第23回ChinaJoy(中国国際デジタルエンターテインメント産業博覧会)2026-08-02 22:06

Dolaで作成
【概要】

 2026年7月末に上海にて開催された第23回ChinaJoy(中国国際デジタルエンターテインメント産業博覧会)では、「AIと共にレベルアップ」をテーマに、AI技術が最大の注目点となった。39カ国・地域から約900社が出展し、ゲームの開発・制作・運用の各分野にわたるAI活用事例が紹介された。公式報告によれば、中国ゲーム産業におけるAI導入率は86.36%に達し、国内・海外市場ともに二桁成長を記録する中、AIは産業変革の主要な原動力と位置づけられている。
  
【詳細】 

 開催と出展の概要

 第23回ChinaJoyは2026年7月末に上海で開催され、39カ国・地域から計約900の出展者が参加した。会場ではAIを活用したゲーム開発のワークフローから、生演奏に合わせて動く人型ロボットまで、多岐にわたる先端技術が展示され、来場者はゲーム産業におけるAIの実装状況を体感した。

 各社の展示とAI活用の取り組み

 センチュリー・フアトン(CenturyHuatong)

 人型ロボットによる案内やAIが制作したテーマソングを導入したブースを出展し、ゲームIPの展示と体験型コンテンツを提供し、開幕日から多くの来場者を集めた。併設されたAI+LABゾーンでは、第2回「デジロン杯国際AIイノベーションコンテスト」の応募作品を展示した。同コンテストは2026年4月に開始され、AIゲーム・アプリケーション・エージェントの3部門で計約100点の応募があった。同社はゲーム開発向けAIエコシステムを長期的に構築しており、AIツールの導入により美術制作効率が60~80%向上し、コンテンツ開発期間が短縮されている。

 X.D.ネットワーク(X.D.Network)

 2026年初頭に自社開発のAIゲーム制作ツール「TapTapMaker」をリリースした。利用者がテキストで指示を記述すると、AIがプログラムコード・グラフィックス・音声を自動生成し、ゲームとして動作する状態まで仕上げる。これにより、プログラミング技術を持たない者でもゲーム制作が可能となり、また開発者にとっては試作段階の効率化に寄与する。リリース後半年間で4,699作品が制作され、その多くが初心者によるものであり、AIがゲーム制作の敷居を大幅に下げたことが示された。

 先端技術ゾーンと技術動向

 今回のChinaJoyでは新たに「先端技術未来ゾーン」が設置され、人型ロボット、ウェアラブル端末、空間コンピューティング、ハードウェアとソフトウェアを統合したAI応用製品が展示された。Unitree、LimXDynamicsをはじめとする技術企業が最新の成果を発表し、AIの役割が単なる補助ツールから一連のプロセスを担うシステムへと進化しつつある状況が示された。クアルコムは、AI機能を搭載したスマートフォン、ノートパソコン、イヤホン、スマートグラスといったエッジAI機器、ならびに複数のAI搭載ロボットを出展した。

 市場動向とAIの位置づけ

 中国オーディオビデオ・デジタル出版協会ゲーム出版委員会(CADPA)が発表したデータによると、2026年上半期の中国ゲーム市場の売上高は1884億4500万元に達し、前年同期比12.17%増となった。また中国のゲーム企業の海外売上高は123億7200万ドルで、前年同期比30.22%の大幅増を記録した。国内・海外ともに二桁の成長を達成する中、AIはゲーム産業の変革を牽引する主要な原動力とされている。

 CADPAの調査によれば、中国ゲーム産業におけるAI導入率は86.36%に上る。テンセントゲームズ、ネットイース・ゲームズ、フーヤなど代表的な22社を対象とした調査では、AIは「企画・美術・プログラミング・試験」のゲーム開発4工程のいずれにおいても広く活用されている。特に美術資材の制作における効率向上が顕著であり、加えて自動試験やNPCの知的制御などで効果を発揮している。ただし現在のAI活用は補助的な範囲にとどまり、人間を中心とした開発体制に置き換わる段階には至っていない。

 またガンマ・データ研究所の推計によれば、AI技術が本格的に普及し定着した場合、中国のゲーム産業に生み出される潜在的な市場規模は533億~846億元に達すると見込まれている。

【要点】

 ・2026年7月末の上海開催・第23回ChinaJoyにおいてAIが最大のテーマとなり、39カ国・地域から約900社がAI関連技術を出展した。

 ・中国ゲーム産業全体のAI導入率は86.36%に達し、開発の企画・美術・プログラミング・試験の全工程で活用が進み、特に美術制作の効率化が顕著である。
AIツールの普及により、初心者でもゲーム制作が可能となるなど、開発の敷居が低下している。

 ・2026年上半期の中国ゲーム市場売上高は前年同期比12.17%増、海外売上高は同30.22%増と堅調に成長し、AIは成長と産業変革の原動力と位置づけられている。

 ・現在のAI活用は補助的な段階にあり、人間中心の開発体制は維持されている。

 AIの本格普及により、533億~846億元の新たな市場価値が生み出される可能性があると推計されている。

【引用・参照・底本】

China's gaming industry embraces AI innovation at 2026 ChinaJoy held in Shanghai GT 2026.08.02
https://www.globaltimes.cn/page/202608/1367344.shtml

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