バイデン、台湾独立を支持せず2024年04月03日 22:38

国立国会図書館デジタルコレクション「月百姿 金時山の月 (つきの百姿)」を加工して作成
 2024年4月2日の夜、習近平国家主席とバイデン米大統領の間で電話会談が行われた。両首脳は中米関係および双方が共に関心を寄せる問題について率直かつ踏み込んだ意見交換を行った。

 習主席は、昨年11月にバイデン大統領とサンフランシスコで行った会談で「サンフランシスコ・ビジョン」(註)をスタートさせたことを挙げ、「この数カ月、双方のチームが共通認識を実行に移している一方で、両国関係におけるネガティブな要素も増えている」と指摘した。

 彼は、今年の中米関係における堅持すべき大きな原則として、和を重んじ、衝突や対抗を避け、プラスの期待を高めていくこと、安定を重視し、挑発を避け、全体的な安定を保つこと、そして信頼に基づいて約束を実行し、『サンフランシスコ・ビジョン』を現実に変えることを挙げた。

 さらに、台湾問題は中米関係における最も越えてはならないレッドラインであり、米国は台湾独立を支持しない姿勢を行動に移すよう求めた。また、中国の正当な発展の権利を奪おうとする米国の行動に対し、中国も座視できないとした。

 これに対し、バイデン大統領は、サンフランシスコでの会談以降の米中関係の進展が、双方が協力を進め、意見の相違を責任を持って管理できることを示していると述べた。また、新たな冷戦の進行や中国の体制変更を求めず、同盟関係の強化を通じて中国に反対せず、台湾独立を支持せず、中国との衝突を避ける意向を表明した。さらに、米国は一つの中国政策を遂行しており、中国の発展を抑制することや中国とのつながりを断つことを求めていないと述べた。

【視点】

中国国営放送のCRIによると、習近平国家主席とアメリカのジョー・バイデン大統領の間で電話会談が行われた。両国首脳は中米関係や共通の関心事について率直で具体的な意見交換を行った。

習主席は、昨年11月にバイデン大統領とのサンフランシスコでの会談を引用し、「サンフランシスコ・ビジョン」をスタートさせたことを強調した。また、両国のチームが共通認識を実行に移している一方で、両国関係におけるネガティブな要素も増えているとの懸念を示した。

習主席は、今年の中米関係における重要な原則として以下の3点を指摘した。

・和を重んじ、衝突や対立を避け、中米関係のプラスの期待を高めること。
・安定を重視し、挑発や急進的な行動を避け、全体的な安定を保つこと。
・信頼に基づいて約束を果たし、サンフランシスコ・ビジョンを実現すること。

さらに、台湾問題に触れ、「台湾問題は中米関係において最も越えてはならないレッドラインである」と述べ、米国に対し、「台湾独立」を支持しない姿勢を行動で示すよう要求した。

これに対し、バイデン大統領は、サンフランシスコでの会談以来の進展を称賛し、「新たな冷戦」を求めず、中国の体制変更を望まず、同盟関係の強化を通じて中国に対抗するつもりはないことを再確認した。また、米国は一つの中国政策を堅持し、中国の発展を支持する立場を表明した。

(註)
「サンフランシスコ・ビジョン」は、2023 年 11 月に中国の習近平国家主席とアメリカのジョー・バイデン大統領がカリフォルニア州サンフランシスコで開催した会談で発表された米中関係の新しい枠組みである。このビジョンは、両国が協力して、より平和で繁栄した世界を築くことを目指している。

サンフランシスコ・ビジョンには、次の 5 つの柱がある。

・相互尊重
・平和的共存
・互恵協力
・大国の責任
・人文交流

このビジョンはまだ初期段階にあり、今後さらに詳細が詰められる予定である。しかし、中米関係の新たな時代を築くための重要な一歩と見なされている。

サンフランシスコ・ビジョンは、次のような理由で重要である。

・世界の2 つの最大経済国間の関係を安定させる可能性を秘めている。
・競争と対立がますます激化する世界において、協力と協調の必要性を強調している。
・地球規模の課題、気候変動、テロなどへの対応に両国が協力する道を開く。

もちろん、サンフランシスコ・ビジョンには課題も多くある。

・中米両国は、人権、貿易、台湾など、多くの問題で意見の相違がある。
・両国の国内政治は、ビジョンの実行を困難にする可能性がある。
・ビジョンは野心的であり、実現には多くの時間と努力が必要となる。

しかし、サンフランシスコ・ビジョンは、中米関係の未来にとって重要な一歩である。成功すれば、世界全体に利益をもたらす可能性がある。

サンフランシスコ・ビジョンが成功するかどうかはまだ分からない。しかし、それは米中関係の未来にとって重要なマイルストーンである。

サンフランシスコ・ビジョンの成功は、両国がビジョンの原則を実行する意思があるかどうかにかかっている。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

習主席 バイデン米大統領と電話会談 CRI 2024.04.03

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