中国は気象AIモデル「MAZU」を30カ国に導入支援すると発表2026-07-18 18:13

Dolaで作成
【概要】

 地球温暖化に伴い中国では2026年の出水期に豪雨や台風などの極端な気象災害が多発しており、同年上半期には1727万6千人が被災、58万7千人が避難や緊急支援を必要とした。こうした状況下、中国ではAIを活用した早期警報モデルMAZU、ドローン、衛星測位システム、特殊な救助資機材など新技術を活用しつつ、国レベルでの統一的な対応や財政支援、被災地での人命救助を進めている。またMAZUについては、30カ国への導入支援を通じ国際協力も推進すると発表された。
  
【詳細】 

 災害の発生状況

 地球温暖化の影響で極端な気象・気候事象が経済活動や社会活動、公衆の安全に与えるリスクが高まっている。2026年の中国の出水期には、南西部から東部沿岸、北東部にかけて豪雨、台風、落雷、強風、地すべりなどが相次いだ。中国応急管理部の発表によると、同年上半期には全国で1727万6千人が何らかの形で被災し、58万7千人が避難または緊急支援を必要とした。

 国レベルでの対応

 7月以降、広西チワン族自治区、湖北省、甘粛省ではダムの緊急事態や激しい対流性気象、地すべりが発生し、北東部では持続的な豪雨が続いた。国家洪水干ばつ対策本部は緊急対応レベルを調整し、主要な被災地に作業グループを派遣した。また財政部と応急管理部は7月14日、広西、浙江、河北、遼寧など10の省級地域に対し、総額4億3千万元(約6000万米ドル)の中央災害救済資金を交付。土のう、土木シート、蛇かご、照明機材、排水機械などの治水資機材も被災地に向けて送られた。

 各地での救助活動

 広西では台風「マイサック」による連続降雨で洪水が発生し、7月6日には横州市内の複数のダム下流の集落が浸水した。南寧市消防救助局は最高レベルの警戒態勢を発令し、救助隊をダム放流区域や低地の集落、古い住宅地に派遣。ボートやロープを用いて区域ごと、世帯ごとに捜索し、住民を避難させた。

 広西小義郷では、洪水で孤立した良蘭村への物資輸送のため、ドローン操縦士が飛行距離や積載量を計算した上でゴムボートで現地に赴き、屋上に臨時発着場を設置して物資を届けた。

 貴港市の西江教育園では複数の学校で水道、電気、インターネットが途絶した。国営の工学系救助部隊が、水の状況に応じて分割組み立てが可能で1回に300人以上を輸送できる動力付き浮き橋ボートを投入。7月9日午後12時30分までに6千人以上の教職員・生徒を避難させ、最終的に市内の被災した学校から約3万人を移転させた。

 7月11日、貴港での任務を終えて地域を離れる他地域からの消防隊員に対し、住民が沿道に並んで見送り、感謝の意を示した。

 新技術・新資機材の活用と国際展開

 7月16日、上海で開幕した2026年世界AI会議・世界AIガバナンスに関するハイレベル会合において、中国は気象AIモデル「MAZU」を30カ国に導入支援すると発表した。MAZUはAIと複数ソースのデータを基に、地域の実情に応じた災害警報を提供するもので、技術や経験を共有することで国際協力を推進するとしている。

 その他、動力付き浮きボート、貨物ドローン、北斗衛星測位システム、生命探知装置、インテリジェント点検ロボットなども配備され、偵察、通信確保、避難誘導、物資輸送の選択肢を広げると同時に、救助隊員が危険地域に立ち入る必要性を低減している。

【要点】

 ・2026年上半期、中国の自然災害による被災者は1727万6千人、避難・支援対象者は58万7千人に上る。

 ・国レベルでは緊急対応の調整、作業チーム派遣、4億3千万元の救済資金交付、治水資機材の輸送を実施。

 ・AI警報モデルMAZUをはじめ、ドローン、衛星測位システム、特殊救助ボートなど先進技術・機材を活用した救助・支援を展開。

 ・MAZUについては30カ国への導入支援を行い、災害警報分野での国際協力を推進。

 ・被災地では大規模な避難誘導が完了し、救助活動終了時には住民が感謝の意を示した。

【引用・参照・底本】

AI-powered early warning systems, drones, satellite monitoring and advanced rescue equipment enhance China’s disaster response GT 2026.07.16
https://www.globaltimes.cn/page/202607/1366223.shtml

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