「中国サービス」ブランドの構築を国家的な目標2026-08-13 18:32

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【概要】

 2026年8月13日付人民日報紙面に掲載された論説である。中国のサービス業の拡大・高度化を背景に、「中国サービス」ブランドの構築を国家的な目標として提示し、その意義、分野別の方針、推進のための鍵となる要素を論じている。2026年上半期のサービス業の成長実績、全国サービス業会議および各地方の取り組みを紹介しつつ、2030年には総規模100兆元を目指す長期的な展望を示している。
  
【詳細】 

 1.現状と戦略的意義

 2026年上半期の付加価値額は前年比5.2%増でGDPの59.5%を占め、経済成長への寄与度は66.1%に達し、経済成長の主たる原動力となっている。サービス業の成長率は経済全体の成長率を0.5ポイント上回り、サービス小売売上高も同5.3%増を記録した。

 7月30日の党中央政治局会議では内需拡大と供給の最適化が打ち出され、4月には新時代初の全国サービス業会議が開催された。習近平総書記は、生産者向けサービスの専門化・高付加価値化、消費者向けサービスの高品質化・多様化・利用しやすい環境整備を進め、「中国サービス」ブランドを育成する方針を示した。

 北京市は「北京サービス」、上海市は「上海サービス」の国際的な競争力向上を掲げ、重慶市は「重慶貿易グローバル」を代表ブランドとして近代的なサービス産業体制の構築を進めるなど、各地域が独自の計画を策定し推進している。2030年にはサービス業の総規模を100兆元とし、質・構造・水準の改善を目指す目標が示されている。

 経済発展の法則に照らし、また産業の高度化と内需拡大を進める上で、サービス業の振興は不可避の選択である。中国の家計におけるエンゲル係数は2025年には29.3%まで低下し、食費以外の支出に余裕が生まれ、教育・医療・文化・観光などのサービス消費が拡大する構造へと変化している。

 また生産性向上と新たな質的生産力の発展においても、サービス業の役割は重要である。AIによる設計支援、インテリジェント化による生産効率の向上、現代的な物流、データに基づく販売戦略など、製造工程の各段階でサービスの価値が高まっている。ただし生産者向けサービスの付加価値がGDPに占める割合は35%未満にとどまり、先進国と比べて拡充の余地が残されている。

 2.分野別の方針

 需要主導、改革による突破口、技術の活用、開放と協力を基本原則とし、分野ごとに施策を展開する。

 生産者向けサービスについては、企業の生産・事業活動の全行程を支え、産業変革と高度化を下支えすることを目的とする。製造業とサービス業の融合を核心的な課題とし、これまで別個の制度・統計・規制のもとにあった体制を改める。工業インターネットを活用してデータを連携させ、製造業向けの専門的なサービスを育成するとともに、会計上の区分や政策上の取り扱いを整備し、両者の融合を進めるための政策的な基盤を整える。

 消費者向けサービスについては、人々の生涯にわたる多様なニーズに応えることを目的とする。高齢者介護・育児支援を例にとると、需要は基礎的な水準から多様化・高度化しているのに対し、供給の面では地域や施設による格差が存在する。

 このため三層構造の施策を展開する。基礎的な層では行政が主体となって県・郷鎮・村のネットワークを整備し、社会的なセーフティネットを充実させる。中間層では税・投資上の優遇措置などを通じて民間の参画を促し、手頃で質の確かなサービスを普及させる。高水準の層では、事業者が多様なニーズに応じたサービスを提供できるよう環境を整備する。

 3.推進の鍵

 「中国サービス」ブランドを育てるためには、対外開放を深化させるとともに、技術革新と品質の向上を両輪として進める必要がある。

 サービス貿易の障壁は関税などの「国境での障壁」にとどまらず、市場参入、規制、資格の相互承認といった「国境を越えた先にある障壁」が多い。このためサービス業のネガティブリストを縮小し、規制の透明性を高め、国際的な基準との整合性を図る。また専門職資格の相互承認を推進し、人材の移動を円滑にする。

 さらに技術と運営の革新により品質を確立することが重要である。飲食チェーンの「蜜雪氷城」が世界に約6万店を展開するに至った背景には、消費データを生産に活用する仕組み、全国の倉庫を管理するインテリジェントな物流体制、出店立地を支援するアルゴリズムなど、一貫したシステムが存在する。このようにサービスモデル、技術、利用シーンの絶え間ない革新を通じて、品質に裏打ちされたブランドを築くことが求められる。

【要点】

 ・2026年上半期、中国のサービス業はGDPの59.5%、成長寄与度66.1%を占め、経済の主たる原動力となっている。

 ・「中国サービス」ブランドの育成は、産業高度化、内需拡大、家計の消費構造の変化に対応するための国家的な戦略であり、2030年に総規模100兆元を目標とする。

 ・生産者向けサービスは製造業との融合を核心に推進し、データ連携と制度改革を進める。消費者向けサービスは三層構造の施策により、基礎から高水準まで多様なニーズに応える。

 ・推進にあたっては、対外開放の深化、規制の国際的な整合化、資格の相互承認を進めるとともに、技術革新と品質向上を通じてブランドの信頼を確立する。

 ・「製品を売る」から「サービスを売る」への転換を進め、「中国製造」に続く「中国サービス」のブランドを構築し、経済の高品質な発展を支える力とすることを目指す。

【引用・参照・底本】

Cultivating more ‘China Service’ brands GT 2026.08.13
https://www.globaltimes.cn/page/202608/1368121.shtml

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