台湾、潜水艦騒動2023年10月04日 08:57

東名所墨田川梅若之古事 国立国会図書館デジタルコレクション
 台湾の国防に関連する深刻な問題について報じている。台湾は国防と抑止力を強化するプロジェクトの一環として、国内で初めて開発された潜水艦を発表した。しかし、このプログラムに関与し、詳細情報が漏洩したという告発が行われ、これが国家安全保障に対する重大な脅威であるとされている。

 台湾の国防潜水艦プログラムの責任者である黃曙光(Huang Shu-kuang)氏は、議員たち(名前は明かされていない)がプログラムが必要な重要な機器を購入するのを「困難」にしたと述べ、入札に失敗した請負業者が情報を中国に転送したと主張した。

 台湾の最高検察庁は、これらの告発が国家安全保障と防衛に関連しているため、「大きな関心を引きつけた」とし、国家安全保障を保護するためにできるだけ早く事件を調査するように検察官に指示を出したと発表した。また、司法大臣の蔡清祥(Tsai Ching-hsiang)氏も事件の調査が進行中であることを確認した。

 黃曙光氏の発言に続いて、退役海軍大尉の郭璽(Kuo Hsi)氏は、中国国民党(KMT)の議員である馬文君(Ma Wen-chun)氏が情報を中国と共有したと主張し、これに対して馬文君氏は名誉毀損訴訟を提起した。郭璽氏はまた、馬文君氏に対して、潜水艦に関する機密情報を他国の国家安全機関に漏洩させたとして、民事および刑事訴訟を提起した。

 馬文君氏は、彼女が中国に機密情報を提供したことがある場合、切腹(seppuku)を行う用意があると述べた。KMTは馬文君氏を支持し、政府の監視を行う議員として彼女が仕事をしていると主張し、潜水艦の試験すら行われていない状況で数十億ドルを予算に組み込むことは無意味だと指摘した。

 民主進歩党は問題を解決できず、問題を指摘した人物を攻撃しているとKMTのスポークスマンは述べた。郭璽氏の告発は政治的な策略だと彼は主張した。また、もし実際に馬文君氏が機密情報を漏洩したのであれば、なぜそれが以前から司法によって取り扱われなかったのかとも述べた。この問題は2024年1月の大統領選挙と立法委員選挙の直前に持ち上げられたものであるとも指摘されている。

【要点】

潜水艦プログラムの告発と調査: 台湾の国防を強化し、中国からの軍事的な脅威に備えるためのプロジェクトの一環として、台湾は国産の最初の潜水艦を発表した。しかし、この潜水艦プログラムに関連して、干渉や情報漏洩の告発が行われ、これが国家安全保障の重大な侵害である可能性があるとされている。

告発者の主張: Indigenous Defense Submarineプログラムの責任者である黃曙光氏は、具体的な名前は明らかにしなかったが、議員たちが重要な装備の購入を妨害し、入札に失敗した請負業者が情報を中国に提供したと主張した。

検察の調査: 台湾の最高検察庁は、これらの告発が国家安全保障と国防に関わる重大な問題であるため、迅速な調査を指示した。司法大臣の蔡清祥氏も、最高検察庁と司法省の捜査局が事件を調査していることを明らかにした。

告発と反応: 黃曙光氏の発言の後、退役海軍大尉の郭璽氏は、国民党(KMT)の立法委員である馬文君氏が告発され、情報を中国と共有したと主張した。これに対し、馬文君氏は郭璽氏に対する名誉棄損訴訟を提起した。

政治的な対立: この事件は政治的な論争を巻き起こした。KMTは馬文君氏を支持し、政府の監視役としての彼女の役割を強調し、潜水艦プロトタイプがまだテストを受けていないにもかかわらず、数十億ドルもの予算を潜水艦に割り当てることに疑問を呈した。また、KMTは問題を指摘した人物を攻撃するだけで問題を解決できないと主張した。

総選挙前の政治的な動き: 一部の人々は、この告発が2024年1月の台湾の大統領選挙と立法委員選挙の直前に持ち上げられたと見て、政治的な動きであると指摘している。

この事件は台湾の国家安全保障と政治的な論争に関連する重要な出来事であり、詳細な調査が行われることが期待されている。

【桃源寸評】

 大統領選挙の為の認知戦争なのかどうか。後続の情報を待ってみよう。

引用・参照・底本

Prosecutors probe submarine claims TAIPEI TIMES 2023.10.03

ロシアへの中古車輸出禁止の波及2023年10月04日 09:32

東名所墨田川梅若之古事 国立国会図書館デジタルコレクション
 日本がロシアへの中古車輸出を禁止したことに関する情報を提供している。

 ロシアへの中古車輸出禁止: 日本はG7の制裁に従って、ロシアへの新車および中古車の輸出を禁止した。これにより、ロシア市場への中古トヨタ、ホンダ、日産などの自動車の販売が制限された。

 経済的影響: この輸出禁止は日本に大きな経済的損失をもたらすと報じられており、その損失はおおよそ20億ドルに達するとされている。

 制裁の歴史: 制裁は2022年4月に日本がラグジュアリー車の輸出を禁止したことから始まり、その後、2022年6月には重トラックの販売も禁止された。

 中古車の輸出の重要性: 日本は長らく中古車の主要な輸出国の1つで、ロシア市場は日本の中古車輸出の約4分の1を占めていた。

 中古車価格の上昇: ロシアへの中古車輸出が制限されたことで、中古日本車の価格が急上昇し、2022年には平均価格が8,200ドルに達した。

 業界への影響: ロシアへの輸出に特化した日本の企業は大きな損失を被り、一部の企業は売上の70%以上を失ったとされている。

 中古車市場の変化: ロシアへの中古車輸出が減少したため、日本国内の中古車市場では中古車の供給が増加し、価格が下落した。この影響で、中古車をリサイクルする業界が利益を得ていると報じられている。

 日本とロシア間の中古車輸出に関する制裁の影響と、関連する経済的な変化に焦点を当てている。

【要点】

日本の自動車産業はロシアへの輸出禁止により数十億ドルの損失を被っている。この禁止には中古車も含まれており、ロシアのウクライナ侵攻に応じて課された。

この禁止は日本の自動車会社に大きな影響を及ぼし、その多くが生産削減や従業員の解雇を余儀なくされている。ロシアは日本の中古車の主要輸入国だったため、中古車市場にも大きな打撃を与えた。

日本は、ロシアへの自動車輸出を禁止しており、中古車も対象に含まれている。この禁輸措置により、日本の自動車業界は、2023年までに約20億ドル(約2,800億円)の損失を被ると予想されている。

しかし政府は、ウクライナ戦争を終わらせるためにはロシアに圧力をかける必要があると主張し、禁止令を擁護している。

この禁止は日本経済全体にも波及効果をもたらした。 自動車産業は日本の主要な雇用主であり、この禁止は雇用の喪失と税収の減少につながっている。

中古車輸出は、日本の自動車業界にとって大きな収入源であり、ロシアは、日本の中古車輸出の25%以上を占めていた。しかし、禁輸措置により、ロシアへの中古車輸出は激減し、日本の自動車会社は、大きな打撃を受けている。

また、中古車市場では、中古車の価格が下落しており、自動車オークションハウスUSSのデータによると、8月の中古車の販売台数は前年比20%以上増加し、平均販売価格は7%下落した。

中古車の価格下落は、自動車リサイクル業者にとっては追い風になっている。ニッサンリーフのCEOである堀江裕隆(Yutaka Horie)氏は、バッテリーリサイクル企業フォーアールエナジーが、中古車価格の下落から「大きな恩恵を受けている」と語っている。

日本の自動車業界は、ロシアへの自動車輸出禁止により、大きな損失を被っている。また、中古車市場では、中古車の価格が下落しており、自動車会社や自動車オークションハウスだけでなく、自動車リサイクル業者にも影響を与えている。

ロシアへの輸出禁止は日本の自動車産業にとって大きな打撃となる。これにより業界は20億ドル近い売上損失を被り、雇用の喪失や税収の減少につながったと推定されている。 この禁止は、ロシア市場における業界の競争力にも長期的な影響を与える可能性が高い。

この禁止は日本の自動車産業にも長期的な影響を与える可能性が高い。ロシアは成長を続ける大規模な自動車市場であり、今回の禁止により、日本の自動車会社が将来その市場で競争することが困難になるだろう。

・ロイター通信によると、日本がロシアへの自動車輸出禁止の対象に中古車を含めるという決定を下したことで、同国に20億ドル近くの損失が生じる見通しだという。ロシアへの小型車を除くすべての車の販売禁止は8月初旬に発効し、トヨタ、ホンダ、日産の中古車にとって有利な販売ルートが遮断された。

・日本は長年にわたり中古車の著名な輸出国である。現地では検査義務が課せられているため、これらの車両の維持費は大幅に増加しているが、新車購入のための資金調達コストは依然として低いままである。

・ロシア政府のウクライナ軍事作戦を巡り西側諸国とその同盟国が制裁を導入する前は、ロシアへの販売が日本からの中古車輸出量の4分の1以上を占めていた。

・この禁止は日本の自動車産業に大きな影響を与えた。SVアライアンスの物流コーディネーター、オレシャ・アレクシーバ氏によると、ロシアへの輸出のみに注力している企業は70%近くの損失を被っている。

・富山県と隣接する新潟県の中古車販売会社エレメント・トレーディングのロシアでの事業シェアは、ピーク時の50%超から20%未満に低下していると西脇渉最高経営責任者(CEO)がロイターに語った。

・ロシアにおける日本の自動車産業の見通しは暗い。中古車輸出禁止措置は当面続くとみられ、たとえ解除されたとしても市場がどれだけ早く回復するかは不透明だ。

・日本の自動車産業はロシアへの輸出禁止により数十億ドルの損失を被っている。この禁止はロシア市場に依存する日本企業に大きな影響を与えており、今後の見通しは不透明だ。

・中古車輸出禁止は日本経済にも波及している。中古車価格の下落は地元のリサイクル業者に打撃を与えているが、バッテリーリサイクル会社にも恩恵をもたらしている。

・ロシアへの中古車輸出禁止は日本の自動車産業と日本経済全体にとってマイナスの展開だ。

引用・参照・底本

Japanese car industry losing billions over Russia export ban – Reuters RT 2023.10.03

ドイツ、NATOの東側へ旅団駐留2023年10月04日 10:43

東名所墨田川梅若之古事 国立国会図書館デジタルコレクション
 ドイツがロシア国境のバルト諸国であるリトアニアに数千人の軍隊を派遣する準備を進めているというものである。

 ドイツ軍の派遣計画:ドイツ国防大臣ボリス・ピストリウスは、リトアニアに4,000人の軍隊を派遣する計画を発表した。すでにNATOのバトルグループの一部として約1,500人のドイツ軍がリトアニアに駐留している。

 目的:この軍隊の派遣は、「東の翼」での「連帯と責任」を示すために行われるものとされている。つまり、バルト諸国を支援し、安全保障を強化するための措置である。

 ロードマップの作成:ドイツとリトアニアは、軍隊の派遣に関する計画を策定するためのロードマップを協力して作成中で、2023年11月か12月初めまでには具体的な方針を持つ予定である。

 インフラストラクチャーの課題:軍隊を派遣するには、宿舎、倉庫、訓練施設、軍人家族向けの民間インフラストラクチャーなどのインフラストラクチャーの整備が必要である。これはリトアニアにとっても、ドイツ国防軍にとっても大きな課題とされている。

 ドイツ兵の志願制:このユニットに参加するドイツ軍兵士は志願制である必要があり、彼らとその家族を他国で生活させる方法を見つける必要がある。この点でアメリカやイギリスの経験を参考にする計画とされている。

 ドイツのロシアに対する見解:国防大臣はロシアを「一時的な脅威」と見なしており、今後もその状況が変わる可能性については言及していない。ただし、ロシアはドイツの新しい国家安全保障戦略で「ユーロ大西洋地域の平和と安全に対する最大の脅威」とされ、地域および国際秩序にリスクをもたらす力とされている。

 ロシアの立場:一方、モスクワはウクライナの紛争とロシア、米国、EUとの関係の危機の原因は、西側の覇権的な志向とロシアを動揺させようとする意図にあると主張している。

 この情報は、ドイツがリトアニアに軍隊を派遣し、バルト諸国の安全保障に対するコミットメントを示すための一環として行動していることを示している。また、ロシアへの見方についても議論があることが示唆されている。

【要点】

ドイツは、バルト海沿岸のバルト3国の一つであるリトアニアに4,000人の旅団を駐留させる計画を進めている。これは、NATOの東側(flanker)を強化し、ロシアの脅威に対抗するための一環である。

ドイツは、2024年末までに旅団を創設し、リトアニアに配備することを目指している。しかし、兵舎、倉庫、訓練場などのインフラを整備する必要があり、また、ドイツ兵士とその家族がリトアニアに生活するために必要な条件を整えることも課題となっている。

ドイツは、この旅団に配属されるドイツ兵士は、自発的に参加しなければならないとしている。また、米国や英国の経験を参考に、必要な条件を整えていく方針である。

ドイツは、ロシアを「ユーロアトランティック地域における平和と安全保障に対する最大の脅威」と位置付けている。ロシアは、NATOの東方拡大やウクライナへの軍事侵攻を通じて、地域秩序を脅かしていると考えている。

一方、ロシアは、NATOの拡大や対ロシア制裁が、ウクライナ危機を招いたと主張している。また、NATOがロシアを脅かすような軍事行動を取れば、対応を余儀なくされると警告している。

ドイツとロシアは、ウクライナ危機を巡って対立しており、関係は緊張している。ドイツは、NATOの東側 flanker を強化することで、ロシアの脅威に対抗し、地域の安全保障を確保することを目指している。

・ドイツは来年、ロシア国境州リトアニアに数千人の軍隊を派遣する準備を進めている。 ドイツがこの規模の旅団を他国に派遣するのは初めてであり、これは重要な動きである。

・この配備は、リトアニアとの連帯を示し、ロシアからの潜在的な侵略を阻止する方法とみられている。リトアニアはNATO加盟国であるため、ドイツはNATO加盟国1カ国への攻撃は加盟国全体への攻撃であるとする同盟第5条に拘束される。

・この配備は、ドイツが自国の防衛とバルト三国の安全に対するコミットメントを強めていることの表れでもある。ドイツは近年国防支出を増加させており、今回の配備はその取り組みの最新の兆候である。

・導入には課題がないわけではない。ドイツはリトアニアに軍隊を収容するための新たなインフラを建設する必要があり、軍人とその家族に他国に移転するよう説得する必要がある。しかしドイツは、欧州の安全保障にとっては配備が不可欠であると考えており、配備を最後までやり遂げる決意をしている。

・ドイツのボリス・ピストリウス国防大臣は、この部隊の一員としてリトアニアに行くドイツ兵は自発的にそうしなければならず、ベルリンは軍人とその家族に他国に住むよう説得する方法を見つけなければならないと強調した。

・ロシアは今回の配備を「挑発」だと批判している。しかしドイツは、この配備は純粋に防衛的な性質のものであると述べている。

・この配備は重要な進展であり、ロシアと西側諸国が注目している。これはロシアと西側諸国との間の緊張が高まっていることの表れであり、NATOとその第5条保障の重要性を思い出させるものである。

・ベルリンがロシアをどのように認識しているかという質問に答えて、ピストリウス氏は、ロシアは「一時的な脅威」であると述べたが、それが近い将来に変わる可能性があるかどうかには言及しなかった。

引用・参照・底本

Germany preparing to send thousands of troops to Russian border state RT 2023.10.03

ケニア、イギリス軍の行動に関する調査2023年10月04日 12:22

東名所墨田川梅若之古事 国立国会図書館デジタルコレクション
 イギリス軍のケニアでの行動に関連する現在の状況と、それがケニアとイギリスの関係、およびケニアの地域的および国際的な地位に与える影響について議論している。

 ケニアでのイギリス軍の行動に関する調査:ケニア政府は、イギリス軍訓練ユニットケニア(BATUK)の兵士たちによる殺人、性的虐待、土地の破壊などの不正行為の告発に対する調査を開始した。これは、ケニアが1963年にイギリスから独立して以来、初めてイギリス軍の活動がこのように検証される。調査はケニア国会の部門委員会によって指導され、調査は2023年の終わりまでに結果が国会に提出される予定である。

 ケニアとイギリスの軍事協力:イギリスはケニアの戦力育成と軍事協力において重要な役割を果たしており、ケニアはイギリスのアフリカ政策において重要なパートナーとされている。BATUKはケニアにおける永続的な訓練ユニットであり、Nairobiの北に位置するNanyukiの軍事基地はイギリス軍がアフリカで運営する最大の軍事施設である。イギリス軍とケニア国防軍はBATUKを拠点にした大規模な合同演習を行っている。

 ケニアの不満と懸念:イギリスとの軍事協力に関して、ケニア内で不満や懸念が高まっている。イギリスが提供する資金は限られており、地元プロジェクトへの投資も不十分とされている。ケニア軍は依然として国内の安全を確保する能力に不足しており、アル・シャバブなどのテロ組織による攻撃が増加している。

 イギリス軍の不適切な行動と歴史的背景:BATUKの調査以前から、ケニアの地元住民や当局がイギリス軍の不適切な行動に関する苦情を提出しており、その中には爆発物の残置や白リンの使用、森林火災などが含まれている。イギリス軍の兵士による性的虐待事件も発生しており、一部の事件についてはケニアでの裁判が可能になった。

 ケニアの地政学的重要性:ケニアは東アフリカにおける戦略的な位置を持ち、インド洋へのアクセスなど、地政学的に非常に重要でる。ケニアはアフリカ大陸で人口と経済規模が大きく、東アフリカの主要な交通ハブとなっている。イギリスやアメリカなどの西洋諸国は、ケニアをテロ脅威に対する防衛の前線と位置付けている。

 ケニアの外交政策の変化:ケニアの新しい大統領ウィリアム・ルトが、中国への依存を減らし、西洋諸国との関係を強化しようとしている。これは、ケニアが中国の巨額投資に依存し過ぎているという国内の懸念に関連している。

 ケニアの現在の政治状況と外交政策、そしてイギリスとの軍事協力に関連する重要な問題を取り上げており、特にBATUKの調査がイギリスのアフリカでの地位にどのような影響を及ぼす可能性があるかに焦点を当てている。

【要点】

イギリス軍がアフリカで犯した罪に対する正義が果たされるかどうかを問う記事である。

イギリス軍がケニアで犯した罪として、

・演習場に残された爆発物による死傷者
・白リン弾の使用による健康被害
・演習による森林火災
・性的虐待

などを挙げ、イギリス軍の存在がケニアの主権を侵害していることを指摘している。

また、ケニアの戦略的重要性に触れ、アメリカや中国もケニアに軍事拠点を設けていることを紹介している。ケニアはイギリスにとってアフリカでの重要な拠点であるため、BATUKの調査や防衛協力協定の見直しはイギリスにとって大きな痛手となると分析している。

ケニア政府の今回の決定は、国内の不満を緩和し、イギリスにシグナルを送る狙いがあると考えられる。イギリスがアフリカでの存在感を維持するためには、ケニアとの良好な関係を構築することが不可欠であるため、イギリス軍がケニアで犯した罪に対する正義が果たされるかどうかが注目される。

ケニアは、東アフリカにおいて戦略的に重要な位置を占めており、伝統的に不安定なアフリカの角、中央アフリカ、そしてインド洋の長い海岸線へのアクセスを持っている。その地理的位置、特にインド洋へのアクセスは、ケニアに大きな地政学的重要性を与えている。

ケニアは、人口(5,500万人以上)、経済(アフリカ大陸で7番目に大きい経済)の面で、大陸で最大の国の1つである。ケニアは、東アフリカの主要な輸送ハブであり、最大級の港であるモンバサは、東アフリカと中央アフリカを世界と結ぶ重要な玄関口となっている。

この位置づけは、外部の勢力がケニアに注目する理由を説明している。ケニアにおける西側諸国の軍事的プレゼンスは、英国の駐留軍だけにとどまらない。ケニアは西側諸国から、アルカイダの地域支部を含むテロリストの脅威に対する防衛最前線と考えられており、ケニアとソマリアの国境は大きな安全保障上の課題となっている。

米国アフリカ軍の部隊は、ケニアのマンダ湾にある軍事施設に駐留している。この軍事施設の主な任務は、ソマリアのテロリスト集団 al-Shabab との戦いであり、2020年初めにはテロリストの攻撃を受け、防御力強化と米国人兵士の増派が図られた。

2023年初頭、ナイロビは米国に対して、共同対テロ軍事施設の拡張に対する支払いを求め、米国議会ではこの拒否が中国の影響力を高めるのではないかという懸念から、真剣な議論が始まった。2021年の米国防総省の報告書によると、ケニアは、ジブチにすでに存在する軍事施設に加えて、中国が東アフリカに軍事基地を設置することを検討している目的地の一つである。

過去20年間、中国はインフラ整備に巨額の投資を行い、北京はケニア最大の債権国となっている。中国との関係強化は、21世紀初頭のケニア外交政策の再構築と「ルック・イースト」ビジョンの推進を反映している。北京によるケニアへの高速道路や鉄道などの大規模プロジェクトの資金調達と建設は、中国の一帯一路構想の一環として行われている。今日、中国はケニアの総債務340億ドルのうち約20%を占めており、ケニアの 両国関係の対外債務の64%を占めている。さらに、スウェーデン国際平和研究所(SIPRI)によると、両国の軍事技術協力も2000年から2022年にかけて拡大し、中国はケニアの第2位の武器供給国となっている。

にもかかわらず、ケニアの新しい大統領であるウィリアム・ルト氏は、米国との関わりを強めることで、中国への依存を減らし、外交関係の多様化を図っている。これは、米国外交官との接触が増加したことに加えて、ワシントンで開催された米アフリカ首脳会議に個人的に出席し、ロシア・アフリカ首脳会議を欠席し、BRICS首脳会議には外相のみが出席したことで明らかである。この新しい「ルック・ウェスト」は、中国への債務が増大する中で、地元生産を加速するための新たな投資を求めていることと関係していると考えられる。

BATUKの活動調査に関する最近の声明や、英国との防衛協力協定を再検討する可能性に関する声明は、地元住民の不公正や安全保障上の脅威に対する深刻な不満に関連した国内の状況を緩和するための試みであると考えられる。しかし、より重要なのは、この調査が英国への重要なシグナルであるということだ。ケニアにおける軍事施設は英国のアフリカ全域におけるプレゼンスにとって不可欠であることを念頭に置くと、これを失うリスクは、英国の地域だけでなく世界的な野心にとっても深刻な課題となり得る。

ケニアは東アフリカにおいて戦略的に重要な位置を占めており、その地理的位置は外部の俳優にとって大きな重要性を持っている。米国と中国は、ケニアにおける最大の軍事力と最大の債権国であり、ケニアは両国にとって重要なパートナーである。ケニアの新大統領は、中国への依存を減らし、外交関係の多様化を図るために、米国との関わりを強めている。BATUKの活動調査は、地元住民の不公正や安全保障上の脅威に対する深刻な不満に関連した国内の状況を緩和するための試みであると考えられるが、より重要なのは、英国への重要なシグナルであるということだ。

・ケニアにおける英国軍の犯罪疑惑と、英国のケニアとの防衛協力およびアフリカにおける広範な野望への影響を分析している。

・まず、英国にとってケニアの戦略的重要性、特にアフリカの角と東アフリカにおけるテロ対策の取り組みの文脈において、ケニアの戦略的重要性を強調することから始まる。 次に、殺人、性的虐待、環境破壊の疑惑を含む英国軍の活動に対するケニアでの懸念の高まりについて論じている。

・最近ケニア政府が英国陸軍ケニア訓練部隊(BATUK)に対する調査を開始したことに焦点を当てている。1963年の独立以来、ケニアにおけるイギリス軍の活動がこのような方法で調査されたのは初めてであるため、この調査は重要な進展であると主張している。

・英国のケニアとの防衛協力に対する調査の潜在的な影響について論じている。この調査は2021年に更新された両国間の現在の防衛協定の見直しにつながる可能性があると主張している。また、この調査はケニアにおける英国の評判を傷つけ、英国が軍事的存在を維持することをより困難にする可能性があると主張している。

・BATUK調査は英国にとって重要なシグナルであると主張して締めくくられている。英国は兵士に対する申し立てを真剣に受け止め、ケニアの捜査に協力する必要があると主張している。彼らはまた、英国はケニアとの防衛協力を見直し、それが相互に利益をもたらすものであることを確認する必要があると主張している。

・ケニアにおける英国軍の犯罪容疑と、それが英国のケニアとの防衛協力およびアフリカにおける広範な野望に与える影響について、包括的かつ洞察力に富んだ分析を提供している。BATUK調査は英国とケニアの関係に大きな影響を与える可能性のある重要な進展であると主張している。

引用・参照・底本

Payback time, Your Majesty: Will the British Army be brought to justice for its actions in Africa? RT 2023.10.02

米国とイラン、正常化へか2023年10月04日 14:15

東名所墨田川梅若之古事 国立国会図書館デジタルコレクション
 アメリカ合衆国がイランに対する友好的な態度を示している背後にある理由について論じている。

 アメリカとイランの囚人交換および凍結された資産の解凍は、サウジアラビアとイスラエルの正常化を促進することと関連している可能性があるとされている。

 匿名の外交筋による情報によれば、アメリカとイランの囚人交換は非公式の合意であり、署名された文書は存在せず、カタールとオマーンが仲介役として関与していた。この合意には、イランのウラン濃縮を60%で凍結し、国際原子力機関(IAEA)がいくつかの核施設にカメラを設置することを含んでいた。

 アメリカの譲歩には、イランの石油販売を無視すること(制裁の執行を見送ること)およびすべてのイランの資産の解凍が含まれており、これらの資産は約200億ドルに達するとされている。

 この合意が興味深いのは、非公式であり、署名された文書が存在しなかったこと、そしてカタールとオマーンが仲介役として関与していたことである。

 アメリカの公式な説明では、イランとの関係改善と、イラン核合意(JCPOA)の復活への希望を示すものとされている。しかし、この合意が実際には中東での緊張緩和の一環であり、サウジアラビアとイスラエルの正常化合意に焦点が当てられている可能性が高いとされている。

 アメリカがサウジアラビアとイスラエルの間の正常化合意を推進している理由は、これらの国々が中東でのアメリカの影響力を強化するパートナーであり、サウジアラビアとイスラエルの関係正常化はアメリカにとって重要であるとされている。

 イスラエルはイランとの合意に対して通常反対の立場を取っており、アメリカとの合意に縛られないことを宣言している。しかし、この合意については公には発言していない。

 アメリカの共和党議員はイランの合意について積極的にコメントし、アメリカ議会での承認が必要であり、これがバイデン政権にとっての課題であると指摘している。

 アメリカはイランの核プログラムに対する懸念を軽減し、中東の緊張を和らげ、サウジアラビアとイスラエルの正常化合意を促進しようとしている可能性がある。

 アメリカのイラン政策と中東での外交努力に焦点を当て、イラン、サウジアラビア、イスラエルの関係の複雑さを取り上げている。

【要点】

最近の米国とイランの捕虜交換と資産の凍結解除について論じ、それが切望されているサウジとイスラエルの国交正常化に関連している可能性が高いと主張している。

まず捕虜交換とイラン資産の解放について論じている。米国政府は協定の詳細については明らかにしていないが、匿名の情報筋はそれが単なる捕虜と金銭の交換以上のものであることを示唆していると指摘している。また、この合意は米国とイランの間の緊張が高まっていた時期に締結されたものであり、状況の緊張を和らげようとする試みであった可能性があるとも指摘している。

続いて、サウジとイスラエルの国交正常化交渉について論じる。こうした交渉は何か月も続いており、米国が合意仲介に大きく関与していると指摘している。米国政府は2015年のイラン核合意の復活よりもサウジとイスラエルの合意を確保することに関心があると主張している。

米国政府はイランとの緊張を緩和することで、サウジとイスラエルの国交正常化協定の締結に有利な環境を作ろうとしていると主張した。また、米国がイランに対する譲歩を利用して、国交正常化協定に対するイランの反対を和らげようとしている可能性があると示唆している。

・最近の米国とイランの捕虜交換とサウジとイスラエルの国交正常化交渉についてよく概観している。また、米国政府は2015年のイラン核合意の復活よりもサウジとイスラエルの合意を確保することに関心があると説得力のある主張をしている。

・最近の米国とイランの捕虜交換と資産の凍結解除は、切望されているサウジとイスラエルの国交正常化に関連している可能性が高いと主張している。

・米国はイランとの緊張を緩和し、場合によってはイランの正常化に対する直接的な反発を和らげるための譲歩を利用することで、イスラエル・サウジ正常化協定締結に向けた肥沃な環境を作ろうとしていると主張する。

・また、イスラエルがこの非公式合意について沈黙を保っていることも指摘しているが、テルアビブがイランとの合意の可能性を日常的に攻撃していることを考えると、これは特に興味深い。これは、イスラエルが米国のより大きな戦略を認識しており、サウジとイスラエルの国交正常化合意を達成するためにそれに喜んで従う意向がある可能性があることを示唆している。

・ジョー・バイデンの主要な外交政策目標は国交正常化協定の確保であり、だからこそ、協定に反対する最も強力な国であるイランに取り組み、真剣に受け止めるべきであるのは理にかなっていると述べて記事を締めくくっている。

・米国、イラン、イスラエル、サウジアラビアの間の現状の概要をよく示している。議論には説得力があり、さまざまな情報源からの証拠によってそれを裏付けている。

・米国とイランの関係とサウジとイスラエルの国交正常化プロセスに関する議論への貴重な貢献である。
・米国とイランの捕虜交換には、イランのウラン濃縮度を60%に凍結することや、IAEAが複数の核施設にカメラを設置することを認めることなどを含む秘密の非公式合意が伴っていたと伝えられている。
・米国はまた、イラン石油販売を無視し、伝えられるところによれば約200億ドルに上るイランの資産すべての放出を認めることに同意した。
・捕虜交換はカタールとオマーンの仲介者を通じて交渉されたが、既知の署名文書は含まれていなかった。
・捕虜交換のタイミングは、米国とイランの間の緊張を緩和し、サウジとイスラエルの国交正常化協定の締結に向けてより肥沃な環境を作り出すことを意図していたことを示唆している。
・イスラエルは捕虜交換について沈黙を保っているが、イランとのいかなる協定にも日常的に反対していることを考えると興味深い。
・米国は捕虜交換を利用して、サウジとイスラエルの国交正常化に対するテヘランの直接的な反発を和らげようとしている可能性が高い。

引用・参照・底本

What’s behind the sudden US goodwill towards Iran? RT 2023.10.02