トランプ大統領の「ボード・オブ・ピース」構想2026-01-21 19:58

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【概要】

 米国のドナルド・トランプ大統領は、いわゆる「ボード・オブ・ピース」構想について問われた際、「国連は存続させなければならない」と述べ、同構想が国連に取って代わるものではないとの考えを示した。

 この構想は、当初ガザ地区の安定化を目的としていたが、トランプ大統領は世界的な紛争解決へと拡大する意向を示している。一方で、各国政府や専門家の間では、国連の役割を損なう可能性や、その性質に対する懸念が示されている。

【詳細】 

 トランプ大統領は、記者から「ボード・オブ・ピースが国連に取って代わるのか」と問われた際、「そうなるかもしれない」としつつも、「国連は続けさせる必要がある」「潜在力は非常に大きい」と述べ、国連の存続自体は支持する姿勢を示した。

 一方で、国連はこれまでその潜在力を十分に発揮してこなかったとの不満も表明した。

 この構想に対し、各国政府は慎重な反応を示しており、外交官の間では国連の活動を損なう恐れがあるとの指摘が出ている。

 ホワイトハウスは、マルコ・ルビオ国務長官、特使スティーブ・ウィトコフ、元英国首相トニー・ブレア、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナーらが同ボードのメンバーになると発表した。

 国連安全保障理事会は11月中旬、この「ボード・オブ・ピース」と協力国に対し、ガザ地区に国際安定化部隊を設置することを認める決議を採択した。

 この枠組みは、イスラエルとハマスが合意したトランプ案に基づくものであり、ガザ地区の暫定的な統治を監督する役割を担うとされていた。その後、トランプ大統領は同ボードを世界の紛争に対応する組織へ拡大すると述べた。

 しかし、専門家や人権擁護団体の一部は、このボードが国連の権威を弱める可能性や、外国領土の統治を監督する形が植民地主義的であるとの懸念を示している。

 また、ブレア元首相の参加については、イラク戦争や中東における英国の帝国主義的歴史を理由に批判が出ている。

 ガザ地区では10月に停戦が始まったものの状況は不安定であり、停戦開始以降、パレスチナ人460人以上(そのうち100人以上が子ども)とイスラエル兵3人が死亡したと報告されている。

【要点】
 
 ・トランプ大統領は「ボード・オブ・ピース」構想について、国連は存続させるべきだと述べた。

 ・同構想は当初ガザ地区向けであったが、世界的な紛争対応へ拡大する意向が示された。

 ・各国政府や専門家は、国連の役割を損なう可能性や統治構造への懸念を表明している。

 ・国連安保理は、ガザ地区における国際安定化部隊設置を認める決議を採択した。

 ・ガザ地区の停戦は脆弱であり、停戦開始後も多数の死者が報告されている。

【桃源寸評】🌍

 ドナルド・トランプが提唱する「ボード・オブ・ピース」構想は、表向きには国際紛争の解決と平和の実現を掲げている。しかし、その語り口や構想の背景、そして彼自身の過去および同時代的行動を総合的に見れば、この構想が孕む矛盾と危険性は極めて深刻であると言わざるを得ない。

 第一に、この構想は国連の「機能不全」を批判しつつ、その代替あるいは上位に位置づけられかねない枠組みを、米国大統領の主導で構築しようとする点に本質的な問題を抱えている。トランプ自身は「国連は続けさせるべきだ」と述べているが、同時に「国連は役に立ってこなかった」と断じ、自らの構想を事実上の実効的解決装置として提示している。この態度は、国際社会が長年かけて形成してきた多国間主義や制度的正当性を軽視し、個人と少数の側近による裁量を過度に正当化するものである。

 第二に、トランプの外交・安全保障政策の実績を振り返ると、「平和」を語る資格そのものが厳しく問われる。ベネズエラに対しては、経済制裁の強化のみならず、政権転覆を公然と志向する圧力政策が取られ、武装勢力による侵入や拘束事件が発生したことも国際的に報じられてきた。これらは直接的・間接的を問わず、主権国家の安定を破壊し、暴力的混乱を助長した行為として理解されている。また、移民や外国人に対する拉致同然の拘束や強制移送も、法の支配と人権の観点から強い批判を浴びてきた。

 第三に、グリーンランドを「購入」するという発言に象徴されるように、トランプの世界観には領土や人々の自己決定を軽視し、国家や地域を取引の対象として扱う発想が色濃く存在する。この感覚は、国際社会が植民地主義の反省の上に築いてきた規範と根本的に相容れない。そうした人物が、外国地域の統治や安定化を監督する「ボード」を率いること自体が、権力の非対称性と支配構造を再生産する危険を孕んでいる。

 第四に、ガザを端緒として世界的紛争解決へと拡張されるとされるこの構想は、現実には紛争当事者の声や地域社会の自律性よりも、米国の政治的意向と影響力を優先する仕組みとなる可能性が高い。停戦後も多くの犠牲者が出ている事実は、「安定化」や「管理」が必ずしも平和を意味しないことを示している。それにもかかわらず、結果への省察や責任の所在を曖昧にしたまま、新たな枠組みを拡張しようとする姿勢は、マッチポンプ的であるとの批判を免れない。

 結局のところ、「ボード・オブ・ピース」構想は、国連の欠陥を補うための慎重な制度改革ではなく、トランプ個人の権力観と取引主義的世界観を国際秩序に投影する試みである。その背後には、自省や過去の介入への責任認識よりも、「自分ならできる」という自己正当化が透けて見える。平和とは、力を持つ者が一方的に設計し管理するものではない。多国間の合意、法の支配、当事者の尊厳の上にのみ成り立つものである。この構想は、その基本原理を危うくする点で、鋭く批判されるべきである。 

【寸評 完】 💚

【引用・参照・底本】

Trump says 'you got to let the UN continue' when asked about so-called 'Board of Peace' Reuters 2026.01.21
https://www.reuters.com/world/trump-says-you-got-let-un-continue-when-asked-about-so-called-board-peace-2026-01-20/?utm_source=chatgpt.com

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