西側諸国:ウクライナに防空システムの提供2024年07月13日 19:39

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【概要】

 西側諸国がウクライナへの武器支援を続ける中、以下のような重要な動きがある。

 1.防空システムの提供

 ・アメリカとその同盟国は、ウクライナに新たに5基の防空システムを提供する予定である。この支援には、「パトリオット」ミサイルシステムが含まれており、アメリカ、ドイツ、ルーマニアの3カ国から提供されることが発表されている。オランダもこれに関連して部品提供を行っている。

 2.米国の政治的反応

 ・ロバート・ケネディ氏が米大統領選に立候補しており、ウクライナへの米軍の関与に対して反対の立場を表明している。彼は、ウクライナでの和平確立と国家予算の節約を訴えている。

 3.キエフの小児病院攻撃について

 キエフの小児病院にミサイルが直撃した件について、ロシアのペスコフ報道官はウクライナによるミサイル攻撃と主張している。一方、ロシアのネベンジャ国連大使は、ノルウェーからウクライナに提供された防空システムが発射したミサイルが、ロシアの攻撃を追跡中に誤って小児病院に落下した可能性が高いとしている。

 4.ウクライナの無人機攻撃

 ・ロシア国防省は、ウクライナによる無人機攻撃がロシア本土のベルゴルド上空で迎撃されたと発表している。

 これらの出来事は、ウクライナ情勢や西側諸国の対応に関する重要な情報を提供している。

【詳細】

 1. 防空システムの提供

 ・提供内容

 アメリカとその同盟国(ドイツ、ルーマニア)は、ウクライナに新たに5基の防空システムを提供することを発表した。これには、対空ミサイルシステム「パトリオット」が含まれている。「パトリオット」ミサイルシステムは、敵のミサイルや航空機を迎撃する能力があり、高度な防空能力を持っている。

 ・提供国

 アメリカ: 3基の「パトリオット」システムを提供することを発表。
 ドイツ: ウクライナへの防空支援の一環として、これに貢献。
 ルーマニア: 追加の防空システムを提供。
 オランダ: 4基目の「パトリオット」ミサイルを製造するための部品を提供。

 この支援は、ウクライナの空域を防御し、ロシアからのミサイルや航空機攻撃からウクライナの重要施設や民間人を守るためのものである。

 2. 米国の政治的反応

 ・ロバート・ケネディ氏の立場

 現在、米国大統領選に立候補しているロバート・ケネディ氏は、ウクライナに対する米軍の関与を批判している。彼は、ウクライナに対する支援が米国の国費を浪費しているとし、ウクライナでの和平の確立と国家予算の回復を訴えている。この立場は、ウクライナへの支援を支持する現政権とは対立している。

 3. キエフの小児病院攻撃

 ・攻撃の詳細

 キエフにある小児病院がミサイル攻撃を受け、施設が損壊した。この事件について、ロシアのペスコフ報道官は、ウクライナのミサイルによる攻撃だと主張している。ペスコフ氏は、ロシア軍は軍事目標のみを攻撃するとの立場を示している。

 ・ロシアの主張

 ロシアのネベンジャ国連大使は、ノルウェーからウクライナに提供された防空システムから発射されたミサイルが、ロシアの攻撃を追跡中に誤って小児病院に落下した可能性が高いとしている。この見解は、ロシアの攻撃が直接的に小児病院をターゲットにしたわけではないとするものである。

 4. ウクライナの無人機攻撃

 ・攻撃の詳細

 ロシア国防省は、ウクライナがロシア本土のベルゴルド上空に向けて無人機攻撃を行い、それを迎撃したと発表している。ベルゴルドはロシアの西部に位置する地域で、ウクライナの無人機がこの地域に侵入したとされている。

 この情報は、ウクライナとロシアの間で続いている軍事的対立の様相を示しており、双方の攻撃と防御の状況、国際的な支援の動きがどのように展開しているかを理解する上で重要である。

【要点】
 
 1. 防空システムの提供

 ・アメリカ、ドイツ、ルーマニア: ウクライナに新たに5基の防空システムを提供。

 パトリオットミサイルシステム: 3基をアメリカが提供。
 オランダ: 4基目のパトリオットミサイルの製造に向けて部品を提供。

 2. 米国の政治的反応

 ・ロバート・ケネディ氏: 米大統領選に立候補中で、ウクライナへの米軍関与を批判。

 主張: ウクライナでの和平確立と国費の節約を訴える。

 3. キエフの小児病院攻撃

 ・攻撃の詳細: キエフの小児病院にミサイルが直撃し、施設が損壊。
 
 ロシアのペスコフ報道官: ウクライナのミサイルによる攻撃と主張。
 ロシアのネベンジャ国連大使: ノルウェーから提供された防空ミサイルが、ロシアの攻撃を追跡中に誤って病院に落下した可能性が高いと主張。

 4. ウクライナの無人機攻撃

 ・ロシア国防省: ウクライナの無人機攻撃をロシア西部のベルゴルド上空で迎撃したと発表。

【引用・参照・底本】

Wウクライナへの武器支援続ける西側諸国 ParsToday 2024.07.11
https://parstoday.ir/ja/news/world-i124862

イラン次期大統領のメッセージ2024年07月13日 20:27

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【概要】

 マスウード・ペゼシュキヤーン氏がイランの次期大統領として発表したメッセージは、イランの外交政策と国際関係に対するアプローチを詳細に述べている。主なポイントは以下の通りである。

 1.緊張緩和と誠実な対応:ペゼシュキヤーン氏は、イランの新政府が緊張緩和を目指し、誠実な努力を歓迎する意向を示している。国際的な緊張を緩和し、誠実に対応する姿勢を強調している。

 2.地域との協力:特に近隣諸国との関係強化に注力し、地域の進歩と発展のために資源を活用する方針を打ち出している。トルコ、サウジアラビア、オマーン、イラクなどとの協力を通じて、地域的な枠組みの構築を目指すとしている。

 3.中国とロシアとの関係:中国とロシアに対する感謝と尊重を表明し、両国との戦略的パートナーシップを強化する意向を示している。また、BRICSやSCOなどの国際組織との協力も重視している。

 4.ヨーロッパとの関係:ヨーロッパ諸国との関係の改善を目指し、相互尊重と平等の原則に基づいた建設的な対話を呼びかけている。特に、核合意(JCPOA)に関する欧州諸国の義務履行について不満を述べている。

 5.アメリカとの対立:アメリカの過去の行動とその影響について批判し、イランの権利と尊厳を主張しつつ、アメリカが過去の誤りから学び、新たな政策を採用することを求めている。

 6.南米との関係:南米諸国との関係を強化し、経済・技術協力を進める意向を示している。

 このメッセージは、イランの外交政策が国際関係のバランスを取ることを重視しており、地域内外でのパートナーシップの強化を目指していることが明示されている。

【詳細】

 マスウード・ペゼシュキヤーン氏のイラン次期大統領としてのメッセージには、以下のような詳細な要素が含まれている。

 1. 緊張緩和と誠実な対応

 ・緊張緩和:新政府は、国際的な緊張を緩和するために誠実に努力するとしている。イランは、対話と協力を通じて、他国との関係を改善し、互いの信頼を築くことを重視している。
 ・誠実な対応:他国からの誠実な対応には、自国も誠実に応じる姿勢を示している。これは、イランが他国との対話や交渉において信頼性を持ちたいという意向を反映している。

 2. 地域との協力

 ・近隣諸国との関係強化:トルコ、サウジアラビア、オマーン、イラクなどとの関係を強化し、経済的、貿易的な協力を深めることを目指している。特に、軍拡競争や不必要な対立を避け、地域全体の進展を促進するために資源を有効に活用することを提唱している。
 ・「強い地域」の形成:地域の安定と発展を目指し、一国だけが支配的な役割を果たすのではなく、全体としての発展を追求する姿勢を示している。

 3. 中国とロシアとの関係

 ・中国とのパートナーシップ:イランと中国との25ヵ年ロードマップを強調し、このパートナーシップが「包括的戦略的パートナーシップ」の構築に向けた重要なステップであると述べている。中国がサウジアラビアとの関係正常化を促進した点にも言及し、イランの外交政策が中国との協力を重視していることを示している。
 ・ロシアとの協力:ロシアとの関係も重視し、BRICS、SCO、EEUなどの枠組みでの協力を強化する意向を示している。特に、ロシアとウクライナの平和を願い、外交的取り組みを支援する姿勢を表明している。

 4. ヨーロッパとの関係

核合意(JCPOA)への対応:ヨーロッパ諸国が核合意からの義務を履行していないと批判し、イランが一方的に義務を履行していることに対する不満を示している。イランは、平等と相互尊重に基づいた関係の改善を望んでおり、建設的な対話を呼びかけている。
 ・協力の可能性:経済・技術協力、エネルギー安全保障、トランジット輸送ルート、環境問題など、協力可能な分野が多く存在するとし、これらの分野での関係の深化を目指している。
 
 5. アメリカとの対立

 ・過去の行動への批判:アメリカが核合意から一方的に離脱し、イランに対して違法な制裁を課したことを批判している。アメリカの政策がイランに多大な損害をもたらしたと述べ、アメリカが過去の誤りから学び、新たな政策を採用するよう求めている。

 ・地域の戦争と対立の扇動:アメリカの行動が地域の緊張を悪化させているとし、イランが持つ現実的な立場を受け入れるようにと主張している。

 6. 南米との関係

 ・協力の強化:南米諸国との関係の深化を目指し、経済・技術協力を進める意向を示している。南米との関係が持つ潜在的な可能性を重視し、これらの国々との協力を強化していくとしている。

 ペゼシュキヤーン氏のメッセージは、イランが国際的なバランスを取ることを重視し、地域や世界のパートナーとの関係強化を通じて、国際舞台での役割を果たそうとする姿勢を強調している。

【要点】
 
 マスウード・ペゼシュキヤーン氏のメッセージの主要なポイントを箇条書きで説明する。

 緊張緩和と誠実な対応

 ・緊張緩和: イランの新政府は、国際的な緊張を緩和するために誠実に努力する意向を示している。
 ・誠実な対応: 他国からの誠実な対応には、自国も誠実に応じる姿勢を強調。

 地域との協力

 ・近隣諸国との関係強化: トルコ、サウジアラビア、オマーン、イラクなどと経済・貿易の協力を深化させる。
 ・「強い地域」の形成: 軍拡競争を避け、地域全体の進展と発展を目指す。

 中国とロシアとの関係

 ・中国とのパートナーシップ: 25ヵ年ロードマップにより「包括的戦略的パートナーシップ」の構築を目指す。
 ・ロシアとの協力: BRICS、SCO、EEUなどの枠組みでの協力を優先し、ロシアとウクライナの平和を支援する意向。

 ヨーロッパとの関係

 ・核合意(JCPOA)への対応: ヨーロッパ諸国が核合意の義務を履行していないと批判。
 ・協力の可能性: 経済・技術協力、エネルギー安全保障、環境問題などでの関係深化を目指す。

 アメリカとの対立

 ・過去の行動への批判: アメリカが核合意から一方的に離脱し、制裁を課したことを批判。
 ・地域の戦争と対立の扇動: アメリカの行動が地域の緊張を悪化させているとし、現実を受け入れるよう求める。

 南米との関係

 ・協力の強化: 南米諸国との関係の深化を目指し、経済・技術協力を進める意向を示す。

【引用・参照・底本】

イラン次期大統領ペゼシュキヤーン氏が世界に向け発したメッセージ ParsToday 2024.07.13
https://parstoday.ir/ja/news/iran-i124902

西側(スウェーデン)が人権を独占2024年07月13日 21:25

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【概要】

 ハミード・ヌーリー氏のケースは、スウェーデンとイランの間の緊張を引き起こした一連の出来事の一部である。2019年にスウェーデンで逮捕されたヌーリー氏は、反イラン組織MKOの告発に基づき終身刑を宣告されたが、最終的に2024年6月に解放された。

 ヌーリー氏は西側諸国が「人権」を独占し、それを利用して他国を批判することを非難している。彼は自身の長期勾留中に肉体的、精神的な拷問を受けたと主張しており、これを「西側流の人権」として強く批判している。

 この事件は、国際的な人権問題に対する見方の違いを浮き彫りにしており、特に西側諸国とその他の国々の間の緊張を再認識させるものとなっている。

【詳細】

 ハミード・ヌーリー氏の事件は、国際政治と人権問題の複雑な絡み合いを象徴するものである。以下にこの事件の詳細とその背景を説明する。

 事件の経緯

 1.逮捕と拘留

 ・2019年11月9日: ハミード・ヌーリー氏はスウェーデンを訪問中に逮捕された。彼は養女の家庭内の問題を解決するためにスウェーデンに来たとされている。
 ・逮捕理由: スウェーデンの治安部隊は、ヌーリー氏が反イラン組織MKO(モジャーヘディーネ・ハルグ)の告発に基づき逮捕された。MKOは、イラン政府に反対する組織であり、過去にはテロ活動も行っていたとされている。

 2.裁判と判決

 ・2022年7月14日: スウェーデンの裁判所はヌーリー氏に対し、終身刑を言い渡した。告発の内容は、1980年代のイラン国内の大量処刑に関与したというものであった。
 ・拘留期間: ヌーリー氏は1680日間、すなわち約4年半にわたり拘留されていた。

 3.解放と帰国

 ・2024年6月中旬: ヌーリー氏は最終的に釈放され、イランに帰国した。彼の解放はイラン国内で大きな注目を集めた。

 ヌーリー氏の主張

 1.人権に関する批判

 ・ヌーリー氏は、西側諸国が「人権」を自分たちだけのものとし、それを他国に対する圧力手段として利用していると批判した。
 ・彼は自身の逮捕と長期勾留が人権侵害であり、これを行ったのが自称「人権擁護者」である西側諸国であると指摘した。

 2.拘留中の待遇

 ・ヌーリー氏は拘留中、独房に隔離され、肉体的、精神的、心理的な拷問を受けたと主張している。
 ・これをもって、西側の人権の主張は偽善的であり、実際には彼らも人権侵害を行っていると非難した。

 国際的な反響と影響

 1.スウェーデンとイランの関係

 ・この事件はスウェーデンとイランの外交関係に緊張をもたらした。イランはヌーリー氏の逮捕と拘留を非難し、彼の解放を求めていた。
 ・一方で、スウェーデンは独自の司法制度に基づき、公正な裁判を行ったと主張している。

 2.国際人権問題

 ・ヌーリー氏の事件は、国際社会における人権問題の複雑さを浮き彫りにした。特に、西側諸国の人権擁護の主張と実際の行動との間にある矛盾が注目されている。

 3.政治的利用:

 ・イラン政府はこの事件を利用して、西側諸国の人権政策の偽善を批判する材料としている。一方で、西側諸国はイラン国内の人権状況を引き続き批判している。

 まとめ

 ハミード・ヌーリー氏の事件は、国際政治、人権問題、司法の独立性などが交錯する複雑な事例である。彼の主張は、国際社会における人権の基準やその運用に対する疑問を投げかけており、今後も議論の対象となるだろう。

【要点】
 
 事件の経緯

 ・2019年11月9日: ハミード・ヌーリー氏がスウェーデンで逮捕される。
  理由: 反イラン組織MKOの告発に基づく。
 ・2022年7月14日: スウェーデンの裁判所がヌーリー氏に終身刑を宣告。
 ・2024年6月中旬: ヌーリー氏が解放され、イランに帰国。

 ヌーリー氏の主張

 ・人権に関する批判

  ・西側諸国が「人権」を独占し、他国への圧力手段として利用していると批判。
  ・自身の逮捕と長期勾留を人権侵害とし、西側諸国の偽善を指摘。
 
 ・拘留中の待遇

  ・独房に隔離され、肉体的、精神的、心理的な拷問を受けたと主張。
  ・西側の人権擁護の主張が偽善的であると非難。

 国際的な反響と影響

 ・スウェーデンとイランの関係
イランがヌーリー氏の逮捕と拘留を非難し、解放を要求。
  ・スウェーデンは公正な裁判を行ったと主張。

 ・国際人権問題

  ・西側諸国の人権擁護の主張と実際の行動との矛盾が注目される。

 ・政治的利用

  ・イラン政府が西側諸国の人権政策の偽善を批判する材料として利用。
  ・西側諸国がイラン国内の人権状況を引き続き批判。

 まとめ

 ・ハミード・ヌーリー氏の事件は、国際政治、人権問題、司法の独立性などが交錯する複雑な事例。
 ・ヌーリー氏の主張は、国際社会における人権の基準やその運用に対する疑問を投げかけ、今後も議論の対象となる。 

【引用・参照・底本】

ヌーリー氏、「西側は人権を自分たちだけのものにしている」自身を長期勾留したスウェーデンの欺瞞に言及 ParsToday 2024.07.10
https://parstoday.ir/ja/news/iran-i124850

BRICS:不公平な国際的枠組みの代替プラットフォーム2024年07月13日 21:56

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【概要】

 エチオピア上院議長のアゲグネフ・テシャガー氏が強調したように、アフリカ諸国のBRICS加盟への関心は、BRICSブロックにとってのアフリカ大陸の潜在力と戦略的重要性を強調している。サンクトペテルブルクで開催されたBRICS議員フォーラムで、テシャガー氏は、多くのアフリカ諸国がBRICSのメンバーになることを熱望していることを強調し、BRICSは現在の不公平である国際的枠組みの代替プラットフォームとして期待されていると強調した。また、経済が急速に発展するエチオピアは、BRICSのアフリカへの重要な玄関口として機能していると指摘した。

テシャガー氏の発言は、フォーラムで表明された幅広い意見と一致している。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、BRICS加盟国間の議会間協力に対する世界的な関心の高まりに言及し、18カ国から400人の代表がフォーラムに参加したことに反映されていると述べた。BRICSに対する国際社会の信頼と関心の高まりは、BRICSの原則がより広く共鳴していることを示唆している。

BRICSは、2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2011年に南アフリカが加わったが、最近ではエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦が正式メンバーとして参加するまでに拡大した。この拡大は、確立された世界秩序に代わるものとしてのBRICSプラットフォームの影響力と魅力の増大を意味している。

【詳細】

 エチオピアの上院議長であるアゲネフ・テシャゲル氏が、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の一員としてのエチオピアおよびアフリカ大陸の役割について強調した。彼は、BRICS議会フォーラムの際にRTに対し、アフリカの多くの国々がBRICSに参加することを強く希望していると述べた。

 テシャゲル氏は、エチオピアがBRICSにとってアフリカへの玄関口であることを強調し、同国の急速な経済発展と大陸全体の潜在能力に注目した。彼の発言によると、エチオピアはBRICSにとってアフリカへの入口であり、アフリカはBRICSにとって非常に大きな可能性を秘めているとのことである。

 さらに、テシャゲル氏は現行の国際体制を「非常に不公平」と批判し、特に国連や他の国際機関の構造に改革が必要だと指摘した。彼はBRICSを、加盟国にとっての代替プラットフォームとして位置づけ、現行の国際組織に対する不満を示した。

 このフォーラムでロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、BRICS加盟国間の議会間協力への関心が高まっていると述べた。彼は、BRICS議会フォーラムに世界の18カ国から400人の代表が参加していることが、この協力の増加と国際社会からの信頼の向上を示していると強調した。

 BRICSは2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2011年に南アフリカが参加した。今年はエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦が新たにフルメンバーとして加わり、BRICSはさらに拡大した。現在、ロシアがBRICSの議長国を務めている。

 テシャゲル氏の発言は、BRICSが多くの国にとって国際的な舞台での重要なプレーヤーとして認識されていることを示している。特にアフリカにおいて、BRICSは既存の国際体制に対する代替としての役割を果たすことが期待されている。このような背景から、アフリカ諸国のBRICSへの関心が高まり続けている。

【要点】
 
 エチオピア議会議長のアゲネフ・テシャゲル氏によるBRICSに関する主張を以下に箇条書きでまとめる。

 1.アフリカ諸国の関心

 ・多くのアフリカ諸国がBRICSへの参加を強く希望。
 ・BRICSがアフリカにとって代替プラットフォームとして魅力的である。

 2.エチオピアの役割

 ・エチオピアはBRICSにとってアフリカへの玄関口。
 ・エチオピアの経済は急速に発展しており、大きな潜在能力を持つ。

 3.国際体制への批判:

 ・現行の国際体制(特に国連の構造)は非常に不公平。
 ・国際機関の改革が必要。

 4.BRICSの拡大

 ・BRICSは2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2011年に南アフリカが参加。
 ・今年、新たにエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦がフルメンバーとして参加。

 5.フォーラムの詳細

 ・BRICS議会フォーラムが7月11日から12日にサンクトペテルブルクで開催。
 ・フォーラムには世界18カ国から400人の代表が参加。

 6.プーチン大統領の発言

 ・BRICS加盟国間の議会間協力への関心が高まっている。
 ・BRICSの原則が国際社会から高い信頼を受けている。 

【引用・参照・底本】

Africa interested in BRICS – Ethiopian parliament speaker RT 2024.07.13
https://www.rt.com/africa/600939-africa-interested-brics-ethiopia/

アフリカ:植民地主義の影響を強く意識2024年07月13日 22:32

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【概要】

 故エジプト大統領の孫で、アフリカ・レガシー・フォーラムの創設メンバーであるガマル・アブデル・ナセルは、最近、RTとのインタビューで、アフリカにおけるヨーロッパの歴史的、現代の干渉についての見解を語った。

 ナセル氏のコメントは、EUのジョセップ・ボレル外交政策委員長が、アフリカの人々のロシア支持が驚くほど高いことを指摘し、これに対処するための新たなEUメディア戦略の必要性を示唆したことに対する反応である。ボレル氏の提案は、正確な情報を提供し、選挙干渉を防ぐために、情報戦と対抗プログラミングに焦点を当てることだった。

 ナセルは、アフリカとロシアの歴史的な協力を強調し、アフリカ解放運動中にソ連が提供した支援を想起した。彼はこれを、ヨーロッパの植民地主義と進行中の政治的・軍事的干渉の負の遺産と対比させた。ナセル氏は、アフリカ諸国はガバナンス、財政政策、国際同盟に左右されることなく、公正な基準で各国と協力する用意があると強調した。

 ロシアとアフリカ諸国の関係強化は、西側諸国からの大きな圧力にもかかわらず、48カ国が参加した2023年のサンクトペテルブルクでのロシア・アフリカ首脳会議で強調された。クレムリンはこれらの圧力を非難し、アフリカ諸国が独自にパートナーを選ぶ主権的権利を強調した。

【詳細】

 ガマル・アブデル・ナセルは、エジプトの故大統領ガマル・アブデル・ナセルの孫であり、African Legacy Forumの創設メンバーである。彼は最近RTのインタビューで、アフリカにおけるヨーロッパの過去と現在の干渉について詳述した。

 歴史的背景と現代の干渉

 ナセルは、アフリカの国々が植民地支配の過去を完全に記憶しており、そのためヨーロッパの行動に対して慎重であると述べた。彼は、アフリカの人々が過去の出来事を忘れていないことを強調し、ヨーロッパ諸国がアフリカと協力したいのであれば、過去の行いを忘れないようにすべきだと主張した。

 EU外務高官ジョセップ・ボレルの発言

 ナセルのコメントは、EUの外務・安全保障政策上級代表ジョセップ・ボレルがアフリカの人々がロシアを支持するレベルの高さに驚いたことを受けてのものである。ボレルは、EU全体で新しいメディア戦略、特に情報戦に焦点を当てたアプローチが必要であると述べた。彼は、ネットワークを監視し、正しい情報を提供し、選挙プロセスへの干渉を避けるための対策が必要であると強調した。

 アフリカとロシアの関係

 ナセルは、アフリカとロシアの間には歴史的に良好な関係があったと述べた。特に、ソ連がアフリカの解放運動を支援したことを思い出した。彼は、ロシアとの関係には浮き沈みがあったものの、ヨーロッパの植民地支配の歴史に比べればはるかに良好だったと強調した。

 現代の干渉とネオコロニアリズム

 ナセルは、ヨーロッパ諸国がアフリカに対して政治的および軍事的な干渉を続けていることを指摘し、これは「新植民地主義(ネオコロニアリズム)」であると述べた。彼は、アフリカの国々が公平な基盤で協力する国々と仕事をしたいと考えており、ガバナンスや財政政策、国際的な支援先について指図されることを望んでいないと強調した。

 ロシアとアフリカの協力強化

 近年、ロシアとアフリカの協力関係は強化されてきた。2023年にサンクトペテルブルクで開催されたロシア・アフリカサミットには、48か国の代表団が参加した。このサミットでは、「前例のない」圧力を参加者が西側から受けたと述べ、アフリカ諸国の参加を妨げようとする西側の動きをクレムリンは非難した。クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフは、「本質的に、彼らはアフリカ諸国が独立してパートナーを選び、協力を拡大し、さまざまな分野で交流する主権的権利を認めていない」と非難した。

 ナセルのコメントとこれらの動きは、アフリカが過去の植民地主義の影響を強く意識しており、自国の主権を尊重するパートナーと協力する意志を示している。

【要点】 

 ガマル・アブデル・ナセルのコメントの要点

 1.歴史的背景と現代の干渉

 ・アフリカの国々は植民地支配の過去を記憶しており、ヨーロッパの行動に慎重。
 ・過去の出来事を忘れず、協力を求めるなら過去を認識する必要がある。

 2.EU外務高官ジョセップ・ボレルの発言

 ・ボレルは、アフリカの人々がロシアを支持するレベルの高さに驚き。
 ・EU全体で新しいメディア戦略、特に情報戦に焦点を当てたアプローチが必要。

 3.アフリカとロシアの関係

 ・アフリカとロシアの間には良好な歴史的関係。
 ・ソ連がアフリカの解放運動を支援したことを思い出し、ヨーロッパの植民地支配に比べて良好。

 4.現代の干渉とネオコロニアリズム

 ・ヨーロッパ諸国はアフリカに対する政治的および軍事的干渉を続けている。
 ・アフリカは公平な基盤で協力する国々と仕事をしたいと考え、指図されることを望まない。

 5.ロシアとアフリカの協力強化

 ・ロシアとアフリカの協力関係は近年強化されている。
 ・2023年のロシア・アフリカサミットには48か国が参加し、西側からの圧力を受けたが参加。
 ・クレムリンは、西側諸国がアフリカ諸国の独立したパートナー選びを認めていないと非難。

 まとめ

 ・ナセルのコメントは、アフリカが植民地主義の影響を強く意識しており、主権を尊重するパートナーと協力する意志を示している。 

【引用・参照・底本】

No ‘memory loss’ in Africa about colonial past – grandson of ex-Egyptian president to RT RT 2024.07.13
https://www.rt.com/africa/600957-grandson-nasser-colonial-past/