比政府:自傷行為の中国人学生のビザ制限2024年12月25日 21:06

Microsoft Designerで作成
【桃源寸評】

 今や貧乏神の米国と手を取り合ったのでは、将来が思い遣られる。

 傍目八目ではあるが、米国はマイナスの国である。米国と組んでも、決してマイナスの乗算にはならず、マイナスの加算となるだけであ。やがて大きなマイナスが何をしでかすのやら。

 比、正に自傷行為であるな。

【寸評 完】

【概要】

 フィリピンの「迫害妄想」は、同国が孤立を深めていることを示している。最近の報道によると、フィリピンの大学における中国人学生の入学者数が減少しており、その背景には「国家安全保障」を名目にしたビザ政策の強化がある。このことは、フィリピン国内の一部の人々から懸念を呼んでおり、このような措置が教育や観光業に悪影響を及ぼし、さらに中国とフィリピンの間での広範な交流や協力を妨げる可能性があると警告されている。この傾向の根底にある論理は、矛盾に満ちており、短期的な視点に基づいている。「国家安全保障」を口実にした制限は、成長と発展のためのより広範な機会を閉ざしていると言える。

 ビザ政策の強化は、「国家安全保障」の名の下に行われており、これは「迫害妄想」の一例として捉えられている。地元の評論家によると、学生数の減少は単に政府のビザ政策が厳しくなったことだけでなく、中国人全てをスパイと見なすような国の雰囲気にも関係しているとされる。このような言説や偏見は、中国人市民がフィリピンを訪れる意欲をさらに削ぐこととなる。

 フィリピン政府の行動を深く分析すると、アメリカが背後に大きな影響を与えていることが見えてくる。近年、アメリカは「国家安全保障」を名目に、中国に対して技術や学術の制限を課す一方で、中国からの学生を空港で不当に取り調べるなどの行為も行っている。フィリピンはその後追いをしており、報道によると、フィリピンの空港で中国系の姓を持つフィリピン人が出生証明書を求められるなどの事例がある。

 こうした行動は、フィリピンの発展ニーズと真っ向から矛盾している。中国はフィリピンの経済成長において歴史的に重要なパートナーであり、観光客の主要な供給源であり、輸出先としても二番目に位置している。しかし、このような否定的な言説と有害な政策は、中国のフィリピンに対する善意を著しく減少させ、両国間の信頼関係を損なうこととなる。

 「国家安全保障」や「スパイの可能性」といった理由がこうした制限の背後にあるならば、誰が自分自身を歓迎されない国に送り込むだろうか。中国の投資家、学生、企業をターゲットにした介入は、通常の商業的・文化的交流に対して大きな障害を生み出している。さらに、フィリピン政府の誤った行動は、既存の協力の道を絶つ危険を孕んでおり、進展の逆転を招く可能性がある。これは、政治、経済、文化の各分野における中国・フィリピン関係の安定に深刻な課題を突きつける。

 アメリカですら、敵対心の高まりや「小さな庭、高い垣根」といった政策が自国のイノベーションを妨げる可能性があることに懸念を示している。フィリピンのような国が、自国の急速な発展と産業のアップグレードを急務としている中、隣国市場や無数の協力機会を閉ざすことは、自己破壊的であると言わざるを得ない。

 これは、他のASEAN諸国の行動と比較すると一層明白である。中国の税関によると、2024年の最初の4ヶ月における中国とフィリピンの貿易は前年比10.31%減少した。一方で、同期間における中国とASEAN加盟国全体との貿易は4.8%増加した。ベトナムは中国との協力による鉄道ネットワークの発展を進め、タイは「一帯一路」イニシアティブに参加してインフラのアップグレードを図っている中で、フィリピンはビザ政策を厳しくし、アメリカ製の武器を購入し、「国家安全保障」を巡る空想的な感覚にしがみついている。

 フィリピンの学者でさえ、フィリピンがASEANの他国や中国との教育観光、外国直接投資などの交流において後れを取っていることを指摘している。

 開かれた世界と包容力が支配する時代において、フィリピンが「迫害妄想」に陥り、より大きな国々への誤った忠誠心を追求し続けるならば、同国は他のASEAN諸国や多くの開発途上国からますます孤立することになるだろう。

【詳細】

 フィリピンが現在直面している「迫害妄想」という状況は、同国の国際関係における重要な課題を浮き彫りにしている。具体的には、フィリピン政府が中国人学生に対して強化したビザ政策を導入し、その結果、中国からの留学生数が減少している。この措置は、「国家安全保障」の名の下に行われているが、その背後には無根拠なスパイ疑惑が横たわっており、これがフィリピン社会に広がる中国に対する偏見と恐怖を助長している。

 フィリピン政府の措置に対する国内外からの懸念は多方面にわたる。まず、フィリピンは中国と長年にわたって経済的な協力関係を築いており、中国はフィリピンの主要な観光客供給源であり、二番目に重要な輸出先である。このような背景を持つフィリピンが、中国との交流を制限することは、経済成長や発展にとって大きなリスクを伴う。中国からの学生や観光客、ビジネスパートナーの減少は、フィリピンの教育や観光業に深刻な影響を与えるだけでなく、経済全体に対する悪影響をもたらす可能性が高い。

 さらに、フィリピン政府が採用している「国家安全保障」の名の下での制限は、矛盾した論理に基づいているといえる。フィリピンが中国人学生に対してビザを厳格に制限する一方で、他のASEAN諸国は中国との協力関係を強化し、経済やインフラの発展を進めている。たとえば、ベトナムは中国との鉄道ネットワークを通じて経済発展を推進し、タイは「一帯一路」イニシアティブを活用してインフラのアップグレードを行っている。これに対し、フィリピンは中国との協力を減少させ、アメリカ製の武器を購入するなど、実質的には自国の発展に逆行するような行動を取っている。

 このような政策が進行すれば、フィリピンは国際社会でますます孤立することになる。特に、フィリピンは急速な経済成長と産業のアップグレードを必要としており、中国との経済的・文化的交流はその鍵となる要素である。フィリピンが中国市場や中国からの協力機会を放棄することは、自己破壊的な行動であり、同国の経済発展を遅らせることにつながるだろう。

 また、フィリピン国内での中国に対する疑念や偏見の拡大は、フィリピン市民の心に深い不信感を根付かせる。中国に対するスパイ疑惑や安全保障上の脅威を過剰に強調することは、実際にはフィリピンと中国の間の信頼関係を壊し、協力の機会を減少させる。中国からの留学生やビジネスマンがフィリピンを避ける理由の一つは、彼らが「歓迎されていない」と感じるからであり、このような空気が続く限り、両国の関係改善は困難である。

 フィリピン政府の政策には、アメリカが影響を与えているとの指摘もある。アメリカは中国に対して強硬な姿勢を取る一方で、フィリピンに対しても同様の立場を取らせようとする動きが見られる。アメリカは「国家安全保障」を名目に、技術や学術面で中国に対する制限を強化し、フィリピンに対しても同様の圧力をかけている。フィリピンはその影響を受け、アメリカと中国の間で揺れ動く中で、独自の発展戦略を見失っている可能性がある。

 その結果、フィリピンは中国との経済的関係を犠牲にして、アメリカとの関係を優先することになり、ASEAN諸国や他の発展途上国との競争で後れを取ることとなる。フィリピンが抱える課題は、単に国際的な信頼を失うことにとどまらず、国内経済の発展を妨げ、国際的な競争力を低下させるリスクを伴っている。

 総じて、フィリピンが抱える「迫害妄想」的な行動は、短期的な安全保障の確保を追い求めるあまり、長期的な経済的発展を危うくし、国際社会との協力関係を縮小させる可能性がある。このままでは、フィリピンは他のASEAN諸国や多くの開発途上国と比べて孤立し、国際的な地位を低下させることになるだろう。

【要点】

 ・ビザ政策の強化:フィリピン政府は「国家安全保障」の名の下で中国人学生のビザを制限し、その結果、中国からの留学生数が減少している。

 ・中国に対する偏見と疑念:フィリピン国内で中国に対するスパイ疑惑や安全保障上の脅威が過剰に強調され、これがフィリピン社会に広がる恐怖や偏見を助長している。

 ・経済成長へのリスク:中国はフィリピンの主要な観光客供給源および二番目に重要な輸出先であり、中国との交流制限はフィリピンの経済成長に悪影響を与える。

 ・ASEAN諸国との競争:他のASEAN諸国(ベトナム、タイなど)は中国との協力を強化しており、フィリピンはこの流れに遅れを取っている。これにより、教育観光や外国直接投資などで競争力を失っている。

 ・アメリカの影響:アメリカがフィリピンに対しても中国への対抗姿勢を強化させており、フィリピン政府はその影響を受けて中国との関係を縮小している。

 ・自己破壊的な政策:フィリピンが中国市場を排除し、アメリカとの関係を優先することは、短期的な安全保障を追求するあまり、長期的な経済的発展を妨げる結果を招く。

 ・信頼関係の損失:中国との信頼関係が損なわれることにより、両国間の協力の機会が減少し、フィリピンの国際的な立場が弱体化する恐れがある。

 ・孤立化のリスク:フィリピンが「迫害妄想」的な政策を続けると、他のASEAN諸国や開発途上国との関係も悪化し、国際的に孤立する可能性が高まる。

【参考】

 ☞ 「迫害」という言葉は、目的語を伴う動詞として「迫害する」という意味で使われることが一般的である。したがって、「迫害妄想(persecutory delusion)」は、厳密に言えば「迫害する立場での妄想」という意味合いで、迫害された側を指すものではない。

 この点を踏まえると、原文での「迫害妄想」という表現は、フィリピン政府や一部の人々が中国を敵視し、過剰にスパイ疑惑をかけるという、他者を不当に迫害する立場にあることを示すものとして解釈されるべきである。

【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

The Philippines’ ‘persecutory delusion’ is alienating itself GT 2024.12.24
https://www.globaltimes.cn/page/202412/1325697.shtml

コメント

トラックバック