EUの不公正な貿易障壁2025年01月10日 19:55

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【概要】
 
 中国商務省は、EUが中国企業に対して不公正な貿易障壁を課していると非難した。

 2025年1月8日に発表された中国商務省の声明によると、EUが外国補助金に関する規制を中国企業に対して選択的に適用していると主張している。

 この批判は、EUが電気自動車(EV)メーカーに対する中国政府の補助金がEUの競争を妨げているかどうかを調査したことに対する反応として、2024年7月に中国が実施した調査に続くものだ。

 中国商務省は、EUの「外国補助金規制」に基づく調査手法が重大な懸念を引き起こしていると指摘している。その調査手法が「選択的に執行」されていると批判し、EU議会が補助金を判断する基準が「明確さを欠いている」と述べた。

 また、EUによる調査は「開かれた透明性を持っておらず」、調査の対象とされた中国企業に大きな情報提供の負担を強いると指摘している。

 調査手続きは、企業が協力を拒否すれば高額の制裁金を課されるというリスクもあると述べている。

 2023年10月、EUは中国製電動車の輸入に対する反補助金調査を開始し、2024年には輸入関税を45%以上引き上げた。

 これに対抗して、中国はEU産ブランデーに対して暫定関税を課し、さらには大排気量エンジンを持つガソリン車に対する高関税の脅威を示した。

 中国当局は、EUの貿易保護主義に対してWTOに訴訟を起こしている。

【詳細】
 
 中国商務省は2025年1月8日、EUが中国企業に対して不公正な貿易障壁を課していると強く非難する声明を発表した。

 この批判は、EUが中国製の電気自動車(BEV)の輸入に対して補助金調査を行い、その結果、輸入関税を45%以上引き上げたことに対する反応である。
 
 商務省は、EUの「外国補助金規制」が中国企業に対して「選択的に執行」されていると指摘し、調査過程が中国企業に大きな負担を強いると訴えている。

 EUが外国からの補助金を判断する基準が「ほとんど曖昧である」ため、中国企業は必要な情報を大量に提供しなければならず、そのプロセスが透明性に欠けていると批判している。

 また、EUの調査は閉鎖的で、調査対象となった中国企業の参加に対する不確実性を助長し、拒否した場合には高額な制裁金を課されると指摘している。

 さらに、中国政府は2023年10月に、EUが開始した電動車の反補助金調査に対しても反発し、報復措置としてEU産ブランデーに対して暫定関税を課すとともに、大排気量エンジンを搭載する燃料車への高関税を示唆した。

 これに対し、EUは中国製BEVに対する高関税を課し、関税率を45%以上に引き上げた。この措置に対する反動として、中国はWTOに対してEUの「貿易保護主義」を非難する訴訟を起こしている。

 中国商務省はこのようなEUの貿易政策が「不公正である」と主張し、EUが中国市場における競争を不当に制限していると批判している。

 中国政府は、EUが「開かれた市場競争を阻害し、中国企業の成長を妨げている」と訴えており、今後の対立が深まる可能性があると見ている。

【要点】
 
 ・中国商務省は2025年1月8日、EUが中国企業に対して不公正な貿易障壁を課していると非難する声明を発表した。
 ・EUは中国製の電動車(BEV)輸入に対する反補助金調査を実施し、2024年には関税を45%以上引き上げた。
 ・中国商務省は、EUの「外国補助金規制」が選択的に執行されており、中国企業に重い情報提供の負担を強いると指摘。
 ・EUの補助金判断基準が曖昧であり、調査手続きが開かれた透明性を欠いていると批判。
 ・調査対象企業に対する不確実性を生み出し、協力を拒否すれば制裁金が課されると説明。
 ・2023年10月、EUは中国製電動車の輸入に対する反補助金調査を開始し、関税を引き上げた。
 ・中国はEUに対抗して、EU産ブランデーに対する暫定関税を課し、大排気量エンジン車への高関税を示唆した。
 ・中国政府はEUの貿易保護主義に対してWTOに訴訟を起こしており、EUの対応を「不公正」と批判している。
 ・中国商務省はEUが中国市場の競争を制限し、中国企業の成長を妨げていると訴えている。

【引用・参照・底本】

Beijing blasts EU over trade restrictions RT 2025.01.09
https://www.rt.com/news/610602-china-eu-trade-ev-subsidies/

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