先ずは日本国民にとっても、である2023年12月22日 19:18

国立国会図書館デジタルコレクション「藤沢四郎・浅利与市・板かく女/市ワか・はんがく女・浅利与市」を加工して作成
 日本の首相である岸田文雄(Fumio Kishida)の支持率が20%以下に低下しており、これが日本の政府にとって困難な状況であることを指摘している。岸田首相の支持率が低下する中で、経済が不況に入り、インフレが賃金の成長を上回る状況が続いている。このような支持率の低さは、通常、日本の政府にとって終焉の兆候と見なされる。

 この情勢が中国にとって良いニュースである一方で、アメリカのジョー・バイデン大統領のホワイトハウスにとっては厳しい状況とされている。岸田首相は、2021年10月に日本の首相に就任して以来、バイデン大統領にとって最も近い同盟国であり、中国の台頭に対抗するためのバイデンの「印太戦略」の中で重要な要素を担っている。

 岸田首相の退陣や政権崩壊の可能性は、アジア太平洋地域の安全保障と影響力のバランスに影響を与える可能性がある。バイデン大統領の外交政策にとって、岸田首相の支持が不可欠であったため、その後任者が同様に協力的であるかどうかが注目されている。一方で、中国は、日本の政治的な混乱を利用して、その地域での影響力を強化し、アメリカの戦略的な目標に対抗する機会を見出すかもしれない。 

【要点】

2023年12月15日に公開されたウィリアム・ペセック氏の「岸田首相の支持率20%未満は中国にとって朗報だが、ジョー・バイデンのホワイトハウスにとっては悲惨な展開だ」と題する記事では、岸田文雄首相の支持率低下が中国と米国の両方にとって重要な意味を持つと論じている。

岸田首相の不安定な立場

岸田首相の支持率は20%を下回り、30%前後の支持率は政権崩壊の前兆となるため、政治的な問題を示唆している。

この減少は、景気後退やインフレなどの経済問題に起因している。

中国は、岸田首相が米国の強力な同盟国であるため、離脱の可能性から利益を得ており、中国はこの要因の減少を望んでいる。

日本における親米的でない新しい指導者は、中国の利益に対してより融和的になる可能性がある。

米国、特にバイデン政権は、中国の台頭に対抗する「インド太平洋戦略」において、岸田首相を重要なパートナーと位置付けている。

岸田首相の退任の可能性は、この戦略の重要な柱を混乱させ、バイデン氏の取り組みに課題をもたらす。

岸田首相の政治闘争が中国にとって戦略的機会であると同時に、この地域における米国の外交政策目標に大きな後退をもたらすことを示唆している。

岸田首相の政治的運命が日本の外交政策にどの程度影響するかは不透明である。

米国は、日本の政治情勢の変化に対応するために、その戦略を適応させることができる可能性がある。

・岸田首相の低支持率: 支持率が20%を下回り、経済不振と物価上昇による国民の不満が高まっている。これにより、岸田政権の基盤が弱体化し、外交政策に影響を及ぼす可能性がある。
・中国にとっての好材料: 岸田首相はバイデン政権と緊密に連携し、中国に対する牽制策の一翼を担っていた。そのため、岸田政権の弱体化は、中国にとって外交上の有利な状況を生み出す可能性がある。

バイデン政権にとっての難題: 岸田政権の弱体化は、バイデン政権にとって「インド太平洋戦略」の実行を難しくする。また、日本との緊密な安全保障上の協力が揺らぐ可能性もある。

岸田首相の政策: 岸田首相は、バイデン政権と連携して中国に対抗する姿勢を強めていた。具体的には、安全保障分野での協力強化、南シナ海における中国の活動への批判、台湾への軍事的圧力の増大に対する懸念表明などを行っていた。

中国の反応: 中国は、岸田政権の対中政策を批判し、日本とアメリカ合衆国の同盟関係を弱体化させるよう努力している。

バイデン政権の懸念: バイデン政権は、中国の台頭に対抗するため、日本との緊密な連携を必要としている。岸田政権の弱体化は、この連携を弱め、中国の行動に対する牽制力を低下させる可能性がある。

・岸田首相の支持率は、経済の悪化と物価の上昇により30%を下回り、20%に迫ろうとしている。

・このような低支持率は、通常、日本政府の退陣につながる。

・岸田首相の退陣は、中国にとって好材料であり、アメリカのバイデン政権にとって悪い知らせとなる。

・岸田首相は、2021年10月に就任以来、バイデン大統領と緊密な同盟関係を築いてきた。

・岸田首相は、中国に対抗するバイデンの「インド太平洋戦略」において重要な柱であった。

・岸田首相の支持率低下は、国内問題への対応が国民の期待に応えられていないことを示している。経済の悪化や物価上昇は、国民の生活に直接影響を与え、不満を募らせている。

・岸田首相の退陣は、日本国内の政治情勢を不安定化させる可能性がある。後任首相が誰になるのか、どの政策を優先するのかは不明であり、投資家や企業にとってはリスク要因となる。

・中国にとって、岸田首相の退陣は、日本がアメリカとの同盟関係を弱めるチャンスと捉えられるかもしれない。中国は、日本がアメリカとの関係を弱め、中国との関係改善に傾くことを望んでいる。

・アメリカにとって、岸田首相の退陣は、重要な同盟国を失うことを意味する。バイデン政権は、中国に対抗する「インド太平洋戦略」において、日本との協力を重視している。

・岸田首相の退陣は、この戦略にとって大きな打撃となる可能性がある。

・岸田首相の支持率低下は、日本国内だけでなく、日米中関係にも大きな影響を与えそうである。今後、日本国内の政治情勢がどのように変化し、日米中関係がどのように変動するのか、注目が必要である。

引用・参照・底本 

Kishida’s sub-20% approval rate is good news for China ASIA TIMES 2023.12.22

ALPS処理水海洋放出に関する問題2023年12月22日 22:30

国立国会図書館デジタルコレクション「厂金文七・極印千衛門・雷庄九郎・布袋市衛門・安乃平兵衛/ごん六・岩崎・文蔵和三吉・万ざいワか太夫」を加工して作成
 れいわ新選組の山本太郎参議院議員が、6日に行われた東日本大震災復興特別委員会で、福島第1原発のALPS処理水海洋放出に関する質問とその回答について述べたものである。以下に、質問と回答の要点をまとめる。

 ALPS処理水とトリチウム水の問題点について

 ALPS処理水は「トリチウム水」とも呼ばれ、山本議員はその呼称に疑問を呈した。
 福島第1原発では毎日新たな汚染水が発生し、13億3000万㍑の汚染水がタンクに保管されている。
 汚染水には理論上210種類の放射性物質が含まれ、これらをすべて測定していないことが指摘された。
 ALPS処理で濃度を減らせる核種は62種類であり、海洋放出前の測定は約30核種に限定されていた。

 海洋放出の影響評価について

 政府の海洋放出決定プロセスが、今後の数十年にわたり海洋に放出される放射線核種の総量やその他の影響を考慮していないとの批判があった。
 洋放出はセシウム換算での総量計算がなされておらず、その影響を評価する必要があると指摘された。

 総量規制の必要性について

 環境中に汚染を排出する際の基準は原則的に濃度規制方式であり、海洋放出は量的な規制がないことが強調された。
 放射性物質の総量を明らかにし、将来の環境や人体への負荷を長期的にコントロールするためには、科学的かつ倫理的な観点から総量規制が必要であると述べた。

 ヨウ素129の問題について

 ヨウ素129の半減期は1570万年であり、その影響評価が70年の期間では不十分であると主張された。
 ヨウ素129は長寿命核種であり、その放射能が何万回も生物に影響を与える可能性があり、環境テロや犯罪として批判された。

 ALPS小委員会報告書への疑問点について

 政府の海洋放出の根拠となったALPS小委員会報告書が、実績のあるデータに基づいていなかったとの指摘があった。
 ALPS小委員会の中でまともなデータを用いた議論が行われておらず、欠測データで政策決定がなされていた可能性が示唆された。

 山本議員はこれらの点に基づき、政府に対して長寿命核種を含む影響評価を独立した専門家と協力して発表し、再評価するよう要求した。

【要点】

山本太郎議員は、2023年12月6日の参議院復興特別委員会で、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出について、政府の決定プロセスの不備や、放出される長寿命核種による環境・人体への影響の重大性について、強く追及した。

まず、山本議員は、政府が海洋放出を決定する根拠としたALPS小委員会報告書について、その内容の不備を指摘した。報告書では、海洋放出の根拠として、通常の原発からトリチウムの海洋放出が行われてきた実績を挙げているが、処理水に含まれるヨウ素129や炭素14などの長寿命核種は、通常の原発から排出されておらず、その環境・人体への影響については議論されていないと指摘した。

さらに、山本議員は、ALPS小委員会では、ヨウ素129などの長寿命核種の測定データの欠落が問題になっていたことを指摘した。ALPS小委員会は、海洋放出の際に放出される放射性物質の総量を把握するために、処理水中のすべての核種を測定する必要があるとしていたが、実際には、ヨウ素129などの長寿命核種は、測定器の限界や、測定者のミスなどにより、十分に測定できていなかったことが明らかになっている。

これらのことから、山本議員は、政府の海洋放出決定は、不十分なデータに基づいて、長寿命核種の環境・人体への影響を十分に考慮しないまま、行われたものであると指摘した。

山本議員は、政府に対し、ヨウ素129などの長寿命核種の影響について、内外の独立した立場の専門家を交え、百数万年を視野に入れた影響評価をやり直すよう求めた。

この質疑は、政府の海洋放出決定の不備を、国際的にも重大な問題として浮き彫りにするものであり、今後の議論に大きな影響を与えるものと考えられる。

山本太郎参議院議員は、6日の参議院復興特別委員会で、福島第1原発のALPS処理水の海洋放出について、以下のような問題点を指摘した。

・総量を把握せずに「基準値未満だから大丈夫」という、1㍑当りの濃度規制方式で放出する。
・ヨウ素129などの長寿命核種の半減期は1570万年と長く、100年後も1万年後もくり返し生物を被曝させ続ける。
・海洋放出の根拠となったALPS小委員会報告書は、トリチウムの海洋放出実績についてのべたにすぎず、ヨウ素129などの影響は議論されていない。
・ALPS小委員会の中では、データの欠測や誤測定があった。

これについて、土屋復興大臣は「規制委員会が対応しているので、規制委員会の方にお任せする」と答弁した。

総量を把握せずに「基準値未満だから大丈夫」という、1㍑当りの濃度規制方式で放出する

山本氏は、海洋放出の総量を把握していないことに問題があると指摘した。総量を把握せずに1㍑当りの濃度規制方式で放出するということは、希釈すればいくらでも放出できるということになり、環境への影響を適切に評価できないという問題がある。

ヨウ素129などの長寿命核種の半減期は1570万年と長く、100年後も1万年後もくり返し生物を被曝させ続ける

ヨウ素129などの長寿命核種は、半減期が長いため、放出された後も長期間にわたって環境中に残り、生物を被曝させ続ける。山本氏は、1570万年もの長い半減期を持つヨウ素129は、100年後も1万年後もくり返し生物を被曝させ続けると指摘し、その影響は重大であると警告した。

海洋放出の根拠となったALPS小委員会報告書は、トリチウムの海洋放出実績についてのべたにすぎず、ヨウ素129などの影響は議論されていない

山本氏は、海洋放出の根拠となったALPS小委員会報告書は、トリチウムの海洋放出実績についてのべたにすぎず、ヨウ素129などの影響は議論されていないと指摘しました。ヨウ素129などの長寿命核種の海洋放出の実績や影響について議論しないまま、海洋放出を決定したことは問題であると指摘しました。

ALPS小委員会の中では、データの欠測や誤測定があった

山本氏は、ALPS小委員会の中では、データの欠測や誤測定があったと指摘した。ALPS小委員会の中ではヨウ素129の話題は4回しか上がっていないにもかかわらず、政府の海洋放出決定の根拠となる報告書が出された1カ月後になって、原子力規制庁の検討会で、全ベータと主要七核種の値が離れていて、捕捉できていないベータ核種があることが判明した。これは、これまでのデータが欠測していた可能性を示唆している。

山本氏は、ALPS小委員会の中ではまともなデータを用いた議論がおこなわれていなかったと考えるべきだと指摘し、ヨウ素129等の長寿命核種の影響について、内外の独立した立場の専門家を交え、百数万年を視野に入れた影響評価をやり直すべきだと提言した。

土屋復興大臣は、この件に関しては規制委員会が対応しているので、規制委員会の方にお任せすると答弁した。しかし、山本氏は、規制委員会も政府の下部組織であり、独立した立場で検証する体制ではないと指摘し、政府として議論のやり直しをすべきだと主張した。

・総量を把握せず、1㍑当りの濃度でのみ規制していること。
・トリチウム以外の放射性核種(ヨウ素129など)の環境や人体への影響が考慮されていないこと。
・ALPS小委員会報告書が、欠測データに基づくものであること。

【桃源寸評】

第212回国会 東日本大震災復興特別委員会 令和5年12月6日(水)第3回
山本  太郎 君(れ新)
・海洋放出されるALPS処理水中の放射性物質の総量を把握する必要性
・ALPS処理水中の長寿命核種が環境に与える影響を再評価する必要性
についての議事録は未作成(12.22現在)のため、作成された後、掲載する予定です。

・インターネット審議中継:https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7678
で、発言者一覧の山本太郎(れいわ新選組)をクリックすれば、山本議員の発言部分の映像が見られます。

引用・参照・底本 

環境影響度外視の原発処理水放出 1570万年におよぶ汚染も 国際的にも禍根残す愚行 山本太郎が委員会質疑で暴露 長周新聞 2023.12.18