NATO:集団的な防衛産業能力の強化が急務2024年07月10日 13:44

【桃源閑話】

 NATOと言うより、西側が挙って総力戦を繰り広げているような状況で、それも軍事的ばかりでなく、経済制裁、政治的孤立化政策、認知作戦、 偽情報作戦、欺瞞作戦などを全て打ちまけても、結果的に聞こえるのは恨み言なのだ。

 つまり、意味のない負戦を続けるために、国民の金を更に注ぎ込もうとしているのだ。軍需産業の能力を増強しても、国民が幸せになれる訳ではない。

 既に米欧(西側)は先細りの衰退兆候を示している。徐々に国際社会の中で孤立し始めている。

 世界の動きを解さず、愚かな行為に血道をあげてるものだこと。

 日本などは底なしのバカに付き合わされているのか、将又自ら馬鹿を見る仲間へと嬉々として足繁く通うのか、何れにしろ、類は友を呼ぶのか、である。

 日本は非常に危険な状況にある。岸田政権には要注意である。

【閑話 完】

【概要】

 北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は、ウクライナでの戦争がさらに4年延長される可能性に備え、防衛産業の強化を約束する予定だ。退任するNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、国防費と産業能力の増強の必要性を強調した。米国は防衛産業基盤に750億ドルを投資しており、NATOは国家経済を損なうことなく重要な防衛装備品の生産を優先することを目指している。

 ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ロシアが軍需品、装備、人員の面で大きな優位性を示しており、継続的な徴兵と、中国、北朝鮮、イランが支援する戦時経済を強調した。NATO加盟国の国防費のGDP比2%という閾値は、現在最低と見なされており、新しい防衛産業の誓約は、より大きな支出とイノベーションを促進することが期待されている。

 重要なポイントには、多国籍調達、大規模な契約の重要性、NATOの総合的な産業能力を高めるための生産ラインと施設の増設の必要性などが含まれます。このイニシアチブは、NATOの強さと即応性にとって強力な防衛産業が果たす重要な役割を強調している。

【詳細】

 NATOの同盟国は、ウクライナでの長期戦に備えて防衛産業を強化するための誓約を初めて行う予定である。これは、戦争がさらに4年間続く可能性があると予測されているためである。

 防衛産業強化の背景

 1.ウクライナ戦争の長期化予測:

 ・NATOは、ロシアがウクライナでの戦争をさらに3~4年間続ける準備をしていると見ている。ロシアは毎月3万人の兵士を募集し、戦争経済を動員しているため、長期的な戦争に耐える能力を持っている。

 2.ロシアの優位性

 ・ロシアは、弾薬、装備、兵員においてウクライナに対して依然として大きな優位性を持っている。ロシアの防衛産業は戦時体制にあり、冷戦時代以来の最も大規模な防衛拡張を試みている。

 3.中国、北朝鮮、イランの支援

 ・中国は武器の供給は行っていないものの、巡航ミサイルの生産に使用されるマイクロエレクトロニクスをロシアに供給している。北朝鮮やイランもロシアを支援しており、ロシアの戦争機械を強化している。

 NATOの対策

 1.防衛産業の誓約

 ・NATOは防衛産業を強化するための誓約を行い、同盟国の防衛産業能力を向上させる計画を策定している。これには、重要な防衛装備の生産を優先することが含まれる。

 2.防衛支出の増加:

 ・NATOの防衛支出基準であるGDPの2%は、天井ではなく床として見なされるようになった。現在、32の加盟国のうち23カ国がこの目標を達成している。

 3.大規模な契約

 ・長期的な「大規模契約」を共同で締結することが強調されている。例として、ドイツ、イタリア、オランダ向けに940基のスティンガーミサイルの契約が挙げられる。このミサイルは、ロシアの侵攻後にウクライナに送られた最初の武器の一つである。

 4.生産能力の拡大

 ・防衛産業の生産能力を拡大するために、既存の生産ラインのシフトを増やすだけでなく、新しい生産ラインの追加、工場や施設の建設、さらなる生産者の参加が必要とされている。

 重要性

 ・強力な防衛産業なしには強力な防衛を提供することはできないという認識が広がっており、NATOの集団的な防衛産業能力を強化することが急務とされている。

【要点】

 防衛産業強化の背景

 1.ウクライナ戦争の長期化予測

 ・ロシアがウクライナでの戦争をさらに3~4年間続ける準備をしていると予測。

 2.ロシアの優位性

 ・弾薬、装備、兵員でウクライナに対して大きな優位性を持つ。
 ・毎月3万人の兵士を募集し、戦争経済を動員。

 3.中国、北朝鮮、イランの支援

 ・中国はマイクロエレクトロニクスを供給、北朝鮮とイランも支援。

 NATOの対策

 1.防衛産業の誓約

 ・防衛産業能力を向上させる計画を策定。
 ・重要な防衛装備の生産を優先。

 2.防衛支出の増加

 ・GDPの2%の防衛支出基準が天井ではなく床に。
 ・32の加盟国のうち23カ国がこの目標を達成。

 3.大規模な契約:

 ・長期的な「大規模契約」を共同で締結。
 ・例: ドイツ、イタリア、オランダ向けに940基のスティンガーミサイルの契約。

 4.生産能力の拡大

 ・既存の生産ラインのシフトを増やすだけでなく、新しい生産ラインの追加、工場や施設の建設、さらなる生産者の参加が必要。

 重要性

 ・強力な防衛産業なしには強力な防衛を提供できない。
 ・NATOの集団的な防衛産業能力の強化が急務。

【引用・参照・底本】

NATO allies to sign pledge to strengthen defense industries as alliance readies for long Ukraine war STARS AND STRIPES 2024.07.09
https://www.stripes.com/theaters/us/2024-07-09/nato-summit-defense-industry-russia-ukraine-14434401.html?utm_source=Stars+and+Stripes+Emails&utm_campaign=Daily+Headlines&utm_medium=email

NATO事務総長にオランダのルッテ首相 全加盟国が容認 日本経済新聞 2024.06.30
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR209R20Q4A620C2000000/#:~:text=%E3%80%90%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%AB%3D%E8%BE%BB%E9%9A%86%E5%8F%B2%E3%80%91%E5%8C%97,32%E3%82%AB%E5%9B%BD%E3%81%8C%E5%90%8C%E6%84%8F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

インド:仲介者としての地位2024年07月10日 15:05

【概要】

 Andrew Korybkoの論文は、ウクライナ紛争における非西側の平和プロセスにおいて、インドが果たすべき重要な役割について詳述している。

 背景と現状

 スイスでの和平会議の失敗: 最近のスイスでのウクライナ紛争解決に向けた会議が失敗したことで、中国が主導する新たな和平プロセスの機会が生まれた。このプロセスは、5月末に合意された6つのポイントに基づいている。

 中国とブラジルの役割: 中国は、ブラジルが前面に立つ形で、より実行可能な枠組みを構築しようとしている。これは、11月にリオで開催されるG20サミットに向けての動きである。

 ハンガリーの関与: ハンガリーの首相ビクトル・オルバンは、この6つのポイントを支持し、最近の外交活動を通じて、さらに多くの国々がこのプロセスに参加することを期待している。

 インドの役割

 ナレンドラ・モディの声明: インドの首相ナレンドラ・モディは、モスクワ訪問中に「紛争解決に向けてあらゆる貢献を行う準備がある」と述べた。これは、インドがこの和平プロセスにおいて重要な役割を果たす意思を示している。

 グローバルサウスの声: インドはG20議長国として、これまでに2回の「グローバルサウスの声」サミットを開催しており、これを通じて発展途上国の意見をまとめることができる。新たなサミットを開催することで、中国が主導する和平プロセスにおけるインドの影響力を高めることができる。

 インドの戦略

 サミットの開催: インドが7月中に新たな「グローバルサウスの声」サミットを開催することで、中国が和平プロセスを主導しているとの認識を払拭することができる。これにより、発展途上国が一致団結し、インドの意見が重要であることを示すことができる。

 インドの中立性: インドは、ロシアとウクライナの間で中立的な立場を維持しており、この中立性が他の大国(米国、中国、EU)に比べて優れた仲介者としての資格を持つ理由である。米国はこの役割を果たせず、中国が関与することも望まれておらず、EUもオルバンの外交活動に対して反発している。

 インドが果たすべき具体的な役割

 新たなサミットの開催: インドが新たなサミットを開催することで、ブラジルと中国が主導する和平プロセスに先んじて、発展途上国の意見をまとめることができる。これにより、インドが和平プロセスにおいて重要な役割を果たすことができる。

 仲介者としての地位: インドは、ロシア、米国、EU、ウクライナが合意できる仲介者としての資格を持っている。ゼレンスキー大統領は、インドが強力な同盟国として和平プロセスに関与することを認めており、モディ首相のモスクワ訪問に対する反発にもかかわらず、インドは最も適切な仲介者として認識されている。

 結論

 インドが新たな「グローバルサウスの声」サミットを迅速に開催し、この紛争に関する意見をまとめることで、インドは中国とブラジルが主導する和平プロセスにおいて重要な役割を果たすことができる。これにより、ウクライナと西側諸国がインドを仲介者として認める可能性が高まり、インドの国際的な地位が向上するだろう。

【詳細】

 Andrew Korybkoの論文は、ウクライナ紛争における非西側の平和プロセスにおいて、インドが果たすべき重要な役割について詳述している。以下は、その論文の内容をさらに詳しく説明したものである。

 背景と現状

 スイスでの和平会議の失敗: 最近のスイスでのウクライナ紛争解決に向けた会議が失敗したことで、中国が主導する新たな和平プロセスの機会が生まれた。このプロセスは、5月末に合意された6つのポイントに基づいている。

 中国とブラジルの役割: 中国は、ブラジルが前面に立つ形で、より実行可能な枠組みを構築しようとしている。これは、11月にリオで開催されるG20サミットに向けての動きである。

 ハンガリーの関与: ハンガリーの首相ビクトル・オルバンは、この6つのポイントを支持し、最近の外交活動を通じて、さらに多くの国々がこのプロセスに参加することを期待している。

 インドの役割

 ナレンドラ・モディの声明: インドの首相ナレンドラ・モディは、モスクワ訪問中に「紛争解決に向けてあらゆる貢献を行う準備がある」と述べた。これは、インドがこの和平プロセスにおいて重要な役割を果たす意思を示している。

 グローバルサウスの声: インドはG20議長国として、これまでに2回の「グローバルサウスの声」サミットを開催しており、これを通じて発展途上国の意見をまとめることができる。新たなサミットを開催することで、中国が主導する和平プロセスにおけるインドの影響力を高めることができる。

 インドの戦略

 サミットの開催: インドが7月中に新たな「グローバルサウスの声」サミットを開催することで、中国が和平プロセスを主導しているとの認識を払拭することができる。これにより、発展途上国が一致団結し、インドの意見が重要であることを示すことができる。

 インドの中立性: インドは、ロシアとウクライナの間で中立的な立場を維持しており、この中立性が他の大国(米国、中国、EU)に比べて優れた仲介者としての資格を持つ理由である。米国はこの役割を果たせず、中国が関与することも望まれておらず、EUもオルバンの外交活動に対して反発している。

 インドが果たすべき具体的な役割

 新たなサミットの開催: インドが新たなサミットを開催することで、ブラジルと中国が主導する和平プロセスに先んじて、発展途上国の意見をまとめることができる。これにより、インドが和平プロセスにおいて重要な役割を果たすことができる。

 仲介者としての地位: インドは、ロシア、米国、EU、ウクライナが合意できる仲介者としての資格を持っている。ゼレンスキー大統領は、インドが強力な同盟国として和平プロセスに関与することを認めており、モディ首相のモスクワ訪問に対する反発にもかかわらず、インドは最も適切な仲介者として認識されている。

 結論

 インドが新たな「グローバルサウスの声」サミットを迅速に開催し、この紛争に関する意見をまとめることで、インドは中国とブラジルが主導する和平プロセスにおいて重要な役割を果たすことができる。これにより、ウクライナと西側諸国がインドを仲介者として認める可能性が高まり、インドの国際的な地位が向上するだろう。

【要点】

 背景と現状

 ・スイスでの和平会議の失敗: 最近のスイスでのウクライナ紛争解決会議が失敗。
 ・中国とブラジルの役割: 中国が主導し、ブラジルが前面に立つ形で新たな和平プロセスを構築中。
 ・ハンガリーの関与: ハンガリー首相ビクトル・オルバンが中国の6つのポイントを支持し、外交活動を展開。

 インドの役割

 ・ナレンドラ・モディの声明: インド首相モディがモスクワ訪問中に「紛争解決に貢献する準備がある」と発言。
 ・グローバルサウスの声: インドがG20議長国として2回の「グローバルサウスの声」サミットを開催し、発展途上国の意見をまとめる。

 インドの戦略

 ・サミットの開催: インドが7月中に新たな「グローバルサウスの声」サミットを開催することで、中国の主導を抑え、インドの影響力を高める。
 ・インドの中立性: インドはロシアとウクライナの間で中立的な立場を維持しており、他の大国に比べて優れた仲介者としての資格を持つ。

 インドが果たすべき具体的な役割

 ・新たなサミットの開催: インドが新たなサミットを開催し、発展途上国の意見をまとめることで、和平プロセスにおける重要な役割を果たす。
 ・仲介者としての地位: インドはロシア、米国、EU、ウクライナが合意できる仲介者としての資格を持つ。

 結論

 ・インドが迅速に「グローバルサウスの声」サミットを開催し、意見をまとめることで、和平プロセスにおいて重要な役割を果たせる。
 ・インドの国際的な地位が向上し、ウクライナと西側諸国がインドを仲介者として認める可能性が高まる。

【引用・参照・底本】

India Has A Role To Play In The Emerging Non-Western Peace Process On Ukraine Andrew Korybko's Newsletter 2024.07.10
https://open.substack.com/pub/korybko/p/india-has-a-role-to-play-in-the-emerging?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=146458836&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&r=2gkj&token=eyJ1c2VyX2lkIjoxMTQ3ODcsInBvc3RfaWQiOjE0NjQ1ODgzNiwiaWF0IjoxNzIwNTg3OTQxLCJleHAiOjE3MjMxNzk5NDEsImlzcyI6InB1Yi04MzU3ODMiLCJzdWIiOiJwb3N0LXJlYWN0aW9uIn0.4t0ol9vodBziin25mYEop2qR1NRFWOxUboUF1MCBVlo

ウクライナのNATO加盟への道:「不可逆的」である2024年07月10日 15:31

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【概要】

 POLITICOの報道によると、NATOはワシントンで開催中の首脳会議で、ウクライナのNATO加盟への道筋を「不可逆的」と宣言すると予想されている。この文言は、火曜日の夜に最終決定され、水曜日に発表される予定のコミュニケ草案にすでに含まれている。この草案は、米国や他の主要なNATO加盟国から承認を得ている。

 この進展は、ウクライナにとって重要な一歩であり、ロシアにとっては打撃であると考えられているが、ウクライナの加盟に向けた明確なロードマップを保証するものではない。むしろ、紛争が続く中での象徴的なジェスチャーと見なされるかもしれない。ウクライナのNATO加盟の約束は論争の的となり、ロシアの侵攻決定の一因となっている。米国とNATOは、ウクライナの加盟について、明確なスケジュールや保証を提供することに慎重な姿勢をとっている。

 ウクライナは、2008年のブカレスト首脳会議以来、NATOに、より強いコミットメントを求めてきた。この約束は、ロシアの潜在的な安全保障上の懸念について警告する論争の的となっている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、加盟への明確な道筋を声高に要求し、これまでの曖昧な保証に不満を表明している。

 今回の首脳会談では、NATO加盟国の間で、コミュニケの文言を強くすることへの支持の度合いは様々である。ウクライナのオルハ・ステファニシナ副首相は、英国、フランス、バルト三国などの国々が、ウクライナのNATOの見通しに関する曖昧さを排除するために、より明確な文言を求めていると述べた。

【詳細】

 NATOは、ワシントンで開催中の首脳会議でウクライナのNATO加盟への道が「不可逆的」であると宣言する見通しである。この情報はPOLITICOの報道によるもので、火曜日夜に最終決定される予定のコミュニケにこの表現が既に盛り込まれているとされている。この草案は、アメリカや他の主要なNATO加盟国によって承認されている。

 この発展は、ウクライナにとって重要なステップであり、ロシアにとっては大きな打撃と見なされるが、ウクライナの加盟への具体的な道筋を示すものではない。むしろ、象徴的なジェスチャーと捉えられる可能性がある。ウクライナのNATO加盟の約束は長らく議論の的となっており、これはロシアがウクライナ侵攻を決定する要因の一つでもあった。米国やNATOは、具体的なタイムラインや保証を提供することに慎重な姿勢を示してきた。

 ウクライナは2008年のブカレスト首脳会議以来、NATOからの強固な約束を求めてきた。この会議では、ウクライナとジョージアが将来的にNATOに加盟することが約束されたが、これはロシアにとって重大な安全保障上の懸念を引き起こすものであった。ウィキリークスが公開したケーブルによれば、当時の米国大使ウィリアム・バーンズ(現在のCIA長官)は、この約束がロシアの「生の神経」に触れ、予測不可能で制御不能な結果をもたらす可能性があると警告した。

 ロシアの侵攻以来、ウクライナの大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーは、NATO加盟への明確な道筋と強固な約束を求めてきた。昨年のビリニュスでのNATO首脳会議では、曖昧なコミュニケが発表され、「加盟国が同意し、条件が整った時にウクライナを同盟に招待する立場になる」と述べられたが、これに対してゼレンスキーは強い不満を表明した。

 今年のNATO首脳会議において、加盟国間でコミュニケの表現を強化するための支持の度合いに差があります。ウクライナの欧州・ユーロアトランティック統合担当副首相オルハ・ステファニシナは、イギリス、フランス、バルト三国が、アメリカの推進するより明確な表現を求めており、ウクライナのNATO加盟の可能性に対する疑念を一切排除するよう強く求めていると述べた。

【要点】

 1.NATOの宣言予定

 ・ウクライナのNATO加盟の道が「不可逆的」であると宣言する見通し。
 ・この宣言はワシントンで開催中のNATO首脳会議で行われる予定。

 2.草案の詳細

 ・火曜日夜に最終決定されるコミュニケにこの表現が既に盛り込まれている。
 ・この草案はアメリカや他の主要なNATO加盟国によって承認済み。

 3.象徴的な意義

 ・これはウクライナにとって重要なステップであり、ロシアにとっては打撃と見なされる。
 ・具体的な加盟への道筋を示すものではなく、象徴的なジェスチャーと見なされる可能性。

 4.背景と課題

 ・ウクライナのNATO加盟の約束は2008年のブカレスト首脳会議で初めてなされた。
 ・この約束はロシアにとって重大な安全保障上の懸念を引き起こしている。

 5.ロシアの反応

 ・ウクライナのNATO加盟の約束はロシアの侵攻の要因の一つとされる。
 ・米国大使ウィリアム・バーンズは、この約束がロシアにとって予測不可能で制御不能な結果をもたらす可能性があると警告していた。

 6.ウクライナの要求

 ・ゼレンスキー大統領は、NATO加盟への明確な道筋と強固な約束を求めている。
 ・昨年のビリニュスでのNATO首脳会議では曖昧なコミュニケが発表され、ゼレンスキーは強い不満を表明。

 7.加盟国間の意見の相違

 ・今年のNATO首脳会議では、加盟国間でコミュニケの表現を強化するための支持の度合いに差がある。
 ・イギリス、フランス、バルト三国が、アメリカの推進するより明確な表現を求めている。

【引用・参照・底本】

Report: NATO Expected To Tell Ukraine Its Path Toward Membership Is ‘Irreversible’ANTIWAR.com 2024.07.09
https://news.antiwar.com/2024/07/09/report-nato-expected-to-tell-ukraine-its-path-toward-membership-is-irreversible/

スターマー首相:「鉄のコミットメント」を示したが2024年07月10日 16:15

【概要】

 ワシントンで行われたキア・スターマー氏の初のNATO首脳会議は、英国の国防費をGDPの2.5%に増やすという強い公約を掲げているが、この目標を達成するための具体的なスケジュールは設定されていない。この姿勢は、国防省(MoD)内の効果的な計画と安定のために明確なスケジュールが必要であると主張する軍の指導者から批判を浴びている。

 元英国陸軍司令官のリチャード・ダナット卿や元英国国家安全保障担当補佐官のリケッツ卿などの主要人物は、具体的な計画がなければ、コミットメントは曖昧で影響力が小さいままであるとして、日付を設定することの重要性を強調している。さらに、欧州の安全保障環境が不安定なままであれば、国防費の増額を公約に掲げ、さらに3%に引き上げるよう圧力をかける可能性があるという懸念も広がっている。

 ウクライナでの戦争が続いているため、首脳会談は極めて重要と考えられており、ウクライナの指導者はさらなる軍事支援が緊急に必要であると強調している。キエフのビタリ・クリチコ市長は、ロシアの侵略から身を守るための近代的な防空システムの必要性を強調した。

 スターマー氏はワシントンでジョー・バイデン米大統領とも会談し、近年緊張している米中関係の強化を目指す。この会談は、二国間関係をリセットし、NATOと集団防衛に対する英国のコミットメントを再確認する機会と見なされている。しかし、スターマー氏の訪問は、バイデン氏の次期大統領選挙への立候補をめぐる議論など、米国内の政治論争と重なっている。

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では欧州の安全保障に関する議論も行われる予定で、スターマー氏はNATO同盟国との防衛関係を深め、新たな欧州安全保障協定の創設を模索する方針だ。来週開始予定の英国の戦略的防衛・安全保障レビューでは、国の防衛優先事項とGDP2.5%の国防費目標達成に向けたスケジュールが概説される。

【詳細】

 キア・スターマー首相が初めて出席するNATOサミットにおいて、彼は防衛予算をGDPの2.5%に引き上げるという「鉄のコミットメント」を示したが、その達成時期について具体的なスケジュールを設定していないため、軍事関係者から批判を受けている。

 スターマー首相は、選挙キャンペーン中に前任者のリシ・スナクから、防衛予算を2030年までにGDPの2.5%に引き上げるという保守党の公約を守るかどうかを問われたが、具体的な時期については明言を避けた。彼は、ワシントンへの飛行中に「戦略的レビューを実施し、その後にさらに具体的な計画を立てる」と述べ、防衛予算の増額は「財政規律内で」行うが、まずはレビューが必要だと強調した。

 このレビューは、英国が直面する脅威や必要な能力を評価し、それに基づいて優先事項やスケジュールを設定するためのものであり、来週発表予定である。このレビューには、ウクライナの戦争、米国との関係、ヨーロッパの安全保障環境などが含まれる。

 軍事関係者は具体的なスケジュールの重要性を強調している。元英国陸軍総司令官のリチャード・ダナット将軍は、2030年までに2.5%という目標を設定することで、防衛省がより確実に計画を立てることができると述べている。また、元国家安全保障顧問のリチャード・リケット卿も、スターマー首相が早急にタイムテーブルを示す必要があると指摘している。

 スターマー首相は、バイデン米大統領との初会談も予定しており、これが英米関係のリセットの機会となると期待されている。バイデン大統領との関係は、特にブレグジット後の緊張を背景に、近年悪化していた。今回の会談では、防衛協力の強化や新しい貿易協定の可能性についても議論される予定である。

 ウクライナからは、キエフ市長のビタリ・クリチコが緊急の軍事援助を求める声を上げている。彼は、現代の防空システムが必要であり、ウクライナを守ることは自国を守ることでもあると訴えている。

 スターマー首相はまた、イタリアのジョルジャ・メローニ首相との初会談も予定しており、NATO加盟国やその他の国際パートナーとの防衛関係の深化を目指している。

 これらの動きは、プーチン大統領のウクライナ侵攻、中東の不安定性、権威主義国家の台頭など、英国が直面する様々な脅威に対処するためのものである。新しい欧州安全保障協定の創設も視野に入れており、NATOとの防衛関係を一層強化することを目指している。

【要点】

 キア・スターマーのNATOサミット参加に関する主要ポイント

 1.防衛予算増額の約束: キア・スターマー首相は、防衛予算をGDPの2.5%に引き上げるという「鉄のコミットメント」を示すが、具体的な達成時期については言及していない。

 2.戦略的レビューの実施: 首相は、来週戦略的防衛・安全保障レビューを発表予定。これにより、脅威や必要な能力を評価し、優先事項やスケジュールを設定する。

 3.軍事関係者の反応

 ・元英国陸軍総司令官リチャード・ダナット将軍: 2030年までに2.5%の目標設定を求める。
 ・元国家安全保障顧問リチャード・リケット卿: スケジュールの早急な提示を求める。

 4.ウクライナ支援: キエフ市長ビタリ・クリチコが緊急の軍事援助を求める。特に現代の防空システムが必要と強調。

 5.英米関係のリセット: スターマー首相は、バイデン米大統領との初会談を予定しており、英米関係の強化を図る。特に防衛協力や新しい貿易協定の可能性について議論される見込み。

 6.国際的な防衛関係の強化

 ・イタリアのジョルジャ・メローニ首相との初会談を予定。
 ・NATO加盟国やその他の国際パートナーとの防衛関係の深化を目指す。

 7.欧州安全保障協定の創設: 新しい欧州安全保障協定の創設を検討しており、NATOとの防衛関係を一層強化することを目指す。

 8.サミットの重要性: ウクライナ戦争や中東の不安定性、権威主義国家の台頭など、英国が直面する脅威に対処するために、今回のサミットは極めて重要とされる。

【引用・参照・底本】

Keir Starmer flies to Nato summit with ‘iron commitment’ on defence spending – but no timetable INDEPENDENT 2024.07.10
https://www.independent.co.uk/news/uk/politics/keir-starmer-nato-summit-defence-spending-joe-biden-b2576614.html?lid=mbbhwwrdh0m1&utm_medium=email&utm_source=braze&utm_campaign=Copy%20of%20Copy%20of%20Copy%20of%20Morning%20Headlines%20Newsletter%2005-07-2024&utm_term=IND_Headlines_Masterlist_CDP

西側:じり貧のウクライナ支援2024年07月10日 16:30

【概要】

 北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がより高度な防衛措置を要求し続けていることを受け、少なくとも4基のパトリオット・システムを含む数十の防空システムをウクライナに送ることを約束している。ジョー・バイデン米大統領がNATO首脳会議で発表したこのコミットメントには、複数のNATO同盟国からの貢献が含まれている。

 誓約の主な内容は次のとおり。

 ・米国、ドイツ、ルーマニアは追加のパトリオット砲台を送った。
 ・オランダなどは、パトリオットバッテリーの追加部品を供給している。
 ・イタリアはSAMP-T防空システムを供与している。
 ・カナダ、ノルウェー、スペイン、英国を含む他のNATO加盟国は、NASAMS、HAWKs、IRIS T-SLM、IRIS T-SLS、Gepardsなどのシステムを提供している。

 ゼレンスキー氏は、民間インフラや軍事目標への攻撃など、現在も続くロシアの攻撃からウクライナを守るための防空システムが極めて重要であると強調した。彼は、ウクライナがロシアの爆撃を効果的に防御するために、少なくともあと7つのパトリオット砲台を必要としていることを強調した。

 この誓約は、42人の死傷者を出したキーウの小児病院への最近の攻撃など、ロシアの攻撃が続く中で行われた。国際社会は、ロイド・オースティン米国防長官の協調の下、武器、訓練、その他の支援でウクライナを支援し続けている。

【詳細】

 NATO加盟国は、ウクライナに対して数十の防空システムを提供することを約束し、その中には少なくとも4つのパトリオットシステムが含まれている。これは、ウクライナのゼレンスキー大統領が継続的に求めている防衛手段に応えるものである。アメリカのバイデン大統領がNATOサミットで発表したこの約束には、多くのNATO加盟国が関与している。

 主な提供内容

 1.パトリオットシステム

 ・アメリカ、ドイツ、ルーマニアが追加のパトリオットバッテリーを提供。
 ・オランダ他の国が追加バッテリーのコンポーネントを提供。

 2.SAMP-Tシステム

 ・イタリアがSAMP-T防空システムを提供。

 3.その他の防空システム

 ・カナダ、ノルウェー、スペイン、イギリスがNASAMS、HAWK、IRIS T-SLM、IRIS T-SLS、ゲパルトなどのシステムを提供。

 ウクライナの状況と必要性

 ・ゼレンスキー大統領は、防空システムがロシアの攻撃から国を守るために不可欠であると強調している。彼は、ウクライナがロシアの爆撃から電力網、軍事施設、民間地域を守るために、さらに少なくとも7つのパトリオットバッテリーが必要であると述べている。

 最近の攻撃

 ロシアの攻撃は続いており、特に最近ではキエフの子供病院への攻撃で少なくとも42人が死亡した。このような攻撃は、ウクライナの民間人や重要なインフラに対する大きな脅威となっている。

 国際的な支援

 アメリカのロイド・オースティン国防長官は、50か国以上からなる連合を設立し、ウクライナへの武器提供と訓練の調整を行っている。この連合の一環として、各国はウクライナへの支援を強化し続けている。

 このような背景から、NATO加盟国の防空システムの提供は、ウクライナの防衛力を強化し、ロシアの攻撃に対抗するための重要な一歩となっている。

【要点】

 NATO加盟国によるウクライナへの防空システム提供の概要

 1.パトリオットシステム

 ・アメリカ、ドイツ、ルーマニアが追加のパトリオットバッテリーを提供
 ・オランダ他の国が追加バッテリーのコンポーネントを提供

 2.SAMP-Tシステム

 ・イタリアがSAMP-T防空システムを提供

 3.その他の防空システム

 ・カナダ、ノルウェー、スペイン、イギリスが以下のシステムを提供
  ・NASAMS
  ・HAWK
  ・IRIS T-SLM
  ・IRIS T-SLS
  ・ゲパルト

 4.ウクライナの状況と必要性

 ・ゼレンスキー大統領が防空システムを継続的に求めている
 ・ウクライナはさらに少なくとも7つのパトリオットバッテリーが必要
 ・ロシアの攻撃から電力網、軍事施設、民間地域を守るため

 5.最近の攻撃

 ・ロシアの攻撃が続いており、キエフの子供病院への攻撃で少なくとも42人が死亡
 ・ウクライナの民間人やインフラに対する大きな脅威

 6.国際的な支援

 ・アメリカのロイド・オースティン国防長官が50か国以上からなる連合を設立
 ・ウクライナへの武器提供と訓練の調整を実施
 ・各国がウクライナへの支援を強化

【引用・参照・底本】

NATO members pledge dozens of air defense systems to Ukraine FRANCE24 2024.07.10
https://www.france24.com/en/europe/20240709-nato-members-pledge-dozens-of-air-defence-systems-to-ukraine?utm_medium=email&utm_campaign=newsletter&utm_source=f24-nl-quot-en&utm_email_send_date=%2020240710&utm_email_recipient=263407&utm_email_link=contenus&_ope=eyJndWlkIjoiYWU3N2I1MjkzZWQ3MzhmMjFlZjM2YzdkNjFmNTNiNWEifQ%3D%3D