【桃源寸評】

　今頃気が付いたのか、ゼレンスキーよ。
　<引かれ者の小唄>のようにも聞こえる。

【寸評　完】

【概要】

　ウクライナの大統領であるヴォロディミル・ゼレンスキー氏は、西側諸国がロシアとのすべての外交関係を断つべきだと批判した。ウクライナがロシアとの間で戦争を始めてから3年間にわたり、ロシアと西側諸国の間で頻繁に、そして広範囲な情報共有が行われていたと述べた。

　ゼレンスキー氏は、ダボスで開催された国際メディア評議会において、西側諸国がロシアと行った情報交換について話した。質問に対して、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ元大統領のチームがロシアの大統領、ウラジーミル・プーチン氏との電話会談の準備をしていたことに対する反応として、このように述べた。「情報機関レベルで、アメリカ合衆国とロシアは戦争の3年間にわたってコンタクトを取っていた。異なる形で多くの接触があった。そして正直なところ、ヨーロッパも多くの接触を持っていた」とゼレンスキー氏は語った。この件に関しては自らの意見はなく、トランプ氏のチームがモスクワとの接触を試みた過去の会話を思い出すと述べた。

　ゼレンスキー氏は、自らの大統領任期が2024年に終了したにもかかわらず、今回の通信には関与していないと強調し、これらの接触に同意していないことを明言した。ただし、外交問題に関しては各国に主権があると認識している。

　ゼレンスキー氏は、外交的孤立も制裁と同様に利用すべきであり、情報交換が続くことでロシアが利益を得る可能性があると警告した。「指導者同士が話さなくても、情報機関が常に話すなら、それはロシアにとって都合のいい状況になる可能性がある」と述べた。

　ゼレンスキー氏は、トランプ氏がプーチン氏に接触する計画に驚いていないとしながらも、アメリカの同盟国であるウクライナを優先すべきだと主張した。

　また、ゼレンスキー氏は、西側がロシアの新たな領土を認めるような妥協には応じないと強調し、「世界のすべての同盟国が結束したとしても」それを認めることはないと述べた。

　ロシアとの交渉は、あくまで強い立場で行うべきだとゼレンスキー氏は強調し、ロシアと対等に話す試みはウクライナにとっての敗北だと主張した。

　ウクライナの外交担当大臣であるアンドリー・スビヒャ氏も先週のインタビューで、ウクライナはロシアのプーチン大統領との交渉を完全に禁止しており、2年前に導入されたその措置は現在も維持されていると確認した。

　一方、モスクワは、交渉の用意があると何度も述べているが、それには新たな領土の「現実」を考慮し、紛争の根本的な問題を解決する必要があるとしている。

【詳細】

　ウクライナの大統領、ヴォロディミル・ゼレンスキー氏は、西側諸国に対して強い批判を行い、ロシアとのすべての外交関係を断つべきだと主張した。彼は、ウクライナがロシアと戦争を始めてから3年間にわたり、西側諸国がロシアと頻繁に情報交換を行っていたと指摘している。これに対して、ゼレンスキー氏は、情報交換が続くことでロシアが有利になる可能性があると警告した。

　1. 西側諸国との情報交流

　ゼレンスキー氏は、情報機関レベルでアメリカ合衆国とロシアが戦争期間中に頻繁に接触を持っていたと述べている。この点について「アメリカとロシアは情報機関レベルでコンタクトを取り続けていた」とし、西側諸国も同様に情報共有を行っていたと強調している。情報機関の交流が続くことで、ロシアがその情報を利用し、戦略的に有利な立場を築くことにつながると警鐘を鳴らしています。

　2. ゼレンスキー氏の関与と立場

　ゼレンスキー氏は自身の任期が2024年に終了しているため、これらの情報交流には関与していないと強調した。さらに、これらの接触に対しては賛成せず、あくまで各国に主権があると認識している。ただし、「外交的孤立も制裁と同様に利用すべき」と述べ、ロシアが情報交換によって有利になる状況を許容してはならないと主張している。

　3. 外交的孤立と制裁

　ゼレンスキー氏は、「情報機関が常に話すなら、それはロシアにとって都合がいい状況になる」として、外交的孤立と制裁の必要性を強調している。制裁はロシアの侵攻を止めるために有効な手段であるが、情報交換による接触が続けば、ロシアは国際社会の圧力をかわし、有利な立場を維持することが可能になると警告している。

　4. トランプ氏との接触計画

　ゼレンスキー氏は、アメリカの元大統領、ドナルド・トランプ氏のプーチン大統領との電話会談計画についても触れ、驚きはしないと述べている。しかし、「ウクライナはアメリカの同盟国であり、最優先すべきだ」と強調し、ウクライナの重要性を再確認している。この点について、トランプ氏がプーチン氏との接触を計画していたとしても、ウクライナの立場を無視してはならないとしている。

　5. ロシアとの妥協の拒絶

　ゼレンスキー氏は、西側諸国がロシアの新領土を認めるような妥協には一切応じないと明言している。ロシアとの交渉はあくまでウクライナの強い立場から行うべきであり、ロシアと対等に話す試みはウクライナにとって敗北を意味する、と主張する。そのため、交渉は「現実に基づき、ウクライナの主権を尊重する形でのみ行うべきだ」としている。

　6. ウクライナの外交姿勢

　ウクライナの外交方針として、ロシアのプーチン大統領との直接交渉は完全に排除されており、2年前に導入されたこの措置は現在も続いている。ウクライナの外交担当者であるアンドリー・スビヒャ氏も、これを改めて確認した。このように、ゼレンスキー氏は強硬姿勢を貫き、西側諸国と一切の妥協を拒否し続ける姿勢を鮮明にしている。

　7. モスクワの対応

　一方、ロシア側は交渉の用意があると繰り返し述べている。ただし、交渉は新たな領土の現状を考慮し、紛争の根本的な問題に焦点を当てる必要があるとしている。ロシアとしては、ウクライナの主権や領土に関する要求に応じる気はなく、自国の新領土を前提に交渉を進める姿勢を崩していない。

　このように、ゼレンスキー氏の発言は、ウクライナが一切の妥協を拒否し、強硬姿勢を貫くことで、ロシアの影響を抑えるべきだと訴えていることを端的に示している。

【要点】
　
　・ゼレンスキー氏は、西側諸国がロシアとのすべての外交関係を断つべきだと主張している。
　・ウクライナがロシアとの戦争を始めてから3年間、西側諸国はロシアと頻繁に情報交換を行っていたとゼレンスキー氏は指摘。
　・情報機関レベルでアメリカとロシアが頻繁に接触を持ち、ヨーロッパも多くの接触を行っていたと述べた。
　・ゼレンスキー氏は、自らの任期が終了しているため、これらの情報交流には関与していないと強調。
　・外交的孤立も制裁と同様に利用すべきであり、情報交換が続くことでロシアが有利になると警告。
　・トランプ元大統領のプーチン氏との電話会談計画について、ウクライナが優先すべきだと強調。
　・ゼレンスキー氏は、西側諸国がロシアの新領土を認めるような妥協には応じないと断言。
　・交渉はあくまでウクライナの強い立場から行うべきだと主張。
　・ウクライナの外交担当者も、プーチン大統領との直接交渉は排除されていると確認。
　・モスクワ側は交渉の用意があると述べるが、領土の現状を前提に交渉を進める姿勢を崩していない。

【引用・参照・底本】

Zelensky criticizes West for not breaking all ties with Russia RT 2025.01.22
https://www.rt.com/russia/611469-zelensky-west-intelligence-contact-russia/

【概要】

　ロシアとイランは長年にわたり新たな協力関係を築くために取り組んできたが、それが今、戦略的パートナーシップとして結実しようとしている。このパートナーシップは、両国間の長年の協力を強化するだけでなく、国際社会における共同の課題への取り組みを深め、将来的な国際秩序の変化において重要な役割を果たすことを示している。今回の協定は、ロシアとイランが政治、経済、文化の分野で連携し、共通の利益を基に協力を強化することを明確にしている。

　この協定には、両国間での貿易や経済協力の強化、軍事演習の共同実施、テロ対策の協力、領土の一体性を守るための措置など、47項目の重要な条項が含まれている。特に、両国は相手国に対する攻撃の際に、いかなる軍事支援も行わないこと、また分離主義運動への支援を行わないことを約束している。この点は、ロシアとイランが国際法を尊重し、協力して安全保障を確保する姿勢を示している。

　両国は、将来的に軍事技術協力を結ぶ可能性も排除していない。さらに、経済分野では独自の決済インフラを構築し、他国の制裁に依存せず、平和利用を目的とした核エネルギー分野での共同プロジェクトを推進することを目指している。ロシアとイランは、両国間の貿易を現在の4.5億ドルから今後更に拡大する意向であり、互いに利益を共有するための環境を整備している。

　また、カスピ海を通じてロシアからイランにガスパイプラインを建設することも協定の中で重要な項目の一つとして取り決められており、価格交渉も行われる予定である。この協定は20年の長期契約となっており、将来的に自動延長される可能性もある。ロシアのプーチン大統領とイランのペゼシキアン大統領は、今回の訪問を通じて、このパートナーシップが両国の戦略的利益に沿ったものであると確認している。

　両国の指導者は、国際社会での力のバランスを重視し、それを反映した協力を進める意志を示している。特に、イランのハメネイ最高指導者はロシアとの深い連携を支持しており、これが自身の戦略ビジョンに合致するものであると考えている。この協定により、ロシアとイランは新たな多極的な世界秩序を形成する準備を整えており、外部からの干渉を排除し、互いに独立した立場を確立しようとしている。この協定は地域だけでなく、グローバルな地政学的にも大きな影響を与えるものであり、両国が新たな歴史の扉を開いたことを示している。

【詳細】

　ロシアとイランの間で新たな戦略的パートナーシップが締結されたことは、国際社会に大きな影響を与える可能性がある。両国はこれまでに長年の協力関係を築いてきたが、今回の協定はその枠を超えて、経済、政治、軍事、文化など多岐にわたる分野で深い協力を約束する内容を含んでいる。以下に、この協定が示す重要なポイントをさらに詳述する。

　1. 戦略的パートナーシップの概要

　今回の協定は、ロシアとイランの「包括的戦略的パートナーシップ」として結ばれたものであり、全47項目からなる文書に基づいている。これには、両国が経済協力のみならず、共同軍事演習の実施、テロとの協力、さらには領土の一体性を守るための措置を講じることが盛り込まれている。特に、対外的に互いを援助しないという点は、戦争時の武器供与の回避を意味し、対立に巻き込まれないための重要な要素だ。

　2. 経済協力の強化

　ロシアとイランは、第三国による制裁に依存せずに、独立した支払いインフラを構築することを目指している。また、平和利用の核エネルギー分野での共同プロジェクトを進めることで、両国の経済的結びつきを強化する予定だ。両国の2024年の貿易額はわずか45億ドルであり、今後のさらなる拡大が見込まれている。これにより、両国間の相互貿易の大幅な増加が期待されており、経済面での安定と相互依存の構築が狙いだ。

　3. 軍事協力と国際安全保障

　協定には、武器技術協力は含まれていないものの、今後この分野でも連携を強化する可能性がある。ロシアとイランは、国際法を尊重しながら軍備管理や国際安全保障の枠組みの中で協力していくことを約束しており、これが両国の今後の行動の指針となる。この協定の文言から、両国が将来的に安全保障を巡って緊密な連携を強化し、対外的に共同行動を取る可能性が高まることが示されている。

　4. イランの戦略的な視点とロシアへの接近

　イランの最高指導者であるハメネイ師は、長年にわたりロシアとの協力を強調し、その国際舞台での重要性を認識してきた。彼は、ロシアとの戦略的パートナーシップを通じて、イランの独立性、主権を強化し、対外的な圧力から脱却することを狙っている。ロシアとの協力は、西側による制裁や孤立から脱するための重要な手段と見ており、特に今後の国際秩序の中で、対抗勢力としての役割を果たすために必要な選択肢として位置づけている。

　5. 西側の警戒感と制裁の動き

　この戦略的協定は、西側にとっても大きな警戒材料となっている。特に、イランの動きが欧州の立場を無視しており、西側諸国は新たな制裁パッケージを議論し始めている。特に、イランがロシアとの協力を強化することで、今後の制裁措置が無力化されることを懸念している。このため、西側諸国はイランに対し、協定からの撤回を迫る動きを見せているが、イランはその戦略的パートナーシップを譲歩するつもりはない。

　6. 中東情勢における影響

　イランは、中東地域においてもロシアとの連携を深めており、特にテロ組織（ハマス、ヒズボラ）への支援を巡って協力を強化している。今後、イランは地域内での影響力を拡大しつつ、対外的な孤立を回避するために、トルコ、サウジアラビア、湾岸諸国とも新たな関係を構築しようとしている。この中東地域での動きは、今後の地政学的バランスに影響を与える要素として注目されている。

　7. 長期的展望と多極化の進展

　ロシアとイランは、今回の協定において、現行の一極化した国際秩序に対抗し、多極化の世界秩序を形成する意図を持っている。両国は互いに平等で、尊重し合う新しい国際協力モデルを築くことを目指しており、今後の国際政治の中心的なプレイヤーとなる準備を整えつつある。これにより、両国は今後も連携を深め、世界の地政学的なプレゼンスを高めていくことが見込まれる。

　このように、ロシアとイランの協定は、両国間の単なる戦略的なパートナーシップにとどまらず、国際秩序全体に大きな影響を与える契機となっている。今後の両国の協力がどのような展開を迎えるのか、国際社会は引き続き注視する必要がある。

【要点】
　
　・戦略的パートナーシップの締結

　ロシアとイランが包括的な戦略的パートナーシップを結び、経済、軍事、政治、文化など多岐にわたる協力を約束。

　・経済協力強化

　制裁に依存せず、独自の支払いインフラ構築や、平和利用の核エネルギー分野での共同プロジェクトを目指す。

　・軍事協力と国際安全保障

　将来的な軍事協力や国際安全保障の枠組み内での連携強化を約束。

　・イランのロシアへの接近

　イランがロシアとの協力を通じて、主権を強化し、西側からの孤立を回避する狙いを持つ。

　・西側諸国の警戒感と制裁

　ロシアとの協力強化が制裁の回避につながるとして、西側諸国が新たな制裁を議論し始めている。

　・中東地域への影響

　イランがロシアとの連携を強化し、中東での影響力拡大を狙う。

　・多極化に向けた動き

　両国が現行の一極化した国際秩序に対抗し、多極化の国際秩序を形成することを目指している。

【引用・参照・底本】

New alliance forming? Here’s why everyone’s talking about the Russia-Iran deal RT 2025.01.22
https://www.rt.com/news/611292-russia-iran-agreement-impact-global-order/

【概要】

　2024年の日本の対露貿易は、全体的に減少傾向を示した。日本の財務省が発表した貿易統計によると、以下の点が明らかになっている。

　全体的な動向

　・輸出総額: 前年比17.2%減の3276億円となり、減少した。
　・輸入総額: 前年比16.7%減の8603億円となり、減少した。

　品目別動向

　輸出

　・増加: 二輪自動車(30.7%増)、プラスチック(12.7%増)などが増加した。
　・減少: 全体的に減少傾向にあり、特に目立った増加品目はなかった。

　輸入

　・増加: 絶縁電線・絶縁ケーブル(168.4%増)、果物(26.6%増)、魚介類(4.1%増)、鉄鋼製品(272.4%増)、野菜(72.2%増)などが増加した。
　
　・減少: 非鉄金属鉱石(90.4%減)、医薬品(84.9%減)、石炭(64.7%減)、穀物類(55.2%減)、液化天然ガス(34.4%)、石炭(28.7%減)などが大幅に減少した。

　月別動向(2024年12月)

　・輸出: 前年同期比10.3%増の240.5億円となり、増加に転じた。
　・輸入: 前年同期比32.8%減の788億円となり、減少した。
　・品目別: プラスチック(1908%増)、電算機類(100%増)、紙・紙製品(55.6%増)が輸出で増加。鉄鋼製品(272.4%増)、野菜(72.2%増)が輸入で増加。一方、穀物類、医薬品、非鉄金属鉱石、液化天然ガス、石炭などが大幅に減少した。

　まとめ

　2024年の日本の対露貿易は、全体として輸出入ともに減少した。しかし、品目別で見ると、一部の製品では増加が見られるなど、複雑な動きを示している。特に、ロシアからのエネルギー資源の輸入が大幅に減少したことが大きな要因と考えられる。

【詳細】

　2024年日本の対露貿易の更なる詳細説明

　対露貿易減少の主な要因

　2024年の日本の対露貿易が減少した主な要因としては、以下の点が考えられる。

　・ウクライナ危機の影響: 2022年からのウクライナ危機は、国際社会からロシアへの経済制裁を招き、世界の貿易環境を一変させた。日本もこれに呼応し、対露制裁を実施したため、貿易に大きな影響が出たと考えられる。
　・エネルギー価格の高騰: 世界的なエネルギー価格の高騰は、ロシアからのエネルギー輸入コストを押し上げ、日本の輸入額を減少させる要因となった。特に、液化天然ガス(LNG)や石炭などの輸入が大幅に減ったことが、貿易額の減少に大きく貢献している。
　・サプライチェーンの混乱: ウクライナ危機による物流の混乱や、ロシアへの制裁による金融取引の制限などが、日露間の貿易を阻害する要因となった。
　・日本企業のロシアからの撤退: 一部の日本企業が、ロシアでの事業を縮小または撤退したことが、対露貿易の減少に繋がったと考えられる。

　品目別の詳細な動き

　・輸出の増加品目: プラスチック、電算機類、紙・紙製品などが大きく増加しました。これらの製品は、ロシア国内での需要が依然として高いことや、日本企業が新たな市場開拓を進めていることが要因と考えられる。
　・輸入の増加品目: 鉄鋼製品、野菜などが増加した。これは、ロシア国内での生産状況や、日本の輸入先の多様化を反映していると考えられる。
・輸出入の減少品目: 非鉄金属鉱石、医薬品、石炭、穀物類、液化天然ガスなどが大幅に減少した。これらの品目は、ロシア経済の低迷や、日本企業の調達先の多様化を反映していると考えられる。

　今後の展望

　今後の対露貿易は、国際情勢や両国間の関係、エネルギー価格の動向など、様々な要因によって大きく左右されることが予想される。特に、ウクライナ危機の終結の目処が立たない状況では、当面は貿易が低迷する可能性が高いと考えられる。

　その他

　・日本政府の政策: 日本政府は、対露関係のあり方について、慎重な対応を続けている。今後の対露政策は、日本の経済安全保障や国際社会における役割などを考慮しながら決定されるだろう。
　・企業の対応: 日本企業は、ロシア市場からの撤退や、新たな市場開拓など、様々な対応を進めている。今後の対露貿易は、企業の戦略的な判断に大きく左右されることが予想される。

【要点】
　
　全体的な傾向

　・輸出入共に減少: ウクライナ危機に伴う国際社会の対ロシア制裁の影響により、日本の対露貿易は大幅に減少した。
　・エネルギー関連の輸入減少が顕著: 特に、液化天然ガス（LNG）や石炭などのエネルギー資源の輸入が大きく減少した。これは、ロシアへの依存度を下げ、エネルギーの多様化を進める日本の政策と、世界的なエネルギー価格の高騰が複合的に作用した結果と考えられる。

　品目別の動き

　・輸出の増加: プラスチック製品、電算機類、紙・紙製品などが増加した。これは、ロシア国内での需要が依然としてあることや、日本企業が新たな市場開拓を進めていることが要因と考えられる。
　・輸入の増加: 鉄鋼製品、野菜などが増加した。これは、ロシア国内での生産状況や、日本の輸入先の多様化を反映していると考えられる。
　・輸出入の減少: 非鉄金属鉱石、医薬品、石炭、穀物類、液化天然ガスなどが大幅に減少した。これは、ロシア経済の低迷や、日本企業の調達先の多様化を反映していると考えられる。

　減少の要因

　・ウクライナ危機の影響: 国際社会の対ロシア制裁が、貿易に大きな影響を与えた。
　・エネルギー価格の高騰: 世界的なエネルギー価格の高騰が、ロシアからのエネルギー輸入コストを押し上げた。
　・サプライチェーンの混乱: ウクライナ危機による物流の混乱や、ロシアへの制裁による金融取引の制限などが、貿易を阻害した。
　・日本企業のロシアからの撤退: 一部の日本企業が、ロシアでの事業を縮小または撤退した。

　今後の展望

　・国際情勢の影響: ウクライナ危機の終結の目処が立たない状況では、当面は貿易が低迷する可能性が高いと考えられる。
　・エネルギー政策: 日本は、エネルギーの多様化を進め、ロシアへの依存度を下げる政策を継続すると考えられる。
　・企業の戦略: 日本企業は、ロシア市場からの撤退や、新たな市場開拓など、様々な戦略を検討していくと考えられる。

【引用・参照・底本】

2024年、日本の対露輸出は17.2％減少 sputnik 日本 2025.01.23
https://sputniknews.jp/20250123/2024172-19522949.html