【桃源閑話】水泳授業の民間委託 ― 2024年09月11日 09:24
【桃源閑話】
文科省も県も与り知らない、市の自治体レベルで水泳授業を民間に委託する件が進んでいる。
その理屈は、まるで住民の重要なインフラである水道事業が、民営化されるに酷似している。インフラの老朽化(この場合は学校プール)、その維持に費用が掛かる、民間の方が効率が良い、最新設備が整っているなどである。
学校の場合は、或は教員に負担を軽減できるなどの理屈も付くであろう。
が、学校プールの新設時の理由は如何様であったのだろうか。
1980年代以降、新自由主義が台頭し、公共部門の民営化(鉄道・郵便・医療・水道・教育に民間企業が参入してきている)が進行しているのである。
水道の民営化が辿っている状況も知る必要があろう。
利便の下で忘れ去られているのは住民の福祉である。学校で言えば、民間(教育の外部化)に託す場合、其の在り方が十分に検討される必要がある。
はっきり言えば、自治体の為す仕事で、民間にできないことは無いであろう。しかし、出来ないことがある。其れが福祉という考え方である。更に"教育"であろう。
福祉(教育)と利益は"利益相反"となろう。
"小さな行政大きな負担"、或は"小さな教育大きな負担"などとも言えるだろう。
先ずは、次のように問うてみる。
【問1】小学校の水泳授業を民間に委託する際、学校教育では以下のような点が考えられる。
1.指導の責任: 学校教育法では、教員が教育活動の責任を負うことが基本である。水泳授業を民間委託する場合、民間指導者が授業を担当することで、学校の教員が直接指導しない状況が発生する。これにより、教員が指導責任を果たしているかどうかの確認が難しくなる可能性がある。
2.教育内容の一貫性: 水泳も他の教科と同様に、学校教育法で定められた教育課程の一環として行われる。民間委託では、民間業者が教育内容を指導するため、学校が定める指導方針や学習指導要領に沿った教育が十分に行われるかどうかの確認が必要である。これに不一致があると、学校教育の一貫性が損なわれる可能性がある。
3.安全管理と責任の所在: 水泳授業では安全管理が特に重要である。民間委託の場合、事故が発生した際に、誰がどのように責任を負うかが明確でない場合、責任の所在が問題となる可能性がある。学校教育法では、学校側が生徒の安全を守る義務を負っているが、委託先との責任分担が不明確だと法的なトラブルに発展する恐れがある。
4.教員の役割の低下: 水泳授業を民間に委託することで、学校の教員が実際の指導に関与しない場合、教員が生徒の学習状況や技能の進捗を把握しにくくなる。これは、学校教育法に基づく教員の指導役割や、生徒への学習支援の観点から問題視される可能性がある。
5.これらの問題点を解決するには、学校と民間業者の間で明確な契約を結び、教育内容の確認、安全管理の徹底、責任の分担などについて具体的な対策を講じる必要がある。
【問2】日本において、教員資格のない者が学校で教授する場合、以下のような法的根拠がある。
学校教育法施行規則:教員の免許を有しない者が、臨時に教員として勤務できる場合が定められている。この場合、教育委員会や学校設置者の特別な許可が必要である。例えば、臨時免許状や特別免許状を取得することにより、教員免許がない場合でも一定期間、教育活動を行うことが認められる。
1.学校教育法第37条:公立学校や私立学校において、特別な事情がある場合は、教育委員会や学校設置者が免許を持たない者に対して臨時的な採用を許可することができる。特に、専門的な技術や知識を持つ人材が教育現場に必要な場合、この条項が適用される。これらの規定により、教員資格がない者でも、必要に応じて特別な許可を得て、一定の条件下で教授することが可能である。この条項との関連は如何か。
【問3】教員資格の無い者を雇うことに関して企業も該当するのか
企業が教員資格のない者を雇うことに関しては、基本的に企業そのものは公的な学校教育機関ではないため、直接的には学校教育法などの規定に縛られることはない。ただし、企業が教育事業を行う場合や、学校教育に関連する活動を行う場合には、以下のような関連する法的枠組みが存在する。
1. 学校教育法に基づく特例:企業が公立学校や私立学校と提携して、教育プログラムを提供する場合、教員資格のない者を教育活動に関与させる場合には、特定の条件下で学校教育法や地方教育委員会の許可が必要になる場合がある。たとえば、企業が専門的な知識を持つ人材を学校での非常勤講師として派遣するようなケースである。したがって、企業が教員資格のない者を雇う場合でも、それが公的な学校教育機関や学校教育法に関連する活動かどうかによって法的な規制が異なる。企業内教育や職業訓練に関しては、特別な教員資格は必要とされないが、教育機関との提携や学校での教育活動に従事する場合は注意が必要である。この点に関しては如何か。
2.臨時免許状や特別免許状:企業の社員が特定の専門分野で優れた知識やスキルを持っている場合、教育委員会の判断により臨時免許状や特別免許状が発行されることがある。これにより、教員資格がない場合でも学校で一教科を担当することが可能である。この点に関しては如何検討されたか。
3.教育委員会の許可:公立学校の場合、企業の社員が教員免許を持たずに教科を担当するには、教育委員会の許可が必要である。専門的な知識や経験を持つ人材が不足している場合など、特定の条件下でこの許可が与えられるが、検討したのか。
4.学校教育の一環として特定の教科を担当させるケースであるが、これには学校側との契約や教育委員会の承認が必要になる場合がある。3.同様にどのように検討されたか。
5.教育委員会への報告:公立学校において、教員資格のない企業の社員を教員として雇用する場合、教育委員会への報告や許可申請が必要になることがある。特に、臨時免許状や特別免許状を取得する際には、教育委員会に対して正式な手続きを踏む必要があり、この過程で報告が行われる。臨時・特別免許状の申請:臨時免許状や特別免許状を取得するためには、教育委員会に対する申請手続きが必要である。この際、企業の社員がどのような資格や経験を持っているか、どの教科を担当するのかを詳細に報告することが求められる。非常勤講師の場合:企業の社員が非常勤講師として学校で教える場合も、教育委員会への報告や承認が必要な場合がある。以上の点に関してはどのように検討されたか。
6.報告が必要かどうかは、関与する教育機関や契約形態によって異なる。公立学校の場合は、教育委員会への報告や許可が必要な場合が多く、私立学校では内部規定に従うケースが一般的である。また、企業内部での労働契約変更に関する報告が必要な場合もある。適切な手続きを踏むことで、特別な報告を求められる場面が出てくることが予想されるが、状況に応じた対応が求められる。如何なる契約形態なのか。
【問4】企業(この場合:スイミングスクールを経営する者)との契約形態は請負契約なのか派遣契約なのか、何れの形式なのだろうか。雇用形態や労働者の指揮命令系統に関して大きな違いがある。
⇨ 請負契約:請負業者が業務の完成に対して責任を負う。作業中に発生した問題や不具合は、請負業者が解決する責任がある。発注者は成果物の受け取りに対する評価を行うのみで、業務の進行に直接関与しない。
⇨ 派遣契約:派遣先企業が派遣労働者に対する指示や業務の進行管理を行うが、労働者の雇用責任は派遣元企業にある。
⇨ 業務の内容に問題があった場合、派遣先が責任を持つことが一般的である。
1.電話では教師が現場にいて指示を出しているようである(つまり、契約の対象は「労働力の提供」)と、派遣契約のようでもある。果たして如何なる形態なのであろうか。
2.その費用は如何ほどの契約内容によるのか。また、学生が個人で利用する費用と比較してもらいたい。
3.新聞報道(中日2024.09.07)によると、市は「教員の負担減を目指し」とあるが。教員の負担減の定量化はできているのか。教員の行動分析及び教員の日・月・年の学校での時間配分(授業・事務・報告等)はどのようになっているのか。
4.教員の負担減に関連して、教員を増員するという選択肢は検討されているのか。
5.一年にスイミングスクール時間(授業)はどれほどの時間であるのか。
6.新聞報道(中日2024.09.07)では、「小まめな水質検査や、プール清掃の負担が軽減された」とあるが、この業務こそ業者と契約できなかったのか。
7.学校でプールを維持した場合の費用如何ほどか。
8.新聞報道(中日2024.09.07)「本年度6校分の委託費用は約2600万円」とある。つまり、委託契約ならば、受託者は業務遂行の方法において一定の裁量を持ち、委託者が直接指揮命令を行わないことが多いのであるが、この点はどうか(【問4】1.関連)。
9.市内でスイミングスクールを経営する企業は何か所ぐらいあるのか。
【問5】教員資格のない者が小中学校で教授する場合、生徒の評価を行うことができるかどうかについては、法的および運営上の規定に従うが、一般的に、以下のポイントが関連する。
1.学校教育法および教員免許に基づく規定:教員免許状を持つ者は、学校教育法に基づき生徒の学習成績を評価し、その成績を正式に報告する権限を有する。通常、正規の教員のみが成績評価を行い、通知表に反映させることが認められている。また、臨時免許状・特別免許状保持者:臨時免許状や特別免許状を保持している場合、正式な教員として扱われるため、生徒の評価を行うことが可能である(非常勤講師の場合:非常勤講師は、通常は特定の教科を担当しますが、生徒の評価に関しては正規教員が最終的な責任を負います。非常勤講師が評価に関与することはあるものの、正式な評価を行うのは免許状を持つ正規教員である)。以上の点に関しては如何か。
2.学校の裁量:学校の運営方針や教育委員会の判断により、教員免許を持たない者が授業を担当する場合、その者が生徒の評価にどの程度関与するかが決まる。例えば、非常勤講師や特別講師として授業を担当しても、成績評価は免許を持つ正規の教員が行うのが一般的である。こうした場合、評価のために企業の社員がアドバイスを提供することは可能であるが、評価の最終決定権は学校側にある。また、補助的な評価への関与で、教員資格のない者が生徒の評価に補助的に関与するケースもある。たとえば、専門知識を持つ企業の社員が、担当教科に関連する課題や実技の指導を行い、その成果を教員に報告することはある。ただし、正式な評価は教員が行うのが基本である。以上の点に関してはどのように処置されているのか。
3 生徒の記録や通知表への記載
生徒の記録や通知表への成績の記載は、正規教員の責任範囲である。そのため、企業の社員など教員資格のない者が独自に評価を行い、通知表に直接記載することは通常認められていない。評価の際には、正式な教員が最終的な判断を行のであるが、その様になっているのか、その裏付けは。
【問6】教育上の法的問題:民間にスイミング授業を委託することには教育上および法的な問題が存在する。
1.責任の所在: 学校の授業として実施される以上、教育活動に関する最終的な責任は学校側にある。民間業者に委託した場合でも、事故やトラブルが発生した際の責任の所在が不明確になる可能性がある。そのため、契約時に責任範囲を明確にする必要がある。
2.教育指導要領との整合性: 日本の学校教育には、文部科学省が定める教育指導要領があり、学校はこれに基づいた授業を行う義務がある。民間業者によるスイミング指導が教育指導要領に準拠していない場合、教育内容の質や適切性に疑問が生じる可能性がある。
3.労働条件や安全管理の問題: 民間委託の指導者が労働条件や資格を適切に満たしているかの確認が必要である。また、安全管理が不十分な場合、事故のリスクが高まるため、受託者の水泳指導者が適切な訓練を受けているかどうかを厳格にチェックすることが求められる。
4.教育の公平性: 公教育の一環として行われるスイミング授業が民間委託された場合、地域や学校ごとの経済状況や施設の整備状況により、教育の質にばらつきが出る可能性がある。これは教育の公平性に関わる重要な問題である。
5.このような法的および教育的な問題を解決するためには、契約内容や指導者の資格の確認、安全対策の強化、そして指導内容が教育指導要領に準拠しているかどうかのチェックが不可欠である。
取り敢えず、以上である。
2024.09.09
【閑話 完】
【参考】
学校体育実技指導資料 第4集
水泳指導の手引 (三訂版)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/10/1348570_1_1.pdf
水泳指導と安全
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/10/1348570_7_1.pdf
官民連携による学校体育施設の有効活用等について(水泳プール関係)
https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2018/11/01/1410416_05.pdf
文科省も県も与り知らない、市の自治体レベルで水泳授業を民間に委託する件が進んでいる。
その理屈は、まるで住民の重要なインフラである水道事業が、民営化されるに酷似している。インフラの老朽化(この場合は学校プール)、その維持に費用が掛かる、民間の方が効率が良い、最新設備が整っているなどである。
学校の場合は、或は教員に負担を軽減できるなどの理屈も付くであろう。
が、学校プールの新設時の理由は如何様であったのだろうか。
1980年代以降、新自由主義が台頭し、公共部門の民営化(鉄道・郵便・医療・水道・教育に民間企業が参入してきている)が進行しているのである。
水道の民営化が辿っている状況も知る必要があろう。
利便の下で忘れ去られているのは住民の福祉である。学校で言えば、民間(教育の外部化)に託す場合、其の在り方が十分に検討される必要がある。
はっきり言えば、自治体の為す仕事で、民間にできないことは無いであろう。しかし、出来ないことがある。其れが福祉という考え方である。更に"教育"であろう。
福祉(教育)と利益は"利益相反"となろう。
"小さな行政大きな負担"、或は"小さな教育大きな負担"などとも言えるだろう。
先ずは、次のように問うてみる。
【問1】小学校の水泳授業を民間に委託する際、学校教育では以下のような点が考えられる。
1.指導の責任: 学校教育法では、教員が教育活動の責任を負うことが基本である。水泳授業を民間委託する場合、民間指導者が授業を担当することで、学校の教員が直接指導しない状況が発生する。これにより、教員が指導責任を果たしているかどうかの確認が難しくなる可能性がある。
2.教育内容の一貫性: 水泳も他の教科と同様に、学校教育法で定められた教育課程の一環として行われる。民間委託では、民間業者が教育内容を指導するため、学校が定める指導方針や学習指導要領に沿った教育が十分に行われるかどうかの確認が必要である。これに不一致があると、学校教育の一貫性が損なわれる可能性がある。
3.安全管理と責任の所在: 水泳授業では安全管理が特に重要である。民間委託の場合、事故が発生した際に、誰がどのように責任を負うかが明確でない場合、責任の所在が問題となる可能性がある。学校教育法では、学校側が生徒の安全を守る義務を負っているが、委託先との責任分担が不明確だと法的なトラブルに発展する恐れがある。
4.教員の役割の低下: 水泳授業を民間に委託することで、学校の教員が実際の指導に関与しない場合、教員が生徒の学習状況や技能の進捗を把握しにくくなる。これは、学校教育法に基づく教員の指導役割や、生徒への学習支援の観点から問題視される可能性がある。
5.これらの問題点を解決するには、学校と民間業者の間で明確な契約を結び、教育内容の確認、安全管理の徹底、責任の分担などについて具体的な対策を講じる必要がある。
【問2】日本において、教員資格のない者が学校で教授する場合、以下のような法的根拠がある。
学校教育法施行規則:教員の免許を有しない者が、臨時に教員として勤務できる場合が定められている。この場合、教育委員会や学校設置者の特別な許可が必要である。例えば、臨時免許状や特別免許状を取得することにより、教員免許がない場合でも一定期間、教育活動を行うことが認められる。
1.学校教育法第37条:公立学校や私立学校において、特別な事情がある場合は、教育委員会や学校設置者が免許を持たない者に対して臨時的な採用を許可することができる。特に、専門的な技術や知識を持つ人材が教育現場に必要な場合、この条項が適用される。これらの規定により、教員資格がない者でも、必要に応じて特別な許可を得て、一定の条件下で教授することが可能である。この条項との関連は如何か。
【問3】教員資格の無い者を雇うことに関して企業も該当するのか
企業が教員資格のない者を雇うことに関しては、基本的に企業そのものは公的な学校教育機関ではないため、直接的には学校教育法などの規定に縛られることはない。ただし、企業が教育事業を行う場合や、学校教育に関連する活動を行う場合には、以下のような関連する法的枠組みが存在する。
1. 学校教育法に基づく特例:企業が公立学校や私立学校と提携して、教育プログラムを提供する場合、教員資格のない者を教育活動に関与させる場合には、特定の条件下で学校教育法や地方教育委員会の許可が必要になる場合がある。たとえば、企業が専門的な知識を持つ人材を学校での非常勤講師として派遣するようなケースである。したがって、企業が教員資格のない者を雇う場合でも、それが公的な学校教育機関や学校教育法に関連する活動かどうかによって法的な規制が異なる。企業内教育や職業訓練に関しては、特別な教員資格は必要とされないが、教育機関との提携や学校での教育活動に従事する場合は注意が必要である。この点に関しては如何か。
2.臨時免許状や特別免許状:企業の社員が特定の専門分野で優れた知識やスキルを持っている場合、教育委員会の判断により臨時免許状や特別免許状が発行されることがある。これにより、教員資格がない場合でも学校で一教科を担当することが可能である。この点に関しては如何検討されたか。
3.教育委員会の許可:公立学校の場合、企業の社員が教員免許を持たずに教科を担当するには、教育委員会の許可が必要である。専門的な知識や経験を持つ人材が不足している場合など、特定の条件下でこの許可が与えられるが、検討したのか。
4.学校教育の一環として特定の教科を担当させるケースであるが、これには学校側との契約や教育委員会の承認が必要になる場合がある。3.同様にどのように検討されたか。
5.教育委員会への報告:公立学校において、教員資格のない企業の社員を教員として雇用する場合、教育委員会への報告や許可申請が必要になることがある。特に、臨時免許状や特別免許状を取得する際には、教育委員会に対して正式な手続きを踏む必要があり、この過程で報告が行われる。臨時・特別免許状の申請:臨時免許状や特別免許状を取得するためには、教育委員会に対する申請手続きが必要である。この際、企業の社員がどのような資格や経験を持っているか、どの教科を担当するのかを詳細に報告することが求められる。非常勤講師の場合:企業の社員が非常勤講師として学校で教える場合も、教育委員会への報告や承認が必要な場合がある。以上の点に関してはどのように検討されたか。
6.報告が必要かどうかは、関与する教育機関や契約形態によって異なる。公立学校の場合は、教育委員会への報告や許可が必要な場合が多く、私立学校では内部規定に従うケースが一般的である。また、企業内部での労働契約変更に関する報告が必要な場合もある。適切な手続きを踏むことで、特別な報告を求められる場面が出てくることが予想されるが、状況に応じた対応が求められる。如何なる契約形態なのか。
【問4】企業(この場合:スイミングスクールを経営する者)との契約形態は請負契約なのか派遣契約なのか、何れの形式なのだろうか。雇用形態や労働者の指揮命令系統に関して大きな違いがある。
⇨ 請負契約:請負業者が業務の完成に対して責任を負う。作業中に発生した問題や不具合は、請負業者が解決する責任がある。発注者は成果物の受け取りに対する評価を行うのみで、業務の進行に直接関与しない。
⇨ 派遣契約:派遣先企業が派遣労働者に対する指示や業務の進行管理を行うが、労働者の雇用責任は派遣元企業にある。
⇨ 業務の内容に問題があった場合、派遣先が責任を持つことが一般的である。
1.電話では教師が現場にいて指示を出しているようである(つまり、契約の対象は「労働力の提供」)と、派遣契約のようでもある。果たして如何なる形態なのであろうか。
2.その費用は如何ほどの契約内容によるのか。また、学生が個人で利用する費用と比較してもらいたい。
3.新聞報道(中日2024.09.07)によると、市は「教員の負担減を目指し」とあるが。教員の負担減の定量化はできているのか。教員の行動分析及び教員の日・月・年の学校での時間配分(授業・事務・報告等)はどのようになっているのか。
4.教員の負担減に関連して、教員を増員するという選択肢は検討されているのか。
5.一年にスイミングスクール時間(授業)はどれほどの時間であるのか。
6.新聞報道(中日2024.09.07)では、「小まめな水質検査や、プール清掃の負担が軽減された」とあるが、この業務こそ業者と契約できなかったのか。
7.学校でプールを維持した場合の費用如何ほどか。
8.新聞報道(中日2024.09.07)「本年度6校分の委託費用は約2600万円」とある。つまり、委託契約ならば、受託者は業務遂行の方法において一定の裁量を持ち、委託者が直接指揮命令を行わないことが多いのであるが、この点はどうか(【問4】1.関連)。
9.市内でスイミングスクールを経営する企業は何か所ぐらいあるのか。
【問5】教員資格のない者が小中学校で教授する場合、生徒の評価を行うことができるかどうかについては、法的および運営上の規定に従うが、一般的に、以下のポイントが関連する。
1.学校教育法および教員免許に基づく規定:教員免許状を持つ者は、学校教育法に基づき生徒の学習成績を評価し、その成績を正式に報告する権限を有する。通常、正規の教員のみが成績評価を行い、通知表に反映させることが認められている。また、臨時免許状・特別免許状保持者:臨時免許状や特別免許状を保持している場合、正式な教員として扱われるため、生徒の評価を行うことが可能である(非常勤講師の場合:非常勤講師は、通常は特定の教科を担当しますが、生徒の評価に関しては正規教員が最終的な責任を負います。非常勤講師が評価に関与することはあるものの、正式な評価を行うのは免許状を持つ正規教員である)。以上の点に関しては如何か。
2.学校の裁量:学校の運営方針や教育委員会の判断により、教員免許を持たない者が授業を担当する場合、その者が生徒の評価にどの程度関与するかが決まる。例えば、非常勤講師や特別講師として授業を担当しても、成績評価は免許を持つ正規の教員が行うのが一般的である。こうした場合、評価のために企業の社員がアドバイスを提供することは可能であるが、評価の最終決定権は学校側にある。また、補助的な評価への関与で、教員資格のない者が生徒の評価に補助的に関与するケースもある。たとえば、専門知識を持つ企業の社員が、担当教科に関連する課題や実技の指導を行い、その成果を教員に報告することはある。ただし、正式な評価は教員が行うのが基本である。以上の点に関してはどのように処置されているのか。
3 生徒の記録や通知表への記載
生徒の記録や通知表への成績の記載は、正規教員の責任範囲である。そのため、企業の社員など教員資格のない者が独自に評価を行い、通知表に直接記載することは通常認められていない。評価の際には、正式な教員が最終的な判断を行のであるが、その様になっているのか、その裏付けは。
【問6】教育上の法的問題:民間にスイミング授業を委託することには教育上および法的な問題が存在する。
1.責任の所在: 学校の授業として実施される以上、教育活動に関する最終的な責任は学校側にある。民間業者に委託した場合でも、事故やトラブルが発生した際の責任の所在が不明確になる可能性がある。そのため、契約時に責任範囲を明確にする必要がある。
2.教育指導要領との整合性: 日本の学校教育には、文部科学省が定める教育指導要領があり、学校はこれに基づいた授業を行う義務がある。民間業者によるスイミング指導が教育指導要領に準拠していない場合、教育内容の質や適切性に疑問が生じる可能性がある。
3.労働条件や安全管理の問題: 民間委託の指導者が労働条件や資格を適切に満たしているかの確認が必要である。また、安全管理が不十分な場合、事故のリスクが高まるため、受託者の水泳指導者が適切な訓練を受けているかどうかを厳格にチェックすることが求められる。
4.教育の公平性: 公教育の一環として行われるスイミング授業が民間委託された場合、地域や学校ごとの経済状況や施設の整備状況により、教育の質にばらつきが出る可能性がある。これは教育の公平性に関わる重要な問題である。
5.このような法的および教育的な問題を解決するためには、契約内容や指導者の資格の確認、安全対策の強化、そして指導内容が教育指導要領に準拠しているかどうかのチェックが不可欠である。
取り敢えず、以上である。
2024.09.09
【閑話 完】
【参考】
学校体育実技指導資料 第4集
水泳指導の手引 (三訂版)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/10/1348570_1_1.pdf
水泳指導と安全
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/10/1348570_7_1.pdf
官民連携による学校体育施設の有効活用等について(水泳プール関係)
https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2018/11/01/1410416_05.pdf
米国:日・比を使いアジアで軍拡競争を画策 ― 2024年09月11日 18:13
【概要】
アメリカが日本とフィリピンを通じてアジアで新たな軍拡競争を引き起こそうとしていると論じている。具体的には、アメリカは日本とフィリピンの軍事的協力と中距離ミサイルの配備を通じて、中国とロシアを挑発し、防衛に追い込むことを狙っているとしている。これに対して、中国は7月末に中距離ミサイルの配備が「軍拡競争を引き起こす」と警告し、ロシアも8月に同様の懸念を表明した。
この動きは、アメリカが「アジアへの再回帰」を進める中で、中国とロシアの連携を強め、それが結果的にNATOの欧州加盟国に対して、ロシアを引き続き抑え込む必要性を理解させるための戦略だとされている。また、この記事は、アメリカが欧州でのロシアの封じ込めを続けつつ、アジアでも中国の封じ込めを行うために、地域同盟国により多くの役割を担わせようとしていると述べている。
その一環として、日本とフィリピンの軍事的連携を強化し、NATOのEU加盟国がアメリカの「二重の封じ込め」を支援するように促す狙いがある。しかし、この戦略は逆効果を生む可能性もあり、中国とロシアの協力関係が強化され、NATO内部で不満が高まる可能性があるとも警告している。
【詳細】
アメリカが日本とフィリピンを使ってアジアで新たな軍拡競争を意図的に引き起こし、これを利用して中国とロシアを挑発し、防衛的な立場に追い込もうとしているとしている。この背景には、アメリカがアジアへの軍事的関与を強化し、「Pivot to Asia」(アジアへの再回帰)を進める戦略があり、この動きが結果的にアジアだけでなく、ヨーロッパにも影響を与えるという分析がなされている。
1. 中国・ロシアの反応
中国は7月末に、アメリカが日本とフィリピンに中距離ミサイルを配備する計画が「軍拡競争を引き起こす」と警告した。ロシアも8月に、日本がアメリカの中距離ミサイルを受け入れるなら、同様に「新たな軍拡競争を引き起こす」と警告している。これにより、両国はアメリカの挑発に対して強い警戒を示している。
2. アメリカの目的と計算
アメリカの目的は、中国とロシアを防衛的な立場に追い込み、戦略的に不利な状況に置くことである。特に、日本とフィリピンが結んだ軍事物流協定は、中国との対立を深めるものであり、これはアメリカのアジアへの関与強化の一環とされている。この記事では、アメリカが「二重の封じ込め戦略」を展開しており、アジアでは中国、ヨーロッパではロシアを抑え込もうとしているとしている。しかし、このような動きは、中国とロシアが連携を強化する結果を招く可能性が高いと指摘されている。
3. NATOとEUへの影響
アメリカは、この戦略がヨーロッパにも影響を及ぼすと見ている。アメリカの意図としては、中国とロシアが協力を強めることで、NATOやEU加盟国にロシアの封じ込めを継続する必要性を理解させる狙いがある。これにより、NATOの欧州加盟国はアメリカの意図に従い、ロシアに対する防衛力を強化することが期待されている。特に、トランプ政権時代からのNATO改革の一環として、ヨーロッパが自らの防衛を強化し、アメリカがアジアに注力できるようにするという方向性が示されている。
4. アジア版NATOの構築
アメリカは、NATOのようなアジアの軍事同盟を構築しようとしており、その中心となるのがAUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリアの軍事同盟)に加えて、日本とフィリピンの戦略的パートナーシップである。この連携により、アジアでの軍事的プレゼンスを強化し、中国に対する抑止力を高めることが狙いである。さらに、この記事では、NATOのEU加盟国が内部で軍事産業の協力を強化することが、将来的にアジアでも同様のモデルが構築される可能性があると示唆している。
5. 戦略のリスク
しかし、このアメリカの戦略は逆効果を生む可能性もあると指摘されている。例えば、アメリカがアジアへの再回帰を急ぎすぎた場合、NATOの欧州加盟国が「アメリカがヨーロッパをロシアに見捨てようとしている」と感じ、アメリカとの関係が悪化する可能性がある。また、中国とロシアの軍事的協力がさらに強化され、アメリカの「二重の封じ込め」戦略が失敗に終わる危険性もある。さらに、日本とフィリピンが軍拡競争をエスカレートさせることで、アジア地域全体の不安定化を引き起こし、アメリカの目論見が裏目に出る可能性もある。
6. 結論
この記事は、アメリカがアジアでの軍拡競争を通じて、ロシアと中国を封じ込めようとする戦略を推進しているが、それが必ずしも成功するとは限らず、むしろ中国とロシアの連携強化やNATO内部での不満を引き起こす可能性があると警告している。この戦略には一定の論理があるものの、実際に実施された際には予想外の結果が生じるリスクが高いと述べている。
【要点】
・アメリカは日本とフィリピンを通じて、アジアで新たな軍拡競争を引き起こそうとしている。
・中国はアメリカが中距離ミサイルを配備することが「軍拡競争を引き起こす」と7月に警告し、ロシアも8月に同様の警告を行った。
・アメリカは中国とロシアを挑発し、両国を防衛的な立場に追い込み、戦略的優位を得ようとしている。
・日本とフィリピンの軍事物流協定は、アメリカの「Pivot to Asia」(アジアへの再回帰)の一環であり、中国との対立を深めるもの。
・アメリカは「二重の封じ込め戦略」を推進しており、アジアでは中国、ヨーロッパではロシアを封じ込めようとしている。
・アメリカの意図は、中国とロシアが連携することで、NATOやEU加盟国にロシア封じ込めの重要性を理解させること。
・NATOの欧州加盟国が防衛を強化し、アメリカがアジアに集中できるようにする狙いがある。
・アメリカはアジア版NATOを構築しようとしており、日本とフィリピンの戦略的パートナーシップがその中心。
・この戦略は、中国とロシアの連携強化やNATO内部の不満を引き起こすリスクがある。
・アメリカの軍拡競争の煽りがアジア地域全体の不安定化を招く可能性もある。
最終的に、アメリカの戦略が逆効果を生む危険性があり、予期せぬ結果が生じる可能性があると警告されている。
【引用・参照・底本】
Japan & The Philippines Aim To Provoke A New Asian Arms Race At America’s Behest Andrew Korybko's Newsletter 2024.09.11
https://korybko.substack.com/p/japan-and-the-philippines-aim-to?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=148754049&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email
アメリカが日本とフィリピンを通じてアジアで新たな軍拡競争を引き起こそうとしていると論じている。具体的には、アメリカは日本とフィリピンの軍事的協力と中距離ミサイルの配備を通じて、中国とロシアを挑発し、防衛に追い込むことを狙っているとしている。これに対して、中国は7月末に中距離ミサイルの配備が「軍拡競争を引き起こす」と警告し、ロシアも8月に同様の懸念を表明した。
この動きは、アメリカが「アジアへの再回帰」を進める中で、中国とロシアの連携を強め、それが結果的にNATOの欧州加盟国に対して、ロシアを引き続き抑え込む必要性を理解させるための戦略だとされている。また、この記事は、アメリカが欧州でのロシアの封じ込めを続けつつ、アジアでも中国の封じ込めを行うために、地域同盟国により多くの役割を担わせようとしていると述べている。
その一環として、日本とフィリピンの軍事的連携を強化し、NATOのEU加盟国がアメリカの「二重の封じ込め」を支援するように促す狙いがある。しかし、この戦略は逆効果を生む可能性もあり、中国とロシアの協力関係が強化され、NATO内部で不満が高まる可能性があるとも警告している。
【詳細】
アメリカが日本とフィリピンを使ってアジアで新たな軍拡競争を意図的に引き起こし、これを利用して中国とロシアを挑発し、防衛的な立場に追い込もうとしているとしている。この背景には、アメリカがアジアへの軍事的関与を強化し、「Pivot to Asia」(アジアへの再回帰)を進める戦略があり、この動きが結果的にアジアだけでなく、ヨーロッパにも影響を与えるという分析がなされている。
1. 中国・ロシアの反応
中国は7月末に、アメリカが日本とフィリピンに中距離ミサイルを配備する計画が「軍拡競争を引き起こす」と警告した。ロシアも8月に、日本がアメリカの中距離ミサイルを受け入れるなら、同様に「新たな軍拡競争を引き起こす」と警告している。これにより、両国はアメリカの挑発に対して強い警戒を示している。
2. アメリカの目的と計算
アメリカの目的は、中国とロシアを防衛的な立場に追い込み、戦略的に不利な状況に置くことである。特に、日本とフィリピンが結んだ軍事物流協定は、中国との対立を深めるものであり、これはアメリカのアジアへの関与強化の一環とされている。この記事では、アメリカが「二重の封じ込め戦略」を展開しており、アジアでは中国、ヨーロッパではロシアを抑え込もうとしているとしている。しかし、このような動きは、中国とロシアが連携を強化する結果を招く可能性が高いと指摘されている。
3. NATOとEUへの影響
アメリカは、この戦略がヨーロッパにも影響を及ぼすと見ている。アメリカの意図としては、中国とロシアが協力を強めることで、NATOやEU加盟国にロシアの封じ込めを継続する必要性を理解させる狙いがある。これにより、NATOの欧州加盟国はアメリカの意図に従い、ロシアに対する防衛力を強化することが期待されている。特に、トランプ政権時代からのNATO改革の一環として、ヨーロッパが自らの防衛を強化し、アメリカがアジアに注力できるようにするという方向性が示されている。
4. アジア版NATOの構築
アメリカは、NATOのようなアジアの軍事同盟を構築しようとしており、その中心となるのがAUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリアの軍事同盟)に加えて、日本とフィリピンの戦略的パートナーシップである。この連携により、アジアでの軍事的プレゼンスを強化し、中国に対する抑止力を高めることが狙いである。さらに、この記事では、NATOのEU加盟国が内部で軍事産業の協力を強化することが、将来的にアジアでも同様のモデルが構築される可能性があると示唆している。
5. 戦略のリスク
しかし、このアメリカの戦略は逆効果を生む可能性もあると指摘されている。例えば、アメリカがアジアへの再回帰を急ぎすぎた場合、NATOの欧州加盟国が「アメリカがヨーロッパをロシアに見捨てようとしている」と感じ、アメリカとの関係が悪化する可能性がある。また、中国とロシアの軍事的協力がさらに強化され、アメリカの「二重の封じ込め」戦略が失敗に終わる危険性もある。さらに、日本とフィリピンが軍拡競争をエスカレートさせることで、アジア地域全体の不安定化を引き起こし、アメリカの目論見が裏目に出る可能性もある。
6. 結論
この記事は、アメリカがアジアでの軍拡競争を通じて、ロシアと中国を封じ込めようとする戦略を推進しているが、それが必ずしも成功するとは限らず、むしろ中国とロシアの連携強化やNATO内部での不満を引き起こす可能性があると警告している。この戦略には一定の論理があるものの、実際に実施された際には予想外の結果が生じるリスクが高いと述べている。
【要点】
・アメリカは日本とフィリピンを通じて、アジアで新たな軍拡競争を引き起こそうとしている。
・中国はアメリカが中距離ミサイルを配備することが「軍拡競争を引き起こす」と7月に警告し、ロシアも8月に同様の警告を行った。
・アメリカは中国とロシアを挑発し、両国を防衛的な立場に追い込み、戦略的優位を得ようとしている。
・日本とフィリピンの軍事物流協定は、アメリカの「Pivot to Asia」(アジアへの再回帰)の一環であり、中国との対立を深めるもの。
・アメリカは「二重の封じ込め戦略」を推進しており、アジアでは中国、ヨーロッパではロシアを封じ込めようとしている。
・アメリカの意図は、中国とロシアが連携することで、NATOやEU加盟国にロシア封じ込めの重要性を理解させること。
・NATOの欧州加盟国が防衛を強化し、アメリカがアジアに集中できるようにする狙いがある。
・アメリカはアジア版NATOを構築しようとしており、日本とフィリピンの戦略的パートナーシップがその中心。
・この戦略は、中国とロシアの連携強化やNATO内部の不満を引き起こすリスクがある。
・アメリカの軍拡競争の煽りがアジア地域全体の不安定化を招く可能性もある。
最終的に、アメリカの戦略が逆効果を生む危険性があり、予期せぬ結果が生じる可能性があると警告されている。
【引用・参照・底本】
Japan & The Philippines Aim To Provoke A New Asian Arms Race At America’s Behest Andrew Korybko's Newsletter 2024.09.11
https://korybko.substack.com/p/japan-and-the-philippines-aim-to?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=148754049&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email
ドイツの国境管理再導入 ― 2024年09月11日 19:12
【概要】
ドナルド・トゥスクがドイツの国境管理再導入に関して3つの重要なポイントを挙げていると説明されている。彼は、以下の理由からこの措置を批判した。
1.経済活動の制約: 国境管理の再導入により、EU最大の経済であるドイツとの人と物の自由な移動が制限されること。
2.ドイツの政治的影響: トゥスクは、この政策はポーランドや他国の移民問題というよりも、ドイツの国内政治、特にAfD(ドイツの極右政党)の最近の選挙での成功が原因であると指摘している。ドイツのエリート層が移民問題に対してより厳しい政策を取るようになったと見ている。
3.ポーランドの国境強化: トゥスクは、ポーランドの東部国境は非常に強化されており、この点はドイツ政府も理解していると述べている。彼はまた、ポーランドとドイツの「軍事シェンゲン」協定に言及し、ドイツがポーランドの国境管理に部分的に関与していることも示唆している。
トゥスクはこれらの点を挙げ、ドイツの政策がヨーロッパの結束に悪影響を及ぼす可能性があると警告しています。
【詳細】
ポーランドの元首相であるドナルド・トゥスクが、ドイツによる隣国との国境管理再導入について鋭く批判し、3つの重要な点を挙げている。その詳細は以下の通り。
1. 経済活動と人の自由な移動の制約
トゥスクの第一の懸念は、ドイツが隣国との国境管理を再導入することが、EUの経済、特にドイツとの間の人と物の自由な移動に深刻な影響を与えるということである。ドイツはEU最大の経済大国であり、EU加盟国間の経済活動はシェンゲン協定による国境の自由な移動に大きく依存している。国境管理の強化は、ビジネスや物流に遅れやコストの増加をもたらし、EU全体の経済的なダメージにもつながる可能性がある。
トゥスクは、ドイツのこの決定が「事実上、シェンゲン協定の大規模な停止」を引き起こすと予測している。シェンゲン協定は、ヨーロッパ内の国境を超える自由な移動を促進するものであり、これにより加盟国間の経済活動が円滑に進められてきた。そのため、国境管理の再導入は、特にドイツとの経済関係に依存する近隣諸国にとって大きな打撃となる可能性がある。
2. ドイツの国内政治状況の影響
トゥスクの第二の主張は、ドイツの国境管理強化の背景には、ポーランドや他の隣国の移民政策ではなく、ドイツ国内の政治的な要因があるというものである。彼は特に、ドイツの極右政党であるAfD(ドイツのための選択肢)が最近の選挙で成功を収めたことが、ドイツ政府に移民に対するより厳しい政策を取らせる要因になっていると述べている。
AfDは反移民の立場を強く打ち出しており、その支持が増加していることがドイツの政治的エリート層に衝撃を与えた。このため、ドイツ政府は国内の支持基盤を守るために、国境管理を強化し、移民流入を厳格に取り締まる姿勢を示していると考えられる。トゥスクは、これがドイツの内部政治の圧力によるものであり、必ずしも隣国の移民対策に対する不満からではないと指摘している。
3. ポーランドの東部国境の強化
トゥスクの第三のポイントは、ポーランドの東部国境が強化されており、ドイツ政府もこの事実を認識しているということである。彼は、2023年の初めに締結された「軍事シェンゲン」協定に言及している。この協定により、ドイツの武器や部隊がポーランドを経由してリトアニアに新設されたドイツの軍事基地に自由に移動できるようになっている。また、ポーランドは国境管理を強化し、ベラルーシからの不法移民の流入を大幅に減少させた。記事によれば、この対策により不法移民の数は3週間で半減し、2,000人未満にまで減少したとされている。
トゥスクは、ポーランドの国境が十分に管理されているにもかかわらず、ドイツが国境管理を再導入する理由が、ポーランドの移民政策にあるわけではないと強調している。むしろ、ドイツの国内政治やAfDの影響が主な要因であり、ポーランドが移民問題に関してドイツに反旗を翻したわけではないとも述べている。
結論と背景
トゥスクの批判は、来年のポーランド大統領選挙を見据えたものと考えられている。野党の指導者ヤロスワフ・カチンスキは昨年末、トゥスクを「ドイツの代理人」と非難したが、今回の発言はそれを払拭するためのものと見る向きもある。しかし、トゥスクがドイツに対していくら批判的であっても、ポーランドが「軍事シェンゲン」から一時的に撤退し、ドイツの武器や部隊の移動を妨げるような措置を取る可能性は低いとされている。これは、西側の対ロシア戦争努力を妨害するという批判を浴びるリスクがあるためである。
最後に、トゥスクは、ドイツの国境管理再導入の真の動機はAfDの成長に対する恐怖であると示唆している。ドイツのエリート層は、AfDの台頭によって自らの政治的権力が脅かされることを恐れており、その結果、ヨーロッパの結束やポーランドとの関係を犠牲にしてでも、自国の安定を優先していると分析している。
【要点】
・ドイツの国境管理再導入は、EU最大の経済であるドイツとの人と物の自由な移動を制約し、経済活動に悪影響を与える可能性がある。
・ドナルド・トゥスクは、この政策がドイツ国内の政治状況、特にAfD(ドイツの極右政党)の選挙での成功に対する対応であると指摘している。
・AfDの支持が増加したことで、ドイツ政府は移民問題に対してより厳しい姿勢を取るよう圧力を受けた。
・ポーランドの東部国境は強化されており、ドイツもこれを認識している。特に、2023年初めの「軍事シェンゲン」協定で、ドイツはポーランドを経由してリトアニアに部隊を移動できるようになった。
・ポーランドは移民対策を強化し、ベラルーシからの不法移民の数を大幅に減少させている。
・トゥスクの発言は、来年のポーランド大統領選挙を見据えたもので、彼が「ドイツの代理人」として批判されていることへの対抗措置とも考えられる。
・しかし、トゥスクがドイツを批判しても、「軍事シェンゲン」協定を撤回し、ドイツの兵力移動を妨げることはリスクが高く、実行する可能性は低い。
・ドイツ政府はAfDの台頭を恐れ、国内の政治的安定を優先するために、国境管理強化を行っているとされている。
【参考】
☞ シェンゲン協定は、ヨーロッパ諸国間で国境を越えた自由な移動を可能にするための取り決めである。1985年にルクセンブルクのシェンゲンで署名されたことからその名前がつけられた。
主な特徴
1.国境検査の廃止: シェンゲン協定に加盟している国々は、相互間の国境でのパスポート検査や入国審査を廃止し、国境を越える際に市民や観光客が自由に移動できるようにした。
2.共通のビザ政策: シェンゲン圏内を旅行する際、共通のシェンゲンビザが利用できる。加盟国のどこから入国しても、そのビザでシェンゲン圏全体を自由に移動できるようになっている。
3.安全保障の協力: 国境を自由に行き来できる一方で、テロや犯罪に対する対策を強化するため、加盟国同士での情報共有や警察の協力が行われている。
目的
・経済的な利益: 人と物の移動を容易にし、経済活動を促進すること。
・観光の利便性向上: 観光客にとっても、ビザ手続きが簡素化され、複数国を訪問しやすくなる。
・ヨーロッパの一体化促進: 国境を越えた自由な移動は、EUの一体感を高め、欧州市民の相互理解を促進する。
加盟国
・現在、シェンゲン協定にはEU加盟国のほとんどと、ノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインなどEUに加盟していない一部の国々も参加している。
例外
・イギリス(英国): イギリスはEU加盟国であったが、2020年1月31日にEUを離脱した。離脱前からシェンゲン協定には参加しておらず、入国審査やパスポート検査が行われていた。
アイルランド: アイルランドはEU加盟国であるが、シェンゲン協定には参加していない。そのため、アイルランドとシェンゲン協定加盟国間では国境検査が行われるが、アイルランドとイギリス間では「共同旅行エリア(Common Travel Area)」を設け、入国検査の免除が実施されている。
・アイルランドとイギリスの間では、シェンゲン協定に代わる独自の取り決めがあるため、両国間での移動は比較的自由である。
課題
・移民問題: 自由な移動が移民や難民の流入を容易にするため、加盟国間で移民政策の調整が重要である。
・テロ対策: 国境検査が廃止されると、テロリストが自由に移動するリスクが高まるため、治安の確保が課題である。
シェンゲン協定は、ヨーロッパにおける統合と協力の象徴であり、国際的な経済や観光活動に大きく貢献しているが、政治的・安全保障的な課題も伴っている。
☞ 「軍事シェンゲン」は、NATO加盟国やEU加盟国間での兵器や軍隊の自由な移動を促進するための協定や枠組みを指す用語である。この用語は、ヨーロッパ内での自由な人や物の移動を保証するシェンゲン協定を参考にしているが、軍事目的に特化している。
主な目的
・NATOやEUの加盟国が、必要な場合に迅速に軍隊や兵器を移動させることを可能にし、防衛協力を強化すること。
・特にロシアからの脅威に対抗するため、東ヨーロッパ(例: リトアニア、ポーランド)への兵力展開を円滑にすること。
具体的な例
・2023年初頭、ドイツとポーランドが「軍事シェンゲン」に関する協定を結び、ドイツの兵器や部隊がポーランドを経由してリトアニアに新設されたドイツ軍の基地に移動できるようになった。この協定により、ドイツ軍はポーランド領内を迅速かつ障害なく通過することができ、地域の防衛力を強化している。
意義
「軍事シェンゲン」は、NATOの迅速な対応能力を高め、東ヨーロッパ諸国の防衛を強化するための重要な手段となっている。これにより、ロシアをはじめとする潜在的な脅威に対する抑止力が強化される。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
Donald Tusk Made Three Solid Points About Germany’s Decision To Reimpose Border Controls Andrew Korybko's Newsletter 2024.09.11
https://korybko.substack.com/p/donald-tusk-made-three-solid-points?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=148758154&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&token=eyJ1c2VyX2lkIjoxMTQ3ODcsInBvc3RfaWQiOjE0ODc1ODE1NCwiaWF0IjoxNzI2MDQ0NjQzLCJleHAiOjE3Mjg2MzY2NDMsImlzcyI6InB1Yi04MzU3ODMiLCJzdWIiOiJwb3N0LXJlYWN0aW9uIn0.OgdZ7hf7XLF46QKsPzHADwhlrIX2bQ27PrD_byDO9aI&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email
ドナルド・トゥスクがドイツの国境管理再導入に関して3つの重要なポイントを挙げていると説明されている。彼は、以下の理由からこの措置を批判した。
1.経済活動の制約: 国境管理の再導入により、EU最大の経済であるドイツとの人と物の自由な移動が制限されること。
2.ドイツの政治的影響: トゥスクは、この政策はポーランドや他国の移民問題というよりも、ドイツの国内政治、特にAfD(ドイツの極右政党)の最近の選挙での成功が原因であると指摘している。ドイツのエリート層が移民問題に対してより厳しい政策を取るようになったと見ている。
3.ポーランドの国境強化: トゥスクは、ポーランドの東部国境は非常に強化されており、この点はドイツ政府も理解していると述べている。彼はまた、ポーランドとドイツの「軍事シェンゲン」協定に言及し、ドイツがポーランドの国境管理に部分的に関与していることも示唆している。
トゥスクはこれらの点を挙げ、ドイツの政策がヨーロッパの結束に悪影響を及ぼす可能性があると警告しています。
【詳細】
ポーランドの元首相であるドナルド・トゥスクが、ドイツによる隣国との国境管理再導入について鋭く批判し、3つの重要な点を挙げている。その詳細は以下の通り。
1. 経済活動と人の自由な移動の制約
トゥスクの第一の懸念は、ドイツが隣国との国境管理を再導入することが、EUの経済、特にドイツとの間の人と物の自由な移動に深刻な影響を与えるということである。ドイツはEU最大の経済大国であり、EU加盟国間の経済活動はシェンゲン協定による国境の自由な移動に大きく依存している。国境管理の強化は、ビジネスや物流に遅れやコストの増加をもたらし、EU全体の経済的なダメージにもつながる可能性がある。
トゥスクは、ドイツのこの決定が「事実上、シェンゲン協定の大規模な停止」を引き起こすと予測している。シェンゲン協定は、ヨーロッパ内の国境を超える自由な移動を促進するものであり、これにより加盟国間の経済活動が円滑に進められてきた。そのため、国境管理の再導入は、特にドイツとの経済関係に依存する近隣諸国にとって大きな打撃となる可能性がある。
2. ドイツの国内政治状況の影響
トゥスクの第二の主張は、ドイツの国境管理強化の背景には、ポーランドや他の隣国の移民政策ではなく、ドイツ国内の政治的な要因があるというものである。彼は特に、ドイツの極右政党であるAfD(ドイツのための選択肢)が最近の選挙で成功を収めたことが、ドイツ政府に移民に対するより厳しい政策を取らせる要因になっていると述べている。
AfDは反移民の立場を強く打ち出しており、その支持が増加していることがドイツの政治的エリート層に衝撃を与えた。このため、ドイツ政府は国内の支持基盤を守るために、国境管理を強化し、移民流入を厳格に取り締まる姿勢を示していると考えられる。トゥスクは、これがドイツの内部政治の圧力によるものであり、必ずしも隣国の移民対策に対する不満からではないと指摘している。
3. ポーランドの東部国境の強化
トゥスクの第三のポイントは、ポーランドの東部国境が強化されており、ドイツ政府もこの事実を認識しているということである。彼は、2023年の初めに締結された「軍事シェンゲン」協定に言及している。この協定により、ドイツの武器や部隊がポーランドを経由してリトアニアに新設されたドイツの軍事基地に自由に移動できるようになっている。また、ポーランドは国境管理を強化し、ベラルーシからの不法移民の流入を大幅に減少させた。記事によれば、この対策により不法移民の数は3週間で半減し、2,000人未満にまで減少したとされている。
トゥスクは、ポーランドの国境が十分に管理されているにもかかわらず、ドイツが国境管理を再導入する理由が、ポーランドの移民政策にあるわけではないと強調している。むしろ、ドイツの国内政治やAfDの影響が主な要因であり、ポーランドが移民問題に関してドイツに反旗を翻したわけではないとも述べている。
結論と背景
トゥスクの批判は、来年のポーランド大統領選挙を見据えたものと考えられている。野党の指導者ヤロスワフ・カチンスキは昨年末、トゥスクを「ドイツの代理人」と非難したが、今回の発言はそれを払拭するためのものと見る向きもある。しかし、トゥスクがドイツに対していくら批判的であっても、ポーランドが「軍事シェンゲン」から一時的に撤退し、ドイツの武器や部隊の移動を妨げるような措置を取る可能性は低いとされている。これは、西側の対ロシア戦争努力を妨害するという批判を浴びるリスクがあるためである。
最後に、トゥスクは、ドイツの国境管理再導入の真の動機はAfDの成長に対する恐怖であると示唆している。ドイツのエリート層は、AfDの台頭によって自らの政治的権力が脅かされることを恐れており、その結果、ヨーロッパの結束やポーランドとの関係を犠牲にしてでも、自国の安定を優先していると分析している。
【要点】
・ドイツの国境管理再導入は、EU最大の経済であるドイツとの人と物の自由な移動を制約し、経済活動に悪影響を与える可能性がある。
・ドナルド・トゥスクは、この政策がドイツ国内の政治状況、特にAfD(ドイツの極右政党)の選挙での成功に対する対応であると指摘している。
・AfDの支持が増加したことで、ドイツ政府は移民問題に対してより厳しい姿勢を取るよう圧力を受けた。
・ポーランドの東部国境は強化されており、ドイツもこれを認識している。特に、2023年初めの「軍事シェンゲン」協定で、ドイツはポーランドを経由してリトアニアに部隊を移動できるようになった。
・ポーランドは移民対策を強化し、ベラルーシからの不法移民の数を大幅に減少させている。
・トゥスクの発言は、来年のポーランド大統領選挙を見据えたもので、彼が「ドイツの代理人」として批判されていることへの対抗措置とも考えられる。
・しかし、トゥスクがドイツを批判しても、「軍事シェンゲン」協定を撤回し、ドイツの兵力移動を妨げることはリスクが高く、実行する可能性は低い。
・ドイツ政府はAfDの台頭を恐れ、国内の政治的安定を優先するために、国境管理強化を行っているとされている。
【参考】
☞ シェンゲン協定は、ヨーロッパ諸国間で国境を越えた自由な移動を可能にするための取り決めである。1985年にルクセンブルクのシェンゲンで署名されたことからその名前がつけられた。
主な特徴
1.国境検査の廃止: シェンゲン協定に加盟している国々は、相互間の国境でのパスポート検査や入国審査を廃止し、国境を越える際に市民や観光客が自由に移動できるようにした。
2.共通のビザ政策: シェンゲン圏内を旅行する際、共通のシェンゲンビザが利用できる。加盟国のどこから入国しても、そのビザでシェンゲン圏全体を自由に移動できるようになっている。
3.安全保障の協力: 国境を自由に行き来できる一方で、テロや犯罪に対する対策を強化するため、加盟国同士での情報共有や警察の協力が行われている。
目的
・経済的な利益: 人と物の移動を容易にし、経済活動を促進すること。
・観光の利便性向上: 観光客にとっても、ビザ手続きが簡素化され、複数国を訪問しやすくなる。
・ヨーロッパの一体化促進: 国境を越えた自由な移動は、EUの一体感を高め、欧州市民の相互理解を促進する。
加盟国
・現在、シェンゲン協定にはEU加盟国のほとんどと、ノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタインなどEUに加盟していない一部の国々も参加している。
例外
・イギリス(英国): イギリスはEU加盟国であったが、2020年1月31日にEUを離脱した。離脱前からシェンゲン協定には参加しておらず、入国審査やパスポート検査が行われていた。
アイルランド: アイルランドはEU加盟国であるが、シェンゲン協定には参加していない。そのため、アイルランドとシェンゲン協定加盟国間では国境検査が行われるが、アイルランドとイギリス間では「共同旅行エリア(Common Travel Area)」を設け、入国検査の免除が実施されている。
・アイルランドとイギリスの間では、シェンゲン協定に代わる独自の取り決めがあるため、両国間での移動は比較的自由である。
課題
・移民問題: 自由な移動が移民や難民の流入を容易にするため、加盟国間で移民政策の調整が重要である。
・テロ対策: 国境検査が廃止されると、テロリストが自由に移動するリスクが高まるため、治安の確保が課題である。
シェンゲン協定は、ヨーロッパにおける統合と協力の象徴であり、国際的な経済や観光活動に大きく貢献しているが、政治的・安全保障的な課題も伴っている。
☞ 「軍事シェンゲン」は、NATO加盟国やEU加盟国間での兵器や軍隊の自由な移動を促進するための協定や枠組みを指す用語である。この用語は、ヨーロッパ内での自由な人や物の移動を保証するシェンゲン協定を参考にしているが、軍事目的に特化している。
主な目的
・NATOやEUの加盟国が、必要な場合に迅速に軍隊や兵器を移動させることを可能にし、防衛協力を強化すること。
・特にロシアからの脅威に対抗するため、東ヨーロッパ(例: リトアニア、ポーランド)への兵力展開を円滑にすること。
具体的な例
・2023年初頭、ドイツとポーランドが「軍事シェンゲン」に関する協定を結び、ドイツの兵器や部隊がポーランドを経由してリトアニアに新設されたドイツ軍の基地に移動できるようになった。この協定により、ドイツ軍はポーランド領内を迅速かつ障害なく通過することができ、地域の防衛力を強化している。
意義
「軍事シェンゲン」は、NATOの迅速な対応能力を高め、東ヨーロッパ諸国の防衛を強化するための重要な手段となっている。これにより、ロシアをはじめとする潜在的な脅威に対する抑止力が強化される。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
Donald Tusk Made Three Solid Points About Germany’s Decision To Reimpose Border Controls Andrew Korybko's Newsletter 2024.09.11
https://korybko.substack.com/p/donald-tusk-made-three-solid-points?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=148758154&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&token=eyJ1c2VyX2lkIjoxMTQ3ODcsInBvc3RfaWQiOjE0ODc1ODE1NCwiaWF0IjoxNzI2MDQ0NjQzLCJleHAiOjE3Mjg2MzY2NDMsImlzcyI6InB1Yi04MzU3ODMiLCJzdWIiOiJwb3N0LXJlYWN0aW9uIn0.OgdZ7hf7XLF46QKsPzHADwhlrIX2bQ27PrD_byDO9aI&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email
ハリスとトランプの討論会:ファクトチェック ― 2024年09月11日 19:47
【概要】
2024年9月10日に行われたカマラ・ハリス氏とドナルド・トランプ氏の討論会では、さまざまなトピックが取り上げられた。以下は、両候補者が行ったファクトチェックされた主張の要約です。
1.経済
・ハリスの主張:トランプは民主党に「大恐慌以来最悪の失業率」を残した。
⇨ 事実:失業率はパンデミックの影響で2020年4月に14.8%でピークに達したが、トランプ氏が退任したときには6.4%でした。ハリスの主張は誤解を招くものである。
・トランプの主張:バイデン政権は、米国史上最高のインフレを引き起こした。
⇨ 事実:インフレ率は現在2.9%であるが、バイデン政権下の2022年には9.1%でピークに達した。歴史的な最高値は1920年の23.7%と大幅に高くなっている。
・トランプの否定:彼は売上税を課すだろう。
⇨ 事実:トランプ大統領は消費税について明確に述べなかったが、他の国に対して少なくとも10%の関税が課せられることに言及しており、これは消費者物価に影響を与える可能性がある。
2.移民と「移民犯罪」
・トランプの主張:精神病院からの移民は犯罪を犯し、ペットを食べている。
⇨ 事実:これらの主張を裏付ける証拠はない。暴力犯罪や財産犯罪は歴史的な低水準にあり、移民は米国市民に比べて犯罪を犯す可能性が低くなっている。
・ハリスの主張:トランプは超党派の移民法案を妨害した。
⇨ 事実:ハリスの発言は、移民改革を阻止するためのトランプの政治的策略とされるものを反映している。
3.堕胎
・トランプの主張:ティム・ウォルツは「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実:これは誤り。出生後に赤ん坊を殺すことを許す州はない。
・ハリスの主張:トランプ氏は再選されれば、全米中絶禁止法に署名する。
⇨ 事実:トランプ氏はこれを否定し、この問題は全国的な禁止ではなく、州によって処理されるべきだと述べた。
4.ウクライナ
・トランプの主張:ハリスは戦前に和平交渉を試みたが失敗し、侵攻につながった。
⇨ 事実:ハリスはプーチンに会わなかった。彼女は侵攻前にゼレンスキー氏と会ったが、彼女が戦争を防げなかったというトランプ氏の主張は間違っている。
【詳細】
2024年9月10日に行われたカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ氏の初の大統領候補討論での主な主張についての詳細な事実確認である。
経済に関する主張
ハリス氏の主張
・トランプ氏が「大恐慌以来最悪の失業率」を民主党に残した。
⇨ 事実: 2020年4月、COVID-19パンデミックの影響で失業率は14.8%に達したが、トランプ氏が大統領を退任した時点では6.4%であった。このため、ハリス氏の主張は誤解を招くものであり、実際にはトランプ政権が退任時に失業率を低下させていたことがわかる。
トランプ氏の主張
・バイデン政権下でアメリカのインフレ率が「史上最高」となった。
⇨ 事実: 現在のインフレ率は2.9%であるが、バイデン政権下で2022年にはインフレが9.1%にピークを迎えた。これは1920年の23.7%という歴史的な高値には遠く及ばないため、トランプ氏の主張は事実と異なる。
トランプ氏の主張(販売税について)
・販売税を導入する計画はないと否定。
⇨ 事実: トランプ氏は販売税の導入について直接言及しなかったが、他国に対する最低10%の貿易関税を課すと述べている。これにより、消費者は価格上昇を負担することになり、実質的には消費税に近い影響があるとされている。
移民と「移民犯罪」に関する主張
トランプ氏の主張
・ベネズエラなどから「精神病院からの移民」がアメリカに入国し、犯罪を犯している。
・移民がペットを食べているという根拠のない噂。
⇨ 事実: これらの主張には根拠がなく、地元の警察や当局によるとペットが食べられるという報告はない。FBIのデータによると、暴力犯罪や財産犯罪の発生率は数十年ぶりの低水準にあり、移民の犯罪率はアメリカ市民よりも低いことが研究で示されている。
ハリス氏の主張
・トランプ氏が共和党議員に対して、南部国境での政策強化を目指したバイパーティザン法案を阻止するよう命じた。
⇨ 事実: ハリス氏の主張は、トランプ氏が移民問題での妥協を避けるために政治的な策略を用いたことを反映している。具体的な法案の詳細については議論の余地があるが、トランプ政権が移民政策の改革を阻止したとの指摘はある。
中絶に関する主張
トランプ氏の主張
・民主党員が「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実: アメリカのどの州でも、出生後に赤ちゃんを殺すことは違法である。これは虚偽の主張であり、討論の司会者リンジー・デイヴィス氏もこの点を訂正した。
ハリス氏の主張
・トランプ氏が再選された場合、国家的な中絶禁止法に署名するだろう。
⇨ 事実: トランプ氏はこの主張を否定し、中絶の問題は州レベルで扱うべきだと述べている。彼が国家的な禁止法に署名する意向は示されていない。
ウクライナに関する主張
トランプ氏の主張
・ハリス氏がウクライナ戦争を防ぐためにプーチンとゼレンスキーと交渉したが、戦争が開始された。
⇨ 事実: ハリス氏はプーチンと会ったことはなく、ウクライナ戦争が勃発する前にゼレンスキーと会ったのはミュンヘン安全保障会議でのことであった。このため、トランプ氏の主張は事実と異なる。
【要点】
カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ氏の2024年9月10日の大統領候補討論での主張について、箇条書きでの詳細な説明である。
経済に関する主張
1.ハリス氏の主張
・トランプ氏が「大恐慌以来最悪の失業率」を民主党に残した。
⇨ 事実: 2020年4月に失業率は14.8%に達したが、トランプ氏が退任した時点では6.4%。主張は誤解を招く。
2.トランプ氏の主張
・バイデン政権が「史上最高のインフレ率」をもたらした。
⇨ 事実: 現在のインフレ率は2.9%。バイデン政権下で2022年にインフレが9.1%に達したが、歴史的な高値には遠い。
3.トランプ氏の主張(販売税について)
・販売税を導入する計画はないと否定。
⇨ 事実: 直接の販売税導入の言及はないが、最低10%の貿易関税の導入は言及されており、消費者に影響を与える可能性がある。
移民と「移民犯罪」に関する主張
1.トランプ氏の主張
・移民が「精神病院から」アメリカに入り、犯罪を犯している。
・移民がペットを食べているとの根拠のない噂。
⇨ 事実: 根拠がなく、地元の警察や当局もそのような報告はない。移民の犯罪率はアメリカ市民よりも低い。
2.ハリス氏の主張
・トランプ氏が共和党議員に対して、南部国境での政策強化を目指したバイパーティザン法案を阻止するよう命じた。
⇨ 事実: トランプ氏が移民政策の改革を阻止したとの指摘があり、政治的な策略として解釈される。
中絶に関する主張
1.トランプ氏の主張
・民主党員が「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実: アメリカのどの州でも出生後の処刑は違法。これは虚偽の主張。
2.ハリス氏の主張
・トランプ氏が再選された場合、国家的な中絶禁止法に署名するだろう。
⇨ 事実: トランプ氏は国家的な中絶禁止法に署名する意向を否定し、中絶の問題は州レベルで扱うべきと述べている。
ウクライナに関する主張
1.トランプ氏の主張
・ハリス氏がウクライナ戦争を防ぐためにプーチンとゼレンスキーと交渉したが、戦争が開始された。
⇨ 事実: ハリス氏はプーチンと会ったことはなく、ゼレンスキーとはミュンヘン安全保障会議で会ったが、戦争勃発の原因とは関係ない。
【引用・参照・底本】
Pet-eating, infanticide: Fact-checking claims made during the Harris-Trump debate FRANCE24 2024.09.11
https://www.france24.com/en/live-news/20240911-fact-check-kamala-harris-and-donald-trump-s-presidential-debate?utm_medium=email&utm_campaign=newsletter&utm_source=f24-nl-quot-en&utm_email_send_date=%2020240911&utm_email_recipient=263407&utm_email_link=contenus&_ope=eyJndWlkIjoiYWU3N2I1MjkzZWQ3MzhmMjFlZjM2YzdkNjFmNTNiNWEifQ%3D%3D
2024年9月10日に行われたカマラ・ハリス氏とドナルド・トランプ氏の討論会では、さまざまなトピックが取り上げられた。以下は、両候補者が行ったファクトチェックされた主張の要約です。
1.経済
・ハリスの主張:トランプは民主党に「大恐慌以来最悪の失業率」を残した。
⇨ 事実:失業率はパンデミックの影響で2020年4月に14.8%でピークに達したが、トランプ氏が退任したときには6.4%でした。ハリスの主張は誤解を招くものである。
・トランプの主張:バイデン政権は、米国史上最高のインフレを引き起こした。
⇨ 事実:インフレ率は現在2.9%であるが、バイデン政権下の2022年には9.1%でピークに達した。歴史的な最高値は1920年の23.7%と大幅に高くなっている。
・トランプの否定:彼は売上税を課すだろう。
⇨ 事実:トランプ大統領は消費税について明確に述べなかったが、他の国に対して少なくとも10%の関税が課せられることに言及しており、これは消費者物価に影響を与える可能性がある。
2.移民と「移民犯罪」
・トランプの主張:精神病院からの移民は犯罪を犯し、ペットを食べている。
⇨ 事実:これらの主張を裏付ける証拠はない。暴力犯罪や財産犯罪は歴史的な低水準にあり、移民は米国市民に比べて犯罪を犯す可能性が低くなっている。
・ハリスの主張:トランプは超党派の移民法案を妨害した。
⇨ 事実:ハリスの発言は、移民改革を阻止するためのトランプの政治的策略とされるものを反映している。
3.堕胎
・トランプの主張:ティム・ウォルツは「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実:これは誤り。出生後に赤ん坊を殺すことを許す州はない。
・ハリスの主張:トランプ氏は再選されれば、全米中絶禁止法に署名する。
⇨ 事実:トランプ氏はこれを否定し、この問題は全国的な禁止ではなく、州によって処理されるべきだと述べた。
4.ウクライナ
・トランプの主張:ハリスは戦前に和平交渉を試みたが失敗し、侵攻につながった。
⇨ 事実:ハリスはプーチンに会わなかった。彼女は侵攻前にゼレンスキー氏と会ったが、彼女が戦争を防げなかったというトランプ氏の主張は間違っている。
【詳細】
2024年9月10日に行われたカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ氏の初の大統領候補討論での主な主張についての詳細な事実確認である。
経済に関する主張
ハリス氏の主張
・トランプ氏が「大恐慌以来最悪の失業率」を民主党に残した。
⇨ 事実: 2020年4月、COVID-19パンデミックの影響で失業率は14.8%に達したが、トランプ氏が大統領を退任した時点では6.4%であった。このため、ハリス氏の主張は誤解を招くものであり、実際にはトランプ政権が退任時に失業率を低下させていたことがわかる。
トランプ氏の主張
・バイデン政権下でアメリカのインフレ率が「史上最高」となった。
⇨ 事実: 現在のインフレ率は2.9%であるが、バイデン政権下で2022年にはインフレが9.1%にピークを迎えた。これは1920年の23.7%という歴史的な高値には遠く及ばないため、トランプ氏の主張は事実と異なる。
トランプ氏の主張(販売税について)
・販売税を導入する計画はないと否定。
⇨ 事実: トランプ氏は販売税の導入について直接言及しなかったが、他国に対する最低10%の貿易関税を課すと述べている。これにより、消費者は価格上昇を負担することになり、実質的には消費税に近い影響があるとされている。
移民と「移民犯罪」に関する主張
トランプ氏の主張
・ベネズエラなどから「精神病院からの移民」がアメリカに入国し、犯罪を犯している。
・移民がペットを食べているという根拠のない噂。
⇨ 事実: これらの主張には根拠がなく、地元の警察や当局によるとペットが食べられるという報告はない。FBIのデータによると、暴力犯罪や財産犯罪の発生率は数十年ぶりの低水準にあり、移民の犯罪率はアメリカ市民よりも低いことが研究で示されている。
ハリス氏の主張
・トランプ氏が共和党議員に対して、南部国境での政策強化を目指したバイパーティザン法案を阻止するよう命じた。
⇨ 事実: ハリス氏の主張は、トランプ氏が移民問題での妥協を避けるために政治的な策略を用いたことを反映している。具体的な法案の詳細については議論の余地があるが、トランプ政権が移民政策の改革を阻止したとの指摘はある。
中絶に関する主張
トランプ氏の主張
・民主党員が「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実: アメリカのどの州でも、出生後に赤ちゃんを殺すことは違法である。これは虚偽の主張であり、討論の司会者リンジー・デイヴィス氏もこの点を訂正した。
ハリス氏の主張
・トランプ氏が再選された場合、国家的な中絶禁止法に署名するだろう。
⇨ 事実: トランプ氏はこの主張を否定し、中絶の問題は州レベルで扱うべきだと述べている。彼が国家的な禁止法に署名する意向は示されていない。
ウクライナに関する主張
トランプ氏の主張
・ハリス氏がウクライナ戦争を防ぐためにプーチンとゼレンスキーと交渉したが、戦争が開始された。
⇨ 事実: ハリス氏はプーチンと会ったことはなく、ウクライナ戦争が勃発する前にゼレンスキーと会ったのはミュンヘン安全保障会議でのことであった。このため、トランプ氏の主張は事実と異なる。
【要点】
カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ氏の2024年9月10日の大統領候補討論での主張について、箇条書きでの詳細な説明である。
経済に関する主張
1.ハリス氏の主張
・トランプ氏が「大恐慌以来最悪の失業率」を民主党に残した。
⇨ 事実: 2020年4月に失業率は14.8%に達したが、トランプ氏が退任した時点では6.4%。主張は誤解を招く。
2.トランプ氏の主張
・バイデン政権が「史上最高のインフレ率」をもたらした。
⇨ 事実: 現在のインフレ率は2.9%。バイデン政権下で2022年にインフレが9.1%に達したが、歴史的な高値には遠い。
3.トランプ氏の主張(販売税について)
・販売税を導入する計画はないと否定。
⇨ 事実: 直接の販売税導入の言及はないが、最低10%の貿易関税の導入は言及されており、消費者に影響を与える可能性がある。
移民と「移民犯罪」に関する主張
1.トランプ氏の主張
・移民が「精神病院から」アメリカに入り、犯罪を犯している。
・移民がペットを食べているとの根拠のない噂。
⇨ 事実: 根拠がなく、地元の警察や当局もそのような報告はない。移民の犯罪率はアメリカ市民よりも低い。
2.ハリス氏の主張
・トランプ氏が共和党議員に対して、南部国境での政策強化を目指したバイパーティザン法案を阻止するよう命じた。
⇨ 事実: トランプ氏が移民政策の改革を阻止したとの指摘があり、政治的な策略として解釈される。
中絶に関する主張
1.トランプ氏の主張
・民主党員が「出生後の処刑」を支持している。
⇨ 事実: アメリカのどの州でも出生後の処刑は違法。これは虚偽の主張。
2.ハリス氏の主張
・トランプ氏が再選された場合、国家的な中絶禁止法に署名するだろう。
⇨ 事実: トランプ氏は国家的な中絶禁止法に署名する意向を否定し、中絶の問題は州レベルで扱うべきと述べている。
ウクライナに関する主張
1.トランプ氏の主張
・ハリス氏がウクライナ戦争を防ぐためにプーチンとゼレンスキーと交渉したが、戦争が開始された。
⇨ 事実: ハリス氏はプーチンと会ったことはなく、ゼレンスキーとはミュンヘン安全保障会議で会ったが、戦争勃発の原因とは関係ない。
【引用・参照・底本】
Pet-eating, infanticide: Fact-checking claims made during the Harris-Trump debate FRANCE24 2024.09.11
https://www.france24.com/en/live-news/20240911-fact-check-kamala-harris-and-donald-trump-s-presidential-debate?utm_medium=email&utm_campaign=newsletter&utm_source=f24-nl-quot-en&utm_email_send_date=%2020240911&utm_email_recipient=263407&utm_email_link=contenus&_ope=eyJndWlkIjoiYWU3N2I1MjkzZWQ3MzhmMjFlZjM2YzdkNjFmNTNiNWEifQ%3D%3D
トランプとハリスの討論会 ― 2024年09月11日 20:10
【概要】
2024年9月10日にフィラデルフィアで行われたトランプ前大統領とハリス副大統領の討論会について、主要な発言は以下の通り。
ハリス副大統領の発言要旨
・トランプ氏は、大恐慌以降で最悪の失業を招き、民主主義に対して重大な攻撃を行った。
・トランプ氏の政権下で女性の人工妊娠中絶の権利が制限された。
・世界の指導者たちはトランプ氏を嘲笑し、米軍内でも彼は評価が低いとされている。
・トランプ氏はウクライナ問題に消極的で、支援を見限る可能性がある。
・トランプ氏は独裁的な道を歩もうとしている。
・イスラエルとパレスチナの二国家共存を目指している。
・米国は中国との技術競争に勝利する必要がある。
トランプ前大統領の発言要旨
・バイデン政権下で数百万人の移民が米国に流入し、これが仕事を奪い、街の治安を脅かしている。
・人工妊娠中絶の全面禁止には賛成しておらず、各州がその判断をするべきだと主張。
・プーチン大統領がハリス氏を支持するのは本心からだろうと述べた。
・ウクライナ紛争を早期に終結させることが米国の利益になるとし、バイデン政権はロシアとの対話を欠いていると批判。
・ハリス氏はイスラエルを嫌っており、彼女が当選すればイスラエルは数年内に消滅するだろうとの見解。
・アフガニスタンからの米軍撤退は歴史的に最も恥ずべき瞬間だったと批判。
・ハリス氏に対して、政権にいたにもかかわらず、有権者に対して行うと約束したことをなぜ実現しなかったのかを問うた。
【詳細】
ハリス副大統領の発言詳細
1.トランプ氏の経済政策と民主主義への攻撃
ハリス氏はトランプ政権の経済政策が大恐慌以降最も深刻な失業問題を引き起こしたと主張し、トランプ氏の行動が民主主義を脅かしたと非難した。具体的には、トランプ氏の政策が不況を助長し、民主的な制度やプロセスに対する攻撃と見なされたとしている。
2.人工妊娠中絶の権利の制限
トランプ政権下で、人工妊娠中絶の権利が削減されたと指摘した。これは、トランプ氏が女性の中絶権に対する制限を支持していたことを示している。
3.国際的な評価と軍の見解
ハリス氏は、トランプ氏が国際的に軽蔑され、米軍内でも評価が低いと述べた。これは、トランプ氏の外交政策や国際関係に対するアプローチが否定的に受け取られていることを示している。
4.ウクライナ支援の見限り
トランプ氏がウクライナに対する支援を減らす意向があるとし、これが米国の国益に反するという見解を示した。ウクライナ問題に対するトランプ氏の姿勢が批判されている。
5.独裁的傾向
トランプ氏が独裁的なリーダーシップを志向しているとの批判があり、彼の政治スタイルが民主主義に対する脅威であると見なされている。
6.イスラエルとパレスチナの二国家共存
イスラエルとパレスチナの二国家共存を推進する意向を示し、中東和平に関する政策を支持していると述べた。
7.中国との技術競争
米国が中国との技術競争に勝利する必要があると強調し、技術革新や競争力の強化が重要であると訴えた。
トランプ前大統領の発言詳細
1.移民政策と経済影響
バイデン政権下で移民の流入が増加し、これが米国の労働市場や社会に悪影響を与えていると主張した。特に、移民が職を奪い、治安問題を引き起こしていると批判している。
2.人工妊娠中絶に関する立場
人工妊娠中絶の全面禁止には賛成していないが、各州に判断を委ねるべきだと説明した。トランプ氏は、全米規模での禁止よりも州ごとの対応を支持していると述べた。
3.プーチン大統領の支持
プーチン大統領がハリス氏を支持している理由について本心であると示唆し、トランプ氏のリーダーシップがロシアとの関係に影響を与える可能性があるとした。
4.ウクライナ紛争の解決
ウクライナ紛争を早期に終結させることが米国の利益になるとし、バイデン政権がロシアとの対話を怠っていると批判した。トランプ氏は、自らの政策がより実行可能であると主張している。
5.ハリス氏とイスラエル
ハリス氏がイスラエルに対して敵対的であり、彼女が当選すればイスラエルが存在しなくなるという極端な見解を示した。この発言は、イスラエルの将来に対する不安を表している。
6.アフガニスタンからの米軍撤退
アフガニスタンからの米軍撤退を「史上最も恥ずべき瞬間」と表現し、この撤退が米国の国際的な評判に悪影響を与えたと批判した。
7.ハリス氏の政権運営
ハリス氏が政権にあった3年半の間に、有権者に対して約束した政策を実現しなかったことを問うた。トランプ氏は、ハリス氏の過去の実績に対して疑問を呈し、彼女の信頼性を問うた。
【要点】
ハリス副大統領の発言要旨
1.経済政策と民主主義
・トランプ氏が大恐慌以降最悪の失業を招き、民主主義に対して攻撃した。
2.人工妊娠中絶の権利
・トランプ政権下で女性の人工妊娠中絶の権利が制限された。
3.国際的評価と軍内の見解
・トランプ氏が国際的に軽蔑され、米軍内で評価が低い。
4.ウクライナ支援
・トランプ氏がウクライナへの支援を見限る可能性がある。
5.独裁的傾向
・トランプ氏が独裁的なリーダーシップを志向している。
6.イスラエルとパレスチナの二国家共存
・イスラエルとパレスチナの二国家共存を推進する意向。
7.中国との技術競争
・米国が中国との技術競争に勝利する必要がある。
トランプ前大統領の発言要旨
1.移民政策と経済影響
・バイデン政権下で移民が増加し、仕事を奪い、治安を脅かしている。
2.人工妊娠中絶に関する立場
・全面禁止には賛成しておらず、州ごとの判断を支持する。
3.プーチン大統領の支持
・プーチン大統領がハリス氏を支持しているのは本心からだろうと示唆。
4.ウクライナ紛争の解決
・紛争を早期に終結させることが米国の利益であり、バイデン政権は対話を怠っていると批判。
5.ハリス氏とイスラエル
・ハリス氏がイスラエルを憎んでおり、彼女の当選でイスラエルが消滅する可能性があるとの見解。
6.アフガニスタンからの米軍撤退
・アフガニスタンからの撤退を「史上最も恥ずべき瞬間」と批判。
7.ハリス氏の政権運営
・ハリス氏が政権にいた間に有権者への約束を実現しなかったと疑問を呈する。
【引用】
「討論で両者は互いに相手を『うそつき』と呼び合うなど、非難合戦となった。冒頭では握手したが、終了後はなかった。」
【以上、引用蘭のsputnik記事】
【引用・参照・底本】
【まとめ】トランプ、ハリス氏の討論会、注目の発言 sputnik 日本 2024.09.11
https://sputniknews.jp/20240911/19075680.html
2024年9月10日にフィラデルフィアで行われたトランプ前大統領とハリス副大統領の討論会について、主要な発言は以下の通り。
ハリス副大統領の発言要旨
・トランプ氏は、大恐慌以降で最悪の失業を招き、民主主義に対して重大な攻撃を行った。
・トランプ氏の政権下で女性の人工妊娠中絶の権利が制限された。
・世界の指導者たちはトランプ氏を嘲笑し、米軍内でも彼は評価が低いとされている。
・トランプ氏はウクライナ問題に消極的で、支援を見限る可能性がある。
・トランプ氏は独裁的な道を歩もうとしている。
・イスラエルとパレスチナの二国家共存を目指している。
・米国は中国との技術競争に勝利する必要がある。
トランプ前大統領の発言要旨
・バイデン政権下で数百万人の移民が米国に流入し、これが仕事を奪い、街の治安を脅かしている。
・人工妊娠中絶の全面禁止には賛成しておらず、各州がその判断をするべきだと主張。
・プーチン大統領がハリス氏を支持するのは本心からだろうと述べた。
・ウクライナ紛争を早期に終結させることが米国の利益になるとし、バイデン政権はロシアとの対話を欠いていると批判。
・ハリス氏はイスラエルを嫌っており、彼女が当選すればイスラエルは数年内に消滅するだろうとの見解。
・アフガニスタンからの米軍撤退は歴史的に最も恥ずべき瞬間だったと批判。
・ハリス氏に対して、政権にいたにもかかわらず、有権者に対して行うと約束したことをなぜ実現しなかったのかを問うた。
【詳細】
ハリス副大統領の発言詳細
1.トランプ氏の経済政策と民主主義への攻撃
ハリス氏はトランプ政権の経済政策が大恐慌以降最も深刻な失業問題を引き起こしたと主張し、トランプ氏の行動が民主主義を脅かしたと非難した。具体的には、トランプ氏の政策が不況を助長し、民主的な制度やプロセスに対する攻撃と見なされたとしている。
2.人工妊娠中絶の権利の制限
トランプ政権下で、人工妊娠中絶の権利が削減されたと指摘した。これは、トランプ氏が女性の中絶権に対する制限を支持していたことを示している。
3.国際的な評価と軍の見解
ハリス氏は、トランプ氏が国際的に軽蔑され、米軍内でも評価が低いと述べた。これは、トランプ氏の外交政策や国際関係に対するアプローチが否定的に受け取られていることを示している。
4.ウクライナ支援の見限り
トランプ氏がウクライナに対する支援を減らす意向があるとし、これが米国の国益に反するという見解を示した。ウクライナ問題に対するトランプ氏の姿勢が批判されている。
5.独裁的傾向
トランプ氏が独裁的なリーダーシップを志向しているとの批判があり、彼の政治スタイルが民主主義に対する脅威であると見なされている。
6.イスラエルとパレスチナの二国家共存
イスラエルとパレスチナの二国家共存を推進する意向を示し、中東和平に関する政策を支持していると述べた。
7.中国との技術競争
米国が中国との技術競争に勝利する必要があると強調し、技術革新や競争力の強化が重要であると訴えた。
トランプ前大統領の発言詳細
1.移民政策と経済影響
バイデン政権下で移民の流入が増加し、これが米国の労働市場や社会に悪影響を与えていると主張した。特に、移民が職を奪い、治安問題を引き起こしていると批判している。
2.人工妊娠中絶に関する立場
人工妊娠中絶の全面禁止には賛成していないが、各州に判断を委ねるべきだと説明した。トランプ氏は、全米規模での禁止よりも州ごとの対応を支持していると述べた。
3.プーチン大統領の支持
プーチン大統領がハリス氏を支持している理由について本心であると示唆し、トランプ氏のリーダーシップがロシアとの関係に影響を与える可能性があるとした。
4.ウクライナ紛争の解決
ウクライナ紛争を早期に終結させることが米国の利益になるとし、バイデン政権がロシアとの対話を怠っていると批判した。トランプ氏は、自らの政策がより実行可能であると主張している。
5.ハリス氏とイスラエル
ハリス氏がイスラエルに対して敵対的であり、彼女が当選すればイスラエルが存在しなくなるという極端な見解を示した。この発言は、イスラエルの将来に対する不安を表している。
6.アフガニスタンからの米軍撤退
アフガニスタンからの米軍撤退を「史上最も恥ずべき瞬間」と表現し、この撤退が米国の国際的な評判に悪影響を与えたと批判した。
7.ハリス氏の政権運営
ハリス氏が政権にあった3年半の間に、有権者に対して約束した政策を実現しなかったことを問うた。トランプ氏は、ハリス氏の過去の実績に対して疑問を呈し、彼女の信頼性を問うた。
【要点】
ハリス副大統領の発言要旨
1.経済政策と民主主義
・トランプ氏が大恐慌以降最悪の失業を招き、民主主義に対して攻撃した。
2.人工妊娠中絶の権利
・トランプ政権下で女性の人工妊娠中絶の権利が制限された。
3.国際的評価と軍内の見解
・トランプ氏が国際的に軽蔑され、米軍内で評価が低い。
4.ウクライナ支援
・トランプ氏がウクライナへの支援を見限る可能性がある。
5.独裁的傾向
・トランプ氏が独裁的なリーダーシップを志向している。
6.イスラエルとパレスチナの二国家共存
・イスラエルとパレスチナの二国家共存を推進する意向。
7.中国との技術競争
・米国が中国との技術競争に勝利する必要がある。
トランプ前大統領の発言要旨
1.移民政策と経済影響
・バイデン政権下で移民が増加し、仕事を奪い、治安を脅かしている。
2.人工妊娠中絶に関する立場
・全面禁止には賛成しておらず、州ごとの判断を支持する。
3.プーチン大統領の支持
・プーチン大統領がハリス氏を支持しているのは本心からだろうと示唆。
4.ウクライナ紛争の解決
・紛争を早期に終結させることが米国の利益であり、バイデン政権は対話を怠っていると批判。
5.ハリス氏とイスラエル
・ハリス氏がイスラエルを憎んでおり、彼女の当選でイスラエルが消滅する可能性があるとの見解。
6.アフガニスタンからの米軍撤退
・アフガニスタンからの撤退を「史上最も恥ずべき瞬間」と批判。
7.ハリス氏の政権運営
・ハリス氏が政権にいた間に有権者への約束を実現しなかったと疑問を呈する。
【引用】
「討論で両者は互いに相手を『うそつき』と呼び合うなど、非難合戦となった。冒頭では握手したが、終了後はなかった。」
【以上、引用蘭のsputnik記事】
【引用・参照・底本】
【まとめ】トランプ、ハリス氏の討論会、注目の発言 sputnik 日本 2024.09.11
https://sputniknews.jp/20240911/19075680.html