米国:世界的に正統性を失いつつある2024年02月15日 19:48

国立国会図書館デジタルコレクション「新編金瓶梅 西門屋啓十郎・李のかめ子 (新編金瓶梅)」を加工して作成
 ウゴ・チャベスが大統領に就任した1999年2月2日に始まったベネズエラ・ボリバル革命(註1)の25周年を振り返っている。この革命は、ベネズエラ国民のニーズに応え、ラテンアメリカ統合を促進し、この地域における米国の支配に挑戦することを目的としていた。主なマイルストーンには、古い最高裁判所を最高裁判所(TSJ)に置き換えた新憲法の起草と、その後の民主化の深化に向けた取り組みが含まれる。

 しかし、革命はベネズエラの寡頭政治からの反対や米国からの干渉などの課題に直面した。この記事は、ベネズエラの次期大統領選挙に至るまでの最近の出来事を論じ、政治家マリア・コリーナ・マチャドの立候補資格剥奪をめぐる論争に焦点を当てている。TSJが彼女の資格剥奪を支持する決定を下したことは、米国からの批判を招き、ベネズエラへの制裁の発動につながった。

 国連憲章を引用して、米国の対ベネズエラ経済制裁の違法性を強調し、一方的な措置に反対する国連憲章を擁護する友の会の結成について論じている。また、ベネズエラの政治状況に対処し、米国の制裁を解除することを目的としたバルバドス合意(註2)にも言及している。

 著者は、米国政府によるベネズエラ当局者へのスパイ行為や軍事行動の威嚇などの例を挙げて、米国の介入主義と帝国主義を批判している。彼は、米国は世界的に正統性を失いつつあり、グローバル・サウスの新興勢力からの挑戦に直面していると主張している。

 結論として、この記事は、外圧に直面したベネズエラの回復力と、独自の発展の道を追求する決意を強調しています。ニコラス・マドゥロ大統領が、外国の干渉からのベネズエラの独立を主張し、新世界秩序のビジョンを推進したことを引用している。

 著者のビジェイ・プラシャドは、インドの歴史家、編集者、ジャーナリストであり、世界政治、帝国主義、社会正義に関する著作で知られている。彼は、グローブトロッターやトリコンチネンタル:社会調査研究所などの組織に所属している。

(註1)
ベネズエラ・ボリバル革命(Bolivarian Revolution)は、1999年にウゴ・チャベスがベネズエラの大統領に就任してから始まった政治的運動および社会変革のプロセスである。この革命は、ベネズエラの社会的・経済的不平等に対する取り組みや、ラテンアメリカの独立と統一を目指す大きな理念に基づいている。

ボリバル革命は、ベネズエラの憲法改革や社会主義的な政策の推進など、さまざまな側面で具体化された。チャベス政権は、国有化や土地改革、教育・医療制度の改善などを通じて、特に貧困層や労働者階級の生活を改善するための政策を実施した。

この革命は、ベネズエラ国内だけでなく、ラテンアメリカ全体に影響を与えた。多くの国で類似の政治運動が起こり、ボリバリアン・アライアンス(ALBA)などの地域統合プロジェクトが形成された。

しかし、ボリバル革命は多くの挑戦に直面した。内部および外部の反対勢力、経済的な困難、そして後継政権の政策の変化などがその一部である。現在も、ベネズエラの政治状況は複雑であり、ボリバル革命の目標の達成に向けた努力が続いている。

(註2)
バルバドス合意(Barbados Agreement)は、ベネズエラの政治的な対立解消を目指して、2019年にバルバドスで締結された合意である。この合意は、ベネズエラの政府と反対勢力の間で締結され、メキシコとノルウェーの仲介によって達成された。

バルバドス合意は、ベネズエラの政治的な対立を和らげ、国内対話を促進し、選挙や民主的プロセスを実施するための枠組みを提供することを目的としている。この合意は、反対勢力と政府が協力し、国内問題を平和的に解決するための道筋を示すものであった。

バルバドス合意には、選挙監視や選挙前の行動規範など、選挙関連の重要な問題についての合意も含まれていた。また、合意には国際社会や国際機関、特にラテンアメリカ諸国や欧州連合(EU)など、関係国や地域の支援や監視を求める要素も含まれていた。

バルバドス合意は、ベネズエラの政治情勢における重要な一歩であり、内部対話や民主的な解決策を模索する試みの一環として注目された。しかし、合意の達成後も、ベネズエラの政治的な不安定さや経済的な困難は続いている。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

25 Years of Venezuelan Defiance Consortium News 2024.02.12

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