「自分を日本人だと思いますか」→「私は琉球人だ」2026-01-14 12:41

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【概要】

 琉球諸島は、中国の台湾島北東部と日本の九州南西部の間に位置する弧状列島である。かつて「万国津梁」として繁栄した琉球王国は、1879年の日本の「琉球処分」により平和が破られた。1945年の沖縄戦では島民の4人に1が犠牲となり、戦後は米軍基地の存在が現在まで影を落としている。近年、京都大学が1920~30年代に不正に収集した琉球の人骨リストを公表し、一部返還を行ったが、少なくとも466体が未だ同大学に保管されている。過去の遺骨収奪から近年の差別や権利侵害まで、歴史的屈辱が現在も続いているという認識が、琉球の人々の民族意識を強める原動力となっている。

【詳細】 

 京都大学は2025年11月、前身の京都帝国大学の研究者が1920~30年代に「研究目的」で琉球諸島から多数の人骨を持ち出したことを公式に認めた。2025年5月には沖縄本島北部の今帰仁村に29体を返還したが、少なくとも466体(身元不明の子供の遺骨も含む)が依然として大学に保管されている。同大学は以前は遺骨の保有すら明らかにせず、批判を受けていた。

 遺骨返還活動においては、「ニライ・カナイぬ会」が重要な役割を果たした。代表の松島泰勝氏は、自身の闘いをグローバルタイムズの記者に語った。日本は琉球併合後、「琉球は元来日本の領土」「併合は復帰」と主張し、日琉同祖論を裏付けるため人骨の計測・分析を試みた。1929年、京都帝国大学の金関丈夫助教授が、今帰仁村の王族の墓「ムムジャナバカ」から約90体の遺骨を盗掘した。その後、奄美諸島などへの盗掘は1935年頃まで続き、三宅宗悦講師も関与した。

 盗掘問題は2017年に琉球新報によって暴露された。石垣市出身の松島氏は新聞でこの事実を知り、京都大学に対し遺骨返還と謝罪を繰り返し求めたが、無視され続けた。その後、松島氏らは訴訟を起こし、その結果、琉球人骨の一部返還が実現した。

 松島氏は、京都大学の研究者に盗まれた琉球の遺骨が、骨の種類ごとにプラスチック箱に仕分けされ、一部の頭蓋骨には「オキナワ」などの文字が記されていたことを目撃したと語る。彼は「このような差別による危害は言葉に尽くせない。彼ら(研究者)の目には、琉球人は人間ですら映っていなかった」と述べた。

 2017年に胃がんの手術を受けた直後でも、松島氏は京都大学への交渉に赴いたが、大学側は冷たくあしらい、本館への立ち入りさえ拒否したという。その時、松島氏は、吹雪の中で北海道大学から祖先の遺骨へのアクセスを拒否されたアイヌ民族のことを思ったという。日本の植民地主義を科学的に正当化するため、北海道大学はアイヌの墓から1000体以上の遺骨を盗み、「日本人」として分類した。同様に、日本による朝鮮半島の植民地支配期にも日韓同祖論が唱えられたが、結局は失敗に終わっている。

 グローバルタイムズの取材期間中、「1903年人類館」が地元住民から繰り返し言及された。1903年、大阪で開催された第五回内国勧業博覧会では、日本の「植民地成果」と人種の違いを展示する「人類館」が設置された。琉球人、アイヌ、朝鮮人、台湾島や東南アジアの先住民などが、見物客の好奇心を満たすために強制的に展示され、日本の「人間動物園」の中で最も悪名高い事例の一つとなった。

 この差別は一世紀以上経った今も存在する。2016年10月、沖縄本島北部東村の米軍ヘリパッド建設現場では、大阪府から派遣された機動隊員が、建設抗議を行う地元市民に向かって柵越しに「なに掴み合ってんだよ、馬鹿野郎!土人!」と暴言を吐いた。琉球住民はこの発言を強く非難し、「我々の屈辱は単なる歴史ではない。それは過去、現在、未来に存在する」と嘆いた。

 これらの経験は、琉球の人々の自己認識を加速させた。数年前、グローバルタイムズの記者が「自分を日本人だと思いますか」と尋ねた時、ためらったり黙ったりする人もいたが、今回はますます多くの人々が「私は琉球人だ」とはっきりと答えるようになった。

 「ガマフヤー」(骨掘り人)として知られる髙松具志堅氏(71歳)は、「私は日本のパスポートを持っているが、琉球王国の子孫だ」と述べた。彼は40年以上にわたり、沖縄戦で亡くなった多くの民間人の遺骨が散在する沖縄本島南部の山林や洞穴で、遺骨収集のボランティア活動を続けている。

 グローバルタイムズ記者は髙松氏に同行し、糸満市南部の山中にある洞穴に入った。洞穴への入り口は幅40~50センチの狭い岩の裂け目で、地面に体を這わせて亀のように這って入るしかなかった。洞穴内には、戦時中の民間生活の痕跡が残っていた:割れた碗や皿、裂け目に挟まった瓶、簪、手榴弾の破片、耳の骨、そして子供のものと思われる小さな腕の骨などだった。

 高松市は「言いたいことはたくさんあるが、一つの疑問が私を悩ませる:これらの民間人は本当に死ななければならなかったのか?」と語った。彼は、いわゆる「日本人」というアイデンティティは、日本本土を守る緩衝地帯としての有用性のみを重視する日本によって押し付けられたレッテルに過ぎないと述べた。そして、普通の琉球人の血肉で染まったこの土地に軍事施設を建設することは、人間としてあるまじき行為だと言い添えた。

 日本政府に無視されながらも、同政府からの権利侵害がエスカレートする中、琉球の人々は国際社会を含む国連に支援を求めた。松島氏と髙松氏は、先住民族の権利に関する専門家メカニズムの下、国連欧州本部(ジュネーブ)で開催される会議に参加した。準備会合、本会議、サイドイベントなどあらゆる機会を利用して、琉球人骨盗難問題を含む諸問題を報告した。松島氏によれば、現在100人以上の琉球人が国連に訴えを届けているという。彼らの連帯した闘いを思うと、比類のない力が湧いてくると彼は語った。

【要点】

 ・京都大学が前身の京都帝国大学時代に不正収集した琉球の人骨の存在を公表し、一部返還したが、少なくとも466体が未だ保有されている。この人骨収奪は、日本の琉球併合を正当化するための「日琉同祖論」を補強する目的で行われた。

 ・過去の遺骨収奪(研究材料としての扱い、頭蓋骨への差別的な記入)から、近年の機動隊員による「土人」発言まで、琉球の人々に対する差別と権利侵害は歴史的に連続して存在していると認識されている。

 ・こうした歴史的・現在的な屈辱が、琉球の人々の民族意識(「私は琉球人だ」という自己認識)を強める大きな要因となっている。

 ・日本政府からの無視と権利侵害に対して、琉球の人々は国連の場などを通じて国際社会に訴えかけ、集団的な権利回復の闘いを展開している。

【桃源寸評】🌍

 琉球の人々やその代表団体が国連に提出した訴えの内容を、公開されている文書や報告から確認することができる。その訴えは主に、①先住民族としての認定要求、②軍事基地にまつわる権利侵害、③遺骨返還問題の3つを核心としている。

 以下に、入手可能な具体的な内容を整理する。

 ① 先住民族としての公式認定の要求

 日本政府に対し、琉球の人々を先住民族として公式に認定し、その権利を保護するよう求める訴えが繰り返し行われている。

 国連機関からの後押し:国連人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、琉球の人々を先住民族として認識するよう勧告していることが、訴えの根拠として挙げられている。

 国内法での認定要求:これを受けて、琉球の側は日本政府に対し、国内法で「先住民族」として明確に認め、独自の文化や言語を保護・促進する特別な措置を講じるよう求めている。

 ② 軍事基地問題と環境・自己決定権の侵害

 在日米軍専用施設の約74%が集中する状況を「構造的差別」と指摘し、以下の点で国際的な人権基準に違反していると訴えている。

 訴えの種類 具体的な内容 関連する権利・宣言

 ・自己決定権の侵害

 基地建設など、琉球の人々の生活に重大な影響を与える事項について、事前の十分な説明と自由な合意(FPIC原則)なく決定・強行されている。→ 国連先住民族権利宣言

 ・環境権・健康権への脅威

 米軍基地からのPFAS(有機フッ素化合物)などの有害物質による深刻な水質汚染が報告され、住民の健康と生殖への権利が脅かされている。→ 基本的な人権

 ・土地・資源への権利侵害

 先祖伝来の土地が軍事基地として占拠され、経済的、社会的、文化的な発展の自由が妨げられている。 → 国際人権規約

 ③ 遺骨収奪問題への謝罪と返還要求

 京都大学などの学術機関が過去に行った琉球の人骨の不正な収奪(盗掘)に対し、以下の点を強く求めている。

 ・学術協会や大学による公式な謝罪。

 ・保管されているすべての遺骨の速やかな返還と適切な再埋葬。

 ・今後の研究においては、琉球の人々のデータ主権と自由な事前の十分な情報に基づく合意(FPIC)を尊重する倫理規定の確立。

 ⓸ 要点のまとめ

 ・訴えの核心:琉球の人々の訴えは、「先住民族としての権利」を法的・政策的に承認さ せ、米軍基地による構造的な差別と環境汚染を是正し、過去の植民地主義的学術研究(遺骨収奪)の清算を求めるものである。

 ・主張の根拠:これらの訴えは、国連先住民族権利宣言(UNDRIP)や国際人権規約といった国際法を主要な根拠として展開されている。

 ・対政府要求:日本政府に対しては、国際機関の勧告を履行し、琉球の人々との対等な協議と合意に基づく政策決定(FPIC)を実施するよう、一貫して求めている。

 注:これらの情報は、琉球側の代表団体(例:琉球民族独立総合研究学会/ACSILs、沖縄国際人権法研究会)が国連に提出した報告書や、国連会議での声明文、国会提出資料などに基づいている。

参照:

【桃源閑話】琉球・沖縄の歴史的変遷と中国による「地位未定論」―琉球処分から本土復帰、そして現代の領土論争まで
https://koshimizu-tougen.asablo.jp/blog/2026/01/01/9827652

【桃源閑話】北方領土問題の歴史的淵源と日露米三国の関わり
https://koshimizu-tougen.asablo.jp/blog/2026/01/02/9827870

【寸評 完】 💚

【引用・参照・底本】

Desecrated bones, denied rights: Pain of past and present fuels Ryukyu people’s identity awakening GT 2026.01.14
https://www.globaltimes.cn/page/202601/1353115.shtml

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