日本とEU:「グレーゾーン状況」への対応セミナー2025年03月19日 12:17

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【桃源寸評】

 <頭の上の蠅も追えない>雉二羽、鳴かずば打たれまいに。
 法の支配、であるならば(問題があるのなら)、堂々と中国の論理に対峙したらよい。

 米国の覇権を真似て、"小さなグループ"を作り、<漁父の利>を得ようとするか。小賢しい真似をする。

 が、間抜けが、そんな時代ではもうない。
 まぁ、ハゲ鷲に啄まれるの落ちであろう。

【寸評 完】

【概要】 
 
 日本とEUは来週、フィリピンを含む5つの東南アジア諸国の海上保安官を対象に、「グレーゾーン状況」への対応についてセミナーを共同で開催する予定である。EUの関係者によると、中国の海洋活動に懸念を示し、「共通の価値観を持つ国々が協力し、法の支配を守る必要がある」と強調されている。このセミナーは、冷戦時代の対立を引き起こすイデオロギー的な分裂の現れであり、南シナ海における地域的な対立を扇動するものであると指摘されている。

 日本とEUの真意は、外部のプレイヤーでありながら南シナ海の問題に干渉し、中国に圧力をかけ、自国の影響力を拡大することであるとされている。中国の軍事問題の専門家であるSong Zhongping氏は、南シナ海のいくつかの東南アジア諸国を対象にした共同セミナーは、実際には「地域に混乱をもたらすことを望んでいる」ものであり、「表向きは助けようとしているように見えるが、実際には価値観を利用して、特定のASEAN諸国に中国との対立的な態度を取らせようとしている」と述べている。

 日本とEUの行動は、南シナ海の問題を複雑化させ、地域の状況を悪化させ、平和と安定を危険にさらすことになるとされている。いわゆる「グレーゾーン状況」という言葉は、実際には中国の正当な権利保護行動に対する烙印を押すものであり、南シナ海における中国の領土主権と海洋権益は歴史的および法的な根拠に基づいていると強調されている。

 中国は、国際法の支配を尊重し、南シナ海での航行および上空飛行の自由を守るとともに、平和的手段での紛争解決と自制を一貫して推進しており、「法の支配」という言葉を使って地域問題への干渉を正当化しようとする日本とEUの試みは無駄であるとされている。

 日本とEUの接近は、地政学的な利益を追求する機会主義者の利益が結びついたものであり、日本はEUの力を利用して自国の「インド太平洋戦略」のコストを相殺しようとしており、EUはアジア太平洋地域への関与を通じてグローバルな発言力を維持しようとしている。彼らの南シナ海への介入は自己利益に基づいており、地域の安定を犠牲にして自国の議題を推進するものである。

 外部の勢力は常に「教師」として自らを位置付けようとするが、地域の国々の発展の希望を真に尊重したことはない。果たして、日本とEUの「研修パッケージ」が、空虚な「法の支配の講座」や虚しい約束以外に、地域諸国に実質的な支援を提供できるのだろうか。

 東南アジアの地域諸国は、南シナ海で緊張を煽り、これらの国々を駒として利用しようとする外部の力に警戒し続けるべきであり、中国は地域の平和と安定を維持し、非地域のプレイヤーによる地域問題への干渉を防ぐために努力するだろうと結論付けられている。

【詳細】 
 
 日本とEUが東南アジア諸国と共同で開催する予定のセミナーに関するものであり、その目的や背景について詳しく説明している。以下に、内容をさらに詳細に分解して説明する。

 1. 日本とEUの共同セミナーの概要

 日本とEUは、来週、フィリピンを含む東南アジアの5つの国々の海上保安官を対象に「グレーゾーン状況」への対応についてのセミナーを共同で開催する予定である。このセミナーは、武力行使には至らないが、危機的な状況や対立が発生する可能性があるような「グレーゾーン」の問題に対処する方法について議論されるものである。具体的には、例えば海上での領土問題や、漁業資源の取り合いなどが「グレーゾーン」に該当する。

 2. セミナーの目的とその背後にある意図

 EUの関係者によると、このセミナーは、中国の海洋活動に対する懸念を共有し、共通の価値観を持つ国々が協力して「法の支配」を守るために重要だとされています。しかし、この言葉の裏には、日本とEUが中国の影響力を制限し、自国の利益を拡大するための意図が含まれているとされています。

 「法の支配」の名の下での介入
 
 「法の支配」を強調し、地域の安定を守るために協力するという表向きの理由に対し、それが実際には冷戦時代のイデオロギー的対立を引き起こす行為であると指摘している。つまり、表面上は「法の支配」を守るためという建前であっても、その実、地域的な対立を煽り、中国との対立を深めようとしているという批判がなされている。

 中国の権益に対する圧力

 日本とEUが、このセミナーを通じて東南アジア諸国に対し、いわゆる「中国の挑戦」に対抗するための姿勢を強調し、結果として中国に対する圧力をかけることを意図しているという主張がなされています。特に、地域諸国に対して中国と対立的な態度を取るように促すことが狙いだとされています。

 3. 日本とEUの介入の影響

 中国側の見解として、日本とEUの介入は南シナ海の問題を一層複雑にし、地域の安定を脅かすことになるとされています。具体的には、両者の関与は、地域の領土問題をより対立的にし、対話や平和的解決の機会を減らす可能性があると警告している。

 グレーゾーンの定義と中国の権利

 「グレーゾーン状況」という概念が実際には中国の正当な権利保護行動を否定するものだとし、中国の南シナ海における領土主権と海洋権益は歴史的および法的な根拠に基づいていると強調している。つまり、南シナ海での中国の行動は国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に従った正当なものであるという立場を取っている。

 中国の平和的アプローチ

 中国は、南シナ海における航行の自由や上空飛行の自由を尊重し、地域の安定を保つためには平和的手段での解決を目指していると強調されている。また、問題解決には自制を求め、外部勢力の介入を排除することが重要だという立場を示している。

 4. 日本とEUの行動に対する批判

 機会主義的な利益

 今回の日本とEUの接近を、地政学的な利益を追求するための「機会主義的な行動」と位置付けている。日本は、EUの力を利用して自国の「インド太平洋戦略」を推進しようとしており、EUはアジア太平洋地域への関与を通じて自国のグローバルな発言力を維持しようとしているという見方が示されている。

 自己利益の追求

 日本とEUの介入は、地域の安定を犠牲にして自国の利益を追求するものであるとされている。特に、南シナ海という重要な海域において、外部勢力が自国の影響力を拡大しようとすることは、地域の国々の発展や安全保障に対して悪影響を与えると警告されている。

 5. 地域諸国への警告

 地域諸国、特に東南アジア諸国に対して、外部勢力が南シナ海で緊張を煽り、それを利用して自国の影響力を強化しようとする動きに警戒するよう呼びかけている。中国は、地域の平和と安定を守るために努力し、外部勢力による干渉を排除する立場を取っている。

 結論

 日本とEUが南シナ海問題に干渉しようとしていることに対し、その背後にある地政学的な動機や自己利益を批判している。中国は、自国の権益を守りつつ、地域の平和と安定を維持するために努力すると述べ、外部勢力による介入を排除することが重要であると強調している。

【要点】

 1.セミナーの概要

 ・日本とEUが来週、フィリピンを含む東南アジアの5カ国の海上保安官を対象に「グレーゾーン状況」への対応を議論するセミナーを共同開催予定。
 ・「グレーゾーン状況」とは、武力行使には至らないが危機的状況に近い問題を指す。

 2.セミナーの目的と背景

 ・EU関係者は「中国の海洋活動に対する懸念」を理由に、「法の支配」を守る必要性を強調。
 。中国側は、これを冷戦時代のイデオロギー的対立を引き起こす行為と批判。
 ・日本とEUの意図は、東南アジア諸国に中国と対立的な立場を取らせ、地域での影響力を拡大すること。

 3.日本とEUの介入に対する批判

 ・日本とEUの介入は、南シナ海問題を一層複雑にし、地域の安定を脅かす可能性がある。
 ・両者は、「法の支配」を口実にして、自国の地政学的な利益を追求している。

 4.中国の立場

 ・中国は南シナ海における領土主権と海洋権益を歴史的および法的に正当化。
 ・国際法(UNCLOS)に基づき、航行の自由や上空飛行の自由を尊重し、平和的解決を重視している。

 5.地域の安定と外部勢力への警告

 ・中国は、外部勢力の干渉を排除し、地域の平和と安定を守ることが重要であると強調。
 ・東南アジア諸国に対し、外部勢力が緊張を煽り、影響力を拡大しようとする動きに警戒するよう呼びかけている。

 6.日本とEUの「グレーゾーン」問題に対する自己利益

 ・日本はEUの力を利用し、「インド太平洋戦略」を強化。

 ・EUはアジア太平洋地域での影響力を維持しようとしている。

【引用・参照・底本】

Intervention by Japan, EU a destabilizing factor in the S.China Sea GT 2025.03.18
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1330372.shtml

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