無秩序な軍備の新時代が到来2024年04月23日 10:20

国立国会図書館デジタルコレクション「墨水花両岸」を加工して作成
 SIPRIが報告したように、世界的な軍事費の急増は、世界中で高まっている緊張と紛争を反映している。ウクライナとロシアの戦争、中国と台湾の危機、アフリカの内戦、さまざまな地域の安全保障上の懸念など、すべてがこの前例のない増加の一因となっている。

 世界的な傾向:SIPRIが調査したすべての地域で軍事費が増加しており、2009年以来初めて、このような普遍的な増加が見られた。これは、大陸をまたいで軍事安全保障の優先順位が広く浸透していることを示している。

 地域ダイナミクス:さまざまな地域紛争が軍事費の増加を後押ししている。例えば、ポーランドはロシアからの安全保障上の脅威を恐れて、軍事費を大幅に増やした。同様に、中東では、イランとイスラエルの緊張が軍事予算の大幅な増加につながっている。

 中国の役割:中国の一貫した軍事費の伸びは、現在、一国として最長の連続記録であり、軍隊の近代化に力を入れていることを反映している。これにより、日本、台湾、インドなどの近隣諸国は自国の軍事費を増やすようになった。

 ウクライナ・ロシア戦争における不均衡:紛争が続いているにもかかわらず、ウクライナの軍事費負担はGDPに比例してロシアのそれをはるかに上回っている。西側諸国の支援はウクライナをある程度支援しているが、紛争は依然として不均衡なままである。

 懸念と解決策:ニクラス・シェールニッヒ氏のような専門家は、現在の軌道について懸念を表明し、世界は軍縮の努力が行き詰まり、制御不能な軍備につながる段階に入ったことを示唆している。彼らは、状況を安定させ、さらなるエスカレーションを防ぐための新たな国際目標と軍備管理協定を提案している。

 地政学的緊張、地域紛争、軍事支出の動向の複雑な相互作用を浮き彫りにし、これらの課題に対処するための外交努力と国際協力の必要性を強調している。

【視点】

2023年の世界の軍事費の大幅な増加について論じており、それをさまざまな世界的な紛争や緊張に起因させている。

全体的な増加:2023年の世界の軍事費は過去最高を記録し、すべての地域が2009年以来初めて増加を遂げた。

主な推進要因:ウクライナでの戦争、中国と台湾の緊張、およびその他の紛争が増加に大きく貢献した。

不均等な負担:米国や中国などの国々が支出を増やす一方で、戦争はロシアに比べてウクライナに大きな負担を強いた。

NATOの対応:ほとんどのNATO加盟国は支出を増やし、冷戦以来初めてGDP比2%の目標を達成した国もあり、フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟したことで、支出はさらに増加すると予想されている。

中国の焦点:中国の軍事費は29年連続で増加しており、主に戦闘準備態勢の改善に向けられている。これにより、近隣諸国も支出を増やすようになる。

地域別動向:南スーダンの内戦と波及効果、欧州におけるロシアの安全保障上の懸念も支出増加に拍車をかけた。

専門家の見解:政治学者のニクラス・ショルニッヒは、軍縮の努力が失敗に終わり、無秩序な軍備の新時代が到来していると考えている。彼は、国際協定を通じて、統制された軍備への回帰を提案している。

考えられる未来:紛争と緊張が続く中、軍事費の増加傾向は続くと予想される。

悲観的な見通しで締めくくられており、主要な紛争が平和的に解決されない限り、減少する可能性は低いことを示唆している。

・世界の軍事費は2023年に過去最高を記録し、2009年以来最も急激な増加となった。

・ウクライナでの戦争、中国と台湾の間の緊張、およびその他の紛争が支出の増加を後押ししている。

・北大西洋条約機構(NATO)加盟国は3カ国を除くすべての国が軍事費を増額し、GDP目標の2%を達成または上回った国もあった。

・中国の軍事費は着実に増加し続けており、他のアジア諸国も同様に軍事費を増やしている。

・南スーダンや中東などの地域紛争も支出増加に拍車をかけている。

・専門家は、地政学的情勢に大きな変化がない限り、上昇傾向が続く可能性が高いと考えている。

・コンゴ民主共和国は、進行中の内戦により、支出の増加率が最も高く(105%)なった。

・ウクライナの軍事費負担は、GDPに占める割合でロシアのそれよりもはるかに高い。

・西側諸国の支援は、ウクライナがロシアに対抗するための競争条件を均衡させるのに役立っている。

・軍事費は、2009年以来初めて、すべての地域で増加している。

・ある政治学者は、国際協定を通じて「統制された軍備」への回帰を主張している。

・ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書に基づいている。

・全体的な増加:2023年の世界の軍事費は過去最高を記録し、すべての地域で増加した。これは、2009年以来、最も急激な前年比の上昇である。

・主な推進要因:ウクライナでの戦争、中国と台湾の緊張、およびその他の紛争が急増の主な原因として強調されている。

・不均等な負担:米国や中国などの国々は支出を大幅に増やしましたが、戦争はロシアと比較してウクライナの財政にはるかに重い負担をかけている。

・NATOの対応:ほとんどのNATO加盟国は支出を増やし、記録的な数字でGDP目標の2%を達成した。フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟することで、総支出がさらに増加すると予想される。

・中国の焦点:中国の軍事費は29年連続で成長を続けており、主に人民解放軍の戦闘即応性を高めることに重点が置かれている。

・地域効果:南スーダンと中東での紛争も、これらの地域での支出増加に拍車をかけた。

・専門家の見解:政治学者のニクラス・ショルニッヒは、軍縮の努力が失敗に終わり、無秩序な軍備の新時代が到来していると考えている。彼は、この傾向を抑制するために、管理された軍備に向けた新たな国際的取り組みを提案している。

・今後の展望:報告書は、イスラエル・ガザ紛争のような進行中の紛争を考慮すると、2024年には軍事費がさらに増加する可能性が高いことを示唆している。シェールニッヒ氏は、ウクライナ戦争のような大きな紛争が平和的に解決されない限り、悲観的な見通しを示している。

・軍事力増強にますます焦点を当てる世界の憂慮すべき姿を描き、この傾向の持続性と世界の安全保障への影響について疑問を投げかけている。

引用・参照・底本

Global military spending soars to new record highs DW 2024.04.22

https://www.dw.com/en/global-military-spending-soars-to-new-record-highs/a-68876104?maca=en-newsletter_en_bulletin-2097-xml-newsletter&at_medium=Newsletter&at_campaign=EN%20-%20Daily%20Bulletin&at_dw_language=en&at_number=20240422&r=6726691583633222&lid=2918322&pm_ln=249031

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