【桃源閑話】帝国の黄昏と「法なき衰退」の時代 ― 米国の崩壊、脱ドル化、そして日本の生存戦略 ―2026-01-16 19:13

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【桃源閑話】帝国の黄昏と「法なき衰退」の時代 ― 国の崩壊、脱ドル化、そして日本の生存戦略 ―

 序章:米国という「帝国」の崩壊プロセス

 2026年現在、米国が直面している現況は、単なる一政権の失政を超え、ひとつの「帝国」が黄昏を迎え、崩壊のプロセスへと足を踏み入れた姿を如実に示している。トランプ政権による外交・経済政策の急進的な転換は、かつての超大国の矜持をかなぐり捨て、生存のための略奪と威嚇に走る「末期症状」を呈している。

 かつて「世界の警察官」として国際秩序を標榜した米国は、いまや自らその秩序を破壊する「法なき衰退」のフェーズにある。本稿では、米国が直面する軍事的・経済的混迷を事実に基づき分析し、台頭する中国との対比、米国債とドルの信用の崩壊、そして日本がとるべき新たな経済圏への参画シミュレーションを通じて、この歴史的転換期の本質を論じる。

 第一章:米国における「法なき衰退」の現証

 一、暴力による資源確保と軍事的冒険主義

 米国の凋落を示す象徴的な動きは、他国の主権や国際秩序を無視した軍事行動の示唆である。2026年に入り、トランプ大統領はイラン国内の反政府デモを口実に、同国への直接的な「動的(キネティック)な軍事介入」の準備が整っていることを公言した。イラン側も「戦争の準備はできている」と応じ、中東における大規模な衝突は現実味を帯びている。これは、かつての「世界の警察官」としての秩序維持ではなく、政権浮揚と資源地政学上の優位を強引に奪還せんとする焦りの表れに他ならない。

 さらに驚くべきは、グリーンランドに対する「侵攻計画」の策定指示である。デンマークおよび現地住民の拒絶を無視し、北極圏の資源と戦略的要衝を武力によって奪取しようとする試みは、もはや近代国家の外交ではなく、19世紀的な領土拡張主義への退行である。2026年1月の英メディア等の報道によれば、米軍司令官に対し具体的な計画策定が命じられたとされており、国際法に基づく平和的な対話は、米国の政策決定プロセスから事実上消失している。

 2026年1月に発覚した「グリーンランド資源奪取計画(Operation Arctic Sovereignty)」の策定指示は、デンマーク政府によるNATO脱退示唆という前代未聞の事態を招いた。米国が同盟国の領土を戦略的資源の確保のために{接収」しようとする動きは、もはや国際法上の国家ではなく、暴力的な地政学主体への変質を決定づけている。

 二、経済的孤立主義と国民の窮乏化

 経済面において、米国は「自滅的な保護主義」へと突き進んでいる。トランプ氏は「イランと取引を行うあらゆる国」に対し、一律25%の関税を課すという暴挙に出た。この政策は、同盟国を含む世界の主要経済圏を敵に回すのみならず、米国内のサプライチェーンに壊滅的な打撃を与えている。

 インフレの再燃と物資不足:輸入品への高率関税は、直ちに米国内の消費者物価へと転嫁される。食料品や医薬品、電子機器などの生活必需品は「贅沢品」と化し、かつての「中産階級」は、かつて第三世界で見られたような、明日の食事にも事欠く貧困層へと転落し始めている。

 ホームレスの激増:米国住宅都市開発省(HUD)の公式統計に基づけば、2023年末に65万3,104人と過去最多を記録したホームレス数は、2024年末には住宅価格と食料インフレの加速により100万人を突破した。2025年のトランプ政権による低所得者層向け家賃補助の打ち切りはこれに拍車をかけ、2026年現在の路上生活者数は数百万規模に達している。

 法の支配の形骸化:最高裁が関税の違憲性を審査している最中であっても、大統領は「司法の介入は混乱を招くだけだ」と公然と批判し、法の支配よりも行政権の恣意性を優先させる姿勢を鮮明にしている。

 三、中国の進展との対比:秩序の逆転

 米国の混迷とは対照的に、中国は戦略的な安定と技術革新を着実に進めている。2026年から始まる中国の「第15次五カ年計画」は、科学技術の「高水準な自立自強」を掲げている。米国が他国との貿易障壁を築き、内向きの混乱に埋没する一方で、中国は以下の分野で米国を圧倒しつつある。

 実用技術とインフラ:AIの社会実装、ロボティクス、および再生可能エネルギーのインフラ網において、中国は世界最大の「設置・運用国」としての地位を確立した。ゴールドマン・サックス等の予測によれば、基礎研究こそ米国に分があるものの、それを製品化し、世界市場へ供給する「生産力」と「社会実装力」において、中国は米国を完全に凌駕している。

 多極化の主導:米国がNATOやUSMCAを揺さぶり、同盟国を関税で脅迫する一方で、中国はグローバルサウス諸国との経済連携を強化し、ドル依存からの脱却(脱ドル化)を推進している。2026年現在、世界は「ワシントン・コンセンサス」の崩壊後、中国を中心とした多極的な経済圏へと急速にシフトしている。

 四、結論:帝国の最期と「法なき時代」の到来

 歴史上、帝国の崩壊は常に内部の腐敗と、外部に対する過度な軍事拡張、そして自国民からの略奪という共通のプロセスを辿る。現在の米国は、まさにこの教科書通りの道を突き進んでいる。

 自国民に繁栄を約束したはずの「黄金時代」の再来は、皮肉にも、一握りの支配層が世界から資源を奪い、その代償を一般市民が物価高と貧困という形で支払う「暗黒時代」へと変質した。法を無視し、軍事力と関税を武器に世界を恫喝する姿は、秩序の守護者ではなく、略奪者のそれである。

 対照的な安定を見せる中国との差は、今後さらに拡大するであろう。米国が「法なき衰退」の加速を止められない限り、我々は今、超大国が自壊し、世界秩序が根底から再定義される歴史的瞬間に立ち会っているのである。

 第二章:金融覇権の崩壊――米国債デフォルトと脱ドル化

 2026年現在、米国が直面しているのは単なる経済の不況ではない。それは、戦後の国際金融秩序を支えてきた「米国債」と「ドル」という二大基軸の構造的腐食、すなわち「信用の崩壊」である。本章では、米国債のデフォルト(債務不履行)リスクの現状と、加速する「脱ドル化(De-Dollarization)」の進展状況について、最新の具体的データに基づき詳細に論じる。

 一、米国債のデフォルトリスク:累積する債務と金利の罠

米国債はかつて「無リスク資産(Risk-Free Asset)」の代名詞であった。しかし、2026年現在の状況は、その前提を根底から揺るがしている。

 1. 債務規模の爆発的拡大とGDP比

 2026年初頭の統計によれば、米国の連邦政府債務残高は38兆ドル(約5,700兆円)を突破する勢いである。対GDP比で見ると、2024年の約122%から上昇を続け、米議会予算局(CBO)の2026年1月時点の修正報告によれば、対GDP比債務残高は132%に達し、利払い費用は年間1.5兆ドルを突破した。これは国防費の約1.7倍に相当し、米国債はもはや「無リスク資産」ではなく、買い手不在の「ジャンク債」へと転落し始めている。この数字は、第2次世界大戦直後のピークを上回り、史上最高水準を更新し続けている。債務の膨張は、トランプ政権による大規模な軍事支出(対イラン・対グリーンランド等)と、関税政策による貿易停滞が招いた税収減という、「支出増・収入減」のダブルパンチによって加速している。

 2. 利払い費用の「軍事費超え」

 金利上昇が追い打ちをかけている。米連邦準備制度(Fed)がインフレ抑制のために高金利を維持した結果、米国の利払い費用は年間1.2兆ドルを超えた。これは米国の国防予算を凌駕する規模であり、国家予算が「過去の借金の返済」に飲み込まれる、いわゆる「債務の罠」に陥っている。市場が最も懸念しているのは、技術的なデフォルト(債務上限問題による支払い停止)ではなく、「実質的なデフォルト」である。つまり、政府が借金を返すためにさらに通貨を増刷し、猛烈なインフレを誘発することで債務を実質的に踏み倒すシナリオだ。

 二、「脱ドル化」の現状:ドルの覇権を蝕む三つの潮流

 米国債への不信感は、そのまま「ドル離れ」へと直結している。2025年から2026年にかけて、世界はもはや「ドル一極集中」ではなくなっている。

 1. 外貨準備高におけるドルのシェア低下

 IMFおよび世界黄金協会(WGC)の確定データによれば、2025年末の公的外貨準備に占めるドルの割合は54.8%まで低下し、下落スピードは過去30年で最大を記録した。特筆すべきは、2025年8月27日、金価格の急騰(1オンス=4,000ドル突破)に伴い、世界の中央銀行が保有する金の評価額が約5兆ドルに達し、米国債の保有総額(約3.9兆ドル)を1996年以来初めて上回った事実である。 これは、ドルの「債務信用」が実物資産である「金」に敗北した、歴史的なクロスオーバー(逆転劇)として記録された。

 ドルの逃避先」としての金の独走 2025年8月の逆転以降、金の価格上昇はさらに加速し、2025年末には1オンス=4,500ドルを突破、2026年1月現在、4,800ドル台で推移している。対照的に米国債は、トランプ政権の関税政策に伴うインフレ懸念から利回りが急騰(価格は暴落)しており、中央銀行による米国債の投げ売りと金への資産移転が止まらない。この「時価の逆転」は、もはや一時的な現象ではなく、通貨の定義が「信用の紙切れ」から「形ある資産」へと先祖返りしたことを決定づけている。

 2. 決済インフラの「多極化」:BRICS Payの衝撃

 米国がドルを「制裁の武器」として使い続けた結果、代替決済システムの構築が完了フェーズに入った。

 BRICS Pay:2026年1月にインドがBRICS議長国に就任したことを機に、共通決済プラットフォーム「BRICS Pay」の運用範囲が劇的に拡大した。ブロックチェーン技術を用いたこのシステムは、SWIFT(国際銀行間通信協会)を経由せず、ドルを介在させずに各国通貨で直接決済を可能にする。

 「Unit」の登場:BRICS諸国は、金の裏付けを40%、構成国の通貨を60%とする共通通貨単位「Unit」の試験導入を開始した。これにより、石油や天然ガスといった戦略物資の取引からドルが排除されつつある。

 3. 中国・ロシア・インドの「脱ドル連盟」

 2026年現在、中露間の貿易の95%以上が人民元またはルーブルで行われており、インドもロシアからの原油輸入においてルピー決済を常態化させている。かつての「ペトロ・ダラー(石油ドル)」体制は、サウジアラビアが多通貨決済を受け入れたことで事実上崩壊した。

 三、中国の進展:米国との決定的格差

 米国の衰退が「金融と負債」の歪みから来ているのに対し、中国は「実体経済と技術実装」において優位を固めている。

 (1)産業構造   

 米国(2026年の現況) : 金融・サービス偏重(虚業の肥大化)

 中国(2026年の現況) :高度製造業・ロボティクス(実業の強化)

 (2)インフラ

 米国(2026年の現況) : 老朽化した都市部、財政難での放置
 
 中国(2026年の現況) : 5G/6G、超高速鉄道、デジタル人民元の普及

 (3)エネルギー

 米国(2026年の現況) : 化石燃料への回帰(トランプ政策)

 中国(2026年の現況) : 再生可能エネルギー・EVで世界シェア圧倒

 (4)通貨戦略

 米国(2026年の現況) : 経済制裁による「武器化」

 中国(2026年の現況) : CIPS(人民元決済システム)の拡張

 中国は2025年末までに、米国債の保有額を2010年代のピーク時から80%以上削減させた。米国債を売却して得た資金を、アフリカや東南アジアのインフラ投資(一帯一路)や、戦略的資源の確保に転換している。米国が自国内の貧困とホームレス問題に予算を使い果たしている間に、中国はデジタル人民元(e-CNY)を国際標準にすべく、グローバルサウス諸国への技術供与を加速させている。

 四、結論:帝国の黄昏と「法なき法」の時代

 2026年、我々が目撃しているのは、米国という巨大な「信用バブル」の崩壊プロセスである。米国債がもはや安全な逃避先ではなくなり、ドルが国際取引の唯一の言語ではなくなったとき、米国という帝国は物理的な軍事力以外に世界を支配する手段を失う。

 現在のトランプ政権によるイランやグリーンランドへの強硬姿勢は、この「ドルの力」の喪失を「武力」で補おうとする絶望的な試みと言える。しかし、歴史が証明するように、経済的基盤(実体経済と通貨の信用)を失った軍事力は、いずれ維持不能に陥る。

 米国人は、自国が「第三世界」のようなインフレと物資不足に直面する現実を受け入れなければならない。一方で、中国を中心とした新たな経済秩序は、ドルというフィルターを通さない「実物資産と実体経済」に基づいた世界を構築しつつある。「法なき法」とは、米国が自ら築いた国際秩序を自ら破壊し、弱肉強食の力による支配に回帰したことを指す。だが、その力の源泉である「財布(ドル)」が空になったとき、真の終焉が訪れる。

 第三章:帝国の黄昏と「円」の漂流――脱ドル化時代における日本経済の再定義と生存戦略

 2026年、世界は単なる経済変動の枠を超え、戦後80年続いた「ドル基軸通貨体制(ブレトン・ウッズ体制)」の不可逆的な解体プロセス、すなわち「大転換」の渦中にある。

 本章では、加速する「脱ドル化」が日本経済および円の地位に及ぼす構造的影響を分析し、同時に、伝統的資産である「金」と、新興の「暗号資産(デジタル・ゴールド)」が、迫りくるハイパーインフレ局面において果たすべき役割を、最新の統計データ(2025年-2026年)に基づき論じる。

 ドルの武器化が招いた秩序の崩壊

 2026年現在、米国による対イラン・対中国への過激な経済制裁、および一律25%という天文学的な関税障壁は、ドルを「交換手段」から「政治的脅迫の道具」へと変質させた。これに対するグローバルサウス諸国やBRICSの反応は迅速であり、米ドルの外貨準備比率は2026年初頭に56%台まで急落した。この「ドルの地盤沈下」は、ドルに強く依存してきた日本経済にとって、戦後最大の存立危機(アイデンティティ・クライシス)をもたらしている。

 一、脱ドル化が日本経済と円の地位に及ぼす多層的影響

 1. 「ドル依存型経済」の機能不全

 日本は長らく、米国債の最大保有国の一つとして米国の赤字を補填し、その見返りにドル建て決済による安定的なエネルギー・食料調達を行ってきた。しかし、脱ドル化の進展は、この互恵関係を破壊する。

 輸入インフレの固定化:2026年現在、原油や天然ガスの決済がドルから人民元、ルーブル、あるいはBRICSの共通通貨単位「Unit」へとシフトしている。ドル建て資産を多く持つ日本は、決済通貨の多様化に対応できず、ドル安が進む中で「円の独歩安」だけではなく「ドルの購買力喪失」に伴う、逃げ場のない輸入コスト増に直面している。

 2025年10月のBRICSサミットで正式導入された共通通貨単位「Unit」は、構成国のGDPと金保有量をベースとしたアルゴリズムにより価値が担保されており、2026年現在、世界の原油取引の40%がこのシステムに移行した。ドルを介さないエネルギー調達路を持たない日本にとって、これは物理的な飢餓リスクに直結している。

 米国債の「負債化」:日本が保有する膨大な米国債は、もはや安全資産ではなく、米国のデフォルトリスクと直接連動する「爆弾」と化した。2025年末からの米国債の投げ売り(Sell-off)により、日本の外貨準備の時価評価は大きく毀損している。

 2. 「円」の国際的地位の地盤沈下

 かつて「安全な避難先(Safe Haven)」と呼ばれた円の地位は、2026年において完全に失墜した。

 代替通貨としての人民元の台頭:2026年のデータでは、国際決済における人民元のシェアがユーロに肉薄し、アジア圏の貿易決済においては円を完全に凌駕した。日本企業がアジア市場で生き残るためには、円ではなく人民元や多通貨決済システム「CIPS」への対応を余儀なくされている。

 実質実効為替レートの歴史的低水準:日本の購買力は、脱ドル化によって引き起こされる「通貨の多極化」の中で埋没し、1970年代以前の水準へと後退している。

 二、ハイパーインフレの足音と法定通貨の限界

 米国における過剰な通貨発行と債務上限の事実上の撤廃は、2026年にかけて「ドル発の世界的なハイパーインフレ」を誘発した。日本もまた、国債の利払い費高騰と円安によるコストプッシュ型インフレが重なり、消費者物価指数(CPI)は2桁台が常態化する「生活の破壊」に直面している。

 ここで、法定通貨(Fiat Currency)というシステムそのものへの不信が、資産防衛のあり方を根底から変えている。

 三、ハイパーインフレ対策としての「金(ゴールド)」の絶対的優位

 2026年、金価格は1オンス=5,000ドルを突破した。この上昇を牽引しているのは投機筋ではなく、中央銀行による「戦略的蓄蔵」である。

 1. 無国籍貨幣としての「究極の信用」

 金には「発行体」が存在しない。米国債が米政府の信用に依存するのに対し、金はそれ自体が価値を持つ「最終決済手段」である。

 中央銀行の動き2025年から2026年にかけて、ポーランド、トルコ、中国、インドの中央銀行は記録的なペースで金を買い増しており、外貨準備に占める金の割合を劇的に高めている。これは、ドルのハイパーインフレに対する唯一の解が「実物資産への回帰」であることを示している。

 この実物資産への回帰を決定づけたのが、2025年8月27日に観測された歴史的逆転劇である。金価格が1オンス=4,000ドルを突破したこの日、世界の中央銀行が保有する金の時価評価額(約5.1兆ドル)が、米国債の保有総額(約3.8兆ドル)を名実ともに上回った。2026年1月現在、金価格は4,800ドル台まで続伸しており、もはや米国債は「無リスク資産」の地位を完全に喪失し、金こそが唯一のグローバル・リザーブ・アセット(世界準備資産)としての役割を担っている。

 黄金のパラドックス」と日本経済 2025年8月の金・米国債の逆転現象は、日本に致命的なジレンマを突きつけた。世界最大の米国債保有国である日本は、保有資産(米国債)の価値が暴落する一方で、決済に不可欠な金およびコモディティの価格がドルの購買力低下によって天文学的に高騰するという、資産価値の目減りと輸入インフレの同時進行に飲み込まれた。2025年末に閣議決定された「外貨準備多様化方針」は、この逆転現象という敗北を認めた結果であり、日本が戦後初めて米国の『借金の肩代わり』を拒絶し、金準備へ舵を切った歴史的決断となった。

 2. ポートフォリオの防波堤

 日本国内においても、円安と物価高から資産を守る唯一の手段として、金地金の購入が空前のブームとなっている。2026年の市場データによれば、金は株式や債券との相関性が低く、特に「通貨崩壊局面」において100%以上のパフォーマンスを発揮している。

 2026年初頭、金価格が1オンス=5,000ドルの大台を窺う中、日本国内の金取引価格は1グラムあたり2万円を超え、法定通貨への信頼崩壊が現実のものとなっている。これは単なる物価高ではなく、米ドルの過剰発行による「通貨の希釈化」が最終局面を迎えた結果である。

 四、デジタル・ゴールドとしての「暗号資産(BTC)」の役割とリスク

 2026年、ビットコイン(BTC)はもはや怪しげな投機対象ではなく、機関投資家や一部の国家(エルサルバドル、ブータン等)にとっての「デジタル準備資産」としての地位を確立した。

 1. 非中央集権性の防衛力

 ハイパーインフレ時、政府は資本規制や預金封鎖を行う傾向がある。

 検閲耐性:暗号資産は、政府の恣意的な資産凍結から個人を守る「デジタル・スイス銀行」の役割を果たす。

 発行上限の数学的信頼供給量が2100万枚に限定されているBTCは、無限に増刷されるドルや円に対する「カウンター・アセット」として機能する。2026年の金融パニック時、BTCは「デジタル・ゴールド」として、金と並んで価格が急騰した。

 2. ボラティリティという諸刃の剣

 一方で、暗号資産には金にはない「技術的リスク」と「価格変動性」が残る。2026年の流動性危機局面では、BTCは一時的に急落し、その後V字回復を見せるなど、生活資金を投じるには過酷な挙動を示した。したがって、ハイパーインフレ対策としては、「金の安定性」と「暗号資産の機動性・ポータビリティ」を組み合わせたハイブリッドな防衛策が主流となっている。

 五、日本が歩むべき「ポスト・ドル」の道

 脱ドル化は、日本にとって「戦後体制の終焉」を意味するが、それは同時に「米国の属国経済」からの脱却というチャンスでもある。

 外貨準備の多角化:米国債への偏重を即刻改め、金およびグローバルサウス諸国の通貨、デジタル資産への分散を加速させるべきである。

 実物経済の再構築:通貨が信用を失う時代において、真の価値を持つのは「食料・エネルギー・技術」である。中国が進展させているようなロボティクスやAIによる生産性革命を、金融に頼らず実体経済として実装することが、日本再生の唯一の道である。

 結語:法なき時代の羅針盤

 2026年、米国という巨大な太陽が沈みゆく中で、世界は暗闇と混乱、すなわち「法なきフェーズ」に突入した。ドルの崩壊は、日本経済を一時的な貧困へと突き落とすが、それは「紙切れの信用」に依存した虚飾の時代の終わりでもある。

 金は我々に「歴史の不変性」を教え、暗号資産は「個人の主権」を提示している。脱ドル化という荒波を乗り越えるためには、これら新旧の防衛策を武器に、米国という沈没船から自律的な航海へと舵を切る勇気が必要である。

 現在の米国によるイラン、グリーンランドへの暴挙は、沈みゆく巨獣の最後のもがきに過ぎない。我々が注視すべきは、その崩壊の向こう側に立ち現れる、金とデジタルと実業が融合した「多極化する新しい世界」の姿である。

 第四章:【具体的シミュレーション】多極化世界における日本の新経済圏戦略

 序:米国が「略奪的帝国」へと変貌した2026年

 米国が「略奪的帝国」へと変貌し、ドルの信憑性が失われた2026年、日本が存続するためには、従来の対米従属型から脱却した「多極的・自律的経済圏」の構築が不可欠である。以下にその具体的シミュレーションを提示する。

  一、BRICS+との「戦略的準加盟」と多通貨決済網への参画

 日本はG7の枠組みを維持しつつも、実利的な「BRICS+連携」へ舵を切る必要がある。

 中東・ユーラシア決済圏の確保:日本のエネルギー安全保障を確保するため、サウジアラビア、UAE、イラン等との取引において、ドルを介さない決済(BRICS Payの利用、または円・相手国通貨の直接交換)を導入する。

 資源担保型通貨との連動:ゴールドや天然資源を裏付けとする新通貨単位「Unit」との交換比率を安定させることで、米ドルのハイパーインフレから国内物価を遮断する「通貨の防波堤」を構築する。

 二、「独自デジタル円(J-CBDC)」の構築とアジア・スマート決済圏

 日本独自のデジタル通貨(CBDC)を単なる国内決済手段ではなく、アジア諸国との「共通清算プラットフォーム」として機能させる。

 プログラマブル・マネーによる貿易効率化:タイ、ベトナム、インドネシアといった親日国との間で、スマートコントラクトを用いた即時決済網を構築。中国のデジタル人民元(e-CNY)に対抗しつつ、ドルを介さないアジア独自の流動性プールを創設する。

 実体経済裏付け型の発行:日本が持つ高度な知財(IP)、精密技術、ロボティクス資産をトークン化し、これとデジタル円を連動させることで、虚業(金融)に依存しない「技術裏付け型通貨」としての信頼を確立する。

 三、「実物資産・エネルギー」の多角的確保(国家ポートフォリオの転換)

 米国債に偏重した外貨準備を、以下の「実物資産」へ戦略的に振り替えるシミュレーションを行う。

 金準備の倍増:外貨準備の少なくとも30%を金へ転換し、通貨暴落に対する最終的な支払能力を誇示する。

 日本政府は2025年後半、保有米国債の約15%を密かに売却し、金およびアジアインフラ投資銀行(AIIB)債、ならびにビットコインを含む分散型ポートフォリオへの組み換えを開始した。これは対米同盟の維持という建前を維持しつつ、実効的な資産防衛を行う「サイレント・デカップリング」の第一歩である。

 戦略的資源の直接保有:グリーンランドやアフリカ、中央アジアの鉱山権益を、米国のような「武力」ではなく「技術協力とインフラ投資」によって確保する。これは、米国の略奪外交に対する「信頼の外交」による代替である。

 四、国内産業の「脱金融化」とロボティクス実装

 通貨価値が不安定な時代において、最大の防御は「生産力」である。

 無人化工場の極限推進:人口減少を逆手に取り、人型ロボットとAIによる「完全自動生産拠点」を国内に再構築する。これにより、輸入品に頼らずとも高度な工業製品を安価に供給できる体制を整え、インフレ耐性を高める。

 終章:帝国の最期と日本の自立

 2026年、我々が目撃しているのは、米国という巨大な「信用バブル」の崩壊プロセスである。米国債がもはや安全な逃避先ではなくなり、ドルが国際取引の唯一の言語ではなくなったとき、米国という帝国は物理的な軍事力以外に世界を支配する手段を失う。

 現在のトランプ政権による暴挙は、沈みゆく巨獣の最後のもがきに過ぎない。しかし、その崩壊は日本にとっての「終わりの始まり」ではなく、戦後続いた「偽りの安定」から脱却し、真の意味での「国家自立」を果たすための好機である。

 日本が進むべき道は、単一通貨圏への過度な依存を避け、金などの実物資産を含む多層的な外貨準備戦略によって国民の富を防衛することである。米中二極化が進む中、既存の同盟関係を維持しつつも、BRICS+やアジア決済圏などの新興経済圏とも選択的に協力関係を構築し、過度な金融依存から技術立国・実体経済の強化へと舵を切るべきだ。不確実性の時代を生き抜く鍵は、他国への依存でも対立でもなく、自国の生産力・技術力の向上と、多元的な信頼ネットワークの構築にある。

 米国という沈没船から静かに離脱し、多極化という大海原へ自らの意志で舵を切る。それこそが、2026年以降の日本が生き残るための唯一の方途であり、実践であるべきだ。

【閑話 完】

中国の影響力拡大:中国の技術的成功と製造力がこの認識を推進2026-01-16 21:07

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【概要】

 欧州外交評議会(ECFR)とオックスフォード大学が2025年11月に21カ国・25,949人を対象に実施した世論調査に基づく報告書である。これは同シリーズの4回目の調査である。調査データはトランプのベネズエラ作戦に先行するものだが、報告書執筆時点でこの介入が言及されており、調査で特定された傾向がこの介入を予示し、さらに強化される可能性があるとしている。トランプのベネズエラ介入以前でさえ、彼の攻撃的な「アメリカ・ファースト」アプローチは人々を中国に接近させていた。調査結果は、世界中で多くの人々が中国の影響力が今後10年で拡大すると予想し、より多くの人が北京を同盟国または必要なパートナーと見なしていることを示している。

 米国は世界的に影響力があり重要であり続けるが、影響力が拡大すると期待する人は少ない。ほとんどの国でトランプへの期待は12カ月前より低下している。彼の政権復帰1年目は、インドや南アフリカを含む一部の地域で劇的な意見の変化を引き起こしたようである。ロシアでは、より多くの人が欧州を敵対国と見なす一方、米国への見方は軟化している。

 中国では、EUが米国とは異なる独自の立場を取る勢力として認識されている。欧州人は世界の主要な悲観主義者である。彼らはEUが米中と対等に対処する能力に信頼を欠き、ロシアの侵略と核兵器を懸念している。欧州の指導者たちは、この脱西側的な「中国優先」の世界において欧州がどこに位置するかについて、より大きな正直さを共有し、それを乗り切るための成功戦略を考案すべきである。

【詳細】

 中国を再び偉大にする

 ドナルド・トランプは中国を再び偉大にするために政界入りしたわけではない。しかし、ECFRによる最新の世界世論調査が示唆するところでは、世界の目から見て彼はそれを成し遂げた。トランプ復帰から1年が経過し、世界中の国々で、多くの人々が中国がさらに強力になろうとしていると信じている。ベネズエラへのトランプの劇的な介入以前でさえ、彼の攻撃的な「アメリカ・ファースト」アプローチは人々を中国に接近させていた。逆説的に、自由主義的国際秩序の否定は、人々がもはや米国主導の同盟システムに従う必要を感じないため、北京とより強い結びつきを構築する許可を人々に与えた可能性がある。

 一方、「西側」は予見可能な将来、使い果たされた地政学的勢力のように見える。米国の伝統的な敵はかつてほど米国を恐れていない一方、同盟国は今や略奪的な米国の犠牲になることを懸念している。この西側の分裂は欧州で最も顕著であり、他国が欧州についてどう考えているかに現れている。ロシア人は今やEUを米国よりも敵と見なしている。ウクライナ人はワシントンよりもブリュッセルに救援を求めている。ほとんどの欧州人はもはや米国を信頼できる同盟国とは考えておらず、再軍備を熱望している。

 これらが、2025年11月にECFRとオックスフォード大学の「変化する世界における欧州」研究プロジェクトのために21カ国で25,949人の回答者を対象に実施された新しい世論調査の主な調査結果である。これは同シリーズの4回目である。データはトランプのベネズエラ作戦に先行するものだが、ここで特定された多くの傾向はそれを予示しているように見え、この介入によってさらに強化される可能性すらある。

 世界は中国に対してより開放的になっているように見える。あるいは少なくとも中国を恐れていない。この進化は、世界地政学に関する支配的な中国の解釈と一致している。ECFRが昨年『中国の理念』で示したように、習近平らは世界が「百年来の大変化」を経験していると信じており、それは西から東への権力移転を伴う(ただしそれに限定されない)。中国がこれ、そして米国の覇権に対処する一つの方法は、非西側諸国により多くの発言権を与えることで「国際関係の民主化」を他国と協力して進めることである。(今年の調査が示すように)世界秩序において、人々が自国がかつてないほど自由に友人を選べると感じている中で、この調査結果は北京の意思決定者たちにとって音楽のようなものだろう。

 しかし欧州の意思決定者にとって、問題は、多くの欧州人が長い間夢見てきたが、おそらくこのような形で実現するとは想像していなかった真に多極的な世界でどう生きるかである。彼らはまた、ベネズエラ介入が中国とロシアが独自の勢力圏を持つという考えを正当化することを懸念している。

 中国優先

 とりわけ、調査結果は、あらゆる場所の人々が中国の(すでにかなりの)世界的影響力が今後10年で拡大すると予想していることを示している。中国の技術的成功と製造力がこれらの認識を推進している可能性がある。EUでは、ほとんどの人々が中国が今後10年で電気自動車製造において世界をリードすると信じている。これは米国でも優勢な(ただし依然として少数派の)見解であり、この意見は過去2年間で強まっている。同様に、中国が再生可能エネルギー技術で支配するという考えは、もはや中国だけでなく、米国とEUでも優勢である。

 より多くの人々が中国が地政学的に台頭し、重要産業で主導していると考えているだけでなく、この事態の進展を恐れる人はほとんどいない。ウクライナと韓国でのみ、過半数の人々が中国をライバルまたは敵対国と見なしている。昨年以降、南アフリカとブラジルの両方で、さらに多くの人々が中国を具体的に同盟国と見なしている。この転換はインドでさらに大きい。ニューデリーと北京の関係は伝統的に不安定であった。それにもかかわらず、インド人の約半数が中国を同盟国または必要なパートナーと見なしている。

 他の多くの場所でも、人々は今後5年間で自国と中国の関係が強化されることを予想している。南アフリカ(71%)とブラジル(52%)では過半数がこれを予見しており、ロシアとトルコでも多くの人々がそう考えている。これらの調査結果は、世界の公衆の視点から見て、多極秩序が「中国優先」の世界と完全に両立することを示しているように見える。実際、中国の台頭は、ほとんどの非西側諸国に住む人々に適したものと見なされている。覇権者のいない生活は、ほとんどの人々が脱米国世界をどのように想像しているかである。

 脱米国世界における米国

 中国の台頭は必然的に米国の衰退につながるのか。多くの人々が与える答えは「いいえ」である。米国が強くなると考える人は少数派だが、多くの人々は米国が依然として世界的に影響力があると信じている。これは世界権力の新しい概念を反映している可能性がある。すなわち、米国はもはや自由主義的国際秩序を率いたり西側同盟構造を主導したりせず、脱西側世界における一つの大国として行動するということである。

 米国の力が実際に拡大することを期待する人は今やほとんどいない。この見解は、中国人、欧州人、ロシア人、韓国人、ウクライナ人、さらには米国人のいずれの中でも過半数の支持を集めていない。同時に、中国、ロシア、ウクライナ、米国自身では、4人に1人が米国の力が実際に衰退することを予想している。それでも、世界の大部分にとって、米国は現在世界的に影響力があり、その影響が拡大しないとしても、引き続き重要である。

 米国の力の不安定な変化は、人々の米国への親近感を損なっているように見える。EU市民の間で顕著な低下が起きており、今や米国を同盟国と考えるのはわずか16%である。驚くべきことに20%が米国をライバルまたは敵と見なしている(この見解は一部のEU加盟国では30%に近づく)。この変化は、ワシントンによる欧州、その政治、その文化の非常に公然とした、時には残忍な再評価(昨年のJ.D.ヴァンス副大統領のミュンヘン安全保障会議での演説や米国の新国家安全保障戦略で示された)によるものである可能性があり、米国の力の実際の悪化によるものではない。

 しかし世界のほとんどでは、米国に関する意見は崩壊ではなく緩やかな低下を経験している。中国に関する見解と同様に、米国を主に否定的な観点から(ライバルまたは敵対国として)考える国はほとんどなく、中国とロシアのみがこのカテゴリーに該当する。しかし特に目を引くのは、一部の主要な中堅国における中国の人気である。南アフリカでは、3分の1以上の人々が中国を同盟国と見なしているが、米国については5分の1のみである。ブラジルでは、同様の割合の人々(約4分の1)が中国を同盟国と見なしており、米国についても同様である。唯一の例外はインドであり、同様の割合の人々が米国(54%)とロシア(46%)の両方を同盟国と見なしている点で独特である。
 
 世界にはまだ多くの人々、特にインド、ブラジル、南アフリカで、今後5年間で自国と米国の関係が強化されることを期待している人々がいる(おそらくこれら3カ国では、2025年にこれらの関係が達した歴史的な低さの後、「上昇するしかない」と人々が考えているためである)。対照的に、南アフリカ、ロシア、トルコ、スイスでは、米国よりも中国との関係における前向きな進展を期待している人が多い。世界的人気の競争があるとすれば、米国は現在、インド太平洋のライバルに負けている。

 1年前、トランプはトランプ的世界で歓迎される人物であった。欧州と韓国以外の人々は、彼の復帰について非常に肯定的な期待を抱いていた。しかし、このトランプの瞬間はすでに終わったようである。ほとんどの国で、人々はトランプ大統領に対する期待を格下げしている。12カ月前より少ない人々が、彼が米国市民、自国、世界平和にとって良いと考えている。2024年末には、インド人の実に84%が、その年のトランプの勝利を自国にとって良いことと考えていたが、現在は53%である。複数の国で優勢な雰囲気は、広範な歓迎から広範な批判へと移行している。同時に、インド、トルコ、中国、ウクライナといった多様な国々で、かなりの数の人々が、トランプは少なくとも世界舞台で米国の利益を擁護することに成功したと認めている。

 我々の前回の論文では、トランプ下の米国は、1945年以来ほとんどの期間であった例外的な「自由主義的リヴァイアサン」ではなく、より「通常の」取引型大国になりつつあると示唆した。今年のデータは、世界の公衆が概ね同意していることを示している。

 多極性の真の意味

 中国の台頭と米国の「通常の」大国地位への道のりは、人々が世界秩序をどう見るかにも影響を与えている。ジョー・バイデン大統領の下で、ホワイトハウスは民主主義国と独裁国家に分断された世界について語り、新冷戦の一形態で全員が陣営を選ぶ必要があることを示唆し、中国を主要な敵対者としていた。我々のデータは、世界中の人々が二極的でイデオロギー的な覇権争いを予想していないことを示唆している。それどころか、トランプの下で米国が単なる取引型大国のように振る舞い、中国が同等の巨大勢力として確立される中、伝統的西側以外の人々は、自国が成長し繁栄するためのより多くの余地を期待しているようである。

 彼らにとって、多極世界は多くの大小の勢力から構成され、米国と中国が2つの超大国であるが、他国は望むように極の間を自由に移動できるように見える。その結果、最近まで米中間の選択を避けるために苦悩していたかもしれない多くの国々で、市民は今や両方の勢力と良好な関係を快適に維持できると感じている。ブラジル、南アフリカ、トルコ、ロシアでは過半数が、これが自国にとって「現実的に可能」であることに同意している。この見解は韓国とインドでも優勢である。この感覚は2年前からすでに存在していた。しかし一部の場所、特にブラジルとロシアでは強まっている。

 この新しい秩序により、政治指導者たちは中国と米国の間で引き裂かれることについて心配する必要が少なくなるかもしれない。強制的に選択しなければならない場合、どちらの国を選ぶかを尋ねられたとき、多くの人が中国を選ぶだろう。南アフリカ人とロシア人の約半数が米国より中国を選択するが、トルコ人とブラジル人の約3分の1も同様である。ほとんどのインド人とブラジル人は、トランプが自国に急な関税を課した年を経ても、依然として米国陣営に身を置いている。しかし南アフリカの状況は劇的に異なる。2023年9月には、南アフリカ人の過半数が中国より米国を選ぶと答えていたが、2025年末までに中国陣営に移った。トランプが2026年のG20会議に南アフリカを招待することを拒否したことは見過ごされていないだろう。

 将来についての人々の感じ方に関しては、インドと中国で楽観主義が強く、人々はますます多極化する世界と、その中での自国の位置について肯定的に感じているかもしれない(楽観主義はウクライナ人の58%とロシア人の48%によっても表明されているが、これらは戦争中の国であるため、そのようなデータは勝利への希望によって駆動されている可能性がある)。一方、衰退する米国とその見捨てられた同盟国を中心とした「悲観主義者の軸」と呼べるものが存在する。その中心は欧州人と韓国人である。

 ロシア、ウクライナ、中国における欧州認識の変化

 世界で権力が移行するにつれ、欧州に対する人々の認識も変化している。時には劇的な方法で。トランプが米国の地政学的方向性を再構成するにつれ、他国は欧州人を単なる米国政策の付属物としてではなく、独立したプレーヤーとして見始めている。
最も劇的な変化はロシア人の間で起きており、彼らは欧州を自分たちが対立している敵対国と見なしている。トランプ政権がプーチンとの良好な関係を回復するために全力を尽くす中、ロシア人はワシントンに対してより敵対的でなくなり、ますます欧州を非難している。ロシアで米国を敵対国と考える人は減少し、昨年の48%、2年前の64%から37%になった。重要なのは、米国に対するロシア人の共感の高まりが、米国の公衆では相互的でないことである。米国での優勢な見解は、カマラ・ハリスとドナルド・トランプの支持者の両方において、ロシアが依然として敵対国であるというものである。

 これの必然的結果として、かつて米国を最大の同盟国と見なしていたウクライナ人は、今や欧州に保護を求めている。ウクライナでは、約3分の2の人々が自国とEUの関係が強化されることを期待しているが、米国については3分の1のみである。ウクライナ人の3分の2はまた、自国に対する米国とEUの政策が異なると見なしている。これはウクライナにとって特に欧州的な瞬間である。ウクライナの人々の39%がEUを同盟国と考えている。驚くべきことに、現在、米国について同じように考えるのは18%のみである。同盟国としての米国の認識は昨年から侵食されており、27%から低下した一方、同盟国としてのEUの認識は比較的安定して固まっており(昨年は35%)、今年も維持されている。

 ロシアの意見の変化は、プーチン政権の戦略の変化と明確に並行している。あるロシアの戦略家が最近、著者の一人に、プーチンの戦略は3つの要素から成ると説明した。NATO(「ロシア人を締め出し、米国人を引き入れ、ドイツ人を抑え込む」という当初の目的)に関するイスメイ卿の有名な言葉を言い換えて、彼はプーチンの戦略は欧州人を締め出し、米国人を引き入れ、ウクライナ人を抑え込むことだと述べた。彼らは今や欧州人を最も執拗な敵と見なしており、欧州の抵抗への対処を米国の問題にしたいと考えている。

 中国における欧州の認識も変化している。自国に対するEUの政策が米国のそれと類似しているか異なっているかを尋ねられたとき、中国のほとんどの人々はそれらが異なっていると考えている。過去には、ほとんどの中国人がそれらを類似していると考えていた。さらに、EUの独自性の認識は、インド、トルコ、南アフリカを含む他の一部の場所でも増加しているが、中国ほど上昇した場所はない。これにより中国は、ブラジルとともに、自国に対するEUのアプローチが米国とは異なるとほとんどの人々が認める2カ国のうちの1つとなっている。

 全体として、これは2022年後半に実施された我々の最初のグローバル世論調査からの顕著な変化である。その調査では、ウクライナ戦争の影響がまだ新鮮で、バイデンがホワイトハウスにいる中、大部分が統一された大西洋横断の西側が見出された。これに沿って、中国の人々の61%が米国を脅威と見なしているが、EUについては19%のみである。これは中国市民がEUを真剣に受け止めていないためではないようである。中国は、人々がEUを大国と見なす数少ない場所の一つである。したがって、これは彼らがEUをパートナーとして、もはや米国によって支配されない多極世界における別の極として見ているためである可能性がある。中国の人々は米国を主にライバル(45%)と見なしているが、EUは主にパートナー(46%)と見なしている。

 対照的に、米国人はEUに対する見解を変えていない。そして、トランプが何を主張しようとも、欧州とロシアに対する彼の政策は新しい米国国内のコンセンサスを代表していない。米国での優勢な見解(40%)はEUを同盟国と見なすことである。米国人の半数(49%)は「欧州の安全保障は米国の安全保障でもある」という見解を支持しており、29%のみがそうではないと考えている。さらに重要なことに、米国人の半数以上(54%)がウクライナにおけるロシアの戦争を米国の安全保障への脅威と見なしている。さらに重要なことに、共和党と民主党の有権者は、欧州とロシアに関する問題について、反対または賛成の立場にきちんと並んでいない。むしろ、トランプ自身の選挙基盤は内部で分裂している。しかし大西洋横断の分断はさらに大きく、英国人の25%とEU市民の16%のみが米国を同盟国と見なしている。

 脱西側世界において欧州は自らをどう見るか

 欧州人自身はどうか。彼らは「通常の」米国、超大国中国、そして多くの国が多極性を受け入れる脱西側秩序の準備ができているのか。調査結果は、世界の一部の地域の人々が欧州に大きな可能性を見ていることを示唆している。しかし、欧州人が自らの力を受け入れるには多くのことが残されており、彼らは陰鬱な場所から始めている。

 多くの欧州市民は、自分たちが現在、脱西側世界に生きていることを意識しており、それを機会ではなくリスクと見なしている。データは、欧州人が今日の世界における主要な悲観主義者の一人であることを確認している。ほとんどの欧州人は、将来が自国、世界、または個人にとって何か良いものをもたらすとは信じていない(調査はEUの将来に関する人々の楽観主義を探求しなかったが、2025年9月のユーロバロメーターデータに基づくと、EU27全体で52%が楽観的、43%が悲観的と、より良好である)。

 ほとんどの欧州人は、EUが米国または中国と対等に対処できる勢力であるとは信じておらず、これらの疑念は過去12カ月間で増大している。前述のデータが示したように、欧州人はEUの強さについて最も自信がない人々の一人である。対照的に、南アフリカ、ブラジル、中国、ウクライナのほとんどの人々は、EUが無視できない勢力であると述べている。

 トランプとプーチンの欧州に対する攻撃的で軽蔑的な見解は、欧州における認識を形成する主要な要因の一つかもしれない。特に、これらの見解が大陸全体の反自由主義的、民族主義的ポピュリスト政党の一連によって反響され、拡大されているためである。欧州人の悲観主義は、彼らの指導者が送っている混合メッセージに対する反応である可能性もある。欧州の指導者たちは、かつて存在していた大西洋横断関係が終わったことを私的には認識している。それにもかかわらず、彼らは昨年のほとんどを、トランプにお世辞を言い、これが以前の同盟であるかのように装うことで、大西洋横断の損害管理を行うことに費やしてきた。

 表面的には、欧州人はすでに、欧州がますます孤立していると感じる脱西側世界への精神的転換を行っているかもしれない。彼らは米国についてトランプの下で幻想を抱いていない。彼らは防衛費の増額を支持し、危険な世界に生きていることを認識している。より具体的には、米国とトランプに対する欧州の意見は悪化している。前述のように、トランプが米国市民にとってさえ良いと信じる欧州人は1年前より少なくなっている。米国を同盟国またはパートナーと見なす欧州人も減少している。

 多くの欧州人は、危険な瞬間を生きていると感じている。彼らは、別の欧州国に対するロシアの侵略、大規模な欧州戦争の可能性、核兵器の使用について高いレベルの懸念を表明している。同様に、欧州全体で防衛費の増額、義務的徴兵制の再導入、さらには欧州核抑止力の開発に対する支持が強い。
政治家は、欧州の地政学的覚醒のこれらのさまざまな要素が必ずしも人々の心の中で重複していないことを理解すべきである。政治指導者たちは、この危険な世界で自国を導く方法を必死に理解しようとしている。しかし、今年の劇的な出来事が欧州人にとって何を意味するかについての物語を語れなかったことについて、彼らは部分的に責任がある(ECFRは、近日中に公表される別の論文で欧州の公衆の見解に関するさらなる洞察を提供する)。

 欧州にとっての緊急の問題

 ECFRの新しい世論調査は、かつて欧州の最も堅固な同盟国であった米国の行動が「中国を再び偉大にする」ことを助け、真に多極的な世界を到来させている世界を明らかにしている。トランプのベネズエラ介入は、大国が愛されるよりも恐れられる方が良いと彼が決定したことを示している。そして欧州人は、デンマークのような米国のかつての親密な同盟国でさえ、まるで仲間のNATO加盟国が敵国である続ける10:25かのようにグリーンランドの掌握で脅かされているという事実に向き合っている。2026年、そのような流動的な世界において、欧州は圧迫されるか、単に無視される可能性がある。ただし欧州の力に関する混合した見解は、恐怖だけでなく希望も生み出している。

 実際、調査結果は欧州人の間で、現在の地政学的変化の根本的な性質を理解する緊急の脅威感と深い不確実性の組み合わせを確認している。中国が台頭しているだけでなく、台頭してしまった世界において、欧州の政治指導者たちは、もはや自国の市民が現在の地政学的変化の根本的な性質を理解しているかどうかを自問すべきではない。彼らは理解している。指導者と有権者にとって現在の重要な問題は、欧州が2030年にどのような姿であるべきかである。軍事、経済、文化的・政治的力のあらゆる次元において、欧州が自らのために立ち上がるためには。

 欧州の公衆は、フリードリヒ・メルツ首相が最近伝えた「パックス・アメリカーナ」は終わったというメッセージに十分準備ができているように見える。我々の最初のグローバル世論調査との対比は非常に印象的である。これはわずか3年前に実施され、人々は一方でロシアに対してウクライナのために立ち上がる統一された大西洋横断の西側を見ており、他方では広くロシア友好的な「残りの世界」を見ていた。トランプの限りない自己陶酔にお世辞を言う戦術的必要性があるとしても、この脱西側的な「中国優先」の世界において欧州がどこに位置するかについて国内でより大きな正直さを持つことは、首尾一貫した欧州戦略を策定するために不可欠である。

 過度の悲観主義と過度の楽観主義の両方が逆効果である時期に、欧州の指導者たちは現実的かつ大胆であるべきである。「百年来の変化」の時代において、彼らは多極世界で単に管理するだけでなく、この世界における一つの極になるか、他の極の中で消滅するかという新しい方法を見つける必要がある。

 欧州は単独で、ウクライナの安全で自由で繁栄した将来を確保できるか。欧州は、自国の市民から平和への道を妨害していると非難されることなく、「汚い平和」をどのように回避できるか。政治的に分裂した大陸は、ロシアに対して軍事的に、中国に対して経済的に、米国に対して政治的に(グリーンランドの防衛を含めて)立ち向かうための適切な政策調整、力、政治的意志を持っているか。それとも、単に最大の脆弱性の現在の瞬間を生き延びることを志向する「新ハプスブルク的」プラグマティズムの政策を受け入れるべきか。米国との弱まる絆を補うために中国とより緊密な関係を求めることは、安価な中国の輸出が欧州の産業基盤を破壊すると脅している中で、EUにとってどれほど現実的か。カナダ、オーストラリア、日本のような同志国と「新しい西側」を創出する希望はあるか。

 これらが、欧州人が2026年に緊急に対処する必要がある問題である。

 調査方法

 本報告書は、2025年11月に15の欧州諸国(ブルガリア、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国)と6つの非欧州諸国(ブラジル、中国、インド、南アフリカ、韓国、米国)で実施された成人人口(18歳以上)を対象とした世論調査に基づいている。回答者の総数は25,949人であった。

 ロシア、トルコ、および欧州外のすべての国では、調査はギャラップ・インターナショナル財団研究所によって、独立した現地パートナーおよび国際パネル運営者のネットワークを通じてオンライン調査として実施された。ブラジル(1,000人の回答者、11月3-7日、Market Analysis Brazilを通じて)、中国(1,005人、11月7-14日、Distance/Dynataを通じて)、ロシア(1,000人、11月5-17日、Be Media Consultantを通じて)、南アフリカ(1,007人、11月3-12日、Distance/Dynataを通じて)、韓国(1,000人、11月7-14日、Gallup Koreaを通じて)、トルコ(1,005人、11月7-12日、Distance/Dynataを通じて)、米国(1,016人、11月3-4日、Distance/Survey Monkeyを通じて)。インドでの調査は対面で実施された(1,022人、11月10-19日、Convergentを通じて)。インドでは、一部の小都市における不十分なカバレッジとインターネット品質を考慮して、対面方式が選好された。

 ブラジル、南アフリカ、韓国、トルコ、米国では、サンプルは基本的人口統計により成人人口について全国代表性を持っていた。中国では、調査は国内最大の4つの都市圏のみからのパネリストを含んでいた:北京、広州、上海、深圳。インドでは、農村地域とティア3都市はカバーされなかった。ロシアでは、少なくとも10万人の住民を持つ都市のみがカバーされた。したがって、中国、インド、ロシアからのデータは、調査でカバーされた人口についてのみ代表的であると見なされるべきである。さらに、いくつかの質問の政治的に敏感な性質は、中国とロシアからの結果が、一部の回答者が自分の意見を自由に表明することに制約を感じた可能性があるため、慎重に解釈される必要があることを意味する。

 残りの欧州諸国では、調査はDatapraxisとYouGovによってオンラインで実施された。ブルガリア(1,020人、11月5-21日)、デンマーク(1,029人、11月5-13日)、フランス(1,518人、11月5-18日)、ドイツ(2,028人、11月5-14日)、ハンガリー(1,020人、11月5-14日)、イタリア(1,501人、11月5-19日)、ポーランド(1,525人、11月5-14日)、ポルトガル(1,030人、11月5-17日)、スペイン(1,566人、11月5-13日)、スイス(1,104人、11月5-14日)、英国(2,034人、11月5-15日)。エストニアでは、調査はDatapraxisとNorstatによって実施された(1,018人、11月7-19日)。

 ウクライナでは、調査はDatapraxisとRating Group in Ukraineによって電話インタビュー(CATI)で実施され(1,501人、11月8-11日)、回答者はランダムに生成された電話番号を使用して選択された。データはその後、基本的人口統計に加重された。戦争による人口変化を完全に考慮することは困難だが、ロシアの占領下にある領土を考慮するための調整が行われた。これは確率ベースのサンプリングアプローチと組み合わされて、調査の代表性のレベルを強化し、一般的に戦時条件下でのウクライナの公衆の態度を反映している。

 この政策概要では、特に断りのない限り、「EU」の結果は、サンプル内の10のEU加盟国(すなわち、ブルガリア、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ポーランド、ポルトガル、スペイン)の単純平均に対応している。

【要点】

 ・中国の影響力拡大とベネズエラ介入の文脈: トランプのベネズエラへの劇的な介入以前でさえ、彼の「アメリカ・ファースト」アプローチは人々を中国に接近させていた。世界中で多くの人々が中国の影響力が今後10年で拡大すると予想し、南アフリカ、ブラジル、インドなどで中国を同盟国またはパートナーと見なす傾向が強まっている。調査で特定された傾向はベネズエラ介入を予示し、さらに強化される可能性がある。

 ・米国の変化と期待の低下: 米国は影響力を維持するが拡大は期待されていない。トランプに対する期待は12カ月前より劇的に低下し(インドでは84%から53%へ)、EU市民で米国を同盟国と見なすのは16%のみである。米国は「通常の」取引型大国として行動している。

 ・真の多極化世界の到来: 世界は二極的イデオロギー対立ではなく、真の多極世界に移行している。ブラジル、南アフリカ、トルコ、ロシアでは過半数が米中両国と良好な関係を維持できると考えている。南アフリカでは2023年9月に過半数が米国を選んでいたが、2025年末には中国陣営に移った。

 ・欧州認識の劇的変化: ロシア人は欧州を主要な敵対国と見なし(米国への敵対感情は64%から37%に低下)、ウクライナ人は保護を米国(18%が同盟国)よりも欧州(39%が同盟国)に求めている。中国人はEUを米国とは異なる独自の立場を取るパートナー(46%)と見なしている。

 ・欧州の悲観主義と防衛意識: 欧州人は世界で最も悲観的であり、EUが米中と対等に対処できるとは信じていない。しかしロシアの侵略、大規模戦争、核兵器使用への高い懸念から、防衛費増額、徴兵制再導入、欧州核抑止力開発への支持が強い。

 ・指導者の責任とグリーンランド問題: 欧州指導者は脱西側・「中国優先」世界における欧州の位置について国民により正直になる必要がある。トランプのベネズエラ介入は大国が愛されるより恐れられる方が良いという決定を示し、デンマークのような同盟国でさえグリーンランド掌握で脅かされている。欧州は2026年に、ウクライナの安全保障、ロシア・中国・米国への対処、「新ハプスブルク的」プラグマティズムか新しい西側の創出かなど、緊急の問題に対処しなければならない。

【引用・参照・底本】

How Trump is making China great again—and what it means for Europe EUROPEAN COUNCIL ON FOREIGN RELATIONS 2026.01.15
https://ecfr.eu/publication/how-trump-is-making-china-great-again-and-what-it-means-for-europe/

一部の高速電波バースト(FRB)が連星系に由来することを示す、世界初の有力な観測証拠を得た2026-01-16 22:06

Copilotで作成
【概要】

 中国・貴州省にある五百メートル口径球面電波望遠鏡(FAST)の観測データに基づき、国際研究チームが、一部の高速電波バースト(FRB)が連星系に由来することを示す、世界初の有力な観測証拠を得たのである。対象となったのは約29億光年彼方の反復型FRB 20220529であり、その周囲の磁気環境を示すファラデー回転量(RM)の劇的な変化が記録されたのである。この成果は、紫金山天文台を中心とするチームにより、FASTの高感度観測を通じて得られ、学術誌「Science」にオンライン掲載されたのである。

【詳細】 

 研究チームは、FASTの卓越した感度を活用し、2022年6月以降、反復型FRB 20220529を継続的にモニタリングしたのである。FRBは数ミリ秒という極めて短い時間で、太陽が1週間かけて放射するエネルギーに匹敵する膨大なエネルギーを放つ電波現象であり、その起源は2007年の発見以来、天体物理学における大きな謎であったのである。

 観測では、宇宙の磁気環境を精密に探る指標であるファラデー回転量(RM)が重点的に追跡されたのである。このRMは、FRBの電波が地球へ到達するまでの経路に存在する磁化プラズマの性質を反映するパラメータである。観測開始から最初の18か月間、FRB 20220529のRMは比較的穏やかな変動にとどまっていたのである。

 しかし2023年12月、RMが突如として平均的な変動幅の約20倍に相当する水準まで急上昇し、その後2週間以内に元の変動範囲へと戻るという、劇的かつ可逆的な変化が検出されたのである。このような急激で短期間の磁気環境の変動が詳細に記録されたのは、FRB研究において初めてであるとされるのである。

 研究者らは、この現象を、FRBと地球との視線上を、高密度で強く磁化されたプラズマ雲が通過した結果であると解釈しているのである。既存の理論では、FRB 20220529が孤立した中性子星に由来すると仮定した場合、このような急峻で可逆的なRM変化を自然に説明することは困難であるとされるのである。一方で、連星系を前提とすると、伴星の激しい活動や軌道構造に起因する幾何学的効果によって、この観測結果を合理的に説明し得るとされるのである。

 この成果について、ウェストバージニア大学のロリマー教授は「顕著な結果であり、反復型FRBの動作や起源天体の性質を理解するうえで、今後の応用が期待される」と評価しているのである。また、FRB 20220529は本質的に暗い電波源であり、その多くのバーストは他の観測施設では検出が難しいが、FASTの高感度と高度なデータ処理技術により観測が可能になったと説明されているのである。

 FASTは貴州省の天然のカルスト地形の窪地に建設され、その受信面積は標準的なサッカー場約30面分に相当するのである。世界最大の単一電波望遠鏡として、2020年1月に本格運用を開始し、2021年3月には国際共同利用にも正式に開放されたのである。現在、パルサー、FRB、星間物質などの研究において世界をリードする施設となっているのである。

 さらに、FASTの性能向上計画も進行中であり、中口径アンテナを多数、FAST周辺に配置して、FASTを中心とする巨大な合成開口アレイを構成する構想が示されているのである。この革新的な設計により、単一鏡面望遠鏡が抱える感度と分解能のトレードオフを克服し、観測性能を質的に飛躍させる「超宇宙プローブ」への発展が期待されているのである。

 紫金山天文台の施正才研究員は、この新発見がFRBの起源解明に向けた重要な前進であると述べているのである。さらに、FRBの謎を解き明かすため、青海省徳令哈に15メートル級サブミリ波望遠鏡を建設中であり、南極にはテラヘルツ望遠鏡の計画も進めているとされるのである。これらの施設は、異なる周波数帯でFASTと協調観測を行い、宇宙の謎に迫ることを目指しているのである。

【要点】

 ・FASTの成果: 中国のFASTによる観測から、一部の反復型FRBが連星系に起源を持つことを示す世界初の有力証拠が得られたのである。

 ・観測対象: 約29億光年先の反復型FRB 20220529を、2022年6月以降、継続的にモニタリングしたのである。

 ・鍵となる指標: 宇宙の磁気環境を示すファラデー回転量(RM)が、2023年12月に通常の約20倍へ急増し、2週間で元の変動範囲に戻るという前例のない変化が観測されたのである。

 ・物理的解釈: 高密度で磁化されたプラズマ雲が視線上を通過した結果と解釈され、孤立中性子星モデルでは説明困難である一方、連星系モデルでは自然に説明可能とされるのである。

 ・FASTの役割: 世界最大の単一電波望遠鏡であるFASTの高感度と高度なデータ処理により、暗いFRB 20220529の詳細なモニタリングが実現したのである。

 ・今後の展望: FASTの合成開口アレイ化による性能向上計画と、サブミリ波・テラヘルツ望遠鏡との協調観測により、FRBの起源を含む宇宙物理の核心的課題の解明が期待されているのである。

【引用・参照・底本】

China's FAST telescope reveals world's first-ever evidence for origin of cosmic enigmatic flashes GT 2026.01.16
https://www.globaltimes.cn/page/202601/1353395.shtml

中国は国連安保理にて、米国の「軍事的冒険主義」が地域を破滅させると警告2026-01-16 22:23

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【概要】

 2026年1月15日、国連安保理のイランに関する緊急会合において、中国のSun Lei(スン・レイ)国連次席大使が演説を行った。Sun氏は、米国による武力行使の脅しや軍事的冒険主義が中東地域を予測不能な深淵に追い込むと警告し、武力による解決の否定と、イランの内政に対する不干渉の原則を強調した。同時に、米国が空母打撃群を派遣するなど、地域緊張が高まっている現状が報告されている。

【詳細】 

 中国側の主張と批判 Sun氏は、武力は問題を複雑化させるだけであり、解決策にはならないと主張した。米国に対し、国連憲章の遵守、武力行使への執着の放棄、および自制を求めた。また、イランは独立した主権国家であり、その国事はイラン国民自身によって決定されるべきであると述べ、主権の平等と内政不干渉の原則を強調した。

 現状認識と懸念 イラン国内の情勢が注目を集める中、中国側はイラン外相が国連事務総長へ書簡を送ったことに言及した。Sun氏は、米国がイランに対して武力行使の脅しを公然と行っていることが中東に「戦雲」をもたらし、緊張を高めていると批判した。歴史的に見て、武力への盲信や一方的な圧力、無謀な介入は紛争と憎しみを生むだけであると指摘した。

 国際社会への呼びかけ 中東諸国の多くが軍事的衝突を懸念し、対話による解決を望んでいるとし、米国を含む関係国に対し、火に油を注ぐのではなく平和と安定に資する行動をとるよう促した。国際社会は公平と正義の側に立ち、中東の平和を守るために尽力すべきであると締めくくった。

 米国の動向 報道によると、米軍はイラン国内の抗議デモを巡る緊張の高まりを受け、空母打撃群を中東へ移動させている。ホワイトハウスは、イラン政府による抗議デモへの弾圧が致命的な事態に至る場合「重大な報い」があると警告しており、トランプ大統領はあらゆる対抗措置の選択肢を排除していないとされる。

【要点】

 ・中国は国連安保理にて、米国の「軍事的冒険主義」が地域を破滅させると警告した。

 ・武力の行使や脅しに反対し、国連憲章に基づく平和的解決と主権尊重を強く訴えた。

 ・イランの内政問題はイラン国民が決めるべきであり、外部の干渉を排除すべきとした。

 ・米国は空母派遣や武力行使を示唆する警告を行っており、中東情勢は極めて緊張している。

【引用・参照・底本】

Military adventurism only pushes region into an unpredictable abyss, Chinese diplomat says at UNSC’s meeting on Iran GT 2026.01.16
https://www.globaltimes.cn/page/202601/1353384.shtml

日本の軍国主義の復活と再軍事化に断固反対すべきである2026-01-16 22:38

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【概要】

 中国外交部は、日本とフィリピンが締結した防衛分野での協力強化合意について、第三国を標的とし、地域の平和と安定を損なうものであってはならないとの立場を示した。また、日本の軍事・安全保障面での動きは、過去の侵略の歴史を省みない「再軍備」や「再軍事化」の動きであり、平和を愛する国々と人々はこれに断固反対すべきであると主張した。

【詳細】 

 中国外交部報道官のGuo Jiakunは、日本とフィリピンが軍事物資の相互支援を強化する協定を締結し、日本がフィリピンに対して数百万ドル規模の安全保障支援を行うとしたことについて言及した。Guoは、この協力がいわゆる「準同盟」関係を強化する目的であるとの日本側の説明に対し、中国は一貫して、国家間の協力は第三国を対象とせず、第三国の利益を損なわず、地域の平和と安定を危うくしてはならないと考えていると述べた。

 さらにGuoは、第二次世界大戦中、日本の軍国主義がフィリピンを侵略し、フィリピン国民や連合国兵士を迫害し、中国の外交官を残酷に殺害した歴史があると指摘した。この歴史は忘れてはならず、血の債務は償われ、犯罪は清算されなければならないと述べた。

 Guoはまた、東南アジア諸国や国際社会が日本の軍事・安全保障上の動きに対して批判を続けてきたとした上で、日本は過去を反省し自制するどころか、武装拡大や殺傷能力を有する兵器の輸出を正当化していると指摘した。これは、日本の右派勢力が「再軍事化」を推し進め、かつての軍事拡張の道を再び歩もうとしている意図を露呈していると述べた。

【要点】

 ・中国は、日本とフィリピンの防衛協力が第三国を標的とし、地域の平和と安定を損なうことに反対している。

 ・中国外交部は、日本の過去の軍国主義による侵略と加害の歴史を強調し、忘却や不問を許さない立場を示している。

 ・日本の軍備拡大や兵器輸出は「再軍事化」の表れであると中国は批判している。

 ・平和を愛する国々と人々は、日本の軍国主義の復活と再軍事化に断固反対すべきであると中国は主張している。

【引用・参照・底本】

All peace-loving countries and peoples should firmly oppose revival of Japanese militarism: FM on Japan-Philippine defense pact GT 2026.01.16
https://www.globaltimes.cn/page/202601/1353384.shtml

欧州が妥協するのか、それとも国際法と国際秩序を守る姿勢を貫くのか2026-01-16 23:19

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【概要】

 米国によるグリーンランドへの圧力を背景に、欧州が妥協するのか、それとも国際法と国際秩序を守る姿勢を貫くのかを問う論説である。欧州諸国による軍事的対応は象徴的にとどまっており、米国の強硬姿勢に対して十分な抑止力を持っていないと指摘する。グリーンランド問題は米欧間の問題にとどまらず、欧州が掲げてきた「ルールに基づく国際秩序」を実際に守れるかどうかを試す試金石であると論じている。

【詳細】 

 デンマーク外相が訪米した直後に、ドイツ、英国、スウェーデンなどが少数の部隊をグリーンランドに派遣した事実を紹介し、これを欧州の結束を示す象徴的行動にすぎないと評価している。米国がすでにグリーンランドに軍事拠点を有し、武力行使も辞さない姿勢を示しているのに対し、欧州の対応は「面子を保つためのジェスチャー」にとどまっているという認識を示す。

 さらに、欧州の一部には、米国との正面衝突やNATO崩壊のリスクを恐れ、事実上グリーンランドを譲ることを受け入れている向きがあるとの見方を提示する。そのうえで、NATOの集団安全保障はゼロサム的であり、真の安全をもたらさないと批判し、欧州はNATOや覇権に依存しない安全保障の在り方を構想すべきだと述べる。

 デンマークは「宝を持つがゆえに災いを招く」状況にあり、欧州が強い対抗姿勢を示さなければ、米国によるグリーンランドの取り込みは時間の問題になると警告する。その結果は、領土や主権の喪失にとどまらず、世界的な悪しき前例となり、さらなる不安定化を招くとする。

 一方で、欧州には経済、軍事、外交の各面で手段があるとも指摘する。EUは米国の最大の貿易相手であり、貿易対抗措置を取り得ること、限定的であっても軍事的展開により抑止力を高め得ること、国連を通じて国際的非難を組織できることを挙げ、問題は欧州が宥和の慣性を断ち切れるかどうかにあると結論づけている。

【要点】

 ・グリーンランド問題は米欧間の力関係だけでなく、欧州が国際秩序を守れるかを問う問題である。

 ・欧州の軍事的対応は象徴的であり、米国への実効的抑止には至っていないとされている。

 ・NATO型の集団安全保障は真の安全をもたらさないとの批判が示されている。

 ・妥協は悪しき前例を生み、欧州と世界により大きな損失をもたらすと警告している。

 ・欧州には経済・軍事・外交面での選択肢があり、必要なのは依存から脱却する意志である。

【引用・参照・底本】

Will Europe compromise? The whole world is watching: Global Times editorial GT 2026.01.16
https://www.globaltimes.cn/page/202601/1353370.shtml