中国がチリのアタカマ砂漠に建設計画の天文台2025年03月17日 10:46

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【桃源寸評】

 さてチリ、どうしますか。チリの先行きを占うか。
 
 <朋有り、遠方より来る、また楽しからずや> 

【寸評 完】

【概要】

 中国がチリのアタカマ砂漠に建設を計画していた天文台が、米国政府の懸念により中止の可能性が生じている。米国当局は、この天文台が軍事目的に利用される可能性を指摘しており、チリ政府は現在、計画の再検討を進めている。チリ国内の大学と中国国家天文台(NAOC)との間で合意されたこのプロジェクトについて、チリ政府は阻止する可能性を排除していない。

 この天文台は、チリ北部のアンフォファガスタ州にある天文学研究に適したセロ・ベンタロネスに建設される予定であり、推定建設費は約8,000万米ドルとされている。プロジェクトはチリの北カトリック大学との協力のもとで進められ、中国の宇宙開発戦略の一環として位置付けられていた。類似の取り組みとして、中国はアルゼンチンやベネズエラでも宇宙関連施設を設置している。

 計画によれば、天文台には約100基の望遠鏡が設置され、深宇宙の天文現象や小惑星・彗星などの地球近傍天体の観測を行う予定であった。チリの科学者は施設へのアクセスが限定されるものの、中国の研究者と共同研究を行う機会が与えられるとされていた。

 チリは、標高の高い乾燥した環境と澄んだ空が特徴であり、天文学研究に最適な立地とされている。そのため、米国、欧州、日本などの国際的な天文台が多数設置されている。

 中国の天文台設置に関する議論は、科学技術分野における中国の影響力が南米地域で拡大する可能性があるという観点からも注目されている。

【詳細】 

 中国国家天文台(NAOC)がチリのアタカマ砂漠に建設を計画していた天文台は、米国政府の懸念により、中止の可能性が生じている。米国当局は、この施設が軍事目的に利用される可能性を指摘しており、チリ政府は現在、計画の再検討を進めている。具体的には、チリの北カトリック大学(Universidad Católica del Norte)とNAOCとの間で締結された協定が見直される可能性がある。

 計画の概要

 この天文台は、チリ北部アンフォファガスタ州のセロ・ベンタロネス(Cerro Ventarrones)に建設される予定であった。この地域は標高が高く、乾燥した気候と澄んだ大気を持つため、天体観測に適した環境とされている。推定建設費は約8,000万米ドルであり、中国にとっては南米における宇宙研究・天文学の拠点の一つとなる計画であった。

 施設には約100基の望遠鏡が設置される予定で、深宇宙の天文現象や、小惑星・彗星などの地球近傍天体(Near-Earth Objects, NEO)の観測を目的としていた。NAOCが主導する形で運営され、チリの科学者は施設へのアクセスが限定されるものの、中国の研究者と共同研究を行う機会が与えられる計画であった。

 背景:チリにおける国際的な天文学研究

 チリは、世界有数の天文観測拠点として知られている。アタカマ砂漠には、以下のような国際的な天文台が存在する。

 ・ヨーロッパ南天天文台(ESO):16カ国が加盟するヨーロッパの研究機関で、パラナル天文台やALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)などの施設を運営。
 ・カーネギー科学研究所(米国):ラス・カンパナス天文台を運営し、大型望遠鏡を使用した観測を行っている。
 ・日本の国立天文台:すばる望遠鏡の共同研究など、日本の科学機関もチリでの観測に関与している。
 
 チリの地理的条件と政治的安定性により、世界各国の宇宙関連機関が天文台を設置している。中国がこの地域に独自の天文台を設置することで、科学技術面でのプレゼンスを強化するとともに、南米地域における影響力を拡大する可能性がある。

 米国の懸念と地政学的背景

 米国政府は、今回の計画に関して複数の懸念を提起している。主な論点は以下の通りである。

 1.低軌道衛星(LEO)との関連性

 ・望遠鏡の主な目的は天文学研究とされているが、地球低軌道(LEO)を通過する人工衛星の監視やデブリ(宇宙ゴミ)の追跡にも応用可能である。
 ・米国当局は、この施設が中国の軍事衛星運用や宇宙監視活動に利用される可能性があると警戒している。

 2.中国の宇宙戦略との関連

 ・中国は、南米において宇宙開発に関する複数のプロジェクトを推進している。特に、アルゼンチンのパタゴニア地方にある深宇宙探査基地(CLTC-CONAE Deep Space Station)は、軍事的な用途を兼ね備えているとの指摘もある。
 ・ベネズエラとも宇宙技術協力を進めており、通信衛星の打ち上げ支援などを行っている。
 ・これらのプロジェクトと同様に、チリの天文台が軍民両用の施設として活用される可能性があると米国は懸念している。

 3.南米における影響力の拡大

 ・中国は近年、ラテンアメリカでインフラ投資を拡大しており、天文学研究の分野でも関与を強めている。
 ・米国は、これが科学技術分野のみならず、地政学的影響力の拡大につながることを警戒している。

 チリ政府の対応

 現在、チリ政府はこのプロジェクトに関する再検討を進めている。チリ国内には、以下のような意見がある。

 1.米国の懸念に配慮し、計画を中止すべきとの立場

 ・チリは米国との経済・安全保障協力を重視しており、対米関係を悪化させるリスクを避けるべきとする意見。
 ・他の国際的な天文学機関との協力を優先すべきとの見方もある。

 2.中国との協力を継続すべきとの立場

 ・天文学研究の分野で中国との協力を進めることは、科学技術の発展に資するとの意見。
 ・欧米の天文学研究機関がチリで活動している以上、中国の施設を排除するのは公平ではないとの主張もある。

 今後の展望

 この問題は、単なる天文学研究の枠を超え、米中の地政学的対立が南米に及ぶ形となっている。チリ政府は慎重に対応を進めるとみられるが、最終的に中国の計画が中止される場合、米国の圧力が影響した可能性が高い。一方で、中国がこの地域での科学技術投資を強化し続ける限り、今後も同様の問題が発生することが予想される。

【要点】

 中国のチリ天文台計画と米国の懸念

 1. 計画の概要

 ・中国国家天文台(NAOC)が、チリ・アタカマ砂漠に天文台を建設予定。
建設予定地はアンフォファガスタ州のセロ・ベンタロネス(Cerro Ventarrones)。
 ・推定建設費:約8,000万米ドル。
 ・望遠鏡約100基を設置し、**深宇宙現象や地球近傍天体(NEO)**を観測予定。
 ・チリの北カトリック大学(Universidad Católica del Norte)**との協力プロジェクト。
 ・チリの科学者は限定的なアクセスを持ち、中国の研究者と共同研究の機会がある。

 2. チリにおける国際的な天文学研究

 ・アタカマ砂漠は、世界有数の天文観測地であり、多くの国際機関が観測施設を設置。
 ・代表的な天文台

  ⇨ ヨーロッパ南天天文台(ESO)(16カ国加盟、パラナル天文台・ALMAを運営)
  ⇨ カーネギー科学研究所(米国)(ラス・カンパナス天文台を運営)
  ⇨ 日本の国立天文台(すばる望遠鏡の共同研究などを実施)

 3. 米国の懸念

 (1)軍事利用の可能性

 ・望遠鏡が低軌道衛星(LEO)監視や宇宙デブリ追跡に利用される可能性。
 ・中国軍の宇宙監視活動に関与するリスクを警戒。

 (2)中国の宇宙戦略との関連

 ・アルゼンチンの深宇宙探査基地(CLTC-CONAE Deep Space Station)と同様に、軍民両用の施設となる可能性。
 ・ベネズエラとの宇宙技術協力(通信衛星の打ち上げ支援など)とも関連。
 ・中国の南米での宇宙インフラ拡大を警戒。

 (3)南米における影響力拡大

 ・中国の投資が科学技術のみならず、地政学的影響力拡大につながることを懸念。
 ・米国の伝統的な影響圏である南米への中国の進出を抑制したい狙い。

 4.チリ政府の対応

 ・計画の再検討を進めており、協定の見直しも視野に。
 ・米国の懸念を考慮し、計画を中止する可能性がある。
 ・国内の意見

  (1)米国との関係を重視し、計画中止を支持

   ⇨ 対米関係を悪化させるリスクを避けるべきとの立場。
   ⇨ 欧米の天文学機関との協力を優先すべきとの意見。

  (2)中国との科学協力を継続すべき

   ⇨ 中国との共同研究が科学技術の発展に貢献する可能性。
   ⇨ 欧米の施設は認められているのに、中国だけ排除するのは不公平との主張。

 5. 今後の展望

 ・チリ政府が最終決定を下すまで、慎重な検討が続く見込み。
 ・計画が中止された場合、米国の圧力が影響した可能性が高い。
 ・今後も中国の南米における科学技術投資は拡大が見込まれ、類似の問題が発生する可能性。

【引用・参照・底本】

China’s observatory in Chile in doubt as US raises concerns about potential military use SCMP 2025.03.15
https://www.scmp.com/news/china/science/article/3302489/chinas-observatory-chile-doubt-us-raises-concerns-about-potential-military-use?module=bottom_card_2&pgtype=article

中国の科学者によるフェンタニル派生物の網羅的特定技術2025年03月17日 13:15

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【概要】 

 中国の科学者が、フェンタニルの派生物を特定するためのAI技術を開発した。この技術は、フェンタニルの分子構造を解析し、最大で1000兆(quadrillion)もの可能な派生化合物を特定できるものである。この研究は、中国科学院成都生物研究所の科学者によって行われ、2025年4月に『Journal of Hazardous Materials』に掲載予定である。

 この技術は、機械学習と水サンプル分析を組み合わせ、フェンタニルの「分子ブロック」の組み合わせをマッピングすることで、新たな派生物を予測し、体系的に監視することを可能にする。この手法により、中国は特定の化合物だけでなく、フェンタニルの派生物全体を事前に禁止することができる可能性がある。

 米国では毎年7万人以上がフェンタニル関連の過剰摂取で死亡しており、規制当局はこの問題への対応に苦慮している。フェンタニルは、ヘロインやコカインのように固定された化学式を持たず、わずかな分子構造の変更によって新たな派生物が作り出される。そのため、従来の個別規制では、次々と登場する新たな派生物を取り締まることが困難であった。

 この状況に対し、中国は既にフェンタニル関連の厳格な規制を実施しており、麻薬密売に対する死刑を含む「ゼロ・トレランス」政策を適用している。今回の技術開発により、より包括的なフェンタニル規制が可能になり、国際的な麻薬対策においても重要な役割を果たす可能性がある。

【詳細】 

 中国の科学者によるフェンタニル派生物の網羅的特定技術

 1. 背景:フェンタニルの規制が困難な理由

 フェンタニルは強力な合成オピオイドであり、米国では毎年7万人以上がフェンタニル関連の過剰摂取で死亡している。フェンタニルの危険性は、少量でも致死量に達する強力な鎮痛作用と、簡単に化学構造を改変できる点にある。

 ヘロインやコカインのような天然由来の薬物は固定された化学式を持つため、規制が比較的容易である。しかし、フェンタニルは「分子の一部をわずかに変えるだけで新しい派生物を生み出せる」性質を持ち、これまでに100種類以上の派生化合物が違法薬物市場に流入している。新たな派生物が発見されるたびに、米国の規制当局は個別に法規制を行ってきたが、この対応では新たな変異種の登場に追いつくことができないという問題があった。

 2. 中国科学院成都生物研究所の研究成果

 この状況に対応するため、中国科学院成都生物研究所の研究チームは、フェンタニルの「分子ブロック」(基本構造の組み合わせ)を解析し、最大1000兆(quadrillion)もの派生化合物を予測できるAI技術を開発した。この研究成果は、2025年4月に『Journal of Hazardous Materials』に掲載予定である。

 研究チームが開発した手法の主な特徴は以下の通りである>


 (1)機械学習によるフェンタニル派生物の網羅的予測

 ・フェンタニルの基本的な分子構造を「レゴブロック」のように分解し、組み合わせの可能性を分析する。
 ・これにより、すでに違法市場に流通している派生物だけでなく、今後合成される可能性のある化合物まで事前に特定できる。

 (2)水サンプル分析による監視技術の向上

 ・河川や排水からフェンタニル派生物の痕跡を検出し、違法な製造・流通の兆候を早期に察知する。
 ・フェンタニル生産が行われている可能性のある地域を特定し、監視を強化することが可能になる。

 (3)包括的な禁止措置への応用

 ・これまでの規制は個々の派生物に対して行われていたが、この技術を用いれば「フェンタニル派生物全体」を一括して規制対象とすることが可能になる。
 ・これにより、薬物密造者が新たな変異種を作り出すことで法の抜け穴を利用することを防ぐ。

 3. 中国のフェンタニル規制と国際的影響

 中国政府はすでにフェンタニル関連の厳格な規制を実施しており、麻薬密売に対して死刑を含む「ゼロ・トレランス」政策を適用している。2019年には、米中間の協議を経て、フェンタニルとその類似化合物を全面的に規制対象とした。今回の技術開発は、この規制をさらに強化する可能性がある。

 一方で、米国ではフェンタニル関連の法規制が後手に回ることが多く、国際的な麻薬対策において中国の技術がどのように活用されるかが注目される。

 4. 今後の展望と課題

 この技術が実際のフェンタニル規制にどのように組み込まれるかは、以下の点に左右される:

 ・国際協力の強化:米国や他の国々がこの技術を活用し、違法フェンタニル取引の抑制にどの程度協力するか。
 ・技術の実用化:AIによる予測モデルがどこまで正確に新たな派生物を特定できるか、実証データの蓄積が必要。
 ・違法製造者の対応:新たな技術が開発される中で、違法薬物業者がどのように対抗策を取るか。

 この研究成果は、フェンタニル規制における画期的な進展であると同時に、国際的な麻薬取締政策に新たな課題を投げかけるものである。

【要点】

 中国の科学者によるフェンタニル派生物の網羅的特定技術

 1. 背景:フェンタニル規制の困難さ

 ・フェンタニルは強力な合成オピオイドであり、少量で致死量に達する危険性がある。
 ・米国では毎年7万人以上がフェンタニル関連の過剰摂取で死亡している。
 ・ヘロインやコカインと異なり、フェンタニルは化学構造をわずかに変更するだけで新たな派生物が作られる。
 ・これまでに100種類以上の派生物が違法市場に流通。
 ・米国の規制は個別の派生物ごとに行われており、新たな変異種の登場に追いつけていない。

 2. 中国科学院成都生物研究所の研究成果

 ・研究チームが開発した技術は、AIと水サンプル分析を組み合わせたもの。
 ・最大1000兆(quadrillion)ものフェンタニル派生物を予測可能。
 ・2025年4月に『Journal of Hazardous Materials』に掲載予定。

 (1)機械学習によるフェンタニル派生物の網羅的予測

 ・フェンタニルの分子構造を「レゴブロック」のように分解し、組み合わせを分析。
 ・既存の派生物だけでなく、将来合成される可能性のある化合物も特定可能。

 (2)水サンプル分析による監視技術の向上

 ・河川や排水からフェンタニル派生物の痕跡を検出。
 ・違法な製造・流通が行われている地域を特定し、監視を強化可能。

 (3)包括的な禁止措置への応用

 ・これまでの個別規制ではなく、「フェンタニル派生物全体」を包括的に禁止可能。
 ・違法薬物密造者による新たな変異種の開発を事前に抑止。

 3. 中国のフェンタニル規制と国際的影響

 ・中国は既にフェンタニル関連の厳格な規制を実施し、密売に対して死刑を含む「ゼロ・トレランス」政策を適用。
 ・2019年には米中協議の結果、フェンタニルとその類似化合物を全面的に規制対象とした。
 ・今回の技術開発により、さらに強力な規制が可能になる可能性。
 ・米国の規制体制と比較し、中国の技術がどのように国際的な麻薬取締政策に活用されるかが注目される。

 4. 今後の展望と課題

 ・国際協力の強化:米国や他国がこの技術を活用し、違法フェンタニル取引の抑制に協力するか。
 ・技術の実用化:AIの予測モデルがどこまで正確に新たな派生物を特定できるか、実証データの蓄積が必要。
 ・違法製造者の対応:違法薬物業者がどのように対抗策を講じるかが不透明。

 5. 結論

 ・フェンタニルの派生物を網羅的に特定する中国の技術は、規制強化において画期的な進展。
 ・一方で、国際的な麻薬対策における応用や実効性には今後の課題が残る。
 ・この技術がどのように国際的な規制の枠組みに組み込まれるかが今後の焦点となる。

【引用・参照・底本】

Can the US ban them all? China just identified a quadrillion possible fentanyl compounds SCMP 2025.03.16
https://www.scmp.com/news/china/science/article/3302220/can-us-ban-them-all-china-just-identified-quadrillion-possible-fentanyl-compounds

イエメンの武装組織フーシ派:国の軍艦を攻撃すると警告2025年03月17日 13:32

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【概要】 

 イエメンの武装組織フーシ派は、米国による継続的な空爆に対し、米国の軍艦を攻撃すると警告した。

 米国防総省は、フーシ派の指導者アブドルマリク・フーシ氏の演説後、イエメンのホデイダ港を含む複数の地点に新たな空爆を実施した。

 フーシ氏は演説で、米国の「エスカレーションにはエスカレーションで応じる」と述べ、米国の空母や軍艦を攻撃対象とし、米国が攻撃を続ける限り航行禁止措置を適用すると宣言した。

 フーシ派は、紅海北部に展開する米空母ハリー・S・トルーマン打撃群に対し、18発の弾道ミサイルと巡航ミサイル、さらにドローンを用いて攻撃を試みたと主張している。

 しかし、米国防当局者は、約12機の攻撃ドローンが迎撃され、空母トルーマンおよび随伴艦艇に被害はなかったと述べている。

 フーシ派は、2023年末からパレスチナのガザ地区との連帯を示すため、国際的な船舶への攻撃を開始し、当初はイスラエル関連の海上交通を標的としていたが、その後、米国と英国の商船や軍艦にも攻撃対象を拡大した。

 2024年1月にイスラエルとハマスが米国の仲介で停戦合意に達した後、フーシ派は攻撃を一時停止したが、先週、イスラエルが合意条件を無視し、ガザの住民を「飢えさせている」と非難し、イスラエルの船舶への攻撃再開を宣言した。

 さらに、フーシ派は最近、米国の軍艦も攻撃対象に含めると警告しており、トランプ政権はフーシ派をテロ組織に再指定した。
APNEWS.COM
米中央軍は、イラン支援を受けるフーシ派テロリストに対する作戦を継続していると確認し、フーシ派の脅威が排除されるまで攻撃を続ける意向を示している。

 国防長官のピート・ヘグセス氏は、「フーシ派が我々の船舶への攻撃を停止すると言えば、この作戦は終了する。しかし、それまでは容赦なく続ける」と述べている。
JP.REUTERS.COM

 トランプ政権、フーシ派を再びテロ組織に指定

【詳細】 

 フーシ派が米国の軍艦への攻撃を警告、米国は報復の空爆を継続

 1. フーシ派の声明と攻撃の警告

 イエメンの武装組織「アンサール・アッラー(フーシ派)」の指導者アブドゥルマリク・アル・フーシーは、米国による継続的な空爆を非難し、米軍の艦船を攻撃対象に加えると警告した。フーシーは「米国の空母と軍艦は我々の標的であり、米国が攻撃を続ける限り、航行禁止措置を適用する」と述べた。

 2. フーシ派の攻撃と米軍の迎撃

 フーシ派は、2025年3月16日、紅海北部を航行する米空母「ハリー・S・トルーマン」打撃群に対して、弾道ミサイル18発、巡航ミサイル、および無人航空機(ドローン)を発射したと主張した。

 しかし、米国防総省の高官は「約12機の攻撃用ドローンを迎撃・無力化し、トルーマン打撃群への被害はなかった」と述べた。米国側の発表では、迎撃成功率が高く、米艦艇への直接的な被害は確認されていない。

 3. 米国の報復空爆とフーシ派の反応

 米国防総省は、フーシ派の攻撃に対し、3月17日未明にイエメン西部の紅海沿岸都市ホデイダを含む複数の拠点に対し、新たな空爆を実施した。

 ・ホデイダはフーシ派の重要な支配地域であり、国際空港と3つの主要港を抱える戦略的な都市である。
 ・フーシ派寄りのメディア「アル・マシーラ」によれば、米軍の空爆により数十人が死亡、100人以上が負傷したと報じられている。
 ・フーシ派は、「米国の攻撃に対し、さらに大規模な報復攻撃を行う」と警告し、今後の軍事行動を示唆した。

 4. 背景:フーシ派の対外攻撃とその変遷

 フーシ派は、2023年末からパレスチナ・ガザ地区との連帯を表明し、イスラエル関連の海上輸送を妨害する作戦を開始した。当初はイスラエルと関係のある商船や軍艦を標的としていたが、2024年1月以降、米英両国の船舶や軍艦にも攻撃を拡大した。

 (1)1月:米英による報復空爆

 ・フーシ派の攻撃に対し、米国と英国はイエメン国内のフーシ派拠点に対する大規模な空爆を実施した。
 ・これを受け、フーシ派は一時的に攻撃を停止した。

 (2)3月:攻撃再開の表明

 ・3月初旬、フーシ派は「イスラエルがパレスチナ住民への封鎖を続け、ガザの人々を飢えさせている」と非難し、イスラエル関連の船舶への攻撃を再開すると発表。
 ・さらに、米国の軍艦も標的に加えると宣言し、現在の対米攻撃に至っている。

 5. 米国の対フーシ派戦略

 米国は、フーシ派による海上攻撃を制圧するため、空爆を継続している。国防総省のピート・ヘグセス長官は、「フーシ派が攻撃をやめるまで、我々の軍事作戦は続く」と述べ、今後も攻撃を継続する意向を示した。

 (1)フーシ派の「テロ組織」再指定

 ・トランプ政権は、フーシ派を外国テロ組織(FTO)に再指定した。
 ・これは、2021年にバイデン政権が解除した指定を復活させる措置である。

 (2)継続する軍事作戦

 ・米中央軍(CENTCOM)は、「フーシ派の脅威が排除されるまで軍事作戦を継続する」と発表。
 ・米軍は、フーシ派の軍事能力を削減し、紅海の安全を確保することを目的としている。

 6. 今後の展望

 現在の状況は、フーシ派と米軍の間で攻撃と報復が続く悪循環に陥っている。

 ・フーシ派は、紅海の航行を阻害することで、地域の海上輸送に大きな影響を与えている。
 ・一方、米国は、フーシ派の軍事能力を削減するための継続的な空爆を実施している。

 フーシ派が今後も対米攻撃を拡大する可能性があるため、米国の軍事行動はさらに激化する可能性がある。

【要点】

 フーシ派 vs 米軍の最新動向(2025年3月16日-17日)

 1. フーシ派の警告と攻撃

 ・フーシ派指導者アブドゥルマリク・アル・フーシーが米軍艦を標的とすると警告。
 ・3月16日、紅海北部で米空母「ハリー・S・トルーマン」打撃群に攻撃を実施。

  ⇨ 弾道ミサイル18発、巡航ミサイル、無人航空機(ドローン)を発射。
  ⇨ 米軍は迎撃し、トルーマン打撃群に被害なしと発表。

 2. 米軍の報復空爆

 ・3月17日未明、米軍がイエメン西部ホデイダ周辺を空爆。

  ⇨ フーシ派の軍事拠点、港湾施設を標的に。
  ⇨ フーシ派側の発表では「数十人死亡、100人以上負傷」。
 ・フーシ派は「さらに大規模な報復攻撃を行う」と宣言。

 3. フーシ派の攻撃の変遷

 ・2023年末:ガザ支援を理由にイスラエル関連船舶を攻撃。
 ・2024年1月:標的を米英船舶・軍艦に拡大。
 ・2024年3月:イスラエル支援を理由に米軍艦への攻撃強化を発表。

 4. 米国の対フーシ派戦略

 ・空爆の継続:米軍は「フーシ派の脅威が排除されるまで軍事作戦を続ける」と宣言。
 ・テロ組織再指定:トランプ政権はフーシ派を「外国テロ組織(FTO)」に再指定。
 ・海上安全確保:紅海の国際航路を守るため、フーシ派の軍事能力を削減する方針。

 5. 今後の展望

 ・米軍とフーシ派の応酬が続く可能性大。
 ・フーシ派は紅海の航行妨害を強化、国際貿易への影響拡大。
 ・米軍の攻撃激化の可能性、フーシ派の新たな報復攻撃に警戒。

【引用・参照・底本】

Houthis threaten attacks on US warships RT 2025.03.17
https://www.rt.com/news/614328-houthi-targets-us-waships/

クルスク州で包囲されたウクライナ軍部隊:降伏すれば命を保証2025年03月17日 13:53

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【概要】 

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、クルスク州で包囲されたウクライナ軍部隊に対し、降伏すれば命を保証すると提案したが、キーウはこれを拒否した。

 ウクライナのアンドレイ・シビガ外相は、日本のNHKとのインタビューで、ウクライナ軍はクルスク州での作戦を継続すると述べた。モスクワおよびワシントンの双方が、同地域のウクライナ軍部隊がほぼ包囲されていると認識しているにもかかわらず、キーウは撤退の意思を示していない。

 シビガ外相によると、ウクライナは同地域での攻勢において主要な目的を達成しており、ロシア領内への継続的な軍事的存在が将来の和平交渉における交渉材料となると見ている。

 ウクライナ軍は昨年8月、国際的に認められたロシア国境を越えてクルスク州に侵攻し、スジャ市および複数の村を占拠した。しかし、ロシア軍はその進撃を速やかに阻止し、現在に至るまで占領地を奪還し続けている。ロシア参謀総長ワレリー・ゲラシモフは水曜日、ウクライナ軍が以前占領していた地域の86%をロシア軍が奪還し、残るウクライナ軍部隊は「包囲され、孤立している」と発表した。

 プーチン大統領は木曜日の記者会見で、サウジアラビアでの最近の協議においてワシントンとキーウが提案した30日間の停戦について、「原則的に受け入れる用意がある」と述べたが、クルスク州のウクライナ軍の扱いなどの問題が解決される必要があると強調した。

 アメリカのドナルド・トランプ前大統領は金曜日、クルスク州で「何千人ものウクライナ軍兵士がロシア軍に完全に包囲され、非常に厳しく脆弱な状況にある」と認め、モスクワに対し「彼らの命を助けるよう」要請した。これを受け、プーチン大統領は降伏すれば兵士たちの安全を保証し、人道的に扱うと申し出た。

 一方、キーウはクルスク州のウクライナ軍が包囲されているとの見解を否定している。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は土曜日、Telegramに投稿し、同地域の状況は「ウクライナにとって困難である」と認めながらも、「我々の部隊が包囲されているという事実はない」と主張した。

【詳細】 

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、クルスク州で包囲されているウクライナ軍部隊に対し、降伏すれば命を保証し、安全に取り扱うとの提案を行った。しかし、キーウ政府はこれを拒否し、クルスク州での作戦を続行する意向を示した。

 ウクライナのアンドレイ・シビガ外相は、日本のNHKとのインタビューで、クルスク州でのウクライナ軍の作戦を継続すると強調した。シビガ外相によると、ウクライナ軍はすでにその攻勢において主要な目標を達成しており、ロシア領内での軍事的なプレゼンスを維持することが、将来の和平交渉において有利な立場を提供すると考えているという。この発言は、ウクライナが戦争終結後の交渉に向けた交渉力を高めるため、クルスク州などのロシア領への軍事進出を重要視していることを示している。

 ウクライナ軍は昨年8月、ロシア国境を越えてクルスク州に侵攻し、スジャ市やその他の村々を占拠した。しかし、その後、ロシア軍が迅速に反撃し、占拠した地域の奪還を始めた。ロシア軍は現在、ウクライナ軍が以前占拠していた土地の約86%を取り戻したと報告しており、ウクライナ軍の残存部隊はほぼ完全に包囲され、孤立した状況にあるとされている。

 ロシアの参謀総長ワレリー・ゲラシモフは、水曜日にウクライナ軍の状況を説明し、包囲された部隊が孤立していることを確認した。これに対し、シビガ外相は、「クルスク州での作戦は今後の和平交渉における重要な要素である」と述べ、包囲された部隊の撤退を示唆することなく、作戦を継続する意思を示した。

 プーチン大統領は、木曜日に行われた記者会見で、米国とウクライナが提案した30日間の停戦に関して、原則的に受け入れる意向を示した。しかし、プーチン大統領は、停戦の前提として、クルスク州におけるウクライナ軍の状況など、いくつかの問題が解決される必要があると強調した。また、ウクライナ軍の降伏を受け入れる場合、その兵士たちに安全を保証し、人道的に扱うことを約束した。

 これに対し、アメリカのドナルド・トランプ前大統領は金曜日、クルスク州でロシア軍に包囲されたウクライナ軍兵士たちが「非常に厳しく脆弱な状況にある」と指摘し、モスクワに対して「彼らの命を助けるよう」求めた。トランプ氏は、ウクライナ軍の兵士たちの生命の安全を確保することが最優先事項であるとし、そのためにロシア側に人道的対応を求めた。

 ウクライナ政府はこれに対して反論し、キーウはクルスク州でウクライナ軍が包囲されているという認識を否定している。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は、土曜日にTelegramでメッセージを投稿し、クルスク州の状況は確かにウクライナにとって困難ではあるが、ウクライナ軍の部隊は包囲されていないと主張した。ゼレンスキー大統領のこの発言は、ウクライナ政府が国内外に対して士気を維持し、包囲されたという事実を否定し、戦争の進行状況をコントロールしているというメッセージを発信する意図があると考えられる。

 これにより、ウクライナとロシアの間での戦闘は依然として激化しており、両国の政治指導者は、兵士たちの命を巡る意見の相違や、戦争の進行における交渉の可能性を巡る意見の食い違いを示している。ウクライナの対応は、和平交渉を有利に進めるための戦略的な選択であり、ロシア側はこれを終息させるためにさらなる軍事的な優位を確保しようとする姿勢を見せている。

【要点】

 ・プーチン大統領の提案:ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、クルスク州で包囲されたウクライナ軍部隊に対し、降伏すれば命を保証し、安全に取り扱うと提案した。

 ・キーウの拒否:ウクライナのアンドレイ・シビガ外相は、日本のNHKとのインタビューで、ウクライナ軍はクルスク州での作戦を継続する意向を示し、降伏を拒否した。

 ・ウクライナの目標達成:シビガ外相は、ウクライナ軍がクルスク州で主要な目標を達成したと述べ、ロシア領内に軍事的プレゼンスを維持することが将来の和平交渉に有利に働くと考えている。

 ・クルスク州での戦闘:ウクライナ軍は昨年8月にクルスク州に侵攻し、一部の町を占拠したが、ロシア軍が反撃し、奪還を始めた。現在、ウクライナ軍は包囲され、孤立していると報告されている。

 ・ロシア軍の奪還:ロシア軍の参謀総長ワレリー・ゲラシモフは、ウクライナ軍が以前占拠した土地の86%を奪還したと報告しており、残る部隊は包囲された状態で孤立している。

 ・プーチン大統領の停戦提案:プーチン大統領は、米国とウクライナが提案した30日間の停戦を原則的に受け入れる用意があるが、クルスク州のウクライナ軍の扱いなどが解決される必要があると強調。

 ・トランプ前大統領の発言:アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、クルスク州で包囲されたウクライナ軍兵士たちを「非常に厳しく脆弱な状況にある」と指摘し、モスクワに対して「彼らの命を助けるよう」求めた。

 ・ゼレンスキー大統領の否定:ウクライナのゼレンスキー大統領は、クルスク州でウクライナ軍が包囲されているとの報道を否定し、状況は困難であるが包囲されていないと主張。

 ・戦争の進行と交渉:ウクライナは、クルスク州での作戦を和平交渉における交渉力を強化する手段と見なしている。ロシア側は、ウクライナ軍を包囲することで戦争の進行を有利に進めようとしている。

【引用・参照・底本】

Kiev rejects Putin’s offer of mercy for troops in Kursk RT 2025.03.16
https://www.rt.com/russia/614312-kiev-vow-kursk-offensive/

米国:プーチン大統領と「ポジティブな」会談を行った2025年03月17日 14:00

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【概要】 

 アメリカ合衆国の特使スティーブ・ウィトコフ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と「ポジティブな」会談を行ったと述べ、両国の大統領が今週、ウクライナ紛争の停戦に合意する可能性があることを示唆した。ウィトコフ氏は日曜日、CNNのインタビューで、プーチン大統領との会談は3~4時間にわたり、非常に前向きな結果が得られたと語った。

 ウィトコフ氏は木曜日にモスクワに到着し、アメリカとウクライナの関係者が合意した停戦案の詳細をプーチン大統領に伝えた。彼はまた、サウジアラビアで行われた会談が「非常に前向きな結果」を生んだことを指摘し、アメリカの国家安全保障顧問マイク・ウォルツ氏やアメリカ合衆国国務長官マルコ・ルビオ氏が主導したその討議を挙げた。ウィトコフ氏は「この訪問の前にも別の訪問があり、その前にも訪問があったが、その時点では双方の立場は大きく異なっていた。しかし、今では両者はかなり近づいている」と述べた。

 ウィトコフ氏は不動産業の大物であり、トランプ大統領の長年の友人で、最近ではウクライナ紛争の和平交渉において重要な役割を果たしている。ロシアは、トランプ大統領のウクライナ特使であるキース・ケロッグ氏が親ウクライナ的な立場を取っていることから、交渉から外すよう要求したとされ、ウィトコフ氏がモスクワでの交渉を主導することとなった。クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、ロシアはアメリカの内政に干渉する意図はなく、誰を任命するかはアメリカ側の決定に委ねると述べた。

 アメリカの大統領は土曜日、ケロッグ氏がキエフとの交渉を担当することを明言した。

 プーチン大統領は、ウクライナ紛争における30日間の停戦案を支持する意向を示したが、その実施について懸念を表明した。また、ロシアのクルスク地方に包囲されたウクライナ軍に対して、降伏の猶予を与え、命が守られ、尊厳をもって扱われることを保証した。しかし、ウクライナのアンドレイ・シビガ外務大臣は土曜日のインタビューで、同地域におけるウクライナ軍は引き続き作戦を続行する意向であると述べた。

【詳細】 

 スティーブ・ウィトコフ氏は、ドナルド・トランプ大統領の特使として、ウクライナ紛争に関する停戦案をロシア政府と交渉している人物である。彼は最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と3~4時間にわたる会談を行い、その結果を「ポジティブ」なものとして評価した。この会談は、ウィトコフ氏がモスクワに到着した後に実施され、ウクライナ紛争に関する停戦案の詳細がプーチン大統領に伝えられた。

 ウィトコフ氏は、アメリカとウクライナの関係者が合意した停戦案の内容をプーチン大統領に説明した。この停戦案は、サウジアラビアで行われた討議に基づいており、その結果が「非常に前向き」であったとウィトコフ氏は述べている。この討議は、アメリカの国家安全保障顧問マイク・ウォルツ氏と、アメリカ合衆国国務長官マルコ・ルビオ氏が主導し、双方の立場を縮めるための重要なステップとなった。

 ウィトコフ氏は、今回の訪問の前にも何度かの交渉があったことを強調し、その度に双方の立場は遠く離れていたが、今回の会談を経て両者は「かなり近づいている」と述べた。この進展は、ウクライナ紛争における停戦に向けて重要な前進を示唆している。

また、ウィトコフ氏の役割は、単なる交渉者にとどまらず、ロシアとの対話を進める重要な任務を担っている。彼は不動産業界の大物であり、トランプ大統領との長年の関係を持っている。最近では、ウクライナ問題の解決に向けた外交的な努力を積極的に行っており、ロシア側からの要求に応じて、トランプ大統領のウクライナ特使であるキース・ケロッグ氏が交渉から外されることとなった。この背景には、ケロッグ氏がウクライナ寄りの立場を取っていたことがある。

 ロシア側の意向としては、アメリカの内政に干渉しないという立場が明確にされており、ウィトコフ氏が交渉を主導する形となった。しかし、アメリカの大統領は土曜日に、ケロッグ氏が引き続きウクライナとの交渉を担当することを確認した。

 プーチン大統領は、ウクライナ紛争における30日間の停戦案について支持を表明したが、その実施に関して懸念を示している。この停戦案は、両国間での合意に基づくものであり、実行段階での問題に対する懸念が払拭されていない。また、ロシアのクルスク地方に包囲されたウクライナ軍に対して、プーチン大統領は降伏の猶予を与え、ウクライナ兵の命を守ることを保証した。しかし、ウクライナ側はこれに反応し、シビガ外務大臣はその後、ウクライナ軍が引き続き作戦を続ける意向を表明している。このように、停戦案に対する双方の反応は分かれており、実現にはさらなる交渉が必要であることが示唆されている。

【要点】

 ・スティーブ・ウィトコフ氏は、ドナルド・トランプ大統領の特使としてウクライナ紛争の停戦案を交渉。
 ・会談の内容: ウィトコフ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と3~4時間にわたり会談し、その結果を「ポジティブ」と評価。
 ・停戦案: アメリカとウクライナの関係者が合意した停戦案をプーチン大統領に伝達。
 ・サウジアラビアでの討議: 停戦案はアメリカの国家安全保障顧問マイク・ウォルツ氏と国務長官マルコ・ルビオ氏が主導した討議に基づく。
 ・進展: ウィトコフ氏は、以前の交渉では双方の立場が遠かったが、今回の会談を通じて両者が「かなり近づいている」と述べる。
 ・ウィトコフ氏の役割: 不動産業界の大物で、トランプ大統領と長年の関係があり、ウクライナ問題解決のために積極的に外交的役割を果たす。
 ・ケロッグ氏の交渉役割: ロシア側の要請で、ウクライナ特使のキース・ケロッグ氏が交渉から外される。アメリカ側はケロッグ氏が引き続きウクライナとの交渉を担当すると確認。
 ・停戦案への懸念: プーチン大統領は30日間の停戦案を支持するが、実施に関して懸念を示す。
 ・クルスク地方のウクライナ軍: プーチン大統領は、クルスク地方に包囲されたウクライナ軍に降伏の猶予を与え、命を守ることを保証。
 ・ウクライナ側の反応: ウクライナ外務大臣アンドレイ・シビガ氏は、ウクライナ軍が引き続き作戦を続ける意向を表明。

【引用・参照・底本】

Putin and Trump may agree on Ukraine ceasefire soon – US envoy RT 2025.03.16
https://www.rt.com/russia/614315-putin-trump-ukraine-ceasefire/