民主主義プロセス:裏の勢力に歪められている2024年07月22日 17:19

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【概要】

 アンドリュー・コリブコの分析は、ジョー・バイデンの再選キャンペーンからの撤退とカマラ・ハリスの民主党候補者としての出現に焦点を当てて、米国政治における最近の出来事を説明している。重要なポイントは次のとおり。

 1.バイデン氏の撤退とハリス氏の支持:バイデン氏の発表は、COVIDによる隔離中と思われていたが、ジョージ・ソロス氏やヒラリー・クリントン氏などの著名人がすぐにハリス氏を支持したことで驚きだった。注目すべきは、オバマがこの動きを公に支持せず、公平な立場を維持することを目指したことだ。

 2.論争と陰謀論:この決定は、オバマとペロシがバイデンを弱体化させるための陰謀説があり、論争に包まれている。この陰謀は、コリブコがバイデンの大統領職に影響を与えていると主張する「リベラル・グローバリスト・ネットワーク」により有利な候補者を擁立することを狙ったとされている。

 3.トランプの暗殺未遂:トランプは暗殺未遂をかろうじて生き延びたが、コリブコは、両党の候補者をエリートが選んだ名目上の人物に置き換えるためのより広範な陰謀の一部だったと示唆している。トランプ氏はその後、JDバンス氏を副大統領に指名した。

 4.二重クーデターとエリート操作:コリブコによれば、これらの出来事は、2つのクーデター未遂を表している:1つは、失敗したトランプに対するクーデターと、成功したバイデンに対するクーデターだ。その目的は、両党の指名をエリートが支配し、選挙結果に関係なく「一党支配」を維持することだった。

 5.民主主義への影響:ハリスの指名獲得への急速な上昇は、民主党内の民主的プロセスに挑戦する、事前に計画されたエリート主導のアジェンダの証拠として描かれている。

 コリブコの視点は、既成政治体制に対する深い懐疑心と、強力なエリートによる舞台裏での操作への信念を示唆している。

【詳細】

 アンドリュー・コリブコの記事は、アメリカ政治情勢における複雑で物議を醸す展開を掘り下げ、エリート間の操作と権力闘争の絵を描いている。ここでは、彼の重要なポイントを詳細に説明する。

 1.バイデン氏の突然の撤退とハリス氏の支持

 ・バイデン氏の発表:ジョー・バイデン大統領は、X(旧ツイッター)アカウントを通じて、再選キャンペーンから撤退する決定を発表した。この発表は、複数回のワクチン接種にもかかわらず、3回目のCOVID-19感染後、隔離されていると思われるときに行われた。
 ・カマラ・ハリスの支持:バイデンの発表の直後、ソロス家やヒラリー・クリントンを含む民主党の著名人は、カマラ・ハリスを新しい民主党候補者として支持した。しかし、バラク・オバマ前大統領はハリス氏を公に支持しておらず、これは政党政治を超越した公平な長老政治家として見せかけようとしたのではないかと推測する人もいる。

 2.物議を醸す状況

 ・健康と老衰の懸念:バイデン氏の認知能力の低下や、オバマ氏やペロシ氏などの民主党の主要人物による裏切りの感情に関する噂や報道が広まっている。ニューヨーク・タイムズは以前、オバマを「操り人形師」と表現し、ペロシを、メディアと党のエリートがバイデンに反対する方向転換を画策する「主要な扇動者」と表現していた。
 ・ガスライティング疑惑:バイデンが撤退するまで、エリートたちは、先月の悲惨な討論会のパフォーマンスの後に明らかになったにもかかわらず、バイデンの認知機能低下を知らないと主張して、国民にガスライティングをしたとされている。

 3. トランプ暗殺未遂事件とその余波

 ・暗殺未遂:ドナルド・トランプ前大統領はかろうじて暗殺未遂を免れたが、コリブコは、バイデンとトランプの両方を選挙戦から排除するためのより大きな陰謀の重要な部分であったと示唆している。
 ・JDバンスを副大統領に:暗殺未遂の後、トランプはJDバンスを副大統領に選んだが、この動きはコリブコの以前の分析で論じられている。

 4. デュアル・クーデターとエリート戦略

 ・トランプに対するクーデターの失敗:最初のクーデターの試みはトランプの暗殺を狙ったが、失敗し、彼は選挙運動を続けることになった。
 ・バイデンに対するクーデターの成功:2回目のクーデター未遂は、バイデンに圧力をかけて辞任させ、カマラ・ハリスを支持し、事実上、彼を選挙戦から排除するというものだった。
 ・エリートの終盤戦:これらのクーデターの企ての目的は、両党の候補者をエリートが承認した名目上の人物に置き換え、選挙結果に関係なく政治情勢の支配を確実にすることでした。エリートの好みは、どうやら民主党の勝利のようだ。

 5. 民主主義への影響

 ・操作と事前に計画された陰謀:コリブコは、ハリスが民主党の指名に急速に上がったのは、民主的なプロセスではなく、エリートによる事前に計画された、部分的に即興の陰謀であると主張している。
 ・民主主義の幻想:ハリスが民主党候補として「戴冠式」を行ったことで、民主党内に残っていた民主的プロセスに関する幻想を打ち砕く。トランプ氏の暗殺は、共和党の党大会をオープンにし、その後の民主党大会の疑いを少なくするだろうという期待があった。
 ・潜在的な内部混乱:ハリス氏の指名にもかかわらず、彼女を邪魔にならないように押し出そうとするエリート反体制派の抵抗がある可能性があるが、彼女の立場は今のところ安全であるようである。
 
 結論

 コリブコの分析は、深い政治的操作とエリートの陰謀の物語を提示し、最近の出来事を、米国の政治システムに対する支配を維持するための大戦略の一部として描写している。この視点は、既成政治体制に対する懐疑論を浮き彫りにし、民主的プロセスが舞台裏の強力なアクターによって破壊されたことを示唆している。

【要点】

 1.Bidenの撤退とHarrisの支持

 ・バイデンの発表:ジョー・バイデン大統領が再選キャンペーンから撤退することをX(旧Twitter)で発表。COVID-19に3回目の感染を理由に隔離中とのこと。
 ・ハリスの支持:バイデンの発表直後、ジョージ・ソロスやヒラリー・クリントンなどの著名な民主党支持者がカマラ・ハリスを新たな候補として支持。バラク・オバマ元大統領は公には支持せず、党内の政治から距離を置く姿勢を見せる。
 
 2.物議を醸す状況

 ・健康と認知機能の懸念:バイデンの認知機能低下やオバマとペロシによる裏切りの感情が噂されている。ニューヨーク・タイムズはオバマを「操り人形師」、ペロシを「主要な扇動者」と表現。
 ・ガスライティングの疑惑:エリートたちはバイデンの認知機能低下について知らなかったと主張し、議論を避けようとした。

 3.トランプへの暗殺未遂とその後

 ・暗殺未遂:ドナルド・トランプ元大統領が暗殺未遂を辛うじて免れた。これはバイデンとトランプを選挙レースから排除するための大規模な計画の一環とされる。
 ・JDヴァンスを副大統領に:暗殺未遂後、トランプはJDヴァンスを副大統領候補に指名。

 4.二つのクーデターとエリートの戦略

 ・トランプに対する失敗したクーデター:トランプを暗殺する計画は失敗し、彼はキャンペーンを続けることに。
 ・バイデンに対する成功したクーデター:バイデンに辞任を促し、カマラ・ハリスを支持させる計画が成功。
 ・エリートの目的:両党の候補者をエリートが選んだ傀儡に置き換え、選挙結果に関係なく政治の支配を維持することが目的。エリートの好みは民主党の勝利。

 5.民主主義への影響

 ・操作と計画的陰謀:ハリスの迅速な候補者としての浮上は、エリートによる計画的で部分的に即興の陰謀の結果。
 ・民主主義の幻想:ハリスの「戴冠」により、民主党内の民主主義のプロセスに対する幻想が打ち砕かれる。
 ・内部対立の可能性:ハリスの指名に対する抵抗が予想されるが、現時点では彼女の地位は確固たるものとされる。

 結論

 Korybkoの分析は、政治的操作とエリートの陰謀が背景にあるとし、最近の出来事をアメリカの政治システムを支配するための大規模な戦略の一環として描いている。この視点は、政治的エスタブリッシュメントへの深い懐疑心を示し、民主主義プロセスが強力な裏の勢力によって歪められていることを強調している。

【参考】

「リベラル・グローバリスト・ネットワーク」という用語は、一般的には世界的な自由主義的価値観を共有し、国際的な協力と統合を推進する政治的、経済的、社会的な勢力を指す。このネットワークは、以下のような特徴や目標を持つとされている。

リベラル・グローバリスト・ネットワークの特徴

自由主義的価値観

個人の自由、民主主義、人権の尊重を重視する。
多様性と包摂性を推進し、平等な社会を目指す。

経済的グローバリズム

自由貿易と国際経済の統合を支持し、貿易障壁の撤廃や国際協定の促進を図る。
国際的な資本の流れや多国籍企業の活動を促進し、経済成長を目指す。

国際協力と統合

国際連合(UN)、世界貿易機関(WTO)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)などの国際機関の強化を支持。
気候変動、貧困、テロリズムなどのグローバルな問題に対する共同の取り組みを推進。

政治的影響力

国内外の政策決定に影響を与えるために、政府、非政府組織(NGO)、シンクタンク、学術機関などと連携。
メディアや教育を通じてリベラルな価値観の普及を図る。

批判と懸念

「リベラル・グローバリスト・ネットワーク」に対する批判や懸念も存在します。以下はその主なポイントである。

主権の侵害

一部の批評家は、グローバリズムが国家主権を侵害し、国民の意思を軽視するものと見なしている。
多国籍企業や国際機関が国内政策に過剰な影響を与えることへの懸念。

経済的不平等

グローバリゼーションが一部の国や地域に富を集中させ、他の地域を経済的に取り残すという批判。

低賃金労働や環境破壊などの問題を引き起こす可能性。

文化の均質化

国際的な統合が各国の独自の文化や伝統を失わせる可能性があるとの懸念。

具体例

政治家と指導者:バラク・オバマ元大統領やビル・クリントン元大統領など、国際協力と自由主義的価値観を推進したリーダーがしばしば関連付けられる。

国際機関:国際連合、世界銀行、国際通貨基金など、グローバルな課題に取り組む主要な機関。

企業とNGO:GoogleやMicrosoftなどの多国籍企業、アムネスティ・インターナショナルやグリーンピースなどの国際的な非政府組織。

結論

「リベラル・グローバリスト・ネットワーク」は、自由主義的価値観と国際的な協力を推進する勢力を指し、その影響力は政治、経済、社会に広がっている。しかし、国家主権や経済的不平等などに関する批判もあり、複雑な問題を含んでいるため、多面的に理解する必要がある。

【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

Kamala’s Coronation As The De Facto Democrat Nominee Dispelled Illusions About Democracy Andrew Korybko's Newsletter 2024.07.22
https://korybko.substack.com/p/kamalas-coronation-as-the-de-facto?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=146869982&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email

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