軍拡競争や地政学的な覇権争いに発展している ― 2024年12月18日 18:11
【桃源寸評】
西側の真の危機は米国が作り出している。それも捏ち上げてである。
讒誣、である。
この記事でも、プーチンが述べているが、「我々をレッドラインへ追いやり、我々が対応すると、それを利用して自国の国民を脅かす」のである。
つまり、執拗な扇動を彼の手此の手と繰り返し、相手を罠に追い込み(大義名分を作り)、自分は正義面し、徒党を組んで(悪者退治のため)攻めのである。
しかし、若し米ソ核戦争が勃発したら、米国本土も当然無傷では済まない。
西側諸国は米国の汚い遣り方を非難し諫めるべきである。米国の最も質の悪い習癖である。
国際社会は米国の二枚舌、リップサービスには用心すべきである。
米国の言動には必ず(相手を陥れる)裏がある。
【寸評 完】
【概要】
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの継続的な支援を通じて西側諸国がロシアを「レッドライン」を越える地点まで追い込んでいると述べた。同時に、アメリカに対して中距離ミサイルの配備を警告した。
プーチン大統領は月曜日に行われたロシア国防省幹部との会合で、アメリカが「ロシアを弱体化させ、戦略的敗北を与える」ことを目的としており、その一環として「キエフの事実上の非合法な政権に武器や資金を供与し、傭兵や軍事顧問を送ることで、紛争のさらなるエスカレーションを助長している」と非難した。
また、プーチン大統領は、アメリカが「単純な戦術」を用いて自国民を恐怖に陥れていると指摘した。彼は、「我々をレッドラインへ追いやり、我々が対応すると、それを利用して自国の国民を脅かす」という手法は、ソビエト連邦との冷戦時代にアメリカが用いたアプローチと同様であると述べた。
さらに、プーチン大統領は、西側諸国が自らのルールを世界に押し付けようとし、これに抵抗する国々、特にロシアに対して「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると批判した。この文脈で、NATOが防衛支出を増加させ、ロシアの国境付近で「攻撃部隊」を形成していると述べた。彼によれば、ヨーロッパにおけるアメリカ軍の兵力はすでに10万人を超えている。
また、NATOはヨーロッパのみならず、アジア太平洋地域などこれまで軍事的プレゼンスがなかった地域にも展開を拡大していると指摘した。特に、アメリカが射程5,500キロメートルまでのミサイルシステムを配備する計画について懸念を表明した。この種の武器は冷戦時代の中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止されていたが、アメリカは2018年に同条約から一方的に脱退した。アメリカはその理由としてロシアの違反を挙げたが、ロシアはこれを否定している。
プーチン大統領は、アメリカがINF条約から脱退した後も、ロシアは中距離および短距離ミサイルを配備しないという一方的かつ自主的な誓約を守っていると強調した。しかし、「もしアメリカがそのようなシステムを配備し始めた場合、我々の自主的な制限はすべて解除される」と警告した。
【詳細】
プーチン大統領の発言は、ウクライナ情勢を巡る西側諸国とロシアの緊張がいかに深刻化しているかを示している。以下、各ポイントを更に詳しく説明する。
1. 西側諸国のウクライナ支援と「レッドライン」について
プーチン大統領は、西側諸国、とりわけアメリカがウクライナへの武器や資金の提供、傭兵や軍事顧問の派遣を継続していることを批判している。彼はこれを「キエフの事実上の非合法な政権」に対する支援と位置づけ、ロシアへの戦略的敗北を狙う行為と断じている。この支援により紛争がさらにエスカレートしており、ロシアにとって国家の防衛に関わる「レッドライン」を超える状況を作り出していると述べている。
プーチンは、西側諸国がロシアを挑発し、ロシアが何らかの対応を取るとそれを利用して西側国民をロシアの脅威として恐怖に陥れる戦術をとっていると指摘している。これは、冷戦時代のソビエト連邦に対してアメリカが行った戦略を踏襲しているものであると批判した。
2. 西側諸国による「ハイブリッド戦争」
プーチン大統領は、西側諸国が自らのルールを世界に押し付けようとしており、これに反対する国々に対して「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると述べた。ここでの「ハイブリッド戦争」とは、軍事的行動だけでなく、経済制裁、情報戦、政治的圧力を含む多方面からの攻撃を指している。ロシアはその主な標的となっており、これが国際社会における不安定化をもたらしていると主張している。
3. NATOの軍事的拡大
プーチン大統領によれば、NATOは防衛費の増額や部隊の増強を進めており、特にロシア国境付近で「攻撃部隊」を組織していると述べた。さらに、アメリカ軍のヨーロッパ駐留人数が10万人を超えていることを挙げ、これはロシアを直接的に脅かす軍事行動であると指摘している。
また、NATOはヨーロッパ以外の地域、特にアジア太平洋地域にまでその軍事的プレゼンスを拡大している。これまで軍事的な影響力が及んでいなかった地域にNATOが進出することは、ロシアのみならず世界的な安全保障バランスを崩すものと見ている。
4. 中距離ミサイル配備の問題
プーチン大統領は、アメリカが冷戦時代の中距離核戦力(INF)全廃条約から2018年に脱退したことを強く批判している。この条約は、中距離(500〜5,500キロメートル)の核ミサイルと通常ミサイルの配備を禁止していた。アメリカは条約脱退の理由として、ロシアが条約に違反していると主張したが、ロシアはこれを否定している。
条約脱退以降、ロシアは自主的に中距離および短距離ミサイルの配備を行わないとする一方的な誓約を守っているとプーチン大統領は主張した。しかし、アメリカがこの種のミサイルを世界のどこかに配備した場合、ロシアも同様にミサイルの配備を進めると警告した。この発言は、アメリカが射程5,500キロメートルまでのミサイルシステムをヨーロッパやアジア太平洋地域に配備する可能性への直接的なけん制である。
5. アジア太平洋地域への懸念
プーチン大統領は、アメリカがアジア太平洋地域に軍事的影響力を広げ、ミサイルシステムを配備しようとしていることについても懸念を示した。この動きはロシアのみならず、中国や他のアジア諸国にも安全保障上の課題をもたらすと考えられる。特に、射程5,500キロメートルのミサイルはロシアの広大な領土のほぼ全域を射程に収めることができ、ロシアの国防戦略に重大な影響を与える。
6. 全体の文脈
プーチン大統領の発言は、西側諸国とロシアの対立が単なる地域的な争いに留まらず、軍拡競争や地政学的な覇権争いに発展していることを強調している。特にアメリカとNATOが行う軍事的行動や拡大は、ロシアにとって安全保障上の脅威であると見なされている。これに対し、ロシアは独自の対応を行う用意があることを明確に示した。
【要点】
1.西側諸国のウクライナ支援への批判
・アメリカや西側諸国がウクライナへの武器供与や資金援助、傭兵や軍事顧問の派遣を行い、紛争をエスカレートさせていると非難。
・西側の行動はロシアを「レッドライン」まで追い込むものであると主張。
2.「レッドライン」への挑発
・西側はロシアを挑発し、ロシアが対応するとそれを利用して自国民に「ロシアの脅威」を強調していると批判。
・この戦術は冷戦時代のソビエト連邦への対応と同様であると指摘。
3.「ハイブリッド戦争」への非難
・西側諸国が自らのルールを押し付け、それに抵抗する国に対して経済制 裁、情報戦、軍事的圧力を含む「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると非難。
・ロシアがその主要な標的であると主張。
4.NATOの軍事拡大への懸念
・NATOが防衛費を増額し、ロシア国境付近で「攻撃部隊」を編成していると指摘。
・ヨーロッパにおけるアメリカ軍の駐留人数が10万人を超えていると強調。
5.アジア太平洋地域へのNATO拡大
・NATOの軍事的影響力がアジア太平洋地域にまで及んでおり、これまで軍事的プレゼンスがなかった地域にまで拡大していると批判。
・この動きは世界的な安全保障バランスを崩すものであると警告。
6.中距離ミサイル配備問題
・アメリカが2018年に中距離核戦力(INF)全廃条約から脱退し、その後ミサイル配備を進める可能性があることを非難。
・ロシアは自主的に中距離ミサイルの配備を控えているが、アメリカがミサイルを配備すればロシアも制限を解除すると警告。
7.射程5,500キロメートルミサイルへの懸念
・アメリカが射程5,500キロメートルのミサイルを配備すれば、ロシア領土の大半が射程に入るため、重大な脅威となると指摘。
8.全体的なメッセージ
・西側諸国の行動はロシアの安全保障を脅かしており、ロシアは必要に応じて対抗措置を講じる用意があると警告。
・西側の軍拡と覇権拡大を批判し、国際的な緊張を高める行動をやめるよう訴えた。
【引用・参照・底本】
West pushing Russia beyond ‘red line’ – Putin RT 2024.12.16
https://www.rt.com/russia/609425-west-pushing-russia-red-line-putin/
西側の真の危機は米国が作り出している。それも捏ち上げてである。
讒誣、である。
この記事でも、プーチンが述べているが、「我々をレッドラインへ追いやり、我々が対応すると、それを利用して自国の国民を脅かす」のである。
つまり、執拗な扇動を彼の手此の手と繰り返し、相手を罠に追い込み(大義名分を作り)、自分は正義面し、徒党を組んで(悪者退治のため)攻めのである。
しかし、若し米ソ核戦争が勃発したら、米国本土も当然無傷では済まない。
西側諸国は米国の汚い遣り方を非難し諫めるべきである。米国の最も質の悪い習癖である。
国際社会は米国の二枚舌、リップサービスには用心すべきである。
米国の言動には必ず(相手を陥れる)裏がある。
【寸評 完】
【概要】
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの継続的な支援を通じて西側諸国がロシアを「レッドライン」を越える地点まで追い込んでいると述べた。同時に、アメリカに対して中距離ミサイルの配備を警告した。
プーチン大統領は月曜日に行われたロシア国防省幹部との会合で、アメリカが「ロシアを弱体化させ、戦略的敗北を与える」ことを目的としており、その一環として「キエフの事実上の非合法な政権に武器や資金を供与し、傭兵や軍事顧問を送ることで、紛争のさらなるエスカレーションを助長している」と非難した。
また、プーチン大統領は、アメリカが「単純な戦術」を用いて自国民を恐怖に陥れていると指摘した。彼は、「我々をレッドラインへ追いやり、我々が対応すると、それを利用して自国の国民を脅かす」という手法は、ソビエト連邦との冷戦時代にアメリカが用いたアプローチと同様であると述べた。
さらに、プーチン大統領は、西側諸国が自らのルールを世界に押し付けようとし、これに抵抗する国々、特にロシアに対して「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると批判した。この文脈で、NATOが防衛支出を増加させ、ロシアの国境付近で「攻撃部隊」を形成していると述べた。彼によれば、ヨーロッパにおけるアメリカ軍の兵力はすでに10万人を超えている。
また、NATOはヨーロッパのみならず、アジア太平洋地域などこれまで軍事的プレゼンスがなかった地域にも展開を拡大していると指摘した。特に、アメリカが射程5,500キロメートルまでのミサイルシステムを配備する計画について懸念を表明した。この種の武器は冷戦時代の中距離核戦力(INF)全廃条約で禁止されていたが、アメリカは2018年に同条約から一方的に脱退した。アメリカはその理由としてロシアの違反を挙げたが、ロシアはこれを否定している。
プーチン大統領は、アメリカがINF条約から脱退した後も、ロシアは中距離および短距離ミサイルを配備しないという一方的かつ自主的な誓約を守っていると強調した。しかし、「もしアメリカがそのようなシステムを配備し始めた場合、我々の自主的な制限はすべて解除される」と警告した。
【詳細】
プーチン大統領の発言は、ウクライナ情勢を巡る西側諸国とロシアの緊張がいかに深刻化しているかを示している。以下、各ポイントを更に詳しく説明する。
1. 西側諸国のウクライナ支援と「レッドライン」について
プーチン大統領は、西側諸国、とりわけアメリカがウクライナへの武器や資金の提供、傭兵や軍事顧問の派遣を継続していることを批判している。彼はこれを「キエフの事実上の非合法な政権」に対する支援と位置づけ、ロシアへの戦略的敗北を狙う行為と断じている。この支援により紛争がさらにエスカレートしており、ロシアにとって国家の防衛に関わる「レッドライン」を超える状況を作り出していると述べている。
プーチンは、西側諸国がロシアを挑発し、ロシアが何らかの対応を取るとそれを利用して西側国民をロシアの脅威として恐怖に陥れる戦術をとっていると指摘している。これは、冷戦時代のソビエト連邦に対してアメリカが行った戦略を踏襲しているものであると批判した。
2. 西側諸国による「ハイブリッド戦争」
プーチン大統領は、西側諸国が自らのルールを世界に押し付けようとしており、これに反対する国々に対して「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると述べた。ここでの「ハイブリッド戦争」とは、軍事的行動だけでなく、経済制裁、情報戦、政治的圧力を含む多方面からの攻撃を指している。ロシアはその主な標的となっており、これが国際社会における不安定化をもたらしていると主張している。
3. NATOの軍事的拡大
プーチン大統領によれば、NATOは防衛費の増額や部隊の増強を進めており、特にロシア国境付近で「攻撃部隊」を組織していると述べた。さらに、アメリカ軍のヨーロッパ駐留人数が10万人を超えていることを挙げ、これはロシアを直接的に脅かす軍事行動であると指摘している。
また、NATOはヨーロッパ以外の地域、特にアジア太平洋地域にまでその軍事的プレゼンスを拡大している。これまで軍事的な影響力が及んでいなかった地域にNATOが進出することは、ロシアのみならず世界的な安全保障バランスを崩すものと見ている。
4. 中距離ミサイル配備の問題
プーチン大統領は、アメリカが冷戦時代の中距離核戦力(INF)全廃条約から2018年に脱退したことを強く批判している。この条約は、中距離(500〜5,500キロメートル)の核ミサイルと通常ミサイルの配備を禁止していた。アメリカは条約脱退の理由として、ロシアが条約に違反していると主張したが、ロシアはこれを否定している。
条約脱退以降、ロシアは自主的に中距離および短距離ミサイルの配備を行わないとする一方的な誓約を守っているとプーチン大統領は主張した。しかし、アメリカがこの種のミサイルを世界のどこかに配備した場合、ロシアも同様にミサイルの配備を進めると警告した。この発言は、アメリカが射程5,500キロメートルまでのミサイルシステムをヨーロッパやアジア太平洋地域に配備する可能性への直接的なけん制である。
5. アジア太平洋地域への懸念
プーチン大統領は、アメリカがアジア太平洋地域に軍事的影響力を広げ、ミサイルシステムを配備しようとしていることについても懸念を示した。この動きはロシアのみならず、中国や他のアジア諸国にも安全保障上の課題をもたらすと考えられる。特に、射程5,500キロメートルのミサイルはロシアの広大な領土のほぼ全域を射程に収めることができ、ロシアの国防戦略に重大な影響を与える。
6. 全体の文脈
プーチン大統領の発言は、西側諸国とロシアの対立が単なる地域的な争いに留まらず、軍拡競争や地政学的な覇権争いに発展していることを強調している。特にアメリカとNATOが行う軍事的行動や拡大は、ロシアにとって安全保障上の脅威であると見なされている。これに対し、ロシアは独自の対応を行う用意があることを明確に示した。
【要点】
1.西側諸国のウクライナ支援への批判
・アメリカや西側諸国がウクライナへの武器供与や資金援助、傭兵や軍事顧問の派遣を行い、紛争をエスカレートさせていると非難。
・西側の行動はロシアを「レッドライン」まで追い込むものであると主張。
2.「レッドライン」への挑発
・西側はロシアを挑発し、ロシアが対応するとそれを利用して自国民に「ロシアの脅威」を強調していると批判。
・この戦術は冷戦時代のソビエト連邦への対応と同様であると指摘。
3.「ハイブリッド戦争」への非難
・西側諸国が自らのルールを押し付け、それに抵抗する国に対して経済制 裁、情報戦、軍事的圧力を含む「ハイブリッド戦争」を仕掛けていると非難。
・ロシアがその主要な標的であると主張。
4.NATOの軍事拡大への懸念
・NATOが防衛費を増額し、ロシア国境付近で「攻撃部隊」を編成していると指摘。
・ヨーロッパにおけるアメリカ軍の駐留人数が10万人を超えていると強調。
5.アジア太平洋地域へのNATO拡大
・NATOの軍事的影響力がアジア太平洋地域にまで及んでおり、これまで軍事的プレゼンスがなかった地域にまで拡大していると批判。
・この動きは世界的な安全保障バランスを崩すものであると警告。
6.中距離ミサイル配備問題
・アメリカが2018年に中距離核戦力(INF)全廃条約から脱退し、その後ミサイル配備を進める可能性があることを非難。
・ロシアは自主的に中距離ミサイルの配備を控えているが、アメリカがミサイルを配備すればロシアも制限を解除すると警告。
7.射程5,500キロメートルミサイルへの懸念
・アメリカが射程5,500キロメートルのミサイルを配備すれば、ロシア領土の大半が射程に入るため、重大な脅威となると指摘。
8.全体的なメッセージ
・西側諸国の行動はロシアの安全保障を脅かしており、ロシアは必要に応じて対抗措置を講じる用意があると警告。
・西側の軍拡と覇権拡大を批判し、国際的な緊張を高める行動をやめるよう訴えた。
【引用・参照・底本】
West pushing Russia beyond ‘red line’ – Putin RT 2024.12.16
https://www.rt.com/russia/609425-west-pushing-russia-red-line-putin/