プーチン:戦争終結に関する発言は「注目に値する」2024年12月18日 19:02

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【概要】

 ドナルド・トランプ(米国次期大統領)は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領およびウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と対話を行い、モスクワとキエフの間で続いている「殺戮」を止めることを目指すと述べた。

 トランプは、月曜日にフロリダ州のマール・ア・ラーゴ邸で開いた記者会見で、選挙後にプーチンと連絡を取ったかどうかについての質問にはコメントを避けたが、今後会話を行うつもりだと述べた。トランプは、「プーチン大統領と話し、ゼレンスキーとウクライナの代表者とも話をする」とし、「殺戮を止めなければならない」と強調した。また、ロシアとウクライナの間のほぼ3年にわたる戦争について「第二次世界大戦以来見たことのないような殺戮だ」と述べ、戦争の終結に向けて最善を尽くすと述べた。

 トランプは選挙戦で、大統領に就任して1日で戦争を終わらせると約束したが、実現は「予想以上に難しい」と認めている。トランプは今月初めにパリでゼレンスキーと会談し、選挙後にプーチンと近く話す予定だと述べていた。

 トランプとその内閣の関係者は、モスクワと接触しているとの報道についてコメントを避けており、先月、ワシントン・ポストがトランプが選挙後すぐにプーチンに電話をかけたと報じたことに対して、クレムリンはこれを否定している。

 プーチンは、トランプの戦争終結に関する発言は「注目に値する」と述べ、対話に応じる意向を示した。「私が自ら彼に電話をかけることもある」と、ソチで開催されたヴァルダイ国際討論クラブで発言した。

 トランプがプーチンとゼレンスキーにどのような解決策を提案するのかについては、詳細は明らかにされていないため、メディアでは様々な憶測がなされている。アメリカの多くの報道機関は、トランプが戦争を現在の接触線で凍結させるよう求め、ウクライナがNATO加盟の野望を放棄し、その代わりに西側からの安全保障保証を受けるという提案をする可能性が高いと予測している。

 トランプは、こうした合意の実施はNATOの欧州加盟国に委ねると明言している。

 一方、モスクワは、解決策はウクライナが軍事作戦を停止し、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ、そしてクリミア地域の支配を回復できないという「領土的現実」を認めることから始まるべきだと主張している。さらに、ロシアはその軍事作戦の目標であるウクライナの中立化、非軍事化、そして「非ナチ化」が達成されることを前提にしている。

【詳細】
 
 ドナルド・トランプ氏(米国次期大統領)は、ロシアとウクライナ間の戦争を終わらせるために、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と対話を行う意向を示した。彼は、2024年の大統領選挙で勝利を収めた後、戦争の終結を目指して積極的に関与することを表明している。

 1. トランプの発言と意向

 トランプは、2024年12月の記者会見で、ロシアとウクライナの戦争を「止める」必要があると強調した。この戦争について「第二次世界大戦以来見たことのないような殺戮だ」と述べ、その終結を目指していることを改めて強調した。彼は「プーチン大統領と話し、ゼレンスキーとウクライナの代表者とも話をする」と述べており、この問題に対して積極的に関与する意向を示している。トランプは、戦争の早期終了に向けて尽力することを約束したが、同時に「戦争を1日で終わらせるのは難しいかもしれない」と認めている。

 2. 選挙後のプーチンとの連絡の有無

 トランプがプーチン大統領との連絡についてコメントを避けたことは注目されている。記者から選挙後にプーチンと連絡を取ったかどうか問われたが、トランプはこれについて具体的に言及せず、「これから話す予定だ」とだけ述べた。これにより、プーチンとの接触があったのかどうかは明確ではない。ただし、トランプは選挙前に「就任後すぐにでも戦争を終わらせる」と述べていたが、その実現には困難が伴うことも認めている。

 3. プーチンの反応

 ロシアのプーチン大統領は、トランプの発言に関して「注目に値する」とし、トランプが戦争を終わらせるために行動することに対して肯定的な姿勢を示した。プーチンは、「私が自らトランプに電話をかけることもある」と述べ、対話の可能性に前向きな意向を示している。この発言は、ロシアと米国の間での将来的な対話を示唆するものであり、両国間の関係改善の兆しを見せている。

 4. メディアによる予測と憶測

 アメリカのメディアは、トランプが戦争を凍結させる方向で解決策を提案する可能性が高いと予測している。特に、戦争の終結を「現状維持」で進め、ウクライナがNATOへの加盟を放棄し、その代わりに西側からの安全保障保証を得るという形が考えられている。トランプ自身も「この問題の解決はNATOの欧州加盟国に任せる」と述べており、米国の直接的な介入ではなく、ヨーロッパ諸国による解決を希望している。

 5. ロシア側の立場

 ロシア政府は、ウクライナに対して強硬な立場を取っており、戦争の終結に向けた条件として、ウクライナが軍事作戦を停止し、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ、そしてクリミアといった地域をロシアの領土として認めることを求めている。また、ロシアはウクライナの中立化、非軍事化、そして「非ナチ化」を目指すという戦争目的も掲げており、これらが達成されなければ戦争は終結しないと強調している。

 6. トランプの提案に対する疑問とメディアの反応

 トランプの提案する解決策については、依然としてメディアや専門家の間で疑問が残っている。特に、ウクライナがNATO加盟を放棄し、西側からの安全保障保証を受けるという提案に対しては、ウクライナ側の反発やロシア側の要求に対する現実的な問題があると指摘されている。また、戦争の凍結に関するトランプの具体的なビジョンは明示されていないため、その実現可能性については不透明である。

 7. 今後の展開と予測

 トランプの大統領就任後、ロシアとウクライナ間の戦争がどのように進展するかは不確かである。プーチンとゼレンスキーとの対話が始まる可能性はあるが、双方の要求が大きく異なるため、即座に解決策が見つかるとは限らない。特に、ロシアが領土問題や戦争の目的を譲歩する気配は見られず、ウクライナ側もその領土回復に向けて譲歩する意向を示していない。このため、戦争の終結には時間がかかる可能性が高い。
  
【要点】 
 
 ・トランプの発言: ドナルド・トランプ氏(米国次期大統領)は、ロシアのプーチン大統領およびウクライナのゼレンスキー大統領と対話し、ロシアとウクライナ間の戦争を終わらせる意向を示した。
 ・戦争終結の意図: トランプは「殺戮」を止めるため、戦争を終わらせるべきだと強調。戦争が「第二次世界大戦以来見たことのないような殺戮」であると述べた。
 ・プーチンとの接触: 選挙後にプーチンと連絡を取ったかについてはコメントを避け、今後話す予定だと述べた。
 ・プーチンの反応: プーチン大統領はトランプの発言を「注目に値する」とし、対話に応じる意向を示した。
 ・トランプの解決策の予測: メディアは、トランプが戦争を現状維持で凍結し、ウクライナがNATO加盟を放棄し、西側から安全保障保証を得る提案をする可能性が高いと予測。
 ・ロシア側の立場: ロシアはウクライナに対して軍事作戦の停止と領土の現状維持(ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ、クリミアのロシア領認定)を求めている。
 ・戦争目的: ロシアはウクライナの中立化、非軍事化、非ナチ化を戦争の目的として掲げており、これらが達成されるまで戦争は終結しないと主張。
 ・トランプの立場: トランプは合意の実施をNATOの欧州加盟国に任せるとし、米国の直接的介入を避ける意向を示している。
 ・疑問と問題点: トランプの提案にはウクライナの反発や、ロシアの要求に対する現実的な問題が指摘されている。戦争終結には時間がかかる可能性が高い。

【引用・参照・底本】

Trump says he wants to talk to Putin RT 2024.12.17
https://www.rt.com/news/609500-trump-talk-putin-ukraine/

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