相互アクセス協定(RAA):南シナ海の緊張を高める ― 2024年07月12日 09:04
【桃源閑話】
態々<火中の栗を拾う>真似をするか、日本。と言うより、拾わされているのか。はっきり云って此の相互アクセス協定(RAA)は日本の為に何の役に立つのか。国民に向かって何らかの名分があるのか。
日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)(2024.07.08署名)の意義を外務省は下記のように説明する。
➢ フィリピンは、シーレーン上の戦略的要衝に位置し、我が国と基本的な価値や原則を共有する戦略的パートナー。
➢ 本協定により、日・フィリピン両国部隊間の協力活動の実施が円滑化され、両国間の安全保障・防衛協力が更に促進されるとともに、インド太平洋地域の平和と安定が強固に支えられることになる。
いま国際社会の状況を考えたら、「我が国と基本的な価値や原則を共有する戦略的パートナー」等との狭量な思考で世界を二分するようでは日本の前途はお先真っ暗である。
世界はウクライナ紛争後、急速に動いた。つまり、世界を二分割するのではなく、諸々の相違を超えた発展的統合へと向かっている。
「防衛協力が更に促進される」かも知れないが、「インド太平洋地域の平和と安定が強固に支えられる」ことあり得ないだろう。現在、比は中国と南シナ海で理不尽な揉め事を起こしている。
つまり、平和と安定を保つには、日本、一方に片寄りすぎているので、そう、其の当事者能力に欠けるのだ。
最近は聞こえてこないが、日本も尖閣諸島問題(日本、問題は不存在と主張)を基本的には抱えている。歴史的な所有関係ついては日本に不利である。
が、日本も比も問題はきちんと理屈(資料突合せなど)を以て話し合うことをしないことだ。国民も其の結果であれば納得する。勿論、竹島も北方領土も同様である。
<犬の遠吠え>宜しくでは埒が明かない。尾を引くだけだ。その様な揉め事を遠謀を以て態と残したのか、将又問題解決能力の無きが如しの欧米の<後は野となれ山となれ>遣りっ放し癖なのか、何れにしても、当事者が話し合うべきなのだ。
シーレーンを課題にするなら、元より日本、狭い国の上周囲は海である。東西南北、オマケに八方塞がりなのだ。有事になれば、途端に国民は困苦欠乏、餓死する運命にある。
ウクライナを観るがよい。間抜けな妄想型の大統領(大統領職の資格はあるのか、違反ではないのか)が現在なぜ苦境に陥っているのか。支援する欧米側が苦境に立たされている。
結論はこうだ。平和でなければ生きていけない。
【閑話 完】
【概要】
最近、日本とフィリピンの間で相互アクセス協定(RAA)が調印されたことで、中国の専門家の間では、南シナ海でのエスカレーションの可能性に対する懸念が高まっている。国立南シナ海研究所のWu Shicun所長は、この地域における日本の軍事的プレゼンスの増大は、既存の緊張を悪化させる可能性があると警告した。日本の上川陽子外務大臣とフィリピンのジルベルト・テオドロ国防長官が署名したRAAは、日本軍をフィリピンに派遣して合同演習を行うことを可能にし、両国間の防衛関係を強化するものである。
Wu報道官は、この協定により、日本の自衛隊が南シナ海とフィリピンの軍事基地にアクセスするための敷居が下がり、日本がフィリピンに武器、装備、訓練を提供できるようになる可能性があると指摘した。また、日本の関与は、特に「準同盟」と呼ぶ日米・フィリピンの三国間関係に照らして、地域の複雑化につながる可能性があるとの懸念を表明した。
南シナ海は日本にとって戦略的に重要であり、エネルギーと貿易の90%が海路を通過している。日本は米国とともに、南シナ海における中国の領有権主張を退けた2016年のハーグ国際法廷の判決に従うよう中国に求めている。この姿勢は対立の激化を招き、最近ではセカンド・トーマス礁で中国とフィリピンの船舶が衝突し、8人のフィリピン人船員が負傷した。
Wu氏は、中国政府は自国の権益を守るために、特にセカンド・トーマス礁をめぐる係争に関して、マニラに対してより厳しい姿勢を取る必要があるかもしれないと示唆した。また、今後同様の事件が起こらないようにするために、より恒久的な解決策が必要になる可能性があることも示唆した。
要するに、日本とフィリピンの間の新たな防衛協定は、南シナ海における緊張、特にこの地域における米国の関与と歴史的紛争の文脈において、緊張を激化させる可能性がある。
【詳細】
日本とフィリピンが締結した新たな防衛協定である「相互アクセス協定(Reciprocal Access Agreement, RAA)」が、南シナ海での緊張を高める可能性があると中国の海事専門家が警告している。南シナ海研究国家研究所の創設者であるWu Shicunは、この協定が日本の自衛隊の南シナ海へのアクセスを容易にし、フィリピンの軍事基地に日本の軍隊が配置される可能性を高めると指摘している。
背景と目的
この協定は、日本とフィリピンの防衛協力を強化するためのものであり、特に中国との対立が続く中で、地域の安全保障を強化することを目的としている。2024年4月に開催された米国、日本、フィリピンの3カ国首脳会議は、この3カ国が新たな「準同盟」を形成する兆候と見なされている。
協定の内容
RAAにより、日本の自衛隊はフィリピンで共同軍事演習を行うために展開できるようになり、これには実弾演習も含まれる。この協定はまた、日本がフィリピンに対して兵器や装備を提供し、フィリピンの軍事訓練を支援する道を開くものである。
地域への影響
Wu Shicunは、この協定が南シナ海での日本の活動を増やし、中国の利益に対する挑戦を引き起こす可能性があると警告している。特に、中国が主張する領有権を国際裁判所が2016年に否定した判決の8周年を迎える中で、米国、日本、フィリピンの協力が中国との対立をさらに激化させる可能性があると指摘している。
歴史的背景
第二次世界大戦中、日本は米国の統治下にあったフィリピンを占領し、南シナ海を太平洋での戦略的拡大の一環として支配した。日本の敗戦後、東京は南シナ海での領有権を放棄したが、具体的な島々についての言及はなく、中国、フィリピン、そしてフランス植民地政府との間で領有権を巡る競争が続いている。
具体的な対立事例
最近では、2024年6月17日に南シナ海の第二トーマス礁(Renai Reef)で中国とフィリピンの船舶が衝突し、8人のフィリピン兵が負傷した。この事件は、フィリピンが1999年に意図的に座礁させた旧式の軍艦を拠点として維持するための補給作戦中に発生した。中国側は、この状況を「新しい管理モデル」として扱うことを提案しており、フィリピンの補給を人道的観点から許可する代わりに、事前通知と現場監視を求めている。
結論
RAAは、日本とフィリピンの防衛協力を強化する一方で、南シナ海における緊張を高める可能性がある。特に、米国、日本、フィリピンの3カ国が連携することで、中国との対立がさらに激化する可能性があるため、地域の安全保障に対する影響が注目されている。
【要点】
日本とフィリピンの相互アクセス協定(RAA)の概要と影響
1.協定の内容
・日本とフィリピンが防衛協力を強化するための協定。
・日本の自衛隊がフィリピンで共同軍事演習を行うために展開可能。
・日本がフィリピンに兵器や装備を提供し、軍事訓練を支援する道を開く。
2.背景と目的
・中国との対立が続く中で地域の安全保障を強化。
・米国、日本、フィリピンの3カ国が新たな「準同盟」を形成する兆候。
2.地域への影響
・南シナ海での日本の活動が増加し、中国の利益に対する挑戦が予想される。
・米国、日本、フィリピンの協力が中国との対立をさらに激化させる可能性。
3.歴史的背景
・第二次世界大戦中、日本が米国の統治下にあったフィリピンを占領。
・日本の敗戦後、南シナ海での領有権を放棄するも、具体的な島々についての言及はなし。
・南シナ海の領有権を巡る中国、フィリピン、フランス植民地政府との競争が続く。
4.具体的な対立事例
・2024年6月17日に南シナ海の第二トーマス礁で中国とフィリピンの船舶が衝突。
・8人のフィリピン兵が負傷。
・フィリピンが1999年に意図的に座礁させた旧式の軍艦を拠点として維持するための補給作戦中に発生。
5.中国の反応と対応
・中国側はフィリピンの補給を「新しい管理モデル」として提案。
・人道的観点から補給を許可する代わりに、事前通知と現場監視を求める。
6.今後の展望
・RAAが日本とフィリピンの防衛協力を強化しつつ、南シナ海における緊張を高める可能性。
・米国、日本、フィリピンの3カ国連携が地域の安全保障に対する影響が注目される。
【引用・参照・底本】
Japan-Philippines deal could spell trouble in South China Sea, maritime expert warns SCMP 2024.07.11
https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3270121/japan-philippines-deal-could-spell-trouble-south-china-sea-maritime-expert-warns?campaign=3270121&module=perpetual_scroll_0&pgtype=article
日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100694779.pdf
態々<火中の栗を拾う>真似をするか、日本。と言うより、拾わされているのか。はっきり云って此の相互アクセス協定(RAA)は日本の為に何の役に立つのか。国民に向かって何らかの名分があるのか。
日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)(2024.07.08署名)の意義を外務省は下記のように説明する。
➢ フィリピンは、シーレーン上の戦略的要衝に位置し、我が国と基本的な価値や原則を共有する戦略的パートナー。
➢ 本協定により、日・フィリピン両国部隊間の協力活動の実施が円滑化され、両国間の安全保障・防衛協力が更に促進されるとともに、インド太平洋地域の平和と安定が強固に支えられることになる。
いま国際社会の状況を考えたら、「我が国と基本的な価値や原則を共有する戦略的パートナー」等との狭量な思考で世界を二分するようでは日本の前途はお先真っ暗である。
世界はウクライナ紛争後、急速に動いた。つまり、世界を二分割するのではなく、諸々の相違を超えた発展的統合へと向かっている。
「防衛協力が更に促進される」かも知れないが、「インド太平洋地域の平和と安定が強固に支えられる」ことあり得ないだろう。現在、比は中国と南シナ海で理不尽な揉め事を起こしている。
つまり、平和と安定を保つには、日本、一方に片寄りすぎているので、そう、其の当事者能力に欠けるのだ。
最近は聞こえてこないが、日本も尖閣諸島問題(日本、問題は不存在と主張)を基本的には抱えている。歴史的な所有関係ついては日本に不利である。
が、日本も比も問題はきちんと理屈(資料突合せなど)を以て話し合うことをしないことだ。国民も其の結果であれば納得する。勿論、竹島も北方領土も同様である。
<犬の遠吠え>宜しくでは埒が明かない。尾を引くだけだ。その様な揉め事を遠謀を以て態と残したのか、将又問題解決能力の無きが如しの欧米の<後は野となれ山となれ>遣りっ放し癖なのか、何れにしても、当事者が話し合うべきなのだ。
シーレーンを課題にするなら、元より日本、狭い国の上周囲は海である。東西南北、オマケに八方塞がりなのだ。有事になれば、途端に国民は困苦欠乏、餓死する運命にある。
ウクライナを観るがよい。間抜けな妄想型の大統領(大統領職の資格はあるのか、違反ではないのか)が現在なぜ苦境に陥っているのか。支援する欧米側が苦境に立たされている。
結論はこうだ。平和でなければ生きていけない。
【閑話 完】
【概要】
最近、日本とフィリピンの間で相互アクセス協定(RAA)が調印されたことで、中国の専門家の間では、南シナ海でのエスカレーションの可能性に対する懸念が高まっている。国立南シナ海研究所のWu Shicun所長は、この地域における日本の軍事的プレゼンスの増大は、既存の緊張を悪化させる可能性があると警告した。日本の上川陽子外務大臣とフィリピンのジルベルト・テオドロ国防長官が署名したRAAは、日本軍をフィリピンに派遣して合同演習を行うことを可能にし、両国間の防衛関係を強化するものである。
Wu報道官は、この協定により、日本の自衛隊が南シナ海とフィリピンの軍事基地にアクセスするための敷居が下がり、日本がフィリピンに武器、装備、訓練を提供できるようになる可能性があると指摘した。また、日本の関与は、特に「準同盟」と呼ぶ日米・フィリピンの三国間関係に照らして、地域の複雑化につながる可能性があるとの懸念を表明した。
南シナ海は日本にとって戦略的に重要であり、エネルギーと貿易の90%が海路を通過している。日本は米国とともに、南シナ海における中国の領有権主張を退けた2016年のハーグ国際法廷の判決に従うよう中国に求めている。この姿勢は対立の激化を招き、最近ではセカンド・トーマス礁で中国とフィリピンの船舶が衝突し、8人のフィリピン人船員が負傷した。
Wu氏は、中国政府は自国の権益を守るために、特にセカンド・トーマス礁をめぐる係争に関して、マニラに対してより厳しい姿勢を取る必要があるかもしれないと示唆した。また、今後同様の事件が起こらないようにするために、より恒久的な解決策が必要になる可能性があることも示唆した。
要するに、日本とフィリピンの間の新たな防衛協定は、南シナ海における緊張、特にこの地域における米国の関与と歴史的紛争の文脈において、緊張を激化させる可能性がある。
【詳細】
日本とフィリピンが締結した新たな防衛協定である「相互アクセス協定(Reciprocal Access Agreement, RAA)」が、南シナ海での緊張を高める可能性があると中国の海事専門家が警告している。南シナ海研究国家研究所の創設者であるWu Shicunは、この協定が日本の自衛隊の南シナ海へのアクセスを容易にし、フィリピンの軍事基地に日本の軍隊が配置される可能性を高めると指摘している。
背景と目的
この協定は、日本とフィリピンの防衛協力を強化するためのものであり、特に中国との対立が続く中で、地域の安全保障を強化することを目的としている。2024年4月に開催された米国、日本、フィリピンの3カ国首脳会議は、この3カ国が新たな「準同盟」を形成する兆候と見なされている。
協定の内容
RAAにより、日本の自衛隊はフィリピンで共同軍事演習を行うために展開できるようになり、これには実弾演習も含まれる。この協定はまた、日本がフィリピンに対して兵器や装備を提供し、フィリピンの軍事訓練を支援する道を開くものである。
地域への影響
Wu Shicunは、この協定が南シナ海での日本の活動を増やし、中国の利益に対する挑戦を引き起こす可能性があると警告している。特に、中国が主張する領有権を国際裁判所が2016年に否定した判決の8周年を迎える中で、米国、日本、フィリピンの協力が中国との対立をさらに激化させる可能性があると指摘している。
歴史的背景
第二次世界大戦中、日本は米国の統治下にあったフィリピンを占領し、南シナ海を太平洋での戦略的拡大の一環として支配した。日本の敗戦後、東京は南シナ海での領有権を放棄したが、具体的な島々についての言及はなく、中国、フィリピン、そしてフランス植民地政府との間で領有権を巡る競争が続いている。
具体的な対立事例
最近では、2024年6月17日に南シナ海の第二トーマス礁(Renai Reef)で中国とフィリピンの船舶が衝突し、8人のフィリピン兵が負傷した。この事件は、フィリピンが1999年に意図的に座礁させた旧式の軍艦を拠点として維持するための補給作戦中に発生した。中国側は、この状況を「新しい管理モデル」として扱うことを提案しており、フィリピンの補給を人道的観点から許可する代わりに、事前通知と現場監視を求めている。
結論
RAAは、日本とフィリピンの防衛協力を強化する一方で、南シナ海における緊張を高める可能性がある。特に、米国、日本、フィリピンの3カ国が連携することで、中国との対立がさらに激化する可能性があるため、地域の安全保障に対する影響が注目されている。
【要点】
日本とフィリピンの相互アクセス協定(RAA)の概要と影響
1.協定の内容
・日本とフィリピンが防衛協力を強化するための協定。
・日本の自衛隊がフィリピンで共同軍事演習を行うために展開可能。
・日本がフィリピンに兵器や装備を提供し、軍事訓練を支援する道を開く。
2.背景と目的
・中国との対立が続く中で地域の安全保障を強化。
・米国、日本、フィリピンの3カ国が新たな「準同盟」を形成する兆候。
2.地域への影響
・南シナ海での日本の活動が増加し、中国の利益に対する挑戦が予想される。
・米国、日本、フィリピンの協力が中国との対立をさらに激化させる可能性。
3.歴史的背景
・第二次世界大戦中、日本が米国の統治下にあったフィリピンを占領。
・日本の敗戦後、南シナ海での領有権を放棄するも、具体的な島々についての言及はなし。
・南シナ海の領有権を巡る中国、フィリピン、フランス植民地政府との競争が続く。
4.具体的な対立事例
・2024年6月17日に南シナ海の第二トーマス礁で中国とフィリピンの船舶が衝突。
・8人のフィリピン兵が負傷。
・フィリピンが1999年に意図的に座礁させた旧式の軍艦を拠点として維持するための補給作戦中に発生。
5.中国の反応と対応
・中国側はフィリピンの補給を「新しい管理モデル」として提案。
・人道的観点から補給を許可する代わりに、事前通知と現場監視を求める。
6.今後の展望
・RAAが日本とフィリピンの防衛協力を強化しつつ、南シナ海における緊張を高める可能性。
・米国、日本、フィリピンの3カ国連携が地域の安全保障に対する影響が注目される。
【引用・参照・底本】
Japan-Philippines deal could spell trouble in South China Sea, maritime expert warns SCMP 2024.07.11
https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3270121/japan-philippines-deal-could-spell-trouble-south-china-sea-maritime-expert-warns?campaign=3270121&module=perpetual_scroll_0&pgtype=article
日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100694779.pdf