日中韓三国間の高級事務レベル協議に焦点を当てている。

　協議の背景と目的: 2023年9月末、ソウルで行われた日中韓高級事務レベル協議について述べられている。この協議は、日本、中国、韓国の三国が協力を再活性化しようとする試みであり、注目すべきは、この協議が米国の介入なしに行われたことである。

　協議の背後にある理由: 米国がアジアにおける反中国のミニ同盟を築くために日本と韓国の首脳を招集し、キャンプデービッドで会談を行ったことに触れている。一方、今回の協議はアジア協力を強調し、中国の参加を許容したもので、日本と韓国は米国に100％依存しないことを目指している。

　日本と韓国の視点: ワレリー・キスタノフ氏は、日本と韓国が米国に対する不安定性を考慮し、独自の外交政策を模索している可能性を指摘している。特に、米国のアフガニスタンからの撤退に関する不安定性が挙げられており、日本と韓国は中国との協力を重視している。

　地理的要因: 米国は日本から遠く離れており、中国と韓国は隣接国であるため、地理的な要因も協力を奨励している。特に、日本政府と韓国政府は、中国との関係を改善し、経済的利益を追求しようとしている。

　協議の影響: この協議は、アジアにおける日中韓の関係に新たな要因を導入し、米国主導の「キャンプデービッドのトロイカ」とは異なるトロイカの競争が存在することを示唆している。韓国は、日中韓三国の首脳会談の開催にも支持を表明しており、これは今後の協力と対話の重要な一歩となるだろう。

　日中韓三国の外交協議に焦点を当て、米国との関係、地理的要因、独自の国益に基づく協力の動機などについて述べている。

【要点】

2023年9月26日に韓国のソウルで開催された日中韓高級事務レベル協議は、米国抜きで行われたことが注目された。

この協議の目的について、中国現代アジア研究所日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏は、次の2つであると分析している。

・日本と韓国は、中国との関係を維持・改善したいという意向を示すため。
・米国の反中国政策に対抗するため。

キスタノフ氏によると、日本はトランプ政権時の米国による対日安全保障に対する疑問から、米国に100％頼ってはいけないという考えが広がっているという。また、米国は日本から遠く離れているのに対し、中国は韓国と同じく隣国であるため、日本と韓国は中国との関係を良好に保つことが重要であると考えている。

さらに、キスタノフ氏は、中国も日本と韓国を反中国のキャンプデービッド路線から引き離し、自国側に引き入れたいと考えており、そのために今回の協議への参加に同意したと分析している。

今回の協議は、日中韓3か国の関係に新たな刺激を与えるものであり、今後、3か国間の協力が拡大していく可能性もある。また、米国の反中国政策に対抗する動きとして、新たな勢力図が形成される可能性もある。

具体的には、以下の3つの可能性が考えられる。

・日中韓3か国が米国抜きで協力関係を強化する。
・日中韓3か国と米国が、新たな形で協力関係を構築する。
・日中韓3か国と米国が、対立関係を深める。

今後の動向が注目される。

以下に、具体的な協議内容を述べる。

・日中韓3カ国協力を「再活性化」させる契機となることが評価された。
・協議には、日本から船越健裕外務審議官が出席した。
・協議は米国抜きで行われた。
・協議の目的は、日中韓3カ国の関係を再活性化することであり、日本と韓国は、中国との協力を維持し、米国に100％頼ってはいけないという考えを表明した。
・中国現代アジア研究所日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏は、今回の協議には以下の2つの理由があると分析している。

　・日本と韓国は、中国政府との協力を維持しようとしている。
　・米国と中国の間で繰り広げられているグローバルかつ苛酷な争いによる悪影響を回避したい。

今後、日中韓3カ国は、経済協力や安全保障など、さまざまな分野で協力を深めていくものと予想される。

・日本と韓国は、米国に100％頼ってはいけないと考え、中国との関係改善を図りたい。
・日本と韓国は、中国との関係改善を通じて、米国と中国の覇権争いの悪影響を回避し、独自の経済的利益を追求したい。

【桃源寸評】

　日韓などは、米国にとってみれば＜秋の扇＞の如しである。日韓、中国と＜肝胆相照らす＞と云うには、未だ眉唾物である。
　ウクライナを観れば、米国(西側)の思考形式が国際社会から疎んじられていることが分る。　

引用・参照・底本

【視点】「米国に100％頼ってはいけない」　日中韓協議の目的とは SPUTNIK 2023.10.01