スーパーディスク誕生2024年02月27日 18:19

国立国会図書館デジタルコレクション「文弥の亡霊・伊丹屋十兵衛・十兵衛女房おしづ」を加工して作成
 2024年2月23日、人民網日本語版によると、中国科学院上海光学精密機械研究所で「スーパーディスク」が誕生した。このディスクは、一般的な光ディスクの容量の1万倍に相当し、一般的なハードディスクの100倍の容量を持っている。

 この「スーパーディスク」は、上海理工大学などの科学研究機関との協力によって開発されたものであり、超大容量・超解像3D光ストレージの研究での画期的な進展である。国際的な学術誌「ネイチャー」は、この成果に関連する研究を22日に掲載した。

このディスクは、超解像の書き込み、超解像の読み出し、3Dストレージ、そして長寿命媒体を実現することができる。これは、光ストレージ研究分野における世界的な難題であり、10数年にわたって解決が待たれていた。

 上海理工大学の顧敏院士は、2012年にツインビーム超解像光ストレージの原理を提唱した。そして、「スーパーディスク」研究チームは7年間の研究開発の成果を結集し、世界で初めてツインビーム制御凝集誘起発光超解像光ストレージ技術を開発した。

 この技術を用いて実験が行われ、情報の書き込み・読み出しで光学回折限界を突破し、スポットサイズ54nm、トラックピッチ70nmの超解像データストレージを実現した。さらに、100層の多層記録を達成し、1枚のディスクの容量がPb級(註)に達した。また、加速劣化試験の結果、ディスク媒体の寿命は40年を超えることが確認された。

【視点】

中国、光ストレージ分野で重大な進展「スーパーディスク」誕生

中国科学院上海光学精密機械研究所は、従来の光ディスクの1万倍、ハードディスクの100倍の容量を持つ「スーパーディスク」を開発した。これは、超大容量・超解像3D光ストレージ技術の研究における画期的な進展であり、国際学術誌「ネイチャー」にも掲載されている。

従来の課題を克服

従来の光ストレージ技術は、情報記録密度が低く、データ容量が限られるという課題があった。また、読み書き速度も遅く、長期保存にも適していなかった。

スーパーディスクの特徴

スーパーディスクは、以下の特徴を持つ革新的な光ストレージ技術である。

超高密度記録: 光学回折限界を突破し、従来の光ディスクの1万倍、ハードディスクの100倍のデータ容量を実現
超解像読み書き: 高精度な光制御技術により、超解像度の読み書きを実現
3Dストレージ: 多層記録技術により、1枚のディスクに100層のデータを記録
長寿命: 加速劣化試験の結果、40年以上の寿命を確認

研究開発の経緯

超解像書き込み、超解像読み出し、3Dストレージ、長寿命媒体の同時実現は、光ストレージ分野における長年の課題であった。上海理工大学の顧敏院士は2012年に、ツインビーム超解像光ストレージの原理を提唱し、7年間にわたる研究開発を経て、スーパーディスクの開発に成功した。

今後の展望

スーパーディスクは、データストレージ技術に革命をもたらす可能性を秘めている。大容量データの保存、高速データ転送、長期アーカイブなど、様々な分野での活用が期待されている。

・ディスク容量は従来の光ディスクの1万倍、ハードディスクの100倍

中国科学院上海光学精密機械研究所は、「スーパーディスク」と呼ばれる画期的な光ストレージ技術を開発した。この技術は、従来の光ディスクと比較して1万倍、一般的なハードディスクと比較して100倍のストレージ容量を実現する。

・超解像書き込み、超解像読み出し、3Dストレージ、長寿命媒体を同時に実現

スーパーディスクは、超解像書き込み、超解像読み出し、3Dストレージ、長寿命媒体という4つの重要な技術を同時に実現している。これらの技術は、これまで光ストレージ分野で解決が待たれていた世界的な難題であった。

・7年間の研究開発を経て誕生

スーパーディスクは、上海理工大学などの科学研究機関との緊密な協力のもと、7年間の研究開発を経て誕生した。研究チームは、独自のツインビーム制御凝集誘起発光超解像光ストレージ技術を開発し、光学回折限界を突破することで、超高密度なデータ記録を実現した。

・1枚のディスクで1ペタバイト以上のデータを保存可能

実験では、1枚のスーパーディスクに1ペタバイト以上のデータを保存することができた。これは、従来の光ディスクの約1万倍、一般的なハードディスクの約100倍の容量に相当する。

・ディスク寿命は40年以上

加速劣化試験の結果、スーパーディスクのディスク媒体の寿命は40年以上と推定されている。これは、従来の光ディスクやハードディスクよりも大幅に長い寿命である。

・スーパーディスクの誕生は、光ストレージ分野における大きな進展であり、次世代のデータストレージ技術として大きな期待が寄せられている。


・スーパーディスクの主な特徴である。

ストレージ容量:1枚あたり1ペタバイト以上
従来の光ディスクとの比較:容量1万倍
従来のハードディスクとの比較:容量100倍
データ記録密度:スポットサイズ54nm、トラックピッチ70nm
記録層数:100層
ディスク寿命:40年以上

・スーパーディスクの開発は、中国の科学技術力の向上を象徴する出来事であり、今後のデータストレージ市場に大きな影響を与えることが予想される。

(註)
"Pb級"は、「ペタバイト級」という意味である。ペタバイト(Petabyte)は、情報容量の単位であり、1ペタバイトは約1,000テラバイトに相当する。したがって、"Pb級"とは、ペタバイト単位のデータ容量を指す用語である。

テラバイト(Terabyte)は、情報容量の単位の一つであり、通常はデータの大きさや容量を表す際に使用される。1テラバイトは、約1兆 (10の12乗) バイトに相当する。具体的には、1テラバイトは1,000ギガバイトに等しい容量である。データストレージや通信速度などの分野で広く使われている。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本 

「スーパーディスク」が誕生 中国が光ストレージ分野で重要な進展 2024.02.23

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