「一つの中国」原則2024年11月08日 22:45

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【概要】
 
 2024年11月7日、中国外務省報道官の毛寧氏は、中国と米国の関係における最も重要で敏感な問題は「台湾問題」であると述べ、中国が台湾を巡るいかなる形の米国との公式交流にも断固として反対する姿勢を示した。この立場は、中国政府として一貫しており、明確であるとしている。

 この発言は、元米大統領ドナルド・トランプ氏による台湾関連の発言について中国側がどのように反応するかというメディアの質問に対する回答としてなされたものである。毛寧氏はさらに、米国政府に対し「一つの中国」原則および米中間の三つの共同コミュニケを誠実に順守し、台湾関連の問題を慎重に扱うよう要請した。

【詳細】

 中国外務省報道官の毛寧氏が発言した内容について、さらに詳しく説明する。

 毛氏は「台湾問題」を米中関係における最も重要かつ敏感な問題と位置付けた。これは、中国にとって台湾が領土の不可分な一部であり、その主権と統一の問題として非常に重要視されているためである。毛氏の発言には、米国が「一つの中国」原則に対して遵守すべき義務があるとの考えが込められており、これは中国の外交方針と密接に関連している。

 「一つの中国」原則は、中国が台湾を自国の一部と見なす方針を示すものであり、米中関係の基盤の一つとされている。具体的には、「1972年の上海コミュニケ」、「1979年の米中国交正常化に関するコミュニケ」、「1982年の米中8月17日コミュニケ」という三つの共同コミュニケによって米中間で確認されており、これらの文書を通じて米国も「一つの中国」原則を尊重することが求められてきた。

 毛氏は、米国が台湾との「いかなる形の公式交流」にも中国が強く反対していることを改めて表明した。公式交流には、政府高官の相互訪問、公式会議の開催、または軍事的な協力の約束などが含まれ、これに対して中国は非常に厳しい姿勢をとっている。このような交流が行われることで、中国は自国の主権と領土の一体性が脅かされると考えており、米国によるこれらの動きが米中関係を悪化させるリスクがあるとの懸念を示している。

 毛氏は、米国が「一つの中国」原則と三つの共同コミュニケを「誠実に順守」することが重要であるとし、台湾に関連する問題を慎重に扱うよう促した。これは、台湾問題に対する米国の取り組み方が、米中関係や台湾海峡の平和と安定に直接的な影響を及ぼすためである。

【要点】

 1.台湾問題の位置づけ

 ・台湾問題は中国と米国の関係における最も重要かつ敏感な問題である。
 ・中国は台湾を不可分の領土と位置付けており、主権と統一の問題として非常に重視している。

 2.中国の立場

 ・中国は、台湾と米国間のいかなる公式交流(政府高官の訪問や公式会議、軍事協力など)にも強く反対している。
 ・米国による公式交流は中国の主権と領土の一体性を脅かす行為と見なし、米中関係悪化のリスクがあると懸念している。

 3.「一つの中国」原則

 ・「一つの中国」原則は、台湾が中国の一部であるとする中国の外交方針であり、米中関係の基盤となっている。
 ・1972年の「上海コミュニケ」、1979年の「米中国交正常化に関するコミュニケ」、1982年の「米中8月17日コミュニケ」の三つの共同コミュニケで米中間で確認された。

 4.米国への要請

 ・米国は「一つの中国」原則と三つの共同コミュニケを誠実に順守し、台湾関連の問題を慎重に扱うべきである。
 ・米国の対応が、米中関係や台湾海峡の平和と安定に直接的な影響を与えるため、配慮が必要と強調している。
 
【引用・参照・底本】

US government needs to earnestly abide by the one-China principle: Chinese FM GT 2024.11.07
https://www.globaltimes.cn/page/202411/1322641.shtml

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