現代の植民地主義2024年03月19日 22:40

国立国会図書館デジタルコレクション「東海道五十三対 白須賀 (東海道五十三対)」を加工して作成
 現代の植民地主義は、従来の土地支配に加えて、言説支配という新たな形態を取っている。この植民地主義は、資本主義、暴力の正当化、そして資本と暴力の神話化という原則に基づいている。

 まず、植民地主義の基盤としては資本主義が優先される。帝国主義勢力は利益をもたらす国を味方とし、そのためには人権や倫理などは二の次になる。暴力や人権侵害が経済的利益につながる限り、それが許容される傾向がある。例えば、経済的カルテルによって支えられた政権が人権侵害を行っても、それが経済にプラスになると見なされることがある。

 また、資本主義体制の安定のためには暴力が正当化される。資本主義は暴力や覇権を通じて自らの利益を維持しようとする。このため、見かけ上は上品である資本主義は、抵抗を容認せず、自らに反抗する者には非人道的な手段を用いることもある。近年の西アジアでの戦争などがその例である。

 そして、植民地主義は自らの存在を正当化するために言説支配を行う。メディアを通じて、植民地支配が豊かさや進歩をもたらすものとして語られ、矛盾した現実が隠され、神話化される。特にSNS上では、「いいね」やコメント数を稼ぐことが重視され、ポスト真実という言説が形成され、論理や事実よりも感情や人気が重視される。

【視点】

植民地主義は、土地の支配から言説の支配まで、時代とともに変化しながらも、資本主義、暴力の正当化、そして資本と暴力の神話化という3つの原則によって貫かれてきた。

資本主義と暴力の正当化

植民地主義体制において、資本は基盤となる要素である。世界は敵と味方に分けられ、利益をもたらすかどうかがその基準となる。帝国主義にとって新たな利益をもたらす存在は味方とみなされ、人権は資本主義体制の維持に役立つ限りにおいて尊重される。たとえ子供を虐殺するような政体であっても、経済的カルテルによって支えられていれば、人権侵害とはみなされないのである。

一方、資本主義体制を安定させるためには、暴力が必要となる。資本主義というイデオロギーを実現するための手段は、覇権、ヘゲモニー、圧倒的な暴力、そして既成事実化である。資本主義体制は一見上品に見えるが、一切の抵抗を許さない。自らに歯向かう勢力に対しては非人道的な手段で排除する本質を持っている。近年西アジアで起こってきた戦争は、帝国主義勢力の暴力によって、直接的・間接的に被害を受けない国がないことを示している。

植民地支配の産物としての破壊

植民地主義は過去から現在に至るまで、その暴力的な本質を覆い隠そうとしてきた。しかし、独立諸国の力が増すにつれて、その試みは失敗している。シオニスト政権イスラエルの虐殺に加担するアメリカを見れば、上辺だけの人権すら存在せず、植民地主義の本質が旧来のまま残っていることが分かる。

植民地主義は目標達成のために、自らを既成事実化し、当たり前のように存在させようとする。その手段として利用されるのがマスメディアである。マスメディアでは真実は伝えられず、現実の否定と神話化が行われる。植民地主義にとって重要なのは「言説」である。言説によってあらゆる決定が通常化され、その影響が正当化される。神話化によって矛盾した現実を温存し、植民地支配を豊かさをもたらすものとして意味を変えてしまうのである。

「いいね」とコメント数を稼ぐSNS上の植民地主義勢力

メディアが既成事実化の役割を果たす時、「ポスト真実」が形成される。ポスト真実では、言説が現実に取って代わる。メディアは人間に代わって画像や映像を創作し、フェイクを生み出すのである。ポスト真実は、脱政治化や論理の商品価値化が進んでいる社会で起こる。そこでは、情報の受け手が論拠を聞く前から結論がメディアによって決められ、記事の質ではなく「いいね」の数でその価値が決まってしまう。論理を組み立てる努力よりも、「いいね」やコメント数を稼ぐ努力が優先されるのである。

現代の植民地主義は、土地支配だけでなく、言説支配によって人々をコントロールしようとしている。マスメディアやSNSを通じて、真実を歪め、自分たちの都合の良い情報を拡散している。私たちは、このような状況に無知であってはいけない。情報源を多様化し、批判的に考えることが重要である。

・植民地主義は歴史的現象に留まらず、現代社会にも様々な形で存在している。 現代における植民地主義の3つの特徴、そしてその影響について解説する。

1. 資本主義に基づく搾取

現代の植民地主義は、土地支配だけでなく、経済的な搾取も特徴です。多国籍企業は、途上国の人件費の安さや資源の豊富さを利用して利益を上げ、先進国への富の集中が進んでいる。

2. 暴力の正当化

植民地主義は、自国の利益を追求するために、軍事力や経済制裁などの暴力を行使する。人権侵害や環境破壊など、多くの問題を引き起こしている。

3. 言説による支配

マスメディアやインターネットを通じて、植民地主義的な価値観や情報が拡散される。自国の優位性を正当化し、植民地支配を隠蔽する効果がある。

・植民地主義の影響

現代の植民地主義は、以下のような影響を与えている。

貧富の格差拡大
人権侵害
環境破壊
文化の homogenization
抵抗と連帯

・現代の植民地主義に抵抗するためには、以下のようなことが重要である。

植民地主義の歴史と構造を理解する
多国籍企業や政府の活動を批判的に見る
人権や環境問題に取り組む
植民地支配に苦しむ人々との連帯を築く

・現代の植民地主義は複雑な問題であるが、私たち一人一人が問題意識を持ち、行動することで、より良い社会を作ることができる。

・植民地主義は、長い歴史の中で形態を変えながらも、資本主義、暴力の正当化、そして資本と暴力の神話化という3つの原則に基づいて存在し続けている。

・資本主義を基盤とした世界支配

植民地主義体制において、最も重要なのは資本である。世界は敵と味方に分けられ、利益をもたらすかどうかが判断基準となる。帝国主義にとって新たな利益源となる国は味方となり、人権は資本主義体制維持に役立つ場合のみ尊重される。たとえ子供を虐殺する政体であっても、経済カルテルによって支えられている限り、人権侵害とは見なされないのである。

・暴力の正当化と非人道的な本質

資本主義体制を維持するためには、暴力は正当化される。資本主義というイデオロギーを実現する手段は、覇権、ヘゲモニー、圧倒的な暴力、そして既成事実化である。一見上品に見える資本主義体制は、抵抗勢力に対して容赦なく、非人道的な本質を露わにする。近年西アジアで起こってきた戦争は、帝国主義勢力の暴力によって、多くの国々が直接的・間接的に被害を受けている。

・植民地支配の産物としての破壊

植民地主義は、暴力的な本質を隠蔽しようと試みてきたが、独立諸国の力が増すにつれ、その試みは失敗した。シオニスト政権イスラエルの虐殺に加担するアメリカの姿は、上辺だけの人権しか存在せず、植民地主義の本質が旧来のまま残っていることを示している。

・言説支配による神話化と既成事実化

植民地主義は、自らを既成事実化し、当たり前のように存在するために、マスメディアを利用して真実に蓋をし、現実を否定し、神話化する。植民地主義にとって重要なのは「言説」です。言説によってあらゆる決定が正当化され、矛盾した現実を隠蔽し、植民地支配を豊かさをもたらすものと偽装するのです。

・「いいね」とコメント数を稼ぐSNS上の植民地主義勢力

メディアが既成事実化の役割を果たす時、「ポスト真実」と呼ばれる状況が生まれる。ポスト真実では、言説が現実に取って代わる。メディアは人間に代わって画像や映像を創作し、フェイクを生み出す。脱政治化や論理の商品価値化が進んだ社会で、情報の受け手は論拠を聞く前にメディアによって結論を決められ、記事の質よりも「いいね」の数で価値が決まってしまうのである。論理を組み立てるよりも、「いいね」やコメント数を稼ぐことが優先される社会は、植民地主義勢力にとって都合の良い環境となる。

・現代における植民地主義への抵抗

現代の植民地主義は、土地支配だけでなく、言説支配によって私たちを支配しようとしている。この支配に抵抗するためには、以下のことが重要である。

情報源を多様化し、批判的に情報を読み解く
マスメディアに流されない
資本主義体制の本質を見抜く
論理的に考える
植民地主義の歴史と現状を学び、問題意識を持つ
声を上げ、行動を起こす

・現代社会における植民地主義は複雑な問題ですが、私たち一人一人が意識的に行動することで、抵抗することが可能である。

引用・参照・底本 

土地支配から言説支配まで:現代の植民地主義とは? ParsToday 2024.03.18

コメント

トラックバック