【桃源閑話】貝原益軒「勤學教鞭」2025年01月26日 18:16

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【桃源閑話】貝原益軒 「勤學教鞭」

 樂鷹眞人 撰

 ◎勤學教鞭

 〇人生まれて學ばざれば、生まれざると同じ、學んで道を知らざれば、學ばざると同じ、知りて行ふ能はざれば、知らざると同じ、故に人たる者は、必ず學ばざるべからず、學を爲す者は、必ず道を知らざるべからず、」道を知る者は、必ず行はざるべからず。(貝原益軒)

『學生之銘」』編者 田中重男 明治三十九年四月十日發行 光世館
出典:楽鷹真人 (田中重男) 撰『学生之銘』,光世館,明39.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/754963 (参照 2025-01-24)

中英間の経済・財政・金融協力の深さと広がりを反映2025年01月26日 18:37

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【概要】

 2025年1月13日の中国外交部の定例記者会見において、郭嘉昆報道官は11日に北京で開催された第11回中英経済財政金融対話について説明を行った。この対話では、69項目の互恵・ウィンウィンの成果が得られたことが明らかにされた。

 郭報道官によると、対話において双方は多国間主義と経済のグローバル化を堅持する意向を共有した。具体的には、世界貿易機関(WTO)を中心とするルールに基づいた多国間貿易体制の維持や、開放的な世界経済の構築に尽力することを確認した。また、中英協力が両国の発展に資するものであるとの認識を共有し、グローバルな産業・サプライチェーンの安全性・安定性・円滑性を維持するための努力を強調した。さらに、「デカップリングとサプライチェーンの分断」に反対する立場を明確にした。

 双方は相互投資における障害を減らし、差別のない開かれたビジネス環境を促進することで一致した。産業・農業・エネルギー協力において多くの合意がなされ、次回の中英経済貿易合同委員会、科学技術合同委員会、産業協力対話の早期開催を推進することや、両国間の現代産業協力パートナーシップを深め、気候変動対策における協力を強化することで合意した。

 金融分野については、中英協力の中心的な要素であることが強調された。財政・金融政策および金融監督における協力を強化する意向が表明され、金融市場の相互開放とコネクティビティに関して実務的な成果が得られたとされた。

 郭報道官は、今回の対話の成果が中英間の経済・財政・金融協力の幅と深さを示すものであり、経済のグローバル化や多国間主義の発展という国際的な潮流にも適合するものであると評価した。また、中国政府は、今回の対話において得られた成果を具体的に実行に移し、各分野での協力をさらに進展させることを目指していると表明した。この努力が中英関係を一層推進し、世界経済の成長に新たなハイライトをもたらすことを期待していると述べた。

【詳細】

 2025年1月11日に北京で開催された第11回中英経済財政金融対話について、中国外交部の郭嘉昆報道官は、記者会見で詳細を発表した。この対話の結果、69項目にわたる具体的な成果が得られ、中英両国の協力が経済・財政・金融分野において新たな進展を遂げたことが示された。以下に詳細を説明する。

 1. 多国間主義と経済のグローバル化の堅持

 中英双方は、経済のグローバル化を進め、多国間主義を支持する意向を共有した。具体的には、世界貿易機関(WTO)を中心としたルールに基づく多国間貿易体制を維持することを表明した。この取り組みは、保護主義や単独主義に対抗し、開放的で公平な国際経済秩序を支えることを目的としている。また、開放型世界経済の構築に向けた協力を強調し、グローバルな経済連携の深化を図ることが確認された。

 2. 産業・サプライチェーンの安定性確保

 中英両国は、グローバルな産業・サプライチェーンの安全性・安定性・円滑性を維持するための協力を強化することで一致した。特に、「デカップリング(脱結合)」や「サプライチェーンの分断」を回避する重要性が強調された。これにより、国際貿易や生産活動の中断を防ぎ、両国及び世界経済における持続可能な成長を支える基盤を確保する狙いがある。

 3. 相互投資とビジネス環境の改善

 投資分野では、相互投資における障害を減らし、差別のない開かれたビジネス環境を促進することが確認された。これにより、投資家にとっての透明性と予測可能性を高めることが目指され、双方の経済活動がより円滑に進むことが期待される。

 4. 産業・農業・エネルギー分野での協力

 産業、農業、エネルギー分野では、多くのコンセンサスに達した。特に次回の「中英経済貿易合同委員会」、「科学技術合同委員会」、「産業協力対話」の早期開催を推進することが合意された。この取り組みを通じて、両国間の現代産業協力パートナーシップを強化し、技術革新や持続可能な成長の分野で新たな進展を遂げることを目指している。また、気候変動対策における協力強化も重要な項目として挙げられた。

 5. 金融分野での協力強化

 金融分野は今回の対話の中心的なテーマの一つであった。両国は、財政・金融政策および金融監督における協力を強化する意向を表明した。また、金融市場の相互開放とコネクティビティ(接続性)の強化に関する多くの実務的成果が得られた。これにより、両国間の金融交流が深化し、投資や資本移動の円滑化が期待される。

 6. 対話の成果の意義

 郭嘉昆報道官は、今回の対話の成果が中英間の経済・財政・金融協力の幅と深さを反映していると述べた。また、これらの成果は経済のグローバル化や多国間主義の発展という国際的な流れに合致しており、両国及び世界経済にとってプラスの影響をもたらすと評価した。

 7. 今後の展望

 中国政府は、両国首脳間の重要な共通認識を指針に、今回の対話で得られた成果を具体的な行動に移すことを目指している。経済・財政・金融分野の協力をさらに深化させることで、中英関係に新たな活力を与え、世界経済の成長に貢献することを目標としている。この取り組みは、中英両国だけでなく、国際社会全体に利益をもたらすものであるとされている。

 以上のように、第11回中英経済財政金融対話は、両国間の協力を深化させる重要な機会となり、幅広い分野で多くの実務的な成果を生み出した。これらの成果は、中英関係を一層強化するとともに、世界経済の発展に新たな可能性をもたらすものである。
 
【要点】
 
 1.多国間主義と経済グローバル化の支持

 ・世界貿易機関(WTO)を中心とするルールに基づいた多国間貿易体制を維持。
 ・開放型世界経済の構築を推進。

 2.産業・サプライチェーンの安定確保

 ・グローバルな産業・サプライチェーンの安全性・安定性・円滑性を維持。
 ・「デカップリング」や「サプライチェーンの分断」に反対。

 3.相互投資とビジネス環境の改善

 ・投資障害の削減と差別のない開かれたビジネス環境を促進。
 ・投資家の透明性と予測可能性を向上。

 4.産業・農業・エネルギー分野での協力

 ・次回の「中英経済貿易合同委員会」「科学技術合同委員会」「産業協力対話」の早期開催を推進。
 ・現代産業協力パートナーシップを深化。
 ・気候変動対策の協力を強化。

 5.金融分野での協力強化

 ・財政・金融政策および金融監督の協力を強化。
 ・金融市場の相互開放と接続性を向上させる具体的成果を達成。

 6.対話の成果の意義

 ・中英間の経済・財政・金融協力の深さと広がりを反映。
 ・経済のグローバル化や多国間主義の発展に合致し、両国と世界経済に利益をもたらす。

 7.今後の展望

 ・両国首脳の共通認識を指針に対話成果を実行。
 ・各分野の協力を深化させ、中英関係に新たな活力を与える。
 ・世界経済の成長に寄与し、重要なハイライトを提供。

【引用・参照・底本】

外交部「中英経済財政金融対話で69項目の成果」人民網日本語版 2025.01.14
http://j.people.com.cn/n3/2025/0114/c94474-20265836.html

春節と中国の発展の象徴性2025年01月26日 18:58

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【概要】

 中国の春節(旧正月)は、家族の再会や新年への期待を象徴する重要な祝祭であり、中国の人々にとって深い感情的な意味を持つ行事である。この記事では、春節の文化的、社会的意義と、それが中国国内外に与える影響について詳述されている。

 2025年の春節を迎える中国では、街や路地が華やかな装飾に彩られ、「喜楽的春節」や「恭喜発財」といった楽曲が響き渡る中、春節を迎えるための大規模な帰省ラッシュが続いている。中国全土の駅や主要交通ハブでは、推定90億回の旅客移動が記録的な数値に達する見込みである。この「帰省」という行為は、中国人にとって単なる移動ではなく、古い年を送り、新しい年を迎え、家族と再会し、より良い生活を目指すという感情的な温かさを象徴するものである。

 また、習近平中国共産党中央委員会総書記が春節前の地方視察で子供たちに語りかけた「皆さんの生活がキャンディのように甘くなりますように」という言葉は、中国の人々の幸福を重視する姿勢を物語る一例である。13年連続で春節前に地方を訪れる習氏の行動は、中国共産党(CPC)の使命と市民との深い絆を表しており、この伝統が中国の進歩を支える原動力となっていることを示している。

 春節は、中国社会の幸福への憧れを象徴する重要な行事である。団らんや喜び、平和、幸福といった要素の背後には、人々の「より良い生活を送りたい」という願いが反映されている。これらの願望は、CPCの目指す目標と一致しており、中国の発展を推進する力となっている。特にCPCが国民の生活向上を第一に考える姿勢は、国民の簡素ながらも強い願望と一致し、中国の発展を支える精神的な中核となっている。

 さらに、春節は中国文明の継続性、包摂性、平和性を反映していると同時に、多様な地域文化や民族文化を祝う機会でもある。「新しい年、新しい始まり」という表現は、新しい出発点での自己激励を象徴しており、この祭りが中国の伝統的な遺産を現代の意味で再定義していることを示している。春節はまた、CPCが人々のために統治するという責任感や、中国社会の継続的な自己改善の精神を反映している。

 世界的な視点においても、春節の精神は普遍的な魅力を持っている。地政学的および経済的な不確実性が高まる中、多くの国々の人々が「より良い生活を送りたい」という共通の願いを抱いており、春節が体現する価値観と調和している。このように、中国の発展が目指す目標は、普通の人々がより良い生活を送ることを可能にすることであり、それはより平和で調和のとれた世界を目指す努力と一致している。

 春節が「人類の無形文化遺産」の代表リストに登録されたことで、世界中でこの祝祭がより多く祝われるようになり、中国政府が観光ビザ政策を緩和したことや「中国旅行」の人気上昇も、この文化的イベントを世界に広める一助となっている。国連事務総長アントニオ・グテーレスも春節を祝うビデオメッセージを発信し、中国と中国人の国連、そして多国間主義や国際協力への支援に感謝を表明している。

 春節は中国国民の感情的な絆と民族的な情感を体現するものであると同時に、国家の進歩と平和的発展を表す象徴でもある。この祭りは、新しい時代における連帯、自己改善、そして平和を中心とした発展の物語を伝えるものであるといえる。

【詳細】

 中国春節(旧正月)の文化的、精神的意義について詳述している。以下に、各セクションを忠実かつ詳しく説明する。

 1. 春節の象徴的な雰囲気と帰省の重要性

 中国全土で春節が近づくにつれ、街や路地は祝祭の装飾で彩られ、「新年好」「恭喜発財」といったメロディーが響き渡る情景が描写されている。これにより春節の活気と喜びが象徴されている。また、帰省ラッシュと呼ばれる「大移動」が続き、9億人の移動が予測されている。この記事は、中国人にとって「春節に帰省する」という行為が単なる移動ではなく、家族との再会、旧年を見送り新年を迎える希望、さらにはより良い生活を目指す感情の結晶であることを強調している。

 2. 習近平総書記のメッセージと共産党の使命

 習近平総書記は毎年春節前に各地を訪れ、地域住民や基層官員と交流する。この伝統的な活動が記事で強調されている。2025年には遼寧省の食品市場を視察し、子供たちに「皆さんの生活がキャンディーのように甘くなりますように」と述べたことが特筆されている。この言葉は、国民の幸福を最優先に考える中国共産党の使命を象徴するものであり、党と人民との深い絆を反映している。また、党の使命は「国民の幸せな生活を実現すること」であり、これは春節に込められた再生と幸福の願いと一致するとしている。

 3. 春節の文化的・歴史的意義

 春節は、単なる祝祭ではなく、平和、調和、家族の再会といった価値観を反映しており、中国文明の継続性や包括性を象徴するものであると述べられている。記事では「新しい年、新たなスタート」というフレーズが取り上げられ、中国人の自己奮起と国としての再出発の精神を体現していると説明されている。この文化的遺産が新しい時代においても新たな意味を帯び、国の発展や平和的成長の象徴としての役割を果たしている点が強調されている。

 4. 春節の普遍的な価値

 春節が中国国内に留まらず、世界的な影響を持つ祝祭となりつつある点を述べている。経済的・地政学的な不確実性が高まる世界において、人々が生活の改善を望むという共通の願いが春節の精神と調和するという観点を示している。さらに、中国の発展目標は「より良い生活を実現すること」であり、これが国際的な調和と平和への希望に繋がると指摘している。

 5. 春節の国際化とユネスコ登録

 春節が「無形文化遺産」の代表リストに登録されたことで、国際的な注目を集めるようになった点も記載されている。さらに、中国の入国ビザ緩和政策や「中国旅行」の人気上昇により、海外からも多くの人々が春節を体験する機会が増えていることが述べられている。国連事務総長アントニオ・グテーレス氏が春節に寄せた祝辞も紹介され、春節が平和や調和の価値を世界的に発信する役割を担っていることが強調されている。

 6. 春節と中国の発展の象徴性

 春節が中国国民の感情的結束や国の進歩を象徴すると述べている。この祝祭は、中国が挑戦を克服しつつ団結して進んでいく姿を示しており、平和的な発展や協力的な関係、包括的な利益を追求する国家としての方向性を体現している。この春節が、中国の発展と人々の自己超越の願望を反映し、国際的な関心を集める象徴的なイベントであることが述べられている。

 全体を通じて、中国春節が国民の幸福や国家の発展、さらには国際的価値との結びつきを象徴する祝祭として描かれており、その意義が多角的に詳述されている。
 
【要点】
 
 1.春節の象徴的な雰囲気

 ・街や路地が祝祭の装飾で彩られ、「新年好」などの曲が流れる。
 ・90億人規模の帰省ラッシュ(大移動)が行われ、家族との再会や新年の希望を象徴する。

 2.習近平総書記の活動と中国共産党の使命

 ・毎年春節前に総書記が各地を視察し、国民の幸福を優先する姿勢を強調。
 ・「国民の幸せな生活を実現する」という共産党の使命を体現。

 3.春節の文化的・歴史的意義

 ・平和、調和、家族の再会を象徴し、中国文明の継続性と包括性を表現。
 ・「新しい年、新たなスタート」という精神が、中国の自己奮起と国としての再出発を反映。

 4.春節の普遍的な価値

 ・世界的な影響を持つ祝祭として認知され、人々の生活改善の願いと調和する。
 ・国際的な平和と協力を追求する中国の発展目標とも一致。

 5.春節の国際化とユネスコ登録

 ・無形文化遺産として登録され、国際的に注目されるイベントに。
 ・海外旅行者の増加や国連事務総長の祝辞を通じて、平和と調和の価値を発信。

 6.春節と中国の発展の象徴性

 ・国民の結束や国家の進歩を象徴する祝祭として位置づけられる。
 ・中国が挑戦を克服し、平和的発展と国際協力を追求する姿を反映。

【引用・参照・底本】

The inspiring core of ‘living a better life’ makes the Chinese New Year more universal: Global Times editorial GT 2025.01.26
https://www.globaltimes.cn/page/202501/1327585.shtml

米国:国際的リーダーシップの負の模範を示す2025年01月26日 19:28

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【概要】

 2025年1月24日、Global Timesは「国連予算に対する未払いを抱えるアメリカが再び『国際的リーダーシップ』の負の模範を示した」と題した記事を発表した。同記事によると、国連事務総長副報道官ファルハン・ハック氏は、アメリカが現在28億ドルの未払いを抱えており、そのうち15億ドルは国連の通常予算に関連すると明らかにした。

 アメリカは国連の重要なメンバー国の一つでありながら、長年にわたる未払いが続いている。この状況は「国際的リーダーシップ」の負の模範を示しているとされている。アメリカは世界最大の経済大国であり、戦争支援に数十億ドルを費やす一方で、国連に対する28億ドルの支払いを滞納している。この金額は同国にとってはわずかな負担であるはずでありながら、支払いを怠る姿勢は、アメリカが国際規範をどのように捉えているかを反映している。すなわち、自国の利益に資する規範を支持し、それ以外の責任を回避するという態度である。

 中国社会科学院の米国研究専門家であるLü Xiang氏は、「アメリカの国連通常予算における未払いは、国連の役割を弱体化させる」と指摘している。国連の運営は会費収入に大きく依存しており、十分な資金が確保できなければ、人道援助や平和維持活動、その他の国際的な課題に対する対応が妨げられる可能性がある。会費を期限内に支払うことは、国連の枠組みにおいて加盟国が果たすべき最も基本的な責務の一つである。

 国連は長年にわたり財政的な困難に直面している。アメリカは国連の支援を必要とする場合にのみ会費を支払う傾向があり、2001年9月11日の同時多発テロ以降に支払いが行われたことがその例である。しかし、現在ではウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ問題に関する決議でアメリカの要求が満たされないため、会費の支払いが無期限に滞っているとされている。アメリカは国連での経済力や地位を「切り札」として利用し、国際問題において自国の立場や利益に国連をより密接に従わせようとしている。

 アメリカの支出の優先順位は明確に対照的である。戦争支援には迅速かつ多額の資金を提供する一方で、国際機関への支払いには極端に消極的である。2024年末、アメリカ国防総省はウクライナに対する9億8800万ドルの安全保障支援パッケージを発表し、ロシア・ウクライナ紛争が始まって以来の総支援額を620億ドルに達したと明らかにした。Lü氏は、「アメリカが武器商人の懐に収まる資金のごく一部を国連に割り当てるだけでも、世界への貢献度は大幅に向上するであろう」と述べている。

 アメリカは責任を選択的に果たし、義務を回避する姿勢を示している。この態度は、大国としての責務を果たさないというアメリカの姿勢を露呈させている。

 アメリカは一貫して「国際的リーダーシップ」を強調してきたが、その行動はそれとは著しく矛盾している。この矛盾はアメリカの国際的責任の欠如を浮き彫りにし、多くの発展途上国がアメリカへの不信感を募らせる一因となっている。これにより、アメリカの国際的信用や道徳的基盤がさらに損なわれている。

 現在、国際秩序の多極化が進み、地域協力が強化される中で、国連は依然として世界的なガバナンスに不可欠なプラットフォームである。アメリカが引き続き国連の権威を軽視し続ける場合、国際ガバナンスにおける同国の評判はさらに低下することが予想される。

【詳細】

 アメリカが国連への未払いを続けている状況について、国際社会におけるアメリカの姿勢を批判的に分析している。以下に、各ポイントをさらに詳しく説明する。

 1. 未払いの規模と影響

 国連事務総長副報道官ファルハン・ハック氏の説明によると、アメリカが現在未払いとしている総額は28億ドルであり、そのうち15億ドルは国連の通常予算分である。この規模の未払いは、単に金額の問題にとどまらず、国連全体の運営に深刻な影響を及ぼしている。国連の活動、特に人道援助や平和維持活動などは、加盟国の会費に大きく依存している。アメリカの滞納により、資金不足が発生すれば、これらの重要な活動が縮小、または停止される可能性がある。

 2. アメリカの選択的な支払い姿勢

 アメリカは国連会費を必要に応じて支払う傾向があると指摘されている。特に、アメリカが国連の支持を必要とする状況では、会費を支払うことで国連を味方につけようとする行動が見られる。具体的には、2001年9月11日の同時多発テロ後、アメリカが迅速に国連会費を支払ったことが例として挙げられる。しかし、現在では、ウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ問題に関する国連の決議がアメリカの思惑通りに進まないため、会費の支払いが滞っている。このような態度は、国連を自国の外交的手段として利用しようとするアメリカの姿勢を示している。

 3. 軍事支出と国連会費の対比

 アメリカの財政支出における優先順位の差も批判されている。2024年末、アメリカはウクライナに対する9億8800万ドルの安全保障支援パッケージを発表し、ロシア・ウクライナ紛争が始まって以来の総支援額を620億ドルに達した。一方で、国連への未払い額はその一部に過ぎない28億ドルである。このことは、アメリカが戦争支援には積極的でありながら、国際機関への支援には消極的であることを浮き彫りにしている。中国社会科学院のLü Xiang氏は、この状況を「アメリカが武器商人の利益には膨大な資金を割く一方で、国連への拠出を軽視している」と批判している。

 4. 国際的リーダーシップとその矛盾

 アメリカは長年にわたり「国際的リーダーシップ」を自負してきた。しかし、国連会費の未払いを含む行動は、この主張と矛盾している。アメリカが国連の権威を軽視し、自国の利益に合致しない義務を回避する姿勢は、多くの発展途上国の不信感を招いている。また、この矛盾はアメリカの国際的な信用を損ね、同国が掲げる「自由」「民主主義」といった価値観の信頼性を低下させる要因ともなっている。

 5. 多極化する国際秩序と国連の重要性

 国際社会では、多極化が進み、地域協力の重要性が高まっている。このような状況下で、国連は依然として国際的なガバナンスを推進するための不可欠なプラットフォームである。国連は、人道援助、平和維持活動、気候変動対策など、国際的な課題に取り組む場としての役割を果たしている。アメリカが国連の権威を軽視し続ける場合、同国の国際社会における影響力はさらに低下することが予想される。国連への支払いを怠ることは、アメリカが国際協調を軽視し、自国の利益を最優先していると見なされる行動である。

 6. 道徳的および政治的基盤の損失

 アメリカの未払い問題は、単なる財政的責任の回避ではなく、国際社会における道徳的基盤の喪失を意味する。多くの国々がアメリカの行動を注視しており、特に発展途上国は、このような行動をアメリカの「二重基準」として批判している。これにより、アメリカの国際的な影響力や信用はさらに低下する危険性がある。

 まとめ

 アメリカが国連会費を未払いしている状況は、国際的リーダーシップを自認する同国の態度に重大な矛盾を生じさせている。この行動は、国連の機能を弱体化させるだけでなく、アメリカ自身の国際的な信用や影響力を損なう結果を招いている。国際秩序の多極化が進む中、アメリカが国連の権威を無視し続けることは、長期的には同国の外交政策における重大なリスクとなる可能性がある。

【要点】
 
 1.未払いの規模と影響

 ・アメリカは国連に対して総額28億ドルの未払いがあり、そのうち15億ドルは国連の通常予算分。
 ・国連の活動(人道援助や平和維持活動など)は会費に依存しており、未払いによる
資金不足が影響を及ぼす可能性がある。

 2.アメリカの選択的な支払い態度

 ・アメリカは国連が自国の利益に合致する場合のみ会費を支払う傾向がある。
 ・2001年の9.11テロ後に迅速に支払いを行った例があるが、現在はウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ問題に関する国連の決議に不満を持ち、支払いを滞らせている。

 3.軍事支出と国連会費の対比

 ・アメリカはウクライナに対して620億ドル以上の支援を行っているが、国連への未払い額は28億ドルに過ぎない。
 ・戦争支援には積極的であり、国連には消極的な姿勢が見られる。

 4.国際的リーダーシップと矛盾

 ・アメリカは「国際的リーダーシップ」を強調する一方で、国連への未払いという行動はその主張と矛盾している。
 ・この矛盾はアメリカの国際的な信用を損ね、発展途上国などから不信感を招いている。

 5.多極化する国際秩序と国連の重要性

 ・今日の国際秩序は多極化が進んでおり、国連は引き続き重要な国際的プラットフォームとして機能している。
 ・アメリカが国連の権威を無視することは、同国の国際的な影響力を低下させるリスクを伴う。

 6.道徳的および政治的基盤の損失

 ・アメリカの未払いは単なる財政問題ではなく、国際的な道徳的基盤の喪失を示している。
 ・多くの国々がアメリカの「二重基準」を批判し、アメリカの国際的な信用が低下する原因となっている。

【引用・参照・底本】

With arrears in UN budget, the US again sets a negative example of ‘international leadership’ GT 2025.01.24
https://www.globaltimes.cn/page/202501/1327489.shtml

貿易戦争や関税戦争に勝者はいない2025年01月26日 19:56

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【概要】

 現在、世界的な貿易システムは再び関税障壁の課題に直面しており、米中両国は関税戦争に陥ることなく、新たな協力の機会を見つけることがますます重要になっている。

 米国の消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、米国大統領ドナルド・トランプが輸入品のコストを引き上げる新たな関税を課す場合、家庭用品の価格を引き上げる意向を示している。P&Gは通常、化学薬品やカミソリの刃、小型電子機器などの原材料を世界中から調達し、最終製品を消費者に近い現地の工場で製造している。

 この状況は、アメリカ企業がトランプ大統領の提案した新たな関税によってコストが急増することを懸念していることを反映している。トランプ大統領は1月22日、カナダやメキシコ、さらには中国やEUからの製品に対して25%の関税を課す新たな期限を2025年2月1日とする意向を表明している。

 これに対し、中国外務省の報道官毛寧は、「貿易戦争や関税戦争に勝者はいないと信じており、我々は国家の利益を守る」と述べた。

 これまでのところ、米国が採用した関税政策は持続可能な選択肢ではないことが明らかになっており、関税を引き上げ続けることは企業の利益を損ね、グローバルな関税戦争にエスカレートするリスクを高め、世界経済に深刻なダメージを与える可能性がある。

 米国と中国が必要としているのは、両国の企業が直面している貿易と投資に関する不確実性を軽減し、供給網協力を強化するための協力的な努力である。中国と米国の協力は、平等と相互利益、ウィンウィンの原則に基づかなければならず、いずれの側も脅迫や一方的な譲歩を強制することで問題を解決することはできない。

 ここ数か月、関税の引き上げの脅威は世界中で懸念を呼んでおり、潜在的な新関税は米国商業部門に連鎖反応を引き起こすだけでなく、グローバル供給網にも波及効果をもたらすことが予想される。原材料供給業者から消費者に至るまで、すべての関係者が貿易環境の劇的な変化を感じることになるだろう。

 しかし、注目すべき傾向は、多くの米国の輸入業者が新たな関税の発表前にコストを固定しようと、中国からの輸入を急いでいることである。たとえば、米国の日焼け止めメーカーのエッジウェルは、2024年11月、化学薬品の新たな2〜3年契約を中国と結ぶことでコストを抑えようとしていると発表した。

 この現象は、米国が関税政策を通じて世界貿易の風景を再編しようとしているにもかかわらず、企業がグローバル供給網、特に中国の供給網に依存していることが、市場競争力を維持するための重要な要素であることを示している。米国企業が中国の供給網の安定性と効率性を認識していることが背景にある。これは、中国の総合的な産業システムと強力な製造能力によるものといえる。

 米国の関税政策が主要な貿易相手国に与える影響はすでに顕著であり、関税が課されれば、米国企業の輸入コストが直接的に引き上げられ、最終的にそのコストが米国の消費者に転嫁され、インフレを助長することになる。また、追加の関税は既存の供給網を乱し、企業の運営コストを増大させることになる。

 さらに重要なのは、米国が一方的に関税を課すことで国際的な協力の基盤が損なわれ、特に米中経済・貿易協力のスペースがさらに縮小することになる点である。米中貿易は、両国や世界経済の安定と繁栄にとって重要な関係であり、関税は対立を悪化させ、米中経済・貿易協力の発展を妨げ、世界経済の回復に対する大きな不確実性をもたらすことになる。

 したがって、米国と中国が協力の道を探り、両国の経済・貿易関係における安定性と確実性を高めることがますます急務となっている。このアプローチは、両国民の基本的な利益に合致し、世界経済の安定と繁栄を維持するために不可欠である。

【詳細】

 米中間で繰り広げられている関税問題は、国際貿易における重大な課題の一つであり、その影響は両国にとどまらず、世界経済全体に広がる可能性がある。この記事では、米国のトランプ大統領が提案する新たな関税政策が引き起こす可能性のあるリスクや、これに対する中国の反応、さらには米中両国の協力による解決策の必要性が詳述されている。

 米国の関税政策とその影響

 トランプ大統領は、2025年2月1日に新たな25%の関税をカナダ、メキシコ、中国、EUから輸入される製品に課す意向を示している。これは、米国内の製品コストが上昇する一因となり得る。また、関税が引き上げられることによって、米国企業は他国からの供給を調整せざるを得ず、これが企業活動における不確実性を高める。特に、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などの大手企業は、これを受けて製品の価格引き上げを余儀なくされる可能性がある。このような企業は、原材料を世界中から調達し、製品を現地の工場で製造しているが、関税によってコストが上がると、最終的には消費者にその負担が転嫁されることになる。

 また、関税の引き上げは、米国の商業セクターにおいて連鎖的な影響を及ぼす可能性がある。米国企業が関税の前に製品を多く調達する動き(先取り的な仕入れ)を見せていることから、輸入業者はコストを事前に固定しようとするものの、最終的には消費者の負担増となり、インフレを助長する恐れがある。

 中国の立場と反応

 中国政府は、米国の関税政策に対し強い反発を示している。中国外務省の報道官毛寧は、関税戦争に「勝者はない」と述べ、米国の一方的な関税措置を批判している。中国は、関税政策が持続可能な解決策ではなく、経済全体にとって有害であると考えており、関税を引き上げ続けることで企業の利益を損ね、最終的には世界経済にも悪影響を及ぼすと警告している。

 また、中国は、米国との協力を重視しており、両国間の経済・貿易関係は世界経済の安定と繁栄にとって重要であると強調している。中国は、協力的な姿勢を持ちながらも、国家の利益を守るためには譲歩しないという立場をとっている。中国の製造業は世界的に競争力を持ち、多くの米国企業が中国からの供給に依存しているため、関税政策は中国にとってだけでなく、米国企業にとっても大きな影響を与える。

 米中協力の重要性

 米国と中国は、単なる経済的なパートナーであるだけでなく、世界的な供給網においても重要な役割を担っている。特に、中国はその強力な製造能力と総合的な産業システムによって、世界中の企業にとって不可欠な供給源となっている。そのため、米国企業は関税の引き上げを懸念しつつも、中国からの供給を必要としている現実がある。例えば、米国の日焼け止めメーカーであるエッジウェルは、関税前に新たな2~3年契約を結んでコストを固定しようとしていることが挙げられる。

 このように、米国の関税政策が企業の競争力に対して逆効果をもたらす可能性があることを示しており、米国企業が引き続き中国の供給網に依存している現実を浮き彫りにしている。

 グローバル供給網への影響

 米国が一方的に関税を課すことは、世界の供給網に多大な影響を与える。米国が関税を引き上げることで、既存の供給網が乱れ、企業の運営コストが増加する。これにより、商品の価格が上昇し、消費者に直接的な影響を与えることとなる。また、企業は新たな供給源を確保するためにコストを増加させる必要があり、これが世界経済全体に波及する。

 さらに、関税が長期的に課されることで、国際的な協力の基盤が崩れ、米中間の経済・貿易関係にも悪影響を及ぼす。米中は世界で最も重要な経済・貿易関係の一つであり、その協力関係の維持は、両国の安定的な成長と世界経済の回復に不可欠である。

 結論

 米中関係における関税政策は、単なる貿易問題にとどまらず、国際的な経済関係に深刻な影響を及ぼす可能性がある。したがって、両国は協力的な姿勢を強化し、関税戦争の回避に向けた対話と協力を模索する必要がある。両国の経済的利益が相互に依存していることを認識し、協力の道を探ることが、最終的には世界経済の安定と繁栄に繋がると考えられる。

【要点】
 
 1.米国の関税政策の影響

 ・トランプ大統領は2025年2月1日に新たな25%関税をカナダ、メキシコ、中国、EU製品に課す意向を示している。
 ・関税引き上げにより、米国企業はコスト増加を懸念し、最終的には消費者に価格転嫁される可能性がある。
 ・米国の企業は、関税前に商品を大量に輸入することでコストを固定しようとしているが、最終的にはインフレを助長する恐れがある。

 2.中国の反応と立場

 ・中国は、米国の関税政策に対して強い反発を示し、「関税戦争に勝者はない」と述べている。

 ・中国は、関税が経済に有害であり、世界経済にも悪影響を及ぼすと警告。
 ・米中間の経済・貿易関係は世界経済の安定に不可欠であり、協力が重要であると強調している。

 3.米国企業の依存と中国供給網の重要性

 ・米国企業は依然として中国の供給網に依存しており、その製造能力と効率性を高く評価している。
 ・例として、エッジウェルは関税前に2~3年契約を結んでコストを固定しようとしている。

 ・関税政策が世界の供給網に与える影響

 ・関税引き上げにより、既存の供給網が乱れ、企業の運営コストが増加する。
 ・消費者は価格上昇の影響を受け、企業は新たな供給源を確保するためにコスト増加を強いられる。

 4.米中協力の重要性

 ・米中は世界で最も重要な経済・貿易関係の一つであり、その協力が両国の安定的な成長に不可欠である。
・関税戦争を避けるためには、対話と協力を強化する必要がある。

 5.結論

 ・米中関係における協力的なアプローチが、世界経済の安定と繁栄に貢献する。
 ・両国は関税戦争を避け、相互の経済的利益を認識し、協力関係を維持すべきである。

【引用・参照・底本】

GT Voice: Supply chain co-op key to hedging against tariff barrier challenges GT 2025.01.23
https://www.globaltimes.cn/page/202501/1327477.shtml