新たな罪証731部隊本部身上申告書が公開2024年05月04日 20:09

国立国会図書館デジタルコレクション「秀ノ山雷五郎横綱土俵入之図」を加工して作成
 このような歴史的な文書が公開されることは、過去の出来事に関する新たな理解を提供し、公正な評価を促進する上で重要である。

 731部隊(註)の犯罪行為についての情報が明らかにされることで、遺族や歴史研究者、そして世界中の人々がその犠牲者に対する正義と記憶を求めることができる。

【視点】

中国侵略日本軍731部隊、新たな罪証「身上申告書」を公開

52人の隊員の詳細情報と活動記録が明らかに

2024年5月4日、中国黒竜江省ハルビン市の「侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館」は、新たに発見された資料「731部隊本部身上申告書」を一般公開した。

この資料は、2023年に日本の国立公文書館から同陳列館に引き渡されたもので、731部隊員52人の氏名、兵種、入隊時期、終戦前の所属部隊などの情報に加え、本人が731部隊への配属後に関与した犯罪活動や異なる部隊間での移動経緯などが詳細に記録されている。

731部隊の詳細な研究に貢献

「身上申告書」は、従来の「留守名簿」や「蘇聯地区未帰還者部隊別名簿」よりも情報量が多く、より詳細な内容となっている。これにより、731部隊の規模、構成、活動内容、戦後の去就などについて、より深く理解することが可能になる。

専門家はこの資料について、731部隊研究にとって極めて重要な一次資料であり、部隊の全体像や戦争責任の追及などに大きな役割を果たすと評価している。

731部隊とは

731部隊は、第二次世界大戦中に日本軍が中国東北部(満州)に設置した細菌戦研究部隊である。人体実験を含む非倫理的な活動を行い、多くの中国人や朝鮮人、ロシア人の犠牲者を出した。

戦後、731部隊の活動は国際社会から厳しく批判され、隊員たちは戦争犯罪人として裁かれることなかった。しかし、近年になってその罪状が改めて明らかにされ、国際的な関心が高まっている。

資料公開の意義

今回公開された「身上申告書」は、731部隊の残虐行為と戦争責任を改めて明らかにするものである。また、過去の過ちを教訓として、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、平和の大切さを訴える役割も担っている。

この資料公開は、731部隊研究の進展だけでなく、平和教育や歴史認識にとっても重要な意義を持つと言える。

・CRI、2024年5月4日

日本侵略軍731部隊のハルビン犯罪展示館は、このほど新たに発見された文書「731部隊司令部個人申告書」を公開した。

この文書は、2023年に保管されていた国立公文書館から博物館に移管された。731部隊の隊員52名について、「氏名」「階級」「入隊年月日」「終戦前に所属していた部隊」などの情報や、731部隊配属後の犯罪行為、部隊間の移動などが記録されている。

・文書の意義

「731部隊司令部個人申告書」の発見は、以下の理由から大きな意義がある。

731部隊の戦争犯罪の直接的な証拠を提供する:この文書には、生きた囚人を使った人体実験、生物兵器の開発と配備、細菌戦作戦への参加など、731部隊の職員の犯罪行為の詳細な記録が含まれている。この直接の証拠は、731部隊の残虐行為に関する既存の証言を裏付け、第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪に対する主張をさらに強固なものにしている。

731部隊の組織構造と人員の理解を深める:この文書は、731部隊の組織構造に関する貴重な情報(隊員の名前、階級、役職など)を提供する。この情報は、731部隊がどのように活動し、誰がその犯罪に関与したのかを研究者がよりよく理解するのに役立つ。

戦後の731部隊の所在を明かす:この文書には、第二次世界大戦で日本が敗戦後、731部隊の隊員の動きが記録されている。この情報は、731部隊の犯罪に関与した人物を追跡し、責任を問うのに役立つ。

・「731部隊司令部個人申告書」の発見は、731部隊が犯した戦争犯罪を記録し、暴露する取り組みにおける大きな突破口である。この新しい証拠は、731部隊が犯した恐ろしい行為を強く思い起こさせるものであり、戦争犯罪の加害者の責任を問うことの重要性を強調している。

・日本政府が731部隊の活動を認識し、積極的に支援していたことがうかがえる。この文書は日本軍によって作成され、管理目的で使用されることを意図していた。このことは、日本政府が731部隊の活動を十分に認識し、これらの活動を認可し、支援していたことを示唆している。

・このことは、他の国々が731部隊の活動をどの程度知っていたのかという疑問を提起する。この文書は、731部隊が他の日本軍の部隊や研究機関と協力したことを示している。米国を含む他の国々も731部隊の活動に気づいており、部隊に支援を提供していた可能性さえある。

・これは、731部隊の犯罪に関する継続的な研究と教育の必要性を強調している。この新しい文書の発見は、731部隊とその活動について、まだ多くのことがわかっていないことを示している。731部隊の犯罪の範囲を完全に理解し、このような残虐行為が二度と起こらないようにするためには、継続的な調査が必要である。

・「731部隊司令部個人申告書」の発見は、731部隊とその戦争犯罪に対する我々の理解に大きな影響を与える重要な出来事である。この新しい証拠は、不処罰と闘い、戦争犯罪の加害者が自らの行動の責任を問われることを確実にすることの重要性を強く思い起こさせるものである。

・概要

2024年5月4日、中国黒竜江省ハルビン市の「侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館」は、新たに発見された「731部隊本部身上申告書」を一般公開した。この資料は、731部隊隊員52名の詳細な情報と、彼らが部隊内で関与した犯罪活動や異動履歴を記録したもので、731部隊の戦争犯罪の新たな証拠として重要な資料となる。

・資料の内容

身上申告書には、氏名、兵種、入隊時期、終戦前の所属部隊などの基本情報に加え、以下の情報が記載されている。

731部隊への配属後の職務
関与した細菌兵器の実験や人体実験
他の部隊への出向
終戦後の動向

これらの情報は、731部隊の組織構造、活動内容、隊員の人員流動などを明らかにする上で貴重な資料となる。

・資料の重要性

今回公開された身上申告書は、これまで知られていなかった731部隊の活動内容や隊員の詳細な情報を明らかにするものであり、731部隊の戦争犯罪の研究にとって極めて重要な資料と言える。また、この資料は、日本軍による細菌戦の実態をより深く理解し、戦争の悲惨さを後世に伝えるためにも重要な役割を果たす。

・731部隊について

731部隊は、第二次世界大戦中に日本軍によって中国東北部ハルビンに設置された秘密部隊です。この部隊は、細菌兵器の開発・生産と、人体実験などを目的として活動していた。731部隊による人体実験は、数千人もの中国人や朝鮮人、ロシア人などの犠牲者を出し、その非人道的な行為は国際社会から強く批判されている。

・今後の展望

今回公開された身上申告書は、今後さらに分析研究が進められることが期待される。研究成果は、731部隊の戦争犯罪の全貌を明らかにし、戦争の教訓を未来に伝えるために役立てられる。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

中国侵略日本軍731部隊の新たな罪証を公開 CRI 2024.05.04
https://japanese.cri.cn/2024/05/04/ARTIg8EyT75qk3WTfE5N4S2S240504.shtml?spm=C96518.PPFEiF4jxkmc.E5HuD27aAD6w.3

New evidence of Japanese army’s infamous germ warfare made public GT 2024.05.05

https://www.globaltimes.cn/page/202405/1311697.shtml

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