イスラム恐怖症の政治的利用2024年05月02日 12:33

国立国会図書館デジタルコレクション「十二月ノ内 文月廿六夜待 (十二月ノ内)」を加工して作成
 イスラム恐怖症が武器として利用され、戦争や差別が正当化される様子について、複数の視点から議論されている。まず、イラン国営放送のエフサーン・アーザルキャマンド氏は、イスラム恐怖症が西側諸国の植民地主義の産物であると指摘している。彼によれば、イスラム恐怖感は過去100年間にわたり、西側諸国がイスラム社会の近代化や啓蒙主義の運動を阻止するために利用されてきたとされている。

 一方、アメリカでは、外交政策の再定義と国際的な役割の再確立を求める動きがある。特に、2001年の9月11日の同時多発テロ事件後、アメリカ政府はイスラム恐怖症を外交政策の中心概念として採用した。この事件をきっかけに、アメリカの政治家らはイスラム教徒を敵対的な存在として描き、差別や戦争の正当化を図った。

 さらに、ハリウッド映画産業もイスラム恐怖症を後押しし、差別的なイメージを広める役割を果たしている。多くの映画では、イスラム教徒が固定的で融通の利かない存在として描かれ、西洋文化に対して低い地位に置かれることが示されている。また、イスラム教徒の女性はしばしば弱く、生殖のみが能力として強調されるなど、ステレオタイプな描写が見られる。

 このようなイメージの浸透により、アメリカや他の西側諸国ではイスラム教徒に対する暴力や差別が増加している。アーレズー・マラーリー氏は、映画がイスラム教徒に対する暴力の文化を拡散し、実際にイスラム教徒に対する攻撃が増加していることを指摘している。

【視点】

イスラム恐怖症の起源と植民地主義の関連

・イスラム恐怖症は、西側諸国の植民地主義の産物であり、過去100年間にわたって政治的な利用がされてきた。

・西側諸国がイスラム社会の近代化や啓蒙主義の運動を阻止するためにイスラム恐怖感を利用した。

アメリカにおけるイスラム恐怖症の利用

・001年の9月11日の同時多発テロ事件後、アメリカ政府はイスラム恐怖症を外交政策の中心概念として採用し、イスラム教徒を敵対的な存在として描いた。

・この事件を契機に、アメリカ政治家らは差別や戦争を正当化し、外交政策の再定義を図った。

ハリウッド映画産業の役割

・多くの映画では、イスラム教徒が固定的で融通の利かない存在として描かれ、西洋文化に対して低い地位に置かれる。

・イスラム教徒の女性はしばしば弱く、生殖のみが能力として強調されるなど、ステレオタイプな描写が見られる。

暴力や差別の増加

・映画のイメージが浸透することで、アメリカや他の西側諸国ではイスラム教徒に対する暴力や差別が増加している。

・映画がイスラム教徒に対する暴力の文化を拡散し、実際にイスラム教徒に対する攻撃が増加していることを指摘する声がある。

引用・参照・底本

イスラム恐怖症を武器にした戦争と差別の正当化、複数の視点から ParsToday 2024.05.01
https://parstoday.ir/ja/news/world-i124192

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