世界の電気自動車販売台数:43%が中国車2024年12月07日 19:53

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【概要】
  
 2024年1月から10月までの世界の電気自動車(EV)の販売台数は1356万台で、前年比23.7%増加した。このうち、43.1%が中国メーカーの製品であり、昨年の38.7%から大幅に増加した。特に、中国の比亜迪(BYD)と吉利グループが販売台数の増加を牽引している。BYDは310万7千台を販売し、市場シェアは22.9%に拡大した。吉利グループも105万4千台を販売し、市場シェアを7.8%に拡大した。

 一方、米国のテスラは142万5千台を販売したが、前年比1.1%減少し、市場シェアも10.5%に後退した。欧州車の販売も低迷しており、フォルクスワーゲンは78万7千台を販売し市場シェアは5.8%に縮小、BMWやステランティスもシェアが減少した。現代自動車と起亜も販売台数が減少し、市場シェアが低下した。

 中国の電気自動車市場は国内市場の成長に支えられ、グローバル市場でのシェアを拡大しており、中国市場は世界のEV市場の58.2%を占めている。

【詳細】

 2024年1月から10月までの世界の電気自動車(EV)の販売台数は、全体で1356万台に達し、前年同期比で23.7%の増加を記録した。このうち、約43.1%が中国メーカーによるもので、昨年の38.7%から大きく増加している。この成長は、中国のEVメーカーの強化と世界市場での競争力向上によるものであり、特に比亜迪(BYD)と吉利グループが市場シェアの拡大を牽引している。

 中国メーカーの躍進

 中国の比亜迪(BYD)は、2024年10月までに310万7千台のEVを販売し、前年同期比で36.5%増加した。これにより、BYDの市場シェアは22.9%に拡大し、前年の20.8%から増加した。BYDは、中国国内市場を中心に、多様なセグメントとサブブランドを展開することで、顧客層を広げ、市場シェアを拡大している。BYDの成功は、品質向上、価格競争力、充実したラインナップに起因していると考えられる。

 吉利グループも急成長を遂げ、105万4千台を販売し、前年に比べて56.6%増加した。これにより、市場シェアは6.1%から7.8%に拡大した。吉利は、EV市場への参入を早期に果たし、独自の技術開発や提携戦略を強化することで、他のグローバルメーカーに対抗している。また、吉利は中国市場での競争力を高めるとともに、他の市場にも進出しており、その成長はグローバル市場にも波及している。

 その他にも、上海汽車グループ(4位・市場シェア5.8%)、長安汽車(6位・市場シェア3.7%)、理想汽車(リオート・10位・市場シェア2.9%)など、多くの中国車メーカーが販売台数と市場シェアの増加を実現し、グローバルEV市場での存在感を高めている。

 他国メーカーの動向

 一方、米国のテスラは、2024年10月までに142万5千台を販売したが、前年比1.1%減少し、販売台数の伸び悩みが見られる。テスラの市場シェアは13.1%から10.5%に低下した。これは、他の中国車メーカーの台頭や、グローバルな競争の激化が影響していると考えられる。また、テスラは全世界での販売台数が多いものの、特にアジア市場では中国車の競争力が強化されている。

 欧州車メーカーも苦戦しており、特にフォルクスワーゲンは前年比0.8%増の78万7千台を販売したが、市場シェアは7.1%から5.8%に縮小した。BMWやステランティス(フィアット・プジョーなどを擁するグループ)も販売台数が減少し、市場シェアが減少している。これらの企業は、価格競争力や新モデルの投入に苦戦しており、特に中国車メーカーとの価格差や技術力の差が課題となっている。

 韓国車の状況

 現代自動車と起亜は共に前年比3.4%減少し、販売台数は45万5千台にとどまり、市場シェアも4.3%から3.4%に低下した。韓国車は、特に中国市場での競争に苦しんでおり、国内市場に依存しがちな傾向が見られる。また、これらのメーカーは、価格面での優位性を持つ中国車に対抗するための戦略を見直す必要があるとされている。

 中国市場の影響

 中国は、世界最大のEV市場であり、2024年にはグローバルEV市場の58.2%を占めるとされている。中国国内市場は急速に成長しており、その成長が中国メーカーの販売増加を後押ししている。特に、中国の政府の支援策や、EVインフラの整備が進んでおり、国内需要の増加がグローバルな競争力強化につながっている。また、中国企業は国内市場での成功を基に、海外市場にも進出し、グローバル市場でのシェアを拡大している。

 このように、中国のEVメーカーは、国内市場の支援を背景に、技術力と価格競争力を強化し、世界市場での地位を確立しつつある。

【要点】
 
 1.世界のEV販売台数(2024年1~10月)

 ・1356万台、前年比23.7%増加
 ・43.1%が中国車、昨年の38.7%から増加

 2.中国メーカーの躍進

 ・BYD(比亜迪)
 ・310万7千台販売、前年比36.5%増
 ・市場シェア22.9%に拡大
 ・中国市場を中心に多様なセグメントとサブブランドでシェア拡大

 3.吉利グループ

 ・105万4千台販売、前年比56.6%増
 ・市場シェア7.8%に拡大

 4.その他の中国車メーカー

 ・上海汽車グループ(シェア5.8%)、長安汽車(シェア3.7%)、理想汽車(シェア2.9%)などがシェア拡大

 5.テスラ(米国)

 ・142万5千台販売、前年比1.1%減
 ・市場シェア10.5%に後退

 6.欧州車メーカーの低迷

 ・フォルクスワーゲン:78万7千台販売、シェア5.8%に縮小
 ・BMW:シェア3.7%から3.1%に縮小
 ・ステランティス:シェア4.4%から3.0%に縮小

 7.韓国車メーカーの減少

 ・現代自動車・起亜:45万5千台販売、前年比3.4%減
 ・市場シェア3.4%に低下

 8.中国市場の影響

 ・中国は世界EV市場の58.2%を占める最大市場
 ・内需の成長が中国メーカーのグローバルシェア拡大を支えている

【引用・参照・底本】

今年1~10月の世界の電気自動車販売台数は1356万台…43%が中国車 HANKYOREH 2024.12.07
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/51825.html

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