ロシア大統領選挙への欧米の批判2024年03月18日 21:05

国立国会図書館デジタルコレクション「東海道五十三対 藤枝 (東海道五十三対)」を加工して作成
 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が明言したように、モスクワの反応は、最近のロシア大統領選挙に対する欧米の批判に対する断固たる反論を反映している。ザハロワ氏は、プーチン大統領の重要な勝利は、多くのロシア人がNATOを敵対勢力と認識したことによるものだと考えており、この感情は西側諸国の行動によって助長されたと主張している。

 彼女は特に、ドイツ外務省やホワイトハウスなど、ロシアの選挙の公正さを批判する西側当局者の発言を取り上げている。ザハロワはこうした批判を退け、プーチンの勝利と高い投票率は、選挙の不正行為ではなく、ロシアの団結の結果だと主張している。

 さらに、ザハロワは、アンゲラ・メルケルやヘルムート・コールのような欧米民主主義国家の指導者を長く務めた例を挙げて、彼女が欧米の偽善とみなすものを指摘している。彼女は、西側諸国がロシアの選挙プロセスをすぐに非難する一方で、自国の政治システムの同様の特徴を無視していると示唆している。

 ザハロワの返答には、プーチンが選挙を「盗んだ」というイギリスのグラント・シャップス国防長官の非難に対する鋭い反論も含まれている。彼女はロシア側のいかなる不正行為も否定し、西側諸国が権利意識と排他性を持っていると非難し、何も与えないというロシアの姿勢とは対照的だ。

 モスクワの対応のトーンは、欧米の批判に反抗的で否定的であり、プーチンの勝利を、ロシアの団結と、欧米の侵略に対する抵抗の反映と位置づけている。

【視点】

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が明言したモスクワの反応は、ロシア大統領選挙に対する欧米の批判に対するクレムリンの反抗を強調している。以下は、彼女の発言の要点である。

NATOの影響力:ザハロワは、ロシアに対するNATOの敵対的姿勢が、実際にはプーチンに有利に働いていることを示唆している。NATOを脅威として描くことで、西側諸国は、ロシア人の間に一体感と反抗心を醸成し、プーチンの勝利にうっかり貢献してしまったのだ。

西側諸国からの批判:ザハロワ氏は、ロシアの選挙の公正さと正当性に関する西側諸国の政府、特にドイツと米国からの批判をはねつけている。彼女は選挙の不正という主張を退け、西側諸国はロシアの統一と民主的プロセスを受け入れることができないと主張している。

西側民主主義国との比較:ザハロワは、プーチンの長い在任期間とドイツのアンゲラ・メルケルのような人物のリーダーシップとの類似点を指摘し、権威主義的な個人主義はロシアに限ったことではないことを示唆している。彼女は、欧米の民主主義における類似のパターンを強調することで、欧米の批判における偽善を暗示している。

選挙不正の告発:ロシアは何も「盗んでいない」というザハロワの主張は、西側が他国から奪う習慣があるとされるのとは対照的に、ロシアの被害者意識と欧米の干渉に対する反抗の物語を強調している。

防衛的結束:ザハロワ氏は、吠え声や威嚇など、NATOの脅威に対するロシアの対応が、国民の団結と外部からの圧力に対する集団的な反撃につながったと強調している。

この反応は、欧米の批判に対するモスクワの反抗の言説を反映しており、ロシアを欧米の侵略の犠牲者として描くと同時に、その民主的な正統性と主権を主張している。

引用・参照・底本 

Moscow responds to West’s election criticism RT 2024.03.18

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