【概要】

　2025年5月9日にモスクワで開催される対独戦勝80周年記念パレードには、29か国の首脳が出席する予定である。政府代表を派遣する国も多く、出席国の総人口は世界人口の約半分に達する。ロシアのプーチン大統領は、パレードに合わせて15件以上の二国間会談を予定しており、モスクワは一時的に国際外交の中心となる。このパレードには、戦勝国としての歴史的意義を持つイベントとして、多くの国の指導者が集結することとなる。

【詳細】

　2025年5月9日にロシア・モスクワで実施される「対独戦勝80周年記念パレード」は、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツに対する勝利を記念するものであり、ロシアにとっては政治的・歴史的に重要な国家行事である。この年のパレードには、過去最大級の国際的注目が集まっており、29か国の国家元首が出席を予定している。さらに、国家元首を派遣しない国であっても、政府代表(首相、外相、特使など)を派遣する形で出席を表明している国が多数存在する。

　スプートニクの報道によれば、出席予定国の合計人口は世界人口の約50％を占める。これは、人口規模の大きい国々(中華人民共和国、インド、ブラジルなど)が含まれていることを意味する。したがって、本パレードは単なるロシアの国内行事ではなく、世界人口の半数を代表する指導者たちが一堂に会する外交的ハイライトの場ともなっている。

　また、ウラジーミル・プーチン大統領は、同日に来訪する首脳との間で15件以上の二国間会談を予定しており、内容には経済協力、安全保障、エネルギー分野など広範な議題が含まれるとみられる。ロシア側としては、欧米との対立が深まる中で、グローバル・サウスを中心とする諸国との関係強化を図る狙いがある。

　このように、2025年の戦勝記念パレードは、歴史的記念行事としての側面に加え、ロシアの多極的国際秩序の構築を目指す外交戦略の場としても機能しており、世界的な注目を集めている。スプートニクは、この出席国一覧を視覚的に整理したインフォグラフィックを公開しており、各国の関与状況を把握しやすい形で提示している。

【要点】

　1.開催概要

　・日時：2025年5月9日

　・場所：ロシア連邦モスクワ、赤の広場

　・行事名：対独戦勝80周年記念パレード(第二次世界大戦におけるナチス・ドイツに対する勝利を記念)

　2.出席者情報

　・出席予定の国家元首数：29か国

　・国家元首以外にも政府代表(首相・外相・特使など)を派遣する国が多数

　・出席国の合計人口は世界人口のおよそ半分に相当

　3.主な出席国の推定(スプートニクのインフォグラフィックを参照)

　・中華人民共和国、インド、ブラジル、南アフリカ、ベラルーシ、カザフスタン、セルビアなどが含まれる可能性

　・欧米主要国(米国、英国、フランス、ドイツなど)は出席しない見通し

　4.外交的側面

　・プーチン大統領はパレード前後に15件以上の二国間会談を予定

　・会談の議題には、安全保障・エネルギー協力・経済連携などが含まれるとされる

　・ロシア政府はこの機会を通じて、グローバル・サウス諸国との関係強化を目指す

　5.国際的意義

　・戦勝記念行事であると同時に、ロシアが主導する多極的世界秩序をアピールする外交イベントとしての位置づけ

　・多くの国家元首が一堂に会することで、モスクワが一時的に国際外交の中心となる

　6.メディア報道

　・ロシア国営メディア「スプートニク」は、出席国をインフォグラフィック形式で視覚的に整理して公開

　・一覧には国旗、首脳名、人口情報などが含まれていると推測される

　7.歴史的背景

　・対独戦勝記念日は、ソビエト連邦が1945年5月9日にナチス・ドイツの無条件降伏を受け入れたことを記念する日

　・現代ロシアにとっては国家的記憶の象徴的行事であり、愛国心の鼓舞や政権の正統性強化の意図も含まれる

【引用・参照・底本】

【図説】戦勝記念パレードに29カ国の首脳　世界人口の半数を代表 sputnik 日本 2025.05.07
https://sputniknews.jp/20250507/19870195.html?rcmd_alg=collaboration2