中国外交の活躍の場2024年03月09日 22:09

国立国会図書館デジタルコレクション「蛍狩当風俗」を加工して作成
 王毅氏が中国のグローバル・ガバナンス構想を説明し、広がる中国外交の活躍の場に関する報道である。

 王毅氏は、中国の外交政策や対外関係について、国内外報道陣の質問に答えた。専門家によると、王氏は「平等で秩序ある世界の多極化」と「あまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化」の2つの大きな主張を詳細に説明し、グローバル・ガバナンスにおける中国の提案を具体的に示したとされている。

まず、「平等で秩序ある世界の多極化」について、王氏は、各国の平等な権利、機会、ルールを体現し、国際問題の独占を防ぐことが重要であると指摘した。中国は世界の多極化を支持し、大国間の安定を維持し、周辺諸国と協力して共に歩むことを提唱している。

 次に、「あまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化」について、王氏は、経済発展のパイを大きくし、他国に損害を与えることなく利益を共有することが重要であると述べた。中国は具体的な開放政策を打ち出し、世界経済の健全な発展を促進する取り組みを行っている。

 さらに、王氏は人工知能(AI)ガバナンスについても言及し、「科学技術の独占・封鎖、障壁の設置」は避けるべきだと主張した。中国は開放と包摂を堅持し、世界に新たな機会をもたらすことを目指していると述べた。

 これらの発言は、中国がグローバルなリーダーシップを目指し、国際社会との協力を強化していることを示している。

【視点】

王毅中共中央政治局委員(外交部長)は3月7日、中国の外交政策や対外関係について国内外報道陣の質問に答えた。この記者会見は、中国が世界をどのように見ているかを説明し、「平等で秩序ある世界の多極化とあまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化の提唱」という2つの大きな主張を詳細に説明した。これは、グローバル・ガバナンスにおける「中国の案」をより具体的に示したと言えるだろう。

1. 平等で秩序ある世界の多極化

王氏は、「平等な多極化」とは、権利、機会、ルールにおける各国の平等を体現するものであり、特定または少数の大国による国際問題の独占を認めないことだと説明した。また、「秩序ある多極化」とは、国連憲章の趣旨と原則を共同で遵守し、普遍的に認められた国際関係の基本準則を共同で堅持することだと指摘した。

中国は世界の多極化の揺るぎない支持者であり、積極的な推進者である。劉卿中国国際問題研究院副院長は、多極化を推進する方法について、王氏が以下のような具体的な手段を示したと語る。

大国間関係の安定を維持する
周辺諸国と連携して共に歩む
「グローバル・サウス」と共に振興を図る

王氏は、中露関係について、「中露はかつての冷戦時代とは全く異なる新たな大国関係モデルを確立した」と述べた。中米関係については、中国の立場が「相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィン」であることを改めて強調したうえで、言動を一致させて約束を具体的に実行するよう米側に促した。中国EU関係については、「中国EU関係に常に『青信号』がともり、滞りなく進むことを望む。中国とEUが互恵協力を進める限り、陣営対立は生じない」と述べた。

高飛中国外交学院副院長は、「今年は中露国交樹立75周年と中米国交樹立45周年にあたる。このような時代的節目において、大国間の良好な相互作用を促進することは、真の多国間主義の実践と世界の戦略的安定性の維持にとって重要な価値がある」と語る。

2. あまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化

王氏は、「あまねく恩恵を及ぼすグローバル化」とは、経済発展のパイを大きくし、うまく分け合うものだと説明した。また、「包摂的なグローバル化」とは、発展モデルを単一化せず、他国に損害を与えて自国に利益をもたらす一国主義や保護主義を放棄することを指すと明確に説明した。

高副院長は、王氏が以下のような具体的な措置を打ち出したと指摘する。

3月14日からスイスなど6ヶ国に対してビザ免除政策を試行
中国駐在の各国外交官による地方訪問などをさらに多く実施
これらは、中国が経済発展のパイを大きくし、上手く分け合い、貿易と投資の自由化及び円滑化をたゆまず促進し、世界経済の健全な発展を妨げる構造的難題を解決しようとしていることを反映している。

王氏は、「一帯一路」共同建設の第2の「黄金の10年」を切り開く方法についても言及した。劉副院長は、「中国は独善的な現代化を追求せず、世界の現代化の加速器となることを望んでいる。『一帯一路』共同建設などの国際公共財は、中国があまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化を推進していることを、最も良く示している」と語る。

3. 人工知能(AI)ガバナンス

王氏は、「AIにおいても『科学技術の独占・封鎖、障壁の設置』を企てるのなら、新たな歴史的過ちを犯すことになる。各国の科学技術の発展を妨げることはできないだけでなく、国際的な産業・サプライチェーンの完全性を損ない、リスクや試練への人類の対処能力を弱めることにもなる」と指摘した。

・平等で秩序ある世界の多極化

王氏は、多極化とは「権利、機会、ルールにおける各国の平等を体現する」ものであり、特定の大国による国際問題の独占を許さないと強調した。また、国連憲章の趣旨と原則を遵守し、普遍的な国際関係の準則を堅持することの重要性を指摘した。

中国は多極化の揺るぎない支持者であり、積極的な推進者です。王氏は、多極化を推進する方法として、大国間関係の安定維持、周辺諸国との連携強化、「グローバル・サウス」との振興などを挙げました。

中露関係については、「かつての冷戦時代とは全く異なる新たな大国関係モデルを確立した」と評価しました。中米関係については、「相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィン」の立場を改めて強調し、米国に言行一致を求めました。中国EU関係については、「常に『青信号』がともり、滞りなく進むことを望む」と述べ、互恵協力を推進することで陣営対立を回避できるとの考えを示した。

・あまねく恩恵を及ぼす包摂的な経済のグローバル化

王氏は、グローバル化とは「経済発展のパイを大きくし、うまく分け合う」ものであり、発展モデルを単一化せず、一国主義や保護主義を放棄することの重要性を指摘した。

中国は包摂的な経済のグローバル化を推進するために、具体的な開放措置を打ち出しています。3月14日からスイスなど6ヶ国に対してビザ免除政策を試行し、中国駐在の各国外交官による地方訪問などをさらに多く実施する予定である。

「一帯一路」共同建設は、包摂的な経済のグローバル化を推進する中国の代表的な取り組みです。王氏は、「一帯一路」が「世界の現代化の加速器」となることを目指していると述べた。

・グローバル・ガバナンスへの貢献

王氏は、人工知能(AI)などの新興技術についても言及し、「科学技術の独占・封鎖、障壁の設置」に反対する立場を表明した。

中国はグローバル・ガバナンスに関与し、これをリードする過程において、常に開放・包摂という建設的立場を堅持している。自国の新たな発展によって世界に新たな機会をもたらすことを目指している。

・王毅外相の記者会見は、中国外交の重点とグローバル・ガバナンスへの貢献を理解する上で重要な資料である。中国は、国際社会における責任ある一員として、世界の平和と発展に貢献していくことを目指している。

引用・参照・底本
 
王毅氏が中国のグローバル・ガバナンス構想を説明、広がる中国外交の活躍の場 人民網日本語版 2024.03.08

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