中国軍:「台湾独立」に対する抑止を目的 ― 2025年04月03日 19:54
【概要】
中国軍は今週初め、台湾近海で行われた2日間の軍事演習を公開した。この演習は、「台湾独立」に対する抑止を目的としているとされている。演習は、人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)が実施したもので、名称は「海峡雷霆」(Strait Thunder)である。演習には中国の複数の軍種が参加し、指揮官の石毅(Shi Yi)報道官は、この訓練が「目標の識別と確認、警告と排除、そして迎撃と拘束」に焦点を当てていたことを述べた。訓練は、台湾封鎖の準備を整えることを目的としている。
演習には、2022年に就役した中国製の「遼寧」空母艦隊が参加しており、その艦載機として、主力戦闘機であるJ-15戦闘機を搭載している。この戦闘機は、演習中に公開されたビデオに登場した。
別のビデオには、軍営での早朝の警戒態勢が描かれ、その後、ロケット発射システムの配置と実弾射撃訓練が行われている様子が映し出された。この映像は、武器が実際に台湾の沿岸を直接攻撃するために使用される可能性を示唆している。
また、PLA空軍の航空機も演習に参加したことが映像で確認されている。
台湾は、1940年代の中国内戦で共産党に敗れた国民党の政府が統治している。ワシントンは公式には北京の台湾に対する主権を認めているが、台北に対して軍事支援を行っている。北京は、この軍事支援が台湾の独立を目指す動きを助長していると見なしており、台湾の独立を追求することが台湾を危険な状況に追い込み、台湾の人々を困難な状況に陥れると強調している。
中国国防省の報道官、張小剛(Zhang Xiaogang)は、台湾独立と台湾海峡の平和は両立しないと述べ、「台湾独立を追求することは、台湾を危険な状況に追い込み、台湾の人々を困難に陥れるだけだ」と警告した。
【詳細】
中国軍は、台湾近海で行われた「海峡雷霆」(Strait Thunder)という名の2日間の軍事演習を公開した。この演習は、中国政府が台湾独立を試みることに対する抑止力を高める目的で実施されたとされている。演習は、人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)によって実施され、台湾周辺海域における中国軍の実力を示すものとなった。
演習の目的と内容
演習の主な目的は、台湾独立を試みる動きを防ぐことにある。具体的には、台湾に対する封鎖の準備や、台湾独立を宣言しようとする動きに対する抑止力を強化することが挙げられる。指揮官の石毅報道官は、今回の演習が「識別と確認」「警告と排除」「迎撃と拘束」といった一連の軍事的対応に重点を置いて行われたことを明らかにした。これらの戦術は、台湾が独立の道を進むことを防ぐための準備を意図している。
参加した兵器と部隊
演習には、人民解放軍の空母艦隊も参加しており、特に注目すべきは、2019年に就役した中国製の「遼寧」空母である。この空母は、最新の戦闘機であるJ-15を24機搭載しており、その航空機が演習の動画に登場している。これにより、台湾周辺海域での空軍と海軍の連携による強力な軍事力がアピールされた。
さらに、別のビデオでは、台湾侵攻のシナリオを想定した「実弾射撃訓練」が行われる様子が公開された。映像には、軍営での早朝警戒態勢から、ロケット発射システムの配置とそれに続く実弾射撃の様子が映し出されている。この射撃訓練は、実際に台湾の沿岸をターゲットにした攻撃の準備として解釈されており、台湾の防衛ラインに対する威嚇と見なされる。
また、空軍の戦闘機も演習に参加しており、空中での戦闘能力や、台湾上空での優位性を維持するための訓練が行われた。
台湾と中国の歴史的背景
台湾は、1940年代の中国内戦において共産党に敗北した国民党(KMT)政府によって統治されており、その後、事実上の独立状態にある。中国は、台湾を自国の一部として見なしており、「一国二制度」や「平和的統一」を掲げて台湾を取り込もうと試みている。しかし、台湾政府は独立を目指しているわけではなく、主に現状維持を望んでいる。
アメリカは、公式には台湾に対する中国の主権を認めているが、台湾に対して軍事的支援を行っていることが知られている。アメリカは、台湾海峡の平和と安定を支持しており、そのため中国の台湾に対する圧力や軍事的行動を懸念している。これに対して、中国はアメリカの支援を「台湾独立」を促進するものとみなし、台湾の独立を追求すればするほど、台湾が危険な状況に直面すると警告している。
中国政府の立場
中国政府は、台湾の統一を目指しており、「平和的統一」を提案しているが、台湾側が独立を目指す動きを取る場合、武力行使も辞さないという立場を示している。中国国防省の報道官である張小剛は、「台湾独立と台湾海峡の平和は両立しない」とし、台湾が独立を追求することが、台湾自身を危険な状況に追い込み、台湾住民を困難な立場に置くと強調している。また、中国は、現在の台湾政府を「危機の創出者」「問題を引き起こす者」として批判している。
今回の演習は、台湾独立に対する強い警告の意図が込められており、中国が台湾の統一を実現するためには、どんな手段も講じる覚悟があることを示すものとなった。
【要点】
1.演習の目的: 台湾の独立を抑止し、台湾封鎖の準備を整えるための軍事訓練。
2.実施主体: 演習は人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)が実施した。
3.演習名: 「海峡雷霆」(Strait Thunder)。
4.参加部隊
・遼寧空母艦隊: 中国製の空母「遼寧」、搭載機はJ-15戦闘機24機。
・空軍: PLA空軍も演習に参加し、空中戦闘能力を示す。
・ロケット発射システム: 実弾射撃訓練が行われ、台湾沿岸を標的にする可能性を示唆。
5.演習内容
・目標の「識別と確認」「警告と排除」「迎撃と拘束」の訓練。
・台湾独立を防ぐための軍事的対応の準備。
・実弾射撃訓練が公開され、実際の攻撃能力を示す。
6.台湾と中国の関係
・台湾は1940年代の中国内戦で敗れた国民党政府が統治。
・中国は台湾を自国の一部と主張し、統一を目指す。
・アメリカは台湾を軍事的に支援し、中国に対する警戒感を持つ。
7.中国政府の立場:
・「平和的統一」を目指すが、台湾が独立を宣言すれば武力行使も辞さない。
・台湾の独立を追求することは、台湾を危険な状況に追い込み、台湾住民を困難にすると警告。
・現在の台湾政府は「危機の創出者」「問題を引き起こす者」と批判。
【引用・参照・底本】
China showcases military drill near Taiwan (VIDEOS) RT 2025.04.02
https://www.rt.com/news/615141-chaina-taiwan-drill-videos/
中国軍は今週初め、台湾近海で行われた2日間の軍事演習を公開した。この演習は、「台湾独立」に対する抑止を目的としているとされている。演習は、人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)が実施したもので、名称は「海峡雷霆」(Strait Thunder)である。演習には中国の複数の軍種が参加し、指揮官の石毅(Shi Yi)報道官は、この訓練が「目標の識別と確認、警告と排除、そして迎撃と拘束」に焦点を当てていたことを述べた。訓練は、台湾封鎖の準備を整えることを目的としている。
演習には、2022年に就役した中国製の「遼寧」空母艦隊が参加しており、その艦載機として、主力戦闘機であるJ-15戦闘機を搭載している。この戦闘機は、演習中に公開されたビデオに登場した。
別のビデオには、軍営での早朝の警戒態勢が描かれ、その後、ロケット発射システムの配置と実弾射撃訓練が行われている様子が映し出された。この映像は、武器が実際に台湾の沿岸を直接攻撃するために使用される可能性を示唆している。
また、PLA空軍の航空機も演習に参加したことが映像で確認されている。
台湾は、1940年代の中国内戦で共産党に敗れた国民党の政府が統治している。ワシントンは公式には北京の台湾に対する主権を認めているが、台北に対して軍事支援を行っている。北京は、この軍事支援が台湾の独立を目指す動きを助長していると見なしており、台湾の独立を追求することが台湾を危険な状況に追い込み、台湾の人々を困難な状況に陥れると強調している。
中国国防省の報道官、張小剛(Zhang Xiaogang)は、台湾独立と台湾海峡の平和は両立しないと述べ、「台湾独立を追求することは、台湾を危険な状況に追い込み、台湾の人々を困難に陥れるだけだ」と警告した。
【詳細】
中国軍は、台湾近海で行われた「海峡雷霆」(Strait Thunder)という名の2日間の軍事演習を公開した。この演習は、中国政府が台湾独立を試みることに対する抑止力を高める目的で実施されたとされている。演習は、人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)によって実施され、台湾周辺海域における中国軍の実力を示すものとなった。
演習の目的と内容
演習の主な目的は、台湾独立を試みる動きを防ぐことにある。具体的には、台湾に対する封鎖の準備や、台湾独立を宣言しようとする動きに対する抑止力を強化することが挙げられる。指揮官の石毅報道官は、今回の演習が「識別と確認」「警告と排除」「迎撃と拘束」といった一連の軍事的対応に重点を置いて行われたことを明らかにした。これらの戦術は、台湾が独立の道を進むことを防ぐための準備を意図している。
参加した兵器と部隊
演習には、人民解放軍の空母艦隊も参加しており、特に注目すべきは、2019年に就役した中国製の「遼寧」空母である。この空母は、最新の戦闘機であるJ-15を24機搭載しており、その航空機が演習の動画に登場している。これにより、台湾周辺海域での空軍と海軍の連携による強力な軍事力がアピールされた。
さらに、別のビデオでは、台湾侵攻のシナリオを想定した「実弾射撃訓練」が行われる様子が公開された。映像には、軍営での早朝警戒態勢から、ロケット発射システムの配置とそれに続く実弾射撃の様子が映し出されている。この射撃訓練は、実際に台湾の沿岸をターゲットにした攻撃の準備として解釈されており、台湾の防衛ラインに対する威嚇と見なされる。
また、空軍の戦闘機も演習に参加しており、空中での戦闘能力や、台湾上空での優位性を維持するための訓練が行われた。
台湾と中国の歴史的背景
台湾は、1940年代の中国内戦において共産党に敗北した国民党(KMT)政府によって統治されており、その後、事実上の独立状態にある。中国は、台湾を自国の一部として見なしており、「一国二制度」や「平和的統一」を掲げて台湾を取り込もうと試みている。しかし、台湾政府は独立を目指しているわけではなく、主に現状維持を望んでいる。
アメリカは、公式には台湾に対する中国の主権を認めているが、台湾に対して軍事的支援を行っていることが知られている。アメリカは、台湾海峡の平和と安定を支持しており、そのため中国の台湾に対する圧力や軍事的行動を懸念している。これに対して、中国はアメリカの支援を「台湾独立」を促進するものとみなし、台湾の独立を追求すればするほど、台湾が危険な状況に直面すると警告している。
中国政府の立場
中国政府は、台湾の統一を目指しており、「平和的統一」を提案しているが、台湾側が独立を目指す動きを取る場合、武力行使も辞さないという立場を示している。中国国防省の報道官である張小剛は、「台湾独立と台湾海峡の平和は両立しない」とし、台湾が独立を追求することが、台湾自身を危険な状況に追い込み、台湾住民を困難な立場に置くと強調している。また、中国は、現在の台湾政府を「危機の創出者」「問題を引き起こす者」として批判している。
今回の演習は、台湾独立に対する強い警告の意図が込められており、中国が台湾の統一を実現するためには、どんな手段も講じる覚悟があることを示すものとなった。
【要点】
1.演習の目的: 台湾の独立を抑止し、台湾封鎖の準備を整えるための軍事訓練。
2.実施主体: 演習は人民解放軍(PLA)の東部戦区(ETC)が実施した。
3.演習名: 「海峡雷霆」(Strait Thunder)。
4.参加部隊
・遼寧空母艦隊: 中国製の空母「遼寧」、搭載機はJ-15戦闘機24機。
・空軍: PLA空軍も演習に参加し、空中戦闘能力を示す。
・ロケット発射システム: 実弾射撃訓練が行われ、台湾沿岸を標的にする可能性を示唆。
5.演習内容
・目標の「識別と確認」「警告と排除」「迎撃と拘束」の訓練。
・台湾独立を防ぐための軍事的対応の準備。
・実弾射撃訓練が公開され、実際の攻撃能力を示す。
6.台湾と中国の関係
・台湾は1940年代の中国内戦で敗れた国民党政府が統治。
・中国は台湾を自国の一部と主張し、統一を目指す。
・アメリカは台湾を軍事的に支援し、中国に対する警戒感を持つ。
7.中国政府の立場:
・「平和的統一」を目指すが、台湾が独立を宣言すれば武力行使も辞さない。
・台湾の独立を追求することは、台湾を危険な状況に追い込み、台湾住民を困難にすると警告。
・現在の台湾政府は「危機の創出者」「問題を引き起こす者」と批判。
【引用・参照・底本】
China showcases military drill near Taiwan (VIDEOS) RT 2025.04.02
https://www.rt.com/news/615141-chaina-taiwan-drill-videos/