潮流は西側脱却である ― 2023年09月06日 09:42
欧州連合(EU)とG20(註1)サミットにおけるアフリカ連合(AU)(註2)との動向を述べている。
EUとG20のアフリカ連合(AU)の永続的なメンバーシップ支持
欧州連合(EU)は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がG20サミットに参加しないことを受けて、アフリカ連合(AU)のG20への永続的なメンバーシップを支持する意向を持っている。
アフリカとのパートナーシップ強化
EUは、アフリカとのパートナーシップを強化し、その歴史的な植民地主義の問題にもかかわらず、その関係を再定義しようとしている。
ミニ・サミットの開催
EUはG20サミットの際にAUとの「ミニ・サミット」を開催する予定で、EUの指導者やアフリカの指導者が参加する予定である。EUからはウルズラ・フォン・デア・ライエン(欧州委員会委員長)、チャールズ・ミシェル(欧州評議会議長)、オラフ・ショルツ(ドイツ首相)が参加する予定だ。
永続的なメンバーシップへの支持
EUはAUのG20への永続的なメンバーシップを支持し、AUを「招待された国際機関」という現在の地位からG20内でEUと同等の地位に置こうとしている。これにより、アフリカが大陸に影響を及ぼす国際機関の意思決定においてより強力な発言力を持つことを意図している。
ロシアの関与
ロシアもAUのG20メンバーシップを支持しており、外相セルゲイ・ラブロフはそれが近く実現し、「積極的な支持」を示している。
議題
ニューデリーでの「ミニ・サミット」では、ウクライナの紛争が世界食料安全保障に及ぼす影響、国際金融構造の改革、アフリカへの投資環境の改善、サヘル地域の状況などが議論される予定である。
ロシアと中国のアフリカとの関係
ロシアと中国は最近、アフリカとの外交的および経済的な関係を強化している。BRICSサミットでは、エジプトとエチオピアを含む6つの新しい加盟国が2024年から正式に参加することが合意された。また、サンクトペテルブルクでのロシア・アフリカサミットでは、セキュリティ問題、食料安全保障、情報技術、気候変動などを含むさまざまな分野での協力が合意された。
【要点】
欧州連合(EU)は、ニューデリーで開催されるアフリカ連合(AU)の次回首脳会議でG20の常任理事国入りを目指すアフリカ連合(AU)の提案を支持する予定である。 EUは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がサミットに欠席する「この機会を捉えて」、アフリカとのパートナーシップの再定義に真剣であることを示そうとしていると伝えられている。
EUとAUは、2日間の会合の初日となる9月9日にG20サミットに合わせて「ミニサミット」を開催する予定だ。 会合にはEUのウルズラ・フォン・デア・ライエン、シャルル・ミシェル、オラフ・ショルツの各首脳に加え、AUの南アフリカのシリル・ラマポーザ、エジプトのアブデル・ファッタ・エル・シシ、ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ、コモロのアザリ・アスーマニも出席する。
ミニサミットの主な目的は、G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持することだ。常任理事国になれば、AUはG20内でEUと同レベルの代表権を獲得し、大陸に影響を与える国際機関の決定においてアフリカに強い発言力を与えることになる。
ロシアもAUがG20のメンバーになることに関心を持っており、セルゲイ・ラブロフ外相はロシアの「積極的な支援」により間もなくそうなると述べた。
ミニサミットで議論される他の問題には、世界の食糧安全保障に対するウクライナ紛争の影響、世界の金融構造の改革、アフリカへの投資条件の改善、サヘル地域の状況などが含まれる。
G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を強化し、アフリカ大陸で増大するロシアと中国の影響力に対抗する手段とみられている。
AUのG20常任理事国入りを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を深めるというEUの決意の表れとみられている。EUはアフリカ最大の貿易相手国であり、両大陸は平和、安全保障、持続可能な開発を促進するという共通の利益を持っている。
ニューデリーでのミニサミットは、EUとAUにとって協力を強化し、大陸が直面する課題に協力して取り組む重要な機会となる。
ニューデリーでのミニサミットは、EUがアフリカに新たな焦点を当てていることを示す最新の兆候である。EUは3月、貿易と投資の促進、良好な統治の促進、移民の根本原因への対処を目的としたアフリカに対する新たな戦略を発表した。EUはテロや過激主義の脅威に対抗するため、アフリカ諸国との安全保障協力の強化にも取り組んでいる。
アフリカへの関与を目指すEUの取り組みは、さまざまな反応を示す可能性が高い。 一部のアフリカ諸国はEUがアフリカ大陸に再び注力することを歓迎するかもしれないが、他の国々はEUの動機に警戒しているかもしれない。しかし、EUのG20常任理事国獲得への立候補を支持するというEUの決定は、アフリカとEUの関係の将来に大きな影響を与える可能性が高い重要な進展である。
【桃源寸評】
西側は常に<口に蜜あり腹に剣あり>であると、気を付けるべきだ。相手との同等性というより、支配・傀儡作り・利用・自益・他国との争いのツール等が主たる動機である。
故に第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻しましたが、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存している状況である。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けている。
これらの頸木を外すには特にヨーロッパとは間隔を置く必要がある。最近のガボン・ニジェールでのようなクーデターが、或る意味では国民を念頭に置いた場合には、必要とされる場合もあるだろう。
しかし、西側は狡猾である、彼の手此の手で執拗に攻めてくる。
兎に角、一旦国内に引き入れたら、根が生えてしまい、自国の養分を吸い取られることになる。甘言につられることの無きよう注意すべきである。
<用心は勇気の大半なり>である。
時代はG7(1975年)→G20(1999年)→BRICS(2001年)へと潮流を遷移させている。つまり、西側を取り除く流れである。
西側は妖怪<子泣き爺>のようである。
(註1)
G20(Group of Twenty)の主唱国は、当初設立された際にカナダとアメリカ合衆国によって提唱された。彼らはG20のアイデアを最初に提案し、その後の発展と拡大に貢献した。カナダとアメリカ合衆国は、G20が国際経済政策の協調と協力を促進する重要な役割を果たしている。G20は、1999年に設立され、以来、世界経済の主要なプレイヤーが協力し、経済政策に関する対話と合意形成を行うためのフォーラムとして成長した。
G20は、世界の主要な経済大国および新興国が参加する国際経済フォーラムである
。G20は、世界経済の安定性と持続可能な成長を促進し、国際経済政策の協調を推進するために設立された。
メンバーシップ: G20のメンバーは、世界経済の主要なプレイヤーである20の国と地域で構成されている。これには、米国、中国、ロシア、日本、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、ブラジル、オーストラリア、インド、韓国、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、アルゼンチン、メキシコ、インドネシア、EU(欧州連合)が含まれている。
役割と目的: G20は、世界経済の課題に対処し、経済政策の調整と国際金融制度の改革を通じて世界の経済的な安定性を維持することを目的としている。主な焦点は、金融危機の予防、貿易、投資、気候変動、貧困削減、インフラ整備などの経済問題である。
首脳会議: G20は年次首脳会議を開催し、各国の首脳が集まって議論を行います。これらの会議では、世界経済の状況についての対話や合意形成が行われる。また、特定の問題に焦点を当てたサミットやワーキンググループも設立されることがある。
決議と合意: G20は共同声明や合意文書を採択し、異なる国々の経済政策の調整を試みる。これらの合意は、世界経済に対する影響力を持つため、国際的な経済政策の方向性を示す重要な文書となる。
国際機関との連携: G20は国際通貨基金(IMF)、世界銀行、国際労働機関(ILO)などの国際機関と協力し、国際経済政策の調整や改革を推進する。
主要な課題: G20は様々な課題に取り組んでおり、金融危機、貿易摩擦の解決、気候変動対策、貧困削減、国際安全保障など、多岐にわたる問題に焦点を当てている。
G20は国際的な経済協力の重要なプラットフォームであり、世界経済の安定性と成長に寄与することを目指している。各国の経済政策の協調と連携が、グローバルな課題に対処するために不可欠な要素となっている。
(註2)
アフリカ連合(African Union、AU)は、アフリカ大陸の国々が協力し、共同で取り組むための国際的な組織である。
設立と前身: アフリカ連合は、2001年に設立されたが、その前身は1963年に設立されたアフリカ統一機構(Organization of African Unity、OAU)である。OAUはアフリカ諸国が植民地支配(註3)から独立した後、アフリカの団結と共同行動を促進するために設立された。その後、OAUはAUに進化し、より包括的な目標と役割を持つようになった。
本部: アフリカ連合の本部はエチオピアの首都、アディスアベバにある。ここにはAU委員会と呼ばれる組織が置かれ、AUの日常的な活動と政策決定が行われる。
メンバーシップ: アフリカ連合には現在、55のアフリカ諸国が加盟している。これにより、アフリカ大陸のほぼすべての国が組織に参加しており、アフリカ全体の代表性を持つ国際的な組織となっている。
目標と役割: アフリカ連合の主な目標は、アフリカ諸国の経済的、政治的、社会的な発展を促進し、アフリカ全体の平和と安定性を維持することである。AUは紛争の解決、民主的なガバナンスの促進、人権の保護、貧困削減、経済統合など、幅広い分野で活動している。
組織と機関: アフリカ連合には、AU委員会、平和と安全保障評議会、経済社会文化評議会、パートナーシップと協力評議会などの重要な組織と機関が存在する。これらの組織は、異なる分野での政策策定と実施に貢献している。
国際的な役割: アフリカ連合は、アフリカ諸国の代表として国際舞台で発言力を持ち、国際的な問題に関与している。また、紛争の仲裁、平和維持活動、国際連合との協力など、国際的な平和と安全保障にも取り組んでいる。
アフリカ連合は、アフリカ大陸全体の発展と安定性のために重要な役割を果たしており、アフリカ諸国の協力と連帯を促進するための重要な組織として存在している。
(註3)
新植民地(Neo-colonialism)は、歴史的な植民地主義の形態であり、かつての植民地支配が形態を変えて続いている現象を指す。
植民地主義の背景: 新植民地主義は、かつての植民地主義の時代に遡る。植民地主義は、ヨーロッパ列強(イギリス、フランス、スペイン、ポルトガルなど)が、19世紀から20世紀初頭にかけて、アフリカ、アジア、アメリカなどの地域を支配し、資源や労働力を搾取した。
独立と新植民地主義の出現: 第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻した。しかし、新植民地主義の概念は、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存していると主張する。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けているという見方である。
経済的依存: 新植民地主義では、新興国が外国の企業や国際金融機関によって経済的に依存しているという点が強調される。これは、外国企業による資源の採掘や農業の支配、国際金融制度における債務問題など、経済的な支配と依存の形態を指している。
政治的影響: 新植民地主義は、政治的な圧力や外交的な干渉を通じて、新興国家の政策やリーダーシップに影響を及ぼすことを含む。外国の政府や国際機関が新興国の内政に介入し、自国の利益を追求することがある。
文化的依存: 文化的な新植民地主義は、外国の文化や価値観が新興国で広まり、現地の文化やアイデンティティに影響を与える現象を指す。これは、国際メディアや大手企業が新興国での文化的な影響力を持つことに関連している。
新植民地主義は、国際的な不平等や経済的な依存関係を強調し、自己決定権や独立を持つ国々が依然として外部の圧力にさらされているという問題を提起する。この概念は、発展途上国の政治、経済、文化に関する議論で頻繁に取り上げられる。
引用・参照・底本
「EU plans to take advantage of Xi, Putin absence at G20 summit – Bloomberg」 RT 2023.09.05
EUとG20のアフリカ連合(AU)の永続的なメンバーシップ支持
欧州連合(EU)は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がG20サミットに参加しないことを受けて、アフリカ連合(AU)のG20への永続的なメンバーシップを支持する意向を持っている。
アフリカとのパートナーシップ強化
EUは、アフリカとのパートナーシップを強化し、その歴史的な植民地主義の問題にもかかわらず、その関係を再定義しようとしている。
ミニ・サミットの開催
EUはG20サミットの際にAUとの「ミニ・サミット」を開催する予定で、EUの指導者やアフリカの指導者が参加する予定である。EUからはウルズラ・フォン・デア・ライエン(欧州委員会委員長)、チャールズ・ミシェル(欧州評議会議長)、オラフ・ショルツ(ドイツ首相)が参加する予定だ。
永続的なメンバーシップへの支持
EUはAUのG20への永続的なメンバーシップを支持し、AUを「招待された国際機関」という現在の地位からG20内でEUと同等の地位に置こうとしている。これにより、アフリカが大陸に影響を及ぼす国際機関の意思決定においてより強力な発言力を持つことを意図している。
ロシアの関与
ロシアもAUのG20メンバーシップを支持しており、外相セルゲイ・ラブロフはそれが近く実現し、「積極的な支持」を示している。
議題
ニューデリーでの「ミニ・サミット」では、ウクライナの紛争が世界食料安全保障に及ぼす影響、国際金融構造の改革、アフリカへの投資環境の改善、サヘル地域の状況などが議論される予定である。
ロシアと中国のアフリカとの関係
ロシアと中国は最近、アフリカとの外交的および経済的な関係を強化している。BRICSサミットでは、エジプトとエチオピアを含む6つの新しい加盟国が2024年から正式に参加することが合意された。また、サンクトペテルブルクでのロシア・アフリカサミットでは、セキュリティ問題、食料安全保障、情報技術、気候変動などを含むさまざまな分野での協力が合意された。
【要点】
欧州連合(EU)は、ニューデリーで開催されるアフリカ連合(AU)の次回首脳会議でG20の常任理事国入りを目指すアフリカ連合(AU)の提案を支持する予定である。 EUは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がサミットに欠席する「この機会を捉えて」、アフリカとのパートナーシップの再定義に真剣であることを示そうとしていると伝えられている。
EUとAUは、2日間の会合の初日となる9月9日にG20サミットに合わせて「ミニサミット」を開催する予定だ。 会合にはEUのウルズラ・フォン・デア・ライエン、シャルル・ミシェル、オラフ・ショルツの各首脳に加え、AUの南アフリカのシリル・ラマポーザ、エジプトのアブデル・ファッタ・エル・シシ、ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ、コモロのアザリ・アスーマニも出席する。
ミニサミットの主な目的は、G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持することだ。常任理事国になれば、AUはG20内でEUと同レベルの代表権を獲得し、大陸に影響を与える国際機関の決定においてアフリカに強い発言力を与えることになる。
ロシアもAUがG20のメンバーになることに関心を持っており、セルゲイ・ラブロフ外相はロシアの「積極的な支援」により間もなくそうなると述べた。
ミニサミットで議論される他の問題には、世界の食糧安全保障に対するウクライナ紛争の影響、世界の金融構造の改革、アフリカへの投資条件の改善、サヘル地域の状況などが含まれる。
G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を強化し、アフリカ大陸で増大するロシアと中国の影響力に対抗する手段とみられている。
AUのG20常任理事国入りを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を深めるというEUの決意の表れとみられている。EUはアフリカ最大の貿易相手国であり、両大陸は平和、安全保障、持続可能な開発を促進するという共通の利益を持っている。
ニューデリーでのミニサミットは、EUとAUにとって協力を強化し、大陸が直面する課題に協力して取り組む重要な機会となる。
ニューデリーでのミニサミットは、EUがアフリカに新たな焦点を当てていることを示す最新の兆候である。EUは3月、貿易と投資の促進、良好な統治の促進、移民の根本原因への対処を目的としたアフリカに対する新たな戦略を発表した。EUはテロや過激主義の脅威に対抗するため、アフリカ諸国との安全保障協力の強化にも取り組んでいる。
アフリカへの関与を目指すEUの取り組みは、さまざまな反応を示す可能性が高い。 一部のアフリカ諸国はEUがアフリカ大陸に再び注力することを歓迎するかもしれないが、他の国々はEUの動機に警戒しているかもしれない。しかし、EUのG20常任理事国獲得への立候補を支持するというEUの決定は、アフリカとEUの関係の将来に大きな影響を与える可能性が高い重要な進展である。
【桃源寸評】
西側は常に<口に蜜あり腹に剣あり>であると、気を付けるべきだ。相手との同等性というより、支配・傀儡作り・利用・自益・他国との争いのツール等が主たる動機である。
故に第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻しましたが、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存している状況である。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けている。
これらの頸木を外すには特にヨーロッパとは間隔を置く必要がある。最近のガボン・ニジェールでのようなクーデターが、或る意味では国民を念頭に置いた場合には、必要とされる場合もあるだろう。
しかし、西側は狡猾である、彼の手此の手で執拗に攻めてくる。
兎に角、一旦国内に引き入れたら、根が生えてしまい、自国の養分を吸い取られることになる。甘言につられることの無きよう注意すべきである。
<用心は勇気の大半なり>である。
時代はG7(1975年)→G20(1999年)→BRICS(2001年)へと潮流を遷移させている。つまり、西側を取り除く流れである。
西側は妖怪<子泣き爺>のようである。
(註1)
G20(Group of Twenty)の主唱国は、当初設立された際にカナダとアメリカ合衆国によって提唱された。彼らはG20のアイデアを最初に提案し、その後の発展と拡大に貢献した。カナダとアメリカ合衆国は、G20が国際経済政策の協調と協力を促進する重要な役割を果たしている。G20は、1999年に設立され、以来、世界経済の主要なプレイヤーが協力し、経済政策に関する対話と合意形成を行うためのフォーラムとして成長した。
G20は、世界の主要な経済大国および新興国が参加する国際経済フォーラムである
。G20は、世界経済の安定性と持続可能な成長を促進し、国際経済政策の協調を推進するために設立された。
メンバーシップ: G20のメンバーは、世界経済の主要なプレイヤーである20の国と地域で構成されている。これには、米国、中国、ロシア、日本、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、ブラジル、オーストラリア、インド、韓国、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、アルゼンチン、メキシコ、インドネシア、EU(欧州連合)が含まれている。
役割と目的: G20は、世界経済の課題に対処し、経済政策の調整と国際金融制度の改革を通じて世界の経済的な安定性を維持することを目的としている。主な焦点は、金融危機の予防、貿易、投資、気候変動、貧困削減、インフラ整備などの経済問題である。
首脳会議: G20は年次首脳会議を開催し、各国の首脳が集まって議論を行います。これらの会議では、世界経済の状況についての対話や合意形成が行われる。また、特定の問題に焦点を当てたサミットやワーキンググループも設立されることがある。
決議と合意: G20は共同声明や合意文書を採択し、異なる国々の経済政策の調整を試みる。これらの合意は、世界経済に対する影響力を持つため、国際的な経済政策の方向性を示す重要な文書となる。
国際機関との連携: G20は国際通貨基金(IMF)、世界銀行、国際労働機関(ILO)などの国際機関と協力し、国際経済政策の調整や改革を推進する。
主要な課題: G20は様々な課題に取り組んでおり、金融危機、貿易摩擦の解決、気候変動対策、貧困削減、国際安全保障など、多岐にわたる問題に焦点を当てている。
G20は国際的な経済協力の重要なプラットフォームであり、世界経済の安定性と成長に寄与することを目指している。各国の経済政策の協調と連携が、グローバルな課題に対処するために不可欠な要素となっている。
(註2)
アフリカ連合(African Union、AU)は、アフリカ大陸の国々が協力し、共同で取り組むための国際的な組織である。
設立と前身: アフリカ連合は、2001年に設立されたが、その前身は1963年に設立されたアフリカ統一機構(Organization of African Unity、OAU)である。OAUはアフリカ諸国が植民地支配(註3)から独立した後、アフリカの団結と共同行動を促進するために設立された。その後、OAUはAUに進化し、より包括的な目標と役割を持つようになった。
本部: アフリカ連合の本部はエチオピアの首都、アディスアベバにある。ここにはAU委員会と呼ばれる組織が置かれ、AUの日常的な活動と政策決定が行われる。
メンバーシップ: アフリカ連合には現在、55のアフリカ諸国が加盟している。これにより、アフリカ大陸のほぼすべての国が組織に参加しており、アフリカ全体の代表性を持つ国際的な組織となっている。
目標と役割: アフリカ連合の主な目標は、アフリカ諸国の経済的、政治的、社会的な発展を促進し、アフリカ全体の平和と安定性を維持することである。AUは紛争の解決、民主的なガバナンスの促進、人権の保護、貧困削減、経済統合など、幅広い分野で活動している。
組織と機関: アフリカ連合には、AU委員会、平和と安全保障評議会、経済社会文化評議会、パートナーシップと協力評議会などの重要な組織と機関が存在する。これらの組織は、異なる分野での政策策定と実施に貢献している。
国際的な役割: アフリカ連合は、アフリカ諸国の代表として国際舞台で発言力を持ち、国際的な問題に関与している。また、紛争の仲裁、平和維持活動、国際連合との協力など、国際的な平和と安全保障にも取り組んでいる。
アフリカ連合は、アフリカ大陸全体の発展と安定性のために重要な役割を果たしており、アフリカ諸国の協力と連帯を促進するための重要な組織として存在している。
(註3)
新植民地(Neo-colonialism)は、歴史的な植民地主義の形態であり、かつての植民地支配が形態を変えて続いている現象を指す。
植民地主義の背景: 新植民地主義は、かつての植民地主義の時代に遡る。植民地主義は、ヨーロッパ列強(イギリス、フランス、スペイン、ポルトガルなど)が、19世紀から20世紀初頭にかけて、アフリカ、アジア、アメリカなどの地域を支配し、資源や労働力を搾取した。
独立と新植民地主義の出現: 第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻した。しかし、新植民地主義の概念は、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存していると主張する。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けているという見方である。
経済的依存: 新植民地主義では、新興国が外国の企業や国際金融機関によって経済的に依存しているという点が強調される。これは、外国企業による資源の採掘や農業の支配、国際金融制度における債務問題など、経済的な支配と依存の形態を指している。
政治的影響: 新植民地主義は、政治的な圧力や外交的な干渉を通じて、新興国家の政策やリーダーシップに影響を及ぼすことを含む。外国の政府や国際機関が新興国の内政に介入し、自国の利益を追求することがある。
文化的依存: 文化的な新植民地主義は、外国の文化や価値観が新興国で広まり、現地の文化やアイデンティティに影響を与える現象を指す。これは、国際メディアや大手企業が新興国での文化的な影響力を持つことに関連している。
新植民地主義は、国際的な不平等や経済的な依存関係を強調し、自己決定権や独立を持つ国々が依然として外部の圧力にさらされているという問題を提起する。この概念は、発展途上国の政治、経済、文化に関する議論で頻繁に取り上げられる。
引用・参照・底本
「EU plans to take advantage of Xi, Putin absence at G20 summit – Bloomberg」 RT 2023.09.05