日本:廃棄エアコンからの希土類回収と深海希土類の採掘試験を実施2026-07-05 22:54

Dolaで作成
【概要】

 日本では中国による希土類関連の輸出規制を背景に、三菱電機が家庭用エアコンの廃棄物から希土類を回収する初の取り組みを開始したほか、南鳥島周辺の深海泥からの希土類採掘の試みも報じられている。これに対し中国の産業アナリストらは、これらの事業はコスト面や技術面の課題が大きく、日本の希土類不足の根本的な解決にはならず、中国の輸出規制が日本の脆弱な部分を的確に捉えていることを示すものだと主張している。また、中国が2回にわたり日本の関係機関・企業を輸出管理リスト等に指定したこと、規制が日本の経済に与える影響の試算についても言及されている。
  
【詳細】 

 日本側の取り組みの内容

 エアコンからの希土類回収事業

 三菱電機は2026年6月、国内で初めて廃棄エアコンから希土類を抽出する事業を開始した。屋外機から圧縮機を取り外して分解し、ネオジムなどを含む磁石を回収・精製し、再利用する。同社は、同事業によりエアコン製造に必要な希土類の約35%をリサイクル材で賄えると説明している。なお、希土類を含むのはインバーター式エアコンの圧縮機ローターに使われるネオジム磁石に限られ、その他の部品にはほとんど含まれない。

 深海希土類の採掘試験

 日本の内閣府と海洋研究開発機構は2026年2月、南鳥島周辺の太平洋水深6000メートル付近から希土類を含むとみられる泥の採取に成功したと発表した。

 中国側アナリストの見解

 ・エアコンリサイクル事業の課題

 廃棄エアコン1台から得られる純希土類はわずかで、中国製1.5馬力機種で約55.8グラム、日本製1馬力機種では約10.5グラムにすぎない。回収・精製コストは非常に高く、原料鉱石を直接購入するより割高になるケースが多い。また、回収できるのは軽希土類が中心で、電気自動車や軍事用途に不可欠な重希土類はほとんど含まれないという。

 ・深海採掘の課題

 抽出・処理コストが極めて高く、今後10年以内に大規模生産が実現する可能性は低い。

 ・根本的な課題

 希土類資源自体は多くの国に存在するが、精製・加工技術と一貫した産業チェーンは中国に集中しており、代替資源が確保できたとしても、完全に自立した供給体制を構築するには長い年月を要する。

 ・事業の位置づけ

 これらの取り組みは国民の安心感を高める一時的な効果はあっても、安定的・大規模かつ持続可能な希土類供給を実現する能力は限定的で、中国の輸出規制を回避する現実的な手段にはならない。むしろ、中国が軍事用途向けの希土類関連輸出規制を強化したことが、日本の脆弱性を明らかにしたと指摘する。また、日本が軍備拡張を続ける場合、中国の規制をさらに厳格化する可能性も示唆されている。

 中国の輸出管理措置と影響

 ・中国商務部は2026年2月24日に続き、6月30日にも、防衛研究所を含む20の日本の機関・企業を輸出管理リストに、三井E&Sを含む20の団体を監視リストに追加した。これは日本の「新軍国主義的な動き」を抑止するための措置とされる。

 ・日本メディアによると、高機能磁石の原料となるジスプロシウム、テルビウムの対日出荷はゼロになり、タングステン関連製品の供給も滞っている。日本の研究機関の試算では、中国からの希土類輸入が全面的に停止され関連部品の規制も継続した場合、年間実質GDPが約1.3%、約7兆円(約430億米ドル)減少するとされる。

【要点】

 ・日本は中国の希土類輸出規制を受け、廃棄エアコンからの希土類回収と深海希土類の採掘試験を実施している。

 ・中国のアナリストは、エアコンリサイクルは希土類の取得量が少なくコストが高い上、重希土類はほとんど得られないと指摘する。

 ・深海希土類採掘もコスト面の課題が大きく、短期的な実用化は見込めない。

 ・希土類供給の最大の隘路は精製技術と産業チェーンであり、これらは中国に集中している。

 ・中国は2回にわたり日本の関係機関・企業を輸出管理対象に指定しており、軍事用途向けの規制が日本の脆弱性を突いているとされる。

 ・規制が長期化した場合、日本のGDPが最大約1.3%減少するとの試算がある。

【引用・参照・底本】

Japan's plan to recycle rare earth minerals from AC units is unfeasible and reveals its weak points: Chinese analysts GT 2026.07.05
https://www.globaltimes.cn/page/202607/1365165.shtml

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