トランプの悪足掻き政策→100%関税2024年12月01日 20:49

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【桃源寸評】

 斯様な米国(トランプ)の脅しに屈しているようでは、BRICSの先が見える。

【寸評 完

【概要】 
 
 2024年12月1日、ドナルド・トランプ氏が自身のSNS「Truth Social」でBRICS諸国による新通貨創設の可能性について警告を発した。彼は、BRICS諸国が米ドルから離れ、新しい通貨を採用しようとする動きを強く批判し、以下のように述べた。

「我々が傍観している間にBRICS諸国がドルから離れようとするという考えはもう終わりだ。我々はこれらの国々に対し、新しいBRICS通貨を創設したり、強力な米ドルに代わる他の通貨を支援したりしないという約束を求める。さもなければ、100%の関税に直面し、素晴らしい米国経済への展開に別れを告げることとなる。」

 また、トランプ氏は、国際貿易において米ドルに取って代わろうとする国は、米国との経済的関係を失うことになると警告した。この発言は、BRICS諸国の通貨政策が米国経済に及ぼす潜在的な影響について懸念を示したものと解釈される。

 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、BRICS共通通貨の創設について議論するのは時期尚早であると述べている。プーチン大統領は、現時点では共通通貨の導入を目指していないとし、その理由として加盟国間のさらなる統合と構造的類似性が必要であることを挙げた。

 ロシアの貿易のうち3分の2はすでに各国の現地通貨で決済されており、BRICS諸国間の取引ではその比率が88%に達している。この状況からも、BRICS諸国間でのドル依存からの脱却が進行中であることが窺える。

【詳細】

 ドナルド・トランプ氏の発言は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が新通貨を導入する可能性への懸念と、それに対する強硬な対応策を表明したものである。彼は、BRICS諸国が米ドルを基軸通貨から外し、新たな通貨を採用する動きを、米国にとって受け入れがたい挑戦と位置づけた。この動きに対し、トランプ氏は100%の関税を課すことで対抗しようとしている。以下、その背景と影響について詳述する。

 トランプ氏の発言の詳細

 トランプ氏は「我々が傍観している間にBRICS諸国がドルから離れようとするという考えはもう終わりだ」と述べ、米国政府が何ら対策を取らない状況を批判し、新通貨を創設する国々への制裁を求めた。具体的には、BRICS諸国に対し、新通貨の採用やドルの代替通貨の支持をやめるよう圧力をかける必要があると主張した。また、新通貨導入を推進する国々には「素晴らしい米国経済への展開に別れを告げる」ことになるとして、経済的な孤立化を示唆した。

 BRICS諸国のドル依存脱却の現状

 BRICSはすでに国際貿易におけるドル依存を減らす取り組みを進めている。具体例として以下の点が挙げられる。

 1.各国通貨による貿易決済の拡大

 ・ロシアの貿易総額の約3分の2は、各国通貨(ルーブル、人民元、ルピーなど)で決済されている。特に、BRICS諸国間の貿易では、この比率が88%に達しており、ドルの役割が縮小していることが明確である。

 2.人民元の台頭

 ・中国人民元がBRICS諸国内での主要な決済通貨として機能している。特に、ロシアと中国間の貿易では人民元が主要通貨となっており、中国が経済的主導権を握る動きが見られる。

 3.経済圏の拡大と協力強化

 ・BRICSは新興国経済を中心に加盟国を増やす方針を示しており、近年ではサウジアラビアやアルゼンチンなどの新規加盟が議論されている。これにより、経済圏の規模を拡大し、独自の金融システムの構築を目指している。

 プーチン大統領の発言と現実的課題

 これに対して、ロシアのプーチン大統領は、新通貨創設について「時期尚早」との見解を示している。理由として以下が挙げられる。

 1.加盟国間の経済統合の不十分さ

 ・BRICS加盟国はそれぞれ異なる経済規模、インフレ率、通貨政策を持ち、単一通貨の採用に必要な経済的な統一性が不足している。これが、共通通貨創設の大きな障壁となっている。

 2.信頼性と安定性の課題

 ・新通貨を国際貿易で使用するためには、通貨の信頼性と価格安定性が必要である。しかし、BRICS諸国の中には政治的・経済的な不安定要因を抱える国もあり、新通貨の成功にはこれらの問題を克服する必要がある。

 米国への影響とトランプ氏の対応の意図

 トランプ氏の主張は、BRICSによるドルからの離脱が米国経済に深刻な影響を及ぼすとの認識に基づいている。ドルが基軸通貨としての地位を失えば、以下のような影響が考えられる:

 1.ドルの需要減少と価値の下落

 ・国際貿易におけるドル需要が減少すれば、ドルの価値が下落し、米国の輸入コストが増大する可能性がある。

 2.経済的優位性の喪失

 ・ドルが基軸通貨としての地位を失うことで、米国が享受してきた金融的な優位性(低金利借り入れや経済制裁の効果的行使)が損なわれる可能性がある。
トランプ氏の「100%の関税」という強硬な対策は、これらのリスクを未然に防ぎ、BRICS諸国の動きを抑制する意図があると考えられる。

 結論

 BRICSによる新通貨創設の議論は、現時点で実現には至っていないが、ドル依存の低下という動きは着実に進行している。トランプ氏の発言は、米国がこの状況を軽視すべきでないという警鐘であり、今後の国際通貨体制を巡る議論において重要な焦点となる可能性がある。BRICS諸国が経済的な統合をさらに深化させるか、また米国がどのように対応するかは、世界経済の将来を大きく左右する要因である。
 
【要点】 
 
 トランプ氏の発言の要点

 ・BRICSが新通貨を創設し、ドルに代わる動きを進めることを強く批判。
 ・BRICS諸国に対し、新通貨やドル代替通貨を支援しないことを求める。
 ・要求が受け入れられない場合、100%の関税を課すと警告。
 ・国際貿易でドルに取って代わろうとする国は、米国との経済的関係を失うと主張。

 BRICS諸国のドル依存脱却の現状

 1.各国通貨決済の拡大

 ・ロシアの貿易総額の約3分の2は現地通貨で決済。
 ・BRICS諸国間の貿易では88%が各国通貨で決済。

 2.人民元の利用増加

 ・中国人民元がBRICS内で主要な決済通貨となっている。

 3.BRICSの拡大方針

 ・サウジアラビアやアルゼンチンなどの加盟が議論中。

 プーチン大統領の発言と課題

 1.「時期尚早」との見解

 ・加盟国間の経済統合が不十分で共通通貨の創設は困難。
 ・経済規模や通貨政策の違いが障壁。

 2.通貨の信頼性と安定性の不足

 ・政治的・経済的に不安定な加盟国も存在する。
 
 米国への影響と懸念

 1.ドルの需要減少と価値下落

 ・基軸通貨の地位を失えば、ドルの価値が下がるリスク。

 2.経済的優位性の喪失

 ・国際金融の支配力や低金利借り入れの特権が失われる可能性。

 3.トランプ氏の対策の意図

 ・100%の関税でBRICS諸国の動きを抑制。
 ・米国経済への悪影響を未然に防ぐ狙い。

 結論

 ・BRICSのドル依存脱却は進行中だが、共通通貨創設には課題が多い。
 ・トランプ氏の発言は、米国が基軸通貨体制の変化に迅速に対応する必要性を示唆。
 ・今後、BRICSの動向と米国の対応が国際経済の行方を左右する。

【引用】

 「我々が傍観している間にBRICS諸国がドルから離れようとするという考えはもう終わりだ。我々はこれらの国々に対し、新しいBRICS通貨を創設したり、強力な米ドルに代わる他の通貨を支援したりしないという約束を求める。さもなければ、100%の関税に直面し、素晴らしい米国経済への展開に別れを告げることとなる」

【以上、引用蘭のsputnik記事】

【引用・参照・底本】

BRICSが新通貨を作れば米国にグッバイ、100%の関税を発動=トランプ氏 sputnik 日本 2024.12.01
https://sputniknews.jp/20241201/brics100-19370177.html

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