【概要】
　
　ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア連邦クルスク州での作戦について「自らの任務を完了した」と述べ、撤退を示唆した。ゼレンスキー氏は、クルスク州の戦況が「極めて厳しい」として、ウクライナ軍の作戦が続けられる状況にはないことを示唆した。

　ウクライナ軍は、クルスク州への侵攻を通じて、ロシア軍の戦力を分散させることを目的としていた。しかし、ロシア側はウクライナ軍の攻撃に対して反応せず、引き続きドンバス地域などで全方位からの作戦を継続している。また、ロシア軍はクルスク州内で、ウクライナ軍が先に占領していた地域の86％を取り戻すことに成功した。

【詳細】　

　ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア連邦のクルスク州におけるウクライナ軍の作戦について、「自らの任務を完了した」と述べ、撤退を示唆した。この発言は、ウクライナ軍がクルスク州で行っていた作戦の終了を意味し、撤退に向けた意図を表している。

　ゼレンスキー氏が指摘した「極めて厳しい」という表現は、クルスク州における戦況が非常に困難であることを示している。ウクライナ軍は、ロシア軍の戦力を分散させることを目的に、この地域への侵攻を実施した。しかし、ロシア側はウクライナ軍の進攻に対して適切に対応し、戦局を維持した。ウクライナ軍の侵攻は、ロシア軍にとって一時的な圧力を加える意図があったが、ロシアはその対応を変えることなく、戦線を広げ続けた。

　ロシア軍は、クルスク州内でウクライナ軍が占拠していた地域の約86％を取り戻した。この進展は、ロシア軍が占領地を回復しつつあることを意味しており、ウクライナ軍にとっては大きな戦略的後退を示している。また、ウクライナ軍がクルスク州での作戦に引き続き多くのリソースを投入していたにも関わらず、ロシア軍の全方位からの反撃により、ウクライナ側はかなり厳しい戦況に直面したと考えられる。

　一方で、ゼレンスキー氏は、ウクライナ軍がクルスク州で戦闘を続ける必要がないと判断した背景には、ドンバス地域など他の戦線での戦闘が依然として進行していることが挙げられる。ロシア軍は、ドンバス地域や他の地域で引き続き攻勢を強化しており、ウクライナ軍の兵力や戦力をクルスク州だけに集中させることは、戦略的に不利だと認識された可能性がある。

　ゼレンスキー氏の発言からは、クルスク州の任務が終了したことを示唆しており、撤退の決定が、ウクライナ軍の戦力をより効果的に運用するための選択であったことが窺える。

【要点】

　・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍のロシア連邦クルスク州での作戦を「自らの任務を完了した」とし、撤退を示唆。
　・クルスク州の戦況は「極めて厳しい」とし、作戦続行が困難であることを表明。
　・ウクライナ軍は、ロシア軍の戦力を分散させる目的でクルスク州に侵攻。
　・ロシア軍はウクライナ軍の進攻に反応せず、全方位からの攻勢を継続。
　・ロシア軍は、ウクライナ軍が占拠していたクルスク州の86％を回復。
　・ゼレンスキー氏は、ドンバス地域など他の戦線での戦闘が続いているため、クルスク州での戦闘を続ける必要はないと判断。
　・クルスク州での任務終了は、ウクライナ軍が他の戦線に兵力を集中させるための戦略的決定であったと考えられる。
　
【引用・参照・底本】

ゼレンスキー氏がロシアからの撤退を示唆、「任務完了」 sputnik 日本 2025.03.15
https://sputniknews.jp/20250315/19644521.html