中国:回答者の97%が国際問題に関心を寄せる ― 2024年12月25日 21:45
【概要】
2024年12月25日、環球時報(Global Times)の調査結果によると、中国の回答者の80%以上が経済グローバル化の見通しについて楽観的な見方を示している。本調査は、2024年12月4日から12月11日まで、環球時報研究センターがオンラインアンケート形式で実施したものである。18歳から69歳までの中国本土16都市、7つの主要地域に住む一般市民2,000名が対象となった。この調査では、中国国民が国際情勢に高い関心を持っていることが示されている。
国際情勢への高い関心
回答者の97%が国際問題に関心を寄せており、そのうち82%が「高い関心」を持つと答えている。日常的に国際ニュースを読む習慣があると答えた回答者は77%に上り、2023年と比較して約10ポイント増加している。また、中東情勢やロシア・ウクライナ紛争の将来に関して、半数以上(51%)が2025年までに中東情勢が緩和すると予測している。
国際環境に関する展望については、38%が「より多くの機会が訪れる」とし、32%が「現状維持」、30%未満が「脅威や課題が増加する」と回答している。この点について、中国社会科学院東南アジア研究センターの徐麗萍氏は「中国国民の合理的な判断と自信の表れ」であると述べている。彼は、中国が技術分野での自立と進歩を遂げたことが外部からのプレッシャーに対処する自信を強化していると指摘している。
中露関係が最重要と認識
調査によると、中国の最も重要な二国間関係として、中露関係が53.25%の支持を集め、4年連続で首位となっている。一方、中米関係は53.18%で僅差の2位に位置している。さらに、中国と東南アジア諸国との関係が42%で2位、中国と日本の関係が38%で3位を占めている。2025年には中国と東南アジア諸国との外交関係が重要な節目を迎え、特に中国とベトナム、インドネシア、タイ、シンガポールとの関係が注目されている。
中米関係の展望
2024年11月に発表されたアメリカ大統領選挙の結果に対して、中国の回答者の91%が関心を示し、そのうち約70%が「高い関心」を持つと回答している。2025年に向けて、中米関係の変化について40%以上が「緩和される」と予測し、30%近くが「現状維持」、20%以上が「悪化する」と考えている。また、中国はアメリカの「戦略的競争相手」として位置づけられているが、中国国民の58%は「適度に反撃すべき」と考えている一方で、30%以上が「自己発展に集中すべき」としている。
中国の国力への自信
調査では、中国の国力や国際的影響力に対する中国国民の自信が示されている。回答者の88%が中国の総合的な国力を「強い」または「非常に強い」と評価しており、経済、外交、軍事力に関しても80%近くが「強い」と考えている。また、約81%が中国の国際的影響力が近年増加していると認識している。
経済グローバル化と技術分野の見通し
経済グローバル化の見通しについて、80%以上の回答者が楽観的であり、約60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と答えている。また、中国企業の「国際展開」に対しても75%が楽観的であり、外国からの投資に対しても80%が歓迎の意を示している。
今後3年間で有望とされる技術分野については、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、新エネルギー産業が49%の回答を得ており、次いで半導体研究開発(42%)が挙げられている。その他にも、生命科学、グリーン環境保護、デジタル経済、商業宇宙開発、高性能機器製造などが注目されている。
【詳細】
この記事は、2024年12月25日にGlobal Timesが報じた、中国国内における経済グローバリゼーションや国際関係に関する世論調査結果を詳細に取り上げたものである。この調査は、中国の一般市民の国際問題への関心、二国間関係の重要性、グローバリゼーションに対する展望など、多岐にわたる項目を含んでいる。
調査概要
・調査期間:2024年12月4日~12月11日
・対象者:18歳から69歳の一般市民
・地域:中国本土の16都市(7つの主要地域)
・回収サンプル数:2,000件
この調査は、中国人が国際情勢や外交政策にどのような意識を持っているかを明らかにするために実施された。
中国人の国際問題への関心
・97%の回答者が国際問題に関心を示しており、そのうち82%が「非常に高い関心」を持つとしている。
・日常的に国際ニュースを読む習慣がある回答者は77%であり、前年と比較して10ポイント近く増加している。
中東やロシア・ウクライナ情勢への見方
・中東情勢については、51%が2025年までに改善すると予測している。
・ロシア・ウクライナ戦争に関しても楽観的な見方を示す傾向がある。
国際環境に対する予測
1.来年の国際環境について
・38%が「機会が増える」と予測。
・32%が「変わらない」と回答。
・残りの30%が「課題が増える」と考えている。
これらの結果は、中国の国家力への自信や理性的な判断を反映しているとされる。
二国間関係の重要性
最も重要な二国間関係
・中露関係:回答者の53.25%が最も重要と回答し、4年連続でトップの座を維持。
・中米関係:僅差で2位(53.18%)。前年に比べて両者の差が縮小している。
・中欧関係:37%が選択し、3位。
・中国と東南アジア諸国の関係:26%で4位。
隣国との関係
・中露関係は64%が最も重要と回答し、6年連続で1位を保持。
・東南アジア諸国との関係は42%、日本との関係は38%が選択。
中露関係の将来
・回答者の60%以上が「関係をさらに緊密にしたい」と希望しており、特に経済協力や人々の交流が関心を集めている。
中米関係の将来
・40%以上が「緊張緩和」を予測。
・「変わらない」とする回答が約30%、「悪化する」が20%強。
・中国側では、米中間でAIや国際貿易、環境分野での協力を模索する声もある。
中国の自国の力への自信
・88%が中国の国力を「強い」または「非常に強い」と認識。
・経済、外交、軍事力について80%以上が自信を示し、技術、文化、人材の面でも3/4が肯定的に評価。
経済グローバリゼーションへの信頼
・回答者の80%以上が楽観的な見方を示し、約60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と回答。
・中国企業の海外進出についても、75%が楽観的で、30%は「非常に楽観的」と答えている。
技術分野の展望
回答者は以下の分野に期待を寄せている。
・人工知能、クラウドコンピューティング、新エネルギー:49%が選択。
・半導体開発:42%。
・生命科学、デジタル経済、商業宇宙開発なども高い期待を集めている。
調査結果の背景と展望
調査結果からは、中国人が国際問題に対して高い関心を持つ一方で、楽観的な姿勢を維持していることが伺える。また、中国の国際的な影響力の向上に対する自信とともに、近隣諸国や主要国との関係を安定的に発展させることを重視している姿勢が明らかである。このような意識は、中国の国力向上や技術革新、外交努力が背景にあると考えられる。
【要点】
調査概要
・実施期間:2024年12月4日~12月11日
・対象者:中国本土の18~69歳、16都市から計2,000名
・目的:中国国民の国際問題や外交政策への意識調査
主な調査結果
国際問題への関心
・97%が国際問題に関心を持ち、82%が「非常に高い関心」。
・日常的に国際ニュースを読む人は77%(前年より10%増)。
国際情勢の予測
・中東情勢の改善を51%が予測。
・国際環境について
⇨ 38%が「機会が増える」と回答。
⇨ 30%が「課題が増える」と考えている。
二国間関係の重要性
最重要な二国間関係
1.中露関係(53.25%でトップ)
2.中米関係(53.18%で僅差)
3.中欧関係(37%)
4.中国と東南アジアの関係(26%)
中露関係
・64%が「最も重要」と回答(6年連続1位)。
・60%以上が関係のさらなる強化を希望。
中米関係
・40%以上が「緊張緩和」を予測。
・30%が「変わらない」、20%強が「悪化する」と予想。
経済・国力への自信
・88%が中国の国力を「強い」または「非常に強い」と認識。
・技術、文化、人材を含む各分野で80%以上が自信を示す。
経済グローバリゼーション
・80%以上が楽観的で、60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と回答。
・中国企業の海外進出に対して75%が楽観的。
技術分野への期待
・人工知能、新エネルギー、クラウドコンピューティング(49%)。
・半導体開発(42%)。
・生命科学やデジタル経済にも注目。
総括
・中国国民は国際問題に高い関心を示しつつ、楽観的な展望を維持している。
・中露・中米関係を重要視し、技術革新や経済グローバリゼーションに自信を持つ。
・調査結果は、中国の国力向上や国際的影響力の増大を反映している。
【引用・参照・底本】
Over 80 percent of Chinese respondents confident about the prospect of economic globalization: GT survey GT 2024.12.25
https://www.globaltimes.cn/page/202412/1325713.shtml
2024年12月25日、環球時報(Global Times)の調査結果によると、中国の回答者の80%以上が経済グローバル化の見通しについて楽観的な見方を示している。本調査は、2024年12月4日から12月11日まで、環球時報研究センターがオンラインアンケート形式で実施したものである。18歳から69歳までの中国本土16都市、7つの主要地域に住む一般市民2,000名が対象となった。この調査では、中国国民が国際情勢に高い関心を持っていることが示されている。
国際情勢への高い関心
回答者の97%が国際問題に関心を寄せており、そのうち82%が「高い関心」を持つと答えている。日常的に国際ニュースを読む習慣があると答えた回答者は77%に上り、2023年と比較して約10ポイント増加している。また、中東情勢やロシア・ウクライナ紛争の将来に関して、半数以上(51%)が2025年までに中東情勢が緩和すると予測している。
国際環境に関する展望については、38%が「より多くの機会が訪れる」とし、32%が「現状維持」、30%未満が「脅威や課題が増加する」と回答している。この点について、中国社会科学院東南アジア研究センターの徐麗萍氏は「中国国民の合理的な判断と自信の表れ」であると述べている。彼は、中国が技術分野での自立と進歩を遂げたことが外部からのプレッシャーに対処する自信を強化していると指摘している。
中露関係が最重要と認識
調査によると、中国の最も重要な二国間関係として、中露関係が53.25%の支持を集め、4年連続で首位となっている。一方、中米関係は53.18%で僅差の2位に位置している。さらに、中国と東南アジア諸国との関係が42%で2位、中国と日本の関係が38%で3位を占めている。2025年には中国と東南アジア諸国との外交関係が重要な節目を迎え、特に中国とベトナム、インドネシア、タイ、シンガポールとの関係が注目されている。
中米関係の展望
2024年11月に発表されたアメリカ大統領選挙の結果に対して、中国の回答者の91%が関心を示し、そのうち約70%が「高い関心」を持つと回答している。2025年に向けて、中米関係の変化について40%以上が「緩和される」と予測し、30%近くが「現状維持」、20%以上が「悪化する」と考えている。また、中国はアメリカの「戦略的競争相手」として位置づけられているが、中国国民の58%は「適度に反撃すべき」と考えている一方で、30%以上が「自己発展に集中すべき」としている。
中国の国力への自信
調査では、中国の国力や国際的影響力に対する中国国民の自信が示されている。回答者の88%が中国の総合的な国力を「強い」または「非常に強い」と評価しており、経済、外交、軍事力に関しても80%近くが「強い」と考えている。また、約81%が中国の国際的影響力が近年増加していると認識している。
経済グローバル化と技術分野の見通し
経済グローバル化の見通しについて、80%以上の回答者が楽観的であり、約60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と答えている。また、中国企業の「国際展開」に対しても75%が楽観的であり、外国からの投資に対しても80%が歓迎の意を示している。
今後3年間で有望とされる技術分野については、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、新エネルギー産業が49%の回答を得ており、次いで半導体研究開発(42%)が挙げられている。その他にも、生命科学、グリーン環境保護、デジタル経済、商業宇宙開発、高性能機器製造などが注目されている。
【詳細】
この記事は、2024年12月25日にGlobal Timesが報じた、中国国内における経済グローバリゼーションや国際関係に関する世論調査結果を詳細に取り上げたものである。この調査は、中国の一般市民の国際問題への関心、二国間関係の重要性、グローバリゼーションに対する展望など、多岐にわたる項目を含んでいる。
調査概要
・調査期間:2024年12月4日~12月11日
・対象者:18歳から69歳の一般市民
・地域:中国本土の16都市(7つの主要地域)
・回収サンプル数:2,000件
この調査は、中国人が国際情勢や外交政策にどのような意識を持っているかを明らかにするために実施された。
中国人の国際問題への関心
・97%の回答者が国際問題に関心を示しており、そのうち82%が「非常に高い関心」を持つとしている。
・日常的に国際ニュースを読む習慣がある回答者は77%であり、前年と比較して10ポイント近く増加している。
中東やロシア・ウクライナ情勢への見方
・中東情勢については、51%が2025年までに改善すると予測している。
・ロシア・ウクライナ戦争に関しても楽観的な見方を示す傾向がある。
国際環境に対する予測
1.来年の国際環境について
・38%が「機会が増える」と予測。
・32%が「変わらない」と回答。
・残りの30%が「課題が増える」と考えている。
これらの結果は、中国の国家力への自信や理性的な判断を反映しているとされる。
二国間関係の重要性
最も重要な二国間関係
・中露関係:回答者の53.25%が最も重要と回答し、4年連続でトップの座を維持。
・中米関係:僅差で2位(53.18%)。前年に比べて両者の差が縮小している。
・中欧関係:37%が選択し、3位。
・中国と東南アジア諸国の関係:26%で4位。
隣国との関係
・中露関係は64%が最も重要と回答し、6年連続で1位を保持。
・東南アジア諸国との関係は42%、日本との関係は38%が選択。
中露関係の将来
・回答者の60%以上が「関係をさらに緊密にしたい」と希望しており、特に経済協力や人々の交流が関心を集めている。
中米関係の将来
・40%以上が「緊張緩和」を予測。
・「変わらない」とする回答が約30%、「悪化する」が20%強。
・中国側では、米中間でAIや国際貿易、環境分野での協力を模索する声もある。
中国の自国の力への自信
・88%が中国の国力を「強い」または「非常に強い」と認識。
・経済、外交、軍事力について80%以上が自信を示し、技術、文化、人材の面でも3/4が肯定的に評価。
経済グローバリゼーションへの信頼
・回答者の80%以上が楽観的な見方を示し、約60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と回答。
・中国企業の海外進出についても、75%が楽観的で、30%は「非常に楽観的」と答えている。
技術分野の展望
回答者は以下の分野に期待を寄せている。
・人工知能、クラウドコンピューティング、新エネルギー:49%が選択。
・半導体開発:42%。
・生命科学、デジタル経済、商業宇宙開発なども高い期待を集めている。
調査結果の背景と展望
調査結果からは、中国人が国際問題に対して高い関心を持つ一方で、楽観的な姿勢を維持していることが伺える。また、中国の国際的な影響力の向上に対する自信とともに、近隣諸国や主要国との関係を安定的に発展させることを重視している姿勢が明らかである。このような意識は、中国の国力向上や技術革新、外交努力が背景にあると考えられる。
【要点】
調査概要
・実施期間:2024年12月4日~12月11日
・対象者:中国本土の18~69歳、16都市から計2,000名
・目的:中国国民の国際問題や外交政策への意識調査
主な調査結果
国際問題への関心
・97%が国際問題に関心を持ち、82%が「非常に高い関心」。
・日常的に国際ニュースを読む人は77%(前年より10%増)。
国際情勢の予測
・中東情勢の改善を51%が予測。
・国際環境について
⇨ 38%が「機会が増える」と回答。
⇨ 30%が「課題が増える」と考えている。
二国間関係の重要性
最重要な二国間関係
1.中露関係(53.25%でトップ)
2.中米関係(53.18%で僅差)
3.中欧関係(37%)
4.中国と東南アジアの関係(26%)
中露関係
・64%が「最も重要」と回答(6年連続1位)。
・60%以上が関係のさらなる強化を希望。
中米関係
・40%以上が「緊張緩和」を予測。
・30%が「変わらない」、20%強が「悪化する」と予想。
経済・国力への自信
・88%が中国の国力を「強い」または「非常に強い」と認識。
・技術、文化、人材を含む各分野で80%以上が自信を示す。
経済グローバリゼーション
・80%以上が楽観的で、60%が「非常に自信がある」または「ある程度自信がある」と回答。
・中国企業の海外進出に対して75%が楽観的。
技術分野への期待
・人工知能、新エネルギー、クラウドコンピューティング(49%)。
・半導体開発(42%)。
・生命科学やデジタル経済にも注目。
総括
・中国国民は国際問題に高い関心を示しつつ、楽観的な展望を維持している。
・中露・中米関係を重要視し、技術革新や経済グローバリゼーションに自信を持つ。
・調査結果は、中国の国力向上や国際的影響力の増大を反映している。
【引用・参照・底本】
Over 80 percent of Chinese respondents confident about the prospect of economic globalization: GT survey GT 2024.12.25
https://www.globaltimes.cn/page/202412/1325713.shtml