【概要】

　北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、2024年10月2日に西部の基地を訪問し、国家主権を守るための決意を示した。この基地では特殊部隊の訓練が行われており、金正恩氏は、もし米国や韓国が北朝鮮の主権を侵害しようとした場合、核兵器を含むあらゆる攻撃手段を用いる用意があると強調した。これは、彼の発言が核兵器の使用を含む防衛を示唆するものであり、国家の主権を守ることが目的とされている。

　これに先立ち、韓国の尹錫悦大統領は、10月1日の「国軍の日」の演説で、北朝鮮が核兵器を使用する可能性について言及し、その場合には厳しい対処を行うと警告した。さらに、核兵器が使用された場合、それは北朝鮮政権の終焉を意味するだろうと述べている。
　
【詳細】

　北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、2024年10月2日に西部に位置する特殊部隊の訓練基地を視察した。この視察は、北朝鮮の軍事力強化を誇示し、国家主権を守る姿勢を内外に示す意図があったとされている。金正恩氏が訪問した基地では、特殊部隊による訓練が実施されており、朝鮮中央通信によると、この視察中に金正恩氏は国家主権を侵害しようとする敵対行為に対して核兵器を含む「すべての攻撃手段」を使用する可能性を示唆した。彼は、米国と韓国が侵略や攻撃を試みる場合、北朝鮮はその自衛のために核兵器を使うことを躊躇しないと警告し、自国の防衛体制を強調した。

　この金正恩氏の発言は、核兵器を含めた軍事的抑止力の行使を前提に、北朝鮮が自らの主権を断固として守る意思を示すものである。また、この発言により、米韓両国に対して北朝鮮が引き続き強硬な姿勢を保つことを再確認した。

　これに対して、韓国の尹錫悦大統領は、10月1日に韓国の「国軍の日」に行われた記念式典での演説で、北朝鮮が核兵器を使用する可能性に触れ、その場合には韓国が即座に厳しい報復を行うと述べた。尹錫悦大統領は、仮に北朝鮮が核兵器を使用した場合、その行動は金正恩政権にとって「終末の日」を意味することになると強い警告を発し、北朝鮮に対する抑止力を強化する姿勢を示している。

　このように、北朝鮮と韓国との間で核兵器をめぐる緊張が高まっており、両国の首脳がそれぞれ強硬な立場を表明することで、米韓同盟と北朝鮮の間の軍事的緊張がさらに深刻化する可能性が懸念されている。

【要点】

　1.金正恩氏の視察(2024年10月2日)

　・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が西部の特殊部隊訓練基地を視察。
　・訓練中の特殊部隊を視察し、国家主権を守る決意を強調。
　・米韓が北朝鮮の主権を侵害しようとした場合、核兵器を含むすべての攻撃手段を使用する準備があると警告。

　2.韓国側の対応(2024年10月1日)

　・韓国の尹錫悦大統領が「国軍の日」の演説で、北朝鮮の核兵器使用の可能性に言及。
　・北朝鮮が核兵器を使用した場合、韓国が厳しい対応を取ると警告。
　・核兵器が使用されれば、それは北朝鮮政権の終焉を意味すると強調。

　3.米韓と北朝鮮の対立

　・金正恩氏の発言は、米韓に対する核抑止力の強化と自国防衛の意志を示すもの。
　・尹錫悦大統領の警告は、北朝鮮の核使用を抑止し、報復の準備を強調するもの。

【引用・参照・底本】

金正恩氏が特殊部隊訓練基地を視察、「米韓が攻撃すれば核兵器で応じる」 sputnik日本 2024.10.04
https://sputniknews.jp/20241004/19164825.html