフリカが土地を強制的に収奪していると主張しており、根拠を示さないまま「特定の階層の人々がひどく扱われている」と述べていた。

【詳細】 

 2025年3月15日、アメリカ合衆国のマルコ・ルビオ国務長官は、南アフリカの駐米大使イブラヒム・ラソールを「ペルソナ・ノン・グラータ(外交的に受け入れられない人物)」とする措置を取ることを発表した。ルビオ国務長官は、ラソール氏を「人種煽動的な政治家」であり、アメリカ合衆国およびドナルド・トランプ前大統領に対して敵意を抱いていると非難した。この発表は、アメリカと南アフリカの外交関係における新たな波紋を引き起こすものであった。

 ラソール大使は、2021年1月13日に当時のアメリカ合衆国大統領ジョー・バイデンに対して任命状を提出し、大使としての任期を開始した。この時期は、トランプ大統領が退任する直前であり、ラソール氏にとってはワシントンでの2度目の任期であった。任命の直前には、南アフリカとアメリカの関係がすでに悪化していたが、ラソール氏は両国間の関係改善に向けて努力していた。

 ルビオ国務長官の発言は、南アフリカとアメリカの関係がさらに悪化することを意味している。ルビオ氏はラソール大使に対して「我々には彼と議論することはない」と明言し、ラソール氏がアメリカに「歓迎されていない」と強調した。この発言は、アメリカ政府の方針を反映しており、特にトランプ政権下で始まった南アフリカに対する不満が再燃していることを示している。

 南アフリカ政府の反応として、シリル・ラマポーザ大統領のオフィスは、ラソール大使の追放について「遺憾の意」を表明した。しかし、同時に、南アフリカは引き続きアメリカ合衆国との「相互に有益な関係」を築くことを誓った。この声明は、南アフリカが国際社会での立場を維持し、外交的な礼儀を守ることを重視していることを示している。

 アメリカと南アフリカの関係は、トランプ政権時代に大きな転機を迎えた。2017年、トランプ前大統領は、南アフリカの土地政策に強い批判を示し、特に土地収用に関して「白人の農場所有者が迫害されている」という主張を行った。この発言は南アフリカ国内で波紋を呼び、国際社会でも注目を集めた。トランプ前大統領は根拠を示さずに「南アフリカは土地を没収している」と断言し、特定の民族的背景を持つ人々が不当な扱いを受けていると非難した。

 その後、トランプ政権は南アフリカに対する経済援助を削減し、南アフリカの土地政策をさらに批判した。これに対し、南アフリカ政府は自国の土地改革政策を強調し、特に黒人多数派が歴史的に不利益を被ってきた土地所有権の不平等を是正することを目的とした政策であると主張した。ラマポーザ大統領は、土地改革の過程で土地を強制的に収用することはないとし、この政策は公共の利益のために実施されていると説明した。

 2025年1月、ラマポーザ大統領は新たな土地収用法案に署名した。この法案は、政府が特定の状況下で土地を補償なしで収用できるようにするもので、特に土地所有権に関して不平等が続く現状を改善することを目的としている。アメリカと南アフリカの関係における緊張は、この政策に対するアメリカの反発と関連している。

 このように、アメリカと南アフリカの関係は、トランプ政権時代の外交政策に加え、土地問題を巡る意見の相違が深刻化し、ラソール大使の追放という形で再び表面化した。

【要点】

 ・マルコ・ルビオ国務長官の発表

 2025年3月15日、マルコ・ルビオ国務長官は、南アフリカの駐米大使イブラヒム・ラソールを「ペルソナ・ノン・グラータ(外交的に受け入れられない人物)」と宣言した。

 ・ラソール大使の経歴

 ラソール大使は、2021年1月13日に当時のジョー・バイデン大統領に任命状を提出し、大使としての任期を開始した。この時期は、トランプ大統領が退任する直前であった。

 ・ルビオ国務長官の批判

 ルビオ氏はラソール大使を「人種煽動的な政治家」であり、アメリカとドナルド・トランプ前大統領に対して敵意を抱いていると非難した。

 南アフリカ政府の反応

 シリル・ラマポーザ大統領のオフィスは、ラソール大使の追放を「遺憾」とし、外交儀礼を守るように指示した。しかし、南アフリカはアメリカとの「相互に有益な関係」を築くことを強調した。

 ・アメリカと南アフリカの関係悪化の背景

 2017年、トランプ前大統領は南アフリカの土地政策を批判し、「白人農場所有者が迫害されている」と主張。これにより、アメリカと南アフリカの関係は悪化した。

 ・土地収用問題

 南アフリカの土地改革政策では、黒人多数派に対する歴史的な土地所有の不平等を是正することが目指されているが、アメリカはこれに反発。トランプ政権は南アフリカに対する援助削減を行った。

 ・ラマポーザ大統領の政策

 2025年1月、ラマポーザ大統領は土地収用法案に署名。特定の状況下で土地を補償なしで収用できるようにし、土地所有の不平等を是正することを目的とした。

 ・アメリカの反発

 アメリカは、この土地収用政策に強い反発を示し、南アフリカの土地政策に関する懸念を表明している。

【引用・参照・底本】

South Africa's ambassador 'is no longer welcome' in the US, says Rubio FRANCE24 2025.03.15
https://www.france24.com/en/americas/20250315-south-africa-ambassador-no-longer-welcome-usa-says-rubio?utm_medium=email&utm_campaign=newsletter&utm_source=f24-nl-quot-en&utm_email_send_date=%2020250315&utm_email_recipient=263407&utm_email_link=contenus&_ope=eyJndWlkIjoiYWU3N2I1MjkzZWQ3MzhmMjFlZjM2YzdkNjFmNTNiNWEifQ%3D%3D

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