イタリアの悩み、BRI2023年08月01日 18:50

(無題)(国立国会図書館デジタルコレクション)
 イタリアは中国が提唱した「一帯一路イニシアティブ(BRI)」から撤退する可能性に直面している状況を報じている。イタリアの防衛大臣、Guido Crosetto氏は、BRIに参加した決定を「即興的で残酷」と形容し、イタリア政府がBRIとの合意を更新するかどうかを検討していると発言している。この決定は、現政府が右派であることに一部起因しているものの、主な要因は米国と欧州連合(EU)からの圧力の増大によるものであり、地政学的な対立が強まっている背景がある。

 イタリアの政策転換は、イタリア単独では抵抗し難い経済・貿易問題に対して欧州全体で安全保障の概念を拡大しているという傾向を示しており、また米国との連携を強化していることもある。

 イタリアの閣僚たちや専門家たちは、BRIがイタリアに実質的な利益をもたらさなかったと批判しているが、公式のデータによると、中国とイタリアの双方向貿易は過去4年間で増加し続けているとのことである。

 イタリアはBRIからの撤退を決定する前に、中国との実務的な協力を維持する姿勢を示しており、BRIの決定はまだ行われておらず、締め切り前に行う必要もないとされている。また、BRIの展望は、参加国がフレームワークにとどまるかどうかではなく、実際にどれだけのプロジェクトが実施され、参加者がどれだけの利益を享受できるかによって決まるとの意見もある。

 Cui Hongjian氏は、イタリアのBRIに対する決定と同国の中国との関係に対する態度を等価視するような西洋メディアの陰謀に中国が陥るべきではないと強調している。また、イタリアがBRIを離脱した場合、それはBRI自体にとっては残念なことかもしれないが、大きな問題ではないと述べている。

 イタリアのBRIに対する立場と決定について、イタリア政府の内外の要因を考慮し、多角的な視点から報じている。

【要点】
一帯一路構想(BRI)に留まるかどうかをめぐるイタリアのジレンマについて書かれている。 右派ポピュリストである現政権は米国とEUから一帯一路離脱の圧力を受けている。 しかし、政府は中国をパートナーともみなしており、中国との関係を損なうことを望んでいない。

グイド・クロセット国防相は、一帯一路への参加決定は「即興で残虐だった」と述べた。 同氏はまた、政府は中国との関係を損なうことなく一帯一路から離脱する方法を依然として模索していると述べた。

ジョルジア・メローニ首相は、一帯一路に残留するか脱退するかの決定は12月までに最終決定されると述べた。 彼女はまた、この問題について中国政府と話し合うため、近い将来北京を訪問する予定であるとも述べた。

一部のアナリストは、一帯一路に関するイタリアの決定は一帯一路自体にとって大したことではないと考えている。 彼らは、一帯一路はウィン・ウィンの協力を目的とするものであり、加盟国に義務を課したり拘束力のある条項を課すものではないと主張する。

他のアナリストは、イタリアの決定が一帯一路に悪影響を与える可能性があると考えている。 イタリアは経済大国であり、同国の一帯一路離脱決定は他国の参加を思いとどまらせる可能性があると彼らは主張している。

イタリアがどう決断するかは時間が経てば分かるだろう。 しかし、記事はイタリアが難しいジレンマに直面していることを示している。 政府は中国と良好な関係を維持したいと考えているが、米国とEUからの一帯一路離脱の圧力も受けている。

一帯一路は中国が2013年に着手した大規模インフラプロジェクト。

一帯一路は中国の影響力を拡大する手段であるとして一部の国から批判されている。

イタリアはG7とNATOの加盟国であり、どちらも一帯一路に反対しているとみられている。

イタリア政府は米国とEUから一帯一路離脱の圧力を受けている。

イタリア政府は依然として一帯一路に残留するか離脱するかを決定しようとしている。

引用・参照・底本

「Italy's BRI dilemma worsens as US steps up 'coercion on allies': experts」 GT 2023.07.31

「イタリア国防相『一帯一路への参加はひどい決定』」 中央日報 2023.07.31

「Don't let quitting BRI become Italy's regret: Global Times editorial」 GT 2023.08.01

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