尹錫悦、粉飾成果か ― 2023年12月14日 20:46
韓国の尹錫悦大統領がオランダを国賓訪問し、「半導体同盟」の成果を大々的に広報したことに対する内容である。
尹大統領はオランダ国賓訪問を通じて、韓国とオランダが「半導体同盟」を結ぶ成果を達成したと宣伝している。具体的には、オランダの最先端半導体装備メーカーであるASMLとの協力を強調し、「外国首脳の初のASMLクリーンルーム訪問」や「両国とも特定国家との半導体同盟構築は初めて」といった点を強調している。しかし、このこれらの主張に対して冷静に検証する必要があると指摘している。
サムスン電子とASMLが2000年代から半導体技術・装備の協力を続けており、尹大統領の訪問がそれを契機にしたものではなく、すでに企業間で進行していた協力が政治的な成果として強調されていると指摘している。また、米国が韓国や台湾の半導体企業とオランダ、日本との「半導体同盟」を構築している中で、今回の国賓訪問がどのような実質的な成果をもたらしたのか疑問視している。さらに、このような広報が中国を刺激する可能性があり、国益に対してどのような効果があるのか不明確であると指摘している。
尹大統領の国賓訪問や企業との連携を通じて政治的利益を追求してきた姿勢についても厳しく批判している。財閥トップを率いての国賓訪問が政経の利益を追求する一環であり、これが独裁国家のような姿勢を示し、政経の癒着を招く可能性があるとして、その姿勢を改めるよう求めている。
【要点】
韓国の尹錫悦大統領のオランダ国賓訪問を巡り、韓国政府の広報姿勢を批判する内容である。
社説は、尹大統領がオランダ国賓訪問を通じて、韓国とオランダが「半導体同盟」を結ぶ成果を成し遂げたと強調していることに対し、韓国の国民は首をかしげていると指摘する。
その理由として、サムスン電子とASMLは2000年代から半導体超微細工程技術・装備開発協力を続けており、サムスン電子のイ・ジェヨン会長は昨年すでにASMLのクリーンルームを訪問していることを挙げている。
また、サムスン電子とASMLは今回の国賓訪問に合わせて、韓国に研究所を設立し、次世代露光装備を共同開発することで業務協約(MOU)を結んだが、これは以前にも大統領の歴訪に合わせて企業が相手企業と業務協約を締結し、それを歴訪の成果に含ませる例はあったと指摘する。
しかし、今回の場合は、尹大統領がオランダに向かう専用機で参謀たちと「半導体戦略会議」をしたとし、企業間の協約を国家間の事業であるかのように「半導体同盟」と飾り立てるなど、あたかも大統領が乗り出して一挙に解決したかのように前面に出すことは以前にはなかったと批判している。
さらに、今回行われたという「半導体同盟」の実体についても疑問を呈している。
米バイデン政権はすでに就任直後から韓国・台湾の半導体企業とオランダの装備、日本の素材・部品を束ねる「半導体同盟」の構図を作っており、中国を牽制している。
すでに米国が作った「半導体同盟」構造の中で、韓国もオランダも協力している状況であり、今回の国賓訪問が今更どのような「半導体同盟」を作ったというのか、と疑問を投げかけている。
また、こうしたやり方で「半導体同盟」を強調することは、韓国の国内広報用としては良いかもしれないが、中国をあらためて刺激することであり、国益にどのような役に立つのか分からないと指摘している。
尹大統領夫妻の頻繁な国賓訪問をめぐる国民の厳しい視線をそらすことは難しいだろうと指摘し、歴訪の度に財閥トップを大勢率いて大統領の政治的利益のために利用してきたことも、もうやめてほしいと訴えている。
韓国の国内で広く共有されている意見であり、尹大統領の広報姿勢に対する批判の声の高まりを反映している。
引用・参照・底本
[社説]サムスンーASML協力を「半導体同盟」と飾り立てた尹大統領国賓訪問=韓国 ハンギョレ新聞 2023.12.14
尹大統領「偉大な国作る」…半導体で始まり報勲で終えたオランダ訪問
中央日報 2023.12.14
韓国とオランダ「半導体同盟」を公式に明文化…ホットラインも作る 中央日報 2023.12.14
尹大統領はオランダ国賓訪問を通じて、韓国とオランダが「半導体同盟」を結ぶ成果を達成したと宣伝している。具体的には、オランダの最先端半導体装備メーカーであるASMLとの協力を強調し、「外国首脳の初のASMLクリーンルーム訪問」や「両国とも特定国家との半導体同盟構築は初めて」といった点を強調している。しかし、このこれらの主張に対して冷静に検証する必要があると指摘している。
サムスン電子とASMLが2000年代から半導体技術・装備の協力を続けており、尹大統領の訪問がそれを契機にしたものではなく、すでに企業間で進行していた協力が政治的な成果として強調されていると指摘している。また、米国が韓国や台湾の半導体企業とオランダ、日本との「半導体同盟」を構築している中で、今回の国賓訪問がどのような実質的な成果をもたらしたのか疑問視している。さらに、このような広報が中国を刺激する可能性があり、国益に対してどのような効果があるのか不明確であると指摘している。
尹大統領の国賓訪問や企業との連携を通じて政治的利益を追求してきた姿勢についても厳しく批判している。財閥トップを率いての国賓訪問が政経の利益を追求する一環であり、これが独裁国家のような姿勢を示し、政経の癒着を招く可能性があるとして、その姿勢を改めるよう求めている。
【要点】
韓国の尹錫悦大統領のオランダ国賓訪問を巡り、韓国政府の広報姿勢を批判する内容である。
社説は、尹大統領がオランダ国賓訪問を通じて、韓国とオランダが「半導体同盟」を結ぶ成果を成し遂げたと強調していることに対し、韓国の国民は首をかしげていると指摘する。
その理由として、サムスン電子とASMLは2000年代から半導体超微細工程技術・装備開発協力を続けており、サムスン電子のイ・ジェヨン会長は昨年すでにASMLのクリーンルームを訪問していることを挙げている。
また、サムスン電子とASMLは今回の国賓訪問に合わせて、韓国に研究所を設立し、次世代露光装備を共同開発することで業務協約(MOU)を結んだが、これは以前にも大統領の歴訪に合わせて企業が相手企業と業務協約を締結し、それを歴訪の成果に含ませる例はあったと指摘する。
しかし、今回の場合は、尹大統領がオランダに向かう専用機で参謀たちと「半導体戦略会議」をしたとし、企業間の協約を国家間の事業であるかのように「半導体同盟」と飾り立てるなど、あたかも大統領が乗り出して一挙に解決したかのように前面に出すことは以前にはなかったと批判している。
さらに、今回行われたという「半導体同盟」の実体についても疑問を呈している。
米バイデン政権はすでに就任直後から韓国・台湾の半導体企業とオランダの装備、日本の素材・部品を束ねる「半導体同盟」の構図を作っており、中国を牽制している。
すでに米国が作った「半導体同盟」構造の中で、韓国もオランダも協力している状況であり、今回の国賓訪問が今更どのような「半導体同盟」を作ったというのか、と疑問を投げかけている。
また、こうしたやり方で「半導体同盟」を強調することは、韓国の国内広報用としては良いかもしれないが、中国をあらためて刺激することであり、国益にどのような役に立つのか分からないと指摘している。
尹大統領夫妻の頻繁な国賓訪問をめぐる国民の厳しい視線をそらすことは難しいだろうと指摘し、歴訪の度に財閥トップを大勢率いて大統領の政治的利益のために利用してきたことも、もうやめてほしいと訴えている。
韓国の国内で広く共有されている意見であり、尹大統領の広報姿勢に対する批判の声の高まりを反映している。
引用・参照・底本
[社説]サムスンーASML協力を「半導体同盟」と飾り立てた尹大統領国賓訪問=韓国 ハンギョレ新聞 2023.12.14
尹大統領「偉大な国作る」…半導体で始まり報勲で終えたオランダ訪問
中央日報 2023.12.14
韓国とオランダ「半導体同盟」を公式に明文化…ホットラインも作る 中央日報 2023.12.14

