頼清徳とニッキー・ヘイリー元国連大使2024年08月27日 08:45

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【概要】

 2024年8月22日、台湾の頼清徳総統は、米国のニッキー・ヘイリー元国連大使と総統府で会談した。ヘイリー氏は、21日に開催された「ケタガラン・フォーラム」で基調講演を行うために台湾を訪れており、台湾を訪問したのは米国が台湾を支持していることを示すためだと述べた。頼総統は、ヘイリー氏の訪問を歓迎し、彼女の台湾への強い支持に感謝を表明した。

 また、頼総統は、ヘイリー氏が国連大使在任中に、台湾住民が国連本部に立ち入ることが許されない不公平を訴えたことに対して謝意を示した。頼総統は、台湾が地政学的な変化を理解し、防衛力や経済的強靭性を強化する必要があることを強調した。

 ヘイリー氏は、台湾が自由と民主主義の重要性を理解していると述べ、中国共産党が抑圧的であることを批判した。また、台湾がコロナウイルスの発生源が中国であることを世界に伝えた努力を称賛し、中国がその責任を果たしていないことを非難した。最後に、ヘイリー氏は台湾と米国のパートナーシップをさらに強化し、民主主義の重要性を訴え続ける意志を示した。

【詳細】
 
 2024年8月22日、台湾の頼清徳総統は、米国のニッキー・ヘイリー元国連大使と総統府内で会談した。ヘイリー元大使は、台湾の「ケタガラン・フォーラム」(21日に開催された「インド太平洋安全保障対話」)で基調講演を行うために台湾を訪れた際、この会談が実現した。会談の冒頭で、ヘイリー氏は「台湾を訪れたのは、米国が台湾と団結していることを示すためだ。米国民が台湾を支持し、台湾の成功を願っていることを、台湾の人々に知ってもらいたい」と述べ、米国の台湾支持の姿勢を強調した。

 頼総統は、ヘイリー元大使と夫のマイケル・ヘイリー氏の台湾訪問を歓迎し、彼女の友情と台湾に対する揺るぎない支持に感謝を述べた。特に、ヘイリー氏が国連大使在任中に、台湾の住民が国連本部に入ることすら許されない現状が不公平であると公言したことに触れ、「国連は全世界のものであり、どの国の住民にも国連本部での業務に従事する権利がある」とのヘイリー氏の発言に感謝を示した。頼総統は、この発言について「ずっと直接お礼を言いたかった」と語り、深い感謝の意を表した。

 さらに、頼総統は台湾が地政学的変化を理解しており、特に覇権主義の台頭が世界の民主主義諸国に対して強い脅威を与えている中で、台湾の地理的重要性についても言及した。台湾がインド太平洋地域の第一列島線に位置していることから、台湾は自身の防衛力と経済的強靭性を強化し、民主主義陣営と協力して抑止力を発揮し、戦争を避けるために備えることが重要であると説明した。そして、台湾海峡の平和と安定を実現するためには、台湾の実力が不可欠であることを強調した。

 ヘイリー元国連大使は、今回の台北市内での「ケタガラン・フォーラム」に招かれたことを光栄に感じていると述べた。また、台湾の人々が自由と民主主義の価値を深く理解していることを評価し、それに対して中国共産党が住民を抑圧し、権力を誇示するために圧迫的な手段を用いていると批判した。ヘイリー氏は、台湾と中国の間の道徳的な違いが、特にコロナ禍において顕著に表れたと指摘した。台湾が中国発祥のウイルスであることを全世界に伝えるために努力した一方、中国はその事実を隠蔽し、世界に対する警告を怠り、その結果として全世界で数百万人の命が失われたと語気を強めて述べた。

 最後に、ヘイリー氏は再度「米国民が台湾を支持し、台湾の成功を願っていることを伝えるために台湾に来た」と述べ、台米のパートナーシップを今後も強化し、軍事、ビジネス、学術など様々な分野で協力を深めていく意思を示した。そして、全世界に対して民主主義の重要性を訴えていく決意を表明した。

【要点】

 ・会談の背景: 頼清徳総統とニッキー・ヘイリー元国連大使は、2024年8月22日に台湾の総統府で会談。ヘイリー氏は「ケタガラン・フォーラム」で基調講演を行うために台湾を訪問。

 ・ヘイリー氏の訪問目的: ヘイリー氏は台湾訪問の目的を、米国が台湾と団結していることを示し、米国民が台湾の成功を願っていることを台湾の人々に伝えるためと説明。

 ・頼総統の歓迎と感謝: 頼総統は、ヘイリー氏とその夫の初訪問を歓迎し、ヘイリー氏の台湾に対する揺るぎない支持と友情に感謝の意を表明。

 ・国連に関する感謝: 頼総統は、ヘイリー氏が国連大使在任中に、台湾住民が国連本部に入れないことの不公平を訴えたことに対し、感謝を示す。

 ・台湾の地政学的重要性: 頼総統は、台湾がインド太平洋地域の第一列島線に位置するため、防衛力と経済的強靭性を強化し、戦争を回避するために戦争に備える必要があると説明。

 ・ヘイリー氏の中国批判: ヘイリー氏は、中国共産党が住民を抑圧する手段を用いていると批判。また、コロナ禍における台湾と中国の対応の違いを指摘し、中国がウイルスの発生源を隠蔽したことを非難。

 ・台米パートナーシップの強化: ヘイリー氏は、台米のパートナーシップを軍事、ビジネス、学術などの分野でさらに強化し、民主主義の重要性を世界に訴える意志を示す。

【参考】

 ➢ ケタガラン・フォーラムは、台湾で開催される国際会議で、主にインド太平洋地域の安全保障や国際関係に関する議論が行われる。台湾政府や関連団体が主催し、各国の政府関係者、学者、専門家が参加する。このフォーラムは、台湾がインド太平洋地域における重要な役割を果たすことを強調し、地域の平和と安定を保つための戦略や協力関係を議論する場となっている。

 2024年のフォーラムでは、ニッキー・ヘイリー元国連大使が基調講演を行い、台湾と米国の連携や中国の覇権主義に対する対応について語った。このフォーラムは、台湾が国際社会における地位を高め、地域の安全保障における役割を強調するための重要なプラットフォームとなっている。

【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

頼清徳総統、米国のニッキー・ヘイリー元国連大使と会談 TAIWAN TODAY 2024.08.23
https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=257589&unit=149&utm_source=Taiwan+Today+JP+9&utm_medium=email&utm_content=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9+textlink

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