第14回BRICS貿易担当相会議2024年07月31日 11:19

Microsoft Designerで作成
【概要】

 第14回BRICS貿易担当相会議では、重要な経済協力に関する合意がいくつか行われた。会議では、デジタル経済やグリーン発展といった新興分野での協力を強化し、BRICS諸国のバリューチェーンや特殊経済区域、農業貿易などでの実務協力を推進する方策が話し合われた。また、多国間貿易体制の支持と世界貿易機関(WTO)改革に関する共通の立場も確認された。

 中国は、この合意を基にBRICS諸国と共に具体的なプロジェクトを進め、新興市場国や発展途上国の利益を守りながら、包括的な経済のグローバル化を推進する方針である。これにより、BRICSの経済貿易協力がさらに深化することが期待される。

【詳細】

 第14回BRICS貿易担当相会議では、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)がモスクワで集まり、貿易や経済協力について議論を深めた。この会議はBRICSの拡大後初めての経済担当相会議であり、世界経済の現状やBRICSの役割についての意見交換が行われた。主な焦点は以下の3つの分野にあった。

 1.デジタル経済とグリーン発展の協力強化

 ・BRICS諸国は、デジタル経済や環境に配慮した持続可能な開発(グリーン発展)における協力を強化することで合意した。これは、各国が技術革新や環境保護を通じて経済成長を図ることを目指している。デジタル経済では、電子商取引の推進やデジタルインフラの整備が含まれ、グリーン発展では、環境に配慮した貿易措置の導入が検討されている。

 2.バリューチェーンと実務協力の推進

 ・会議では、バリューチェーン(製品やサービスが市場に到達するまでの価値を生み出す過程)や特殊経済区域、農業貿易、中小・零細企業の分野での協力を強化する方策が話し合われた。これにより、各国の経済成長を促進し、国際競争力を高めることが期待されている。また、特殊経済区域では、投資の促進や貿易の円滑化が図られている。

 3.多国間貿易体制とWTO改革への支持

 ・BRICS諸国は、多国間貿易体制を支持し、WTOの改革を求める姿勢を明確にした。これは、国際貿易ルールの強化と公正な貿易環境の構築を目指すものであり、各国が連携してWTO改革を進めることにより、世界経済の安定と成長を図ることが目的である。

 中国は今後、これらの合意を実行に移し、BRICSの経済貿易協力プロジェクトを具体化することで、新興市場国と発展途上国の利益を守りつつ、経済のグローバル化を推進していく意向である。このような取り組みを通じて、BRICS諸国間の連携がさらに強化されることが期待されている。

【要点】

 第14回BRICS貿易担当相会議の主な内容を箇条書きで説明する。

 1.デジタル経済とグリーン発展の協力強化

 ・デジタル経済の推進(電子商取引、デジタルインフラの整備)
 ・環境に配慮した持続可能な開発(グリーン発展)の促進
 ・環境に関連する貿易措置の導入

 2.バリューチェーンと実務協力の推進

 ・バリューチェーンの強化と国際競争力の向上
 ・特殊経済区域での投資促進と貿易の円滑化
 ・農業貿易の利便性強化
 ・中小・零細企業の支援と発展

 3.多国間貿易体制とWTO改革への支持

 ・多国間貿易体制の支持を明確化
 ・国際貿易ルールの強化
 ・公正な貿易環境の構築
 ・WTO改革を求める姿勢の共有

 3.中国の今後の方針

 ・合意を実行し、具体的なプロジェクトを進める
 ・新興市場国と発展途上国の利益を守る
 ・経済のグローバル化を推進

 これらの取り組みにより、BRICS諸国間の協力が強化されることが期待されている。

【引用・参照・底本】

第14回BRICS貿易担当相会議で3つの分野で合意=商務部 CRI 2024.07.30
https://japanese.cri.cn/2024/07/30/ARTIjHg9t2tpUjrYJXrhrGKN240730.shtml?spm=C96518.PPFEiF4jxkmc.E5HuD27aAD6w.8

コメント

トラックバック