台湾防衛の地政学的・経済的理由に大国間戦争の価値はなし2025年10月29日 20:32

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【概要】

 台湾情勢が危険な局面にあるとし、特に台湾の頼清徳総統(William Lai)の独立志向的姿勢が緊張を高めていると論じたものである。筆者は、米国は過去にアジア民族主義に苦しんだ経験を踏まえ、慎重に対応すべきであると主張している。また、台湾の防衛方針や装備導入の問題点を指摘し、米国は台湾よりも同盟国防衛に注力すべきであると述べている。

【詳細】 

 中東やウクライナの戦争報道に埋もれがちであるが、台湾こそ世界で最も危険な火種であり、中国の台湾に対する長年の領有主張が米中衝突に発展し得ると指摘している。その背景として、複数の要因により台湾海峡の不安定性が高まっていると述べている。

 筆者は、台湾の頼清徳総統が就任後、台湾の独立性を強調する姿勢を強め、前任の蔡英文総統よりも踏み込んだ独立志向の発言を行ったと評価している。台湾メディアの論評では、頼総統が台湾の主権を明確かつ体系的に訴えた初の総統演説であったとされ、中国側はこれに対し強い非難と警告を発している。

 台湾国内政治については、住民投票による国民党議員のリコール否決や、国民党新主席の選出に中国の影響があったとの批判が出ていることを紹介している。また、台湾の漢光演習では訓練内容が拡大し、新装備や予備役活用、都市戦訓練などが行われたが、筆者は依然として防衛資源の使い方が誤っていると指摘し、台湾はより低コストで分散運用可能な非対称戦能力を重視すべきであると述べている。さらに、M1戦車やHIMARS導入については、ウクライナ戦争を通じて中国側が弱点情報を得ている可能性を挙げ、効果に疑問を呈している。

 他方、米国製パトリオット防空システム不足や、中国がウクライナ危機と連動して行動を起こす可能性にも言及し、中国が米国の政治動向を注視していると指摘している。特に、トランプ政権が台湾問題で慎重姿勢を示す一方、他の政権幹部の発言は強硬であり、対中政策に揺らぎがあると述べている。

 筆者は、台湾問題は中国の核心的利益であり軍事バランスは台湾に不利な方向に進んでいるとしたうえで、米国は必要であれば台湾に自制を促すべきであるとしている。最終的に、米国は台湾ではなく、豪州、日本、フィリピン、韓国といった条約同盟国の防衛に重点を置くべきであり、台湾は米国の死活的利益ではなく、台湾防衛の地政学的・経済的理由は大国間戦争を冒すほどの価値はないと結論づけている。
 
【要点】

 ・台湾海峡は世界最大の紛争リスクを抱える地域であると位置づけられている。

 ・頼清徳総統が独立志向を強めたことで、中国との緊張が一層高まっている。

 ・台湾の防衛方針は非対称戦重視に改めるべきであり、現行の装備導入には問題があると指摘されている。

 ・中国は米国やウクライナ情勢を注視し、行動のタイミングを計る可能性があるとされる。

 ・米国は台湾に対して慎重に対応し、必要なら自制を促すべきであると主張されている。

 ・米国の優先すべき防衛対象は条約同盟国であり、台湾は vital な安全保障利益ではないと結論づけられている。

【引用・参照・底本】

The U.S. Must Beware of Taiwan’s Reckless Leader TIME 2025.10.23
https://time.com/7304818/us-china-taiwan-independence-lai/?utm_source=chatgpt.com

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