フィリピン:狼を部屋に引き入れ、将棋の駒に甘んじた ― 2024-08-17 18:20
【概要】
フィリピンが域外諸国と南シナ海で軍事演習を行ったことについて、中国国防部の張暁剛報道官は、これが「南海各側行動宣言」の精神に違反し、南シナ海の平和と安定を害する行為であると非難した。彼は、国家間の防衛協力は第三者を対象にすべきではなく、地域の平和と安定を損なってはならないと述べた。また、中国は南シナ海の領土主権を守るため、必要な措置を講じると強調した。
【詳細】
この発表の背景には、フィリピンが最近、アメリカや日本などの域外諸国と協力して南シナ海で軍事演習を行ったことが関係している。アメリカはフィリピンへの5億ドル(約740億円)の軍事援助計画を発表し、これはフィリピンが中国の海洋警察や「海上民兵」に対応するために使われるとしている。また、日本もフィリピンと排他的経済水域で合同軍事演習を実施し、これが「自由で開かれたインド太平洋」の実現に役立つと主張した。
中国国防部の張暁剛報道官は、16日にこの件について記者から質問を受けた際、次のように述べた。
域外諸国の関与: 張報道官は、アメリカや日本などの域外諸国が南シナ海でフィリピンと軍事演習を行うことが、「南海各側行動宣言」の精神に違反していると主張した。この宣言は、南シナ海の関係国が平和的に協力し、緊張を高めないようにすることを目的としている。
中国の立場: 張報道官は、中国が南シナ海諸島とその周辺海域に対して争うことのできない主権を有していると再度強調した。これは、中国が長年主張している立場であり、他国がこれに反する行動をとることを強く非難している。
フィリピンへの批判: フィリピンがアメリカや日本といった域外諸国と結託して軍事演習を行ったことを、「狼を部屋に引き入れ、将棋の駒に甘んじた」という表現で批判した。これは、フィリピンが他国の影響を受けすぎているとの非難を意味している。
中国の対応: 張報道官は、中国が自国の領土主権と海洋権益を守るために必要な措置を講じることを強調した。これには、フィリピンや他の国々が行う挑発行為に対して断固とした対応を取ることが含まれる。
総じて、この声明は、南シナ海における緊張が高まっていることを示しており、中国がその領土主権を守るために強硬な姿勢を崩さないことを示している。
【要点】
・フィリピンはアメリカや日本などの域外諸国と協力し、南シナ海で軍事演習を実施。
・アメリカはフィリピンへの5億ドル(約740億円)の軍事援助計画を発表し、中国の海洋警察や「海上民兵」への対応支援を目的とする。
・日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現を掲げ、フィリピンと排他的経済水域で合同軍事演習を実施。
・中国国防部の張暁剛報道官は、フィリピンが域外諸国と行った軍事演習が「南海各側行動宣言」の精神に違反し、南シナ海の平和と安定を損なう行為だと非難。
・張報道官は、国家間の防衛協力は第三者を対象にすべきではなく、地域の平和と安定を守るべきだと主張。
・中国は、南シナ海諸島とその周辺海域に対して争うことのできない主権を有していると再強調。
・フィリピンがアメリカや日本と結託し、他国の影響を受けすぎていることを批判。
中国は自国の領土主権と海洋権益を守るために必要な措置を講じ、挑発行為に断固対応すると表明。
【参考】
➢ 「南海各側行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea, DOC)」は、2002年に中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の間で採択された文書である。この宣言は、南シナ海における領有権問題を平和的に解決し、各国が国際法に基づいて行動することを促進するために設けられた。
主な内容には、領有権をめぐる紛争をエスカレートさせないための相互の自制、問題の平和的解決、南シナ海における信頼醸成措置の実施が含まれている。ただし、法的拘束力はなく、拘束力のある「南シナ海行動規範(Code of Conduct, COC)」の交渉が続いているが、まだ完成していない。
「南海各側行動宣言」は、地域の安定と平和を維持するための重要なステップとされているが、その実効性については議論が続いている。
➢ 「南海各側行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea, DOC)」について、さらに詳しく説明する。
背景と目的
南シナ海は豊富な天然資源と重要な航路があるため、地域の国々にとって重要な地域である。しかし、領有権を巡る争いが激化しており、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイなどが領有権を主張している。この地域での緊張を緩和し、平和的な解決を目指すために、2002年に「南海各側行動宣言」が採択された。
主要な内容
自制の約束: 宣言により、関係国は南シナ海における軍事活動や挑発的行動を控え、地域の安定を損なうような行動を避けることを約束している。
平和的解決の促進: 領有権を巡る紛争は平和的手段で解決することが求められている。これにより、武力による解決や紛争の激化を防ぐことが目指されている。
信頼醸成措置: 信頼醸成のための措置を導入し、関係国間のコミュニケーションを改善し、誤解や衝突を避けるための取り組みが含まれている。
国際法の遵守: 宣言の中で、国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)の尊重が求められている。これは、海洋権益の正当性を確認し、国際的な法的枠組みの下での行動を促進するものである。
実効性と課題
DOCは、あくまで政治的な合意に過ぎないため、法的拘束力がない点が大きな課題である。このため、宣言の遵守や実行に関する監視や制裁の仕組みが存在しないことが、実効性を欠く要因となっている。また、DOCの採択後も、南シナ海での領有権を巡る争いは続いており、特に中国の軍事活動や人工島の建設が国際的な懸念を呼んでいる。
未来の展望
DOCの後、関係国は「南シナ海行動規範(COC)」の策定に取り組んでいる。COCは、より詳細で法的拘束力のあるルールを提供し、南シナ海での行動を規律することを目指している。しかし、COCの交渉は複雑であり、合意に至るまでには時間がかかると見込まれている。
このように、DOCは南シナ海の安定を図るための重要なステップではあるが、実効性を確保し、具体的な行動規範を導入することが今後の課題となっている。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
域外諸国と南海で軍事演習をしたフィリピンは宣言精神に違反=国防部 CRI 2024.08.16
https://japanese.cri.cn/2024/08/16/ARTI0517zdtLvewY9ucU1hBM240816.shtml?spm=C96518.PRESjy5iCnqn.ER99YRrWlW3t.9
フィリピンが域外諸国と南シナ海で軍事演習を行ったことについて、中国国防部の張暁剛報道官は、これが「南海各側行動宣言」の精神に違反し、南シナ海の平和と安定を害する行為であると非難した。彼は、国家間の防衛協力は第三者を対象にすべきではなく、地域の平和と安定を損なってはならないと述べた。また、中国は南シナ海の領土主権を守るため、必要な措置を講じると強調した。
【詳細】
この発表の背景には、フィリピンが最近、アメリカや日本などの域外諸国と協力して南シナ海で軍事演習を行ったことが関係している。アメリカはフィリピンへの5億ドル(約740億円)の軍事援助計画を発表し、これはフィリピンが中国の海洋警察や「海上民兵」に対応するために使われるとしている。また、日本もフィリピンと排他的経済水域で合同軍事演習を実施し、これが「自由で開かれたインド太平洋」の実現に役立つと主張した。
中国国防部の張暁剛報道官は、16日にこの件について記者から質問を受けた際、次のように述べた。
域外諸国の関与: 張報道官は、アメリカや日本などの域外諸国が南シナ海でフィリピンと軍事演習を行うことが、「南海各側行動宣言」の精神に違反していると主張した。この宣言は、南シナ海の関係国が平和的に協力し、緊張を高めないようにすることを目的としている。
中国の立場: 張報道官は、中国が南シナ海諸島とその周辺海域に対して争うことのできない主権を有していると再度強調した。これは、中国が長年主張している立場であり、他国がこれに反する行動をとることを強く非難している。
フィリピンへの批判: フィリピンがアメリカや日本といった域外諸国と結託して軍事演習を行ったことを、「狼を部屋に引き入れ、将棋の駒に甘んじた」という表現で批判した。これは、フィリピンが他国の影響を受けすぎているとの非難を意味している。
中国の対応: 張報道官は、中国が自国の領土主権と海洋権益を守るために必要な措置を講じることを強調した。これには、フィリピンや他の国々が行う挑発行為に対して断固とした対応を取ることが含まれる。
総じて、この声明は、南シナ海における緊張が高まっていることを示しており、中国がその領土主権を守るために強硬な姿勢を崩さないことを示している。
【要点】
・フィリピンはアメリカや日本などの域外諸国と協力し、南シナ海で軍事演習を実施。
・アメリカはフィリピンへの5億ドル(約740億円)の軍事援助計画を発表し、中国の海洋警察や「海上民兵」への対応支援を目的とする。
・日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現を掲げ、フィリピンと排他的経済水域で合同軍事演習を実施。
・中国国防部の張暁剛報道官は、フィリピンが域外諸国と行った軍事演習が「南海各側行動宣言」の精神に違反し、南シナ海の平和と安定を損なう行為だと非難。
・張報道官は、国家間の防衛協力は第三者を対象にすべきではなく、地域の平和と安定を守るべきだと主張。
・中国は、南シナ海諸島とその周辺海域に対して争うことのできない主権を有していると再強調。
・フィリピンがアメリカや日本と結託し、他国の影響を受けすぎていることを批判。
中国は自国の領土主権と海洋権益を守るために必要な措置を講じ、挑発行為に断固対応すると表明。
【参考】
➢ 「南海各側行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea, DOC)」は、2002年に中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の間で採択された文書である。この宣言は、南シナ海における領有権問題を平和的に解決し、各国が国際法に基づいて行動することを促進するために設けられた。
主な内容には、領有権をめぐる紛争をエスカレートさせないための相互の自制、問題の平和的解決、南シナ海における信頼醸成措置の実施が含まれている。ただし、法的拘束力はなく、拘束力のある「南シナ海行動規範(Code of Conduct, COC)」の交渉が続いているが、まだ完成していない。
「南海各側行動宣言」は、地域の安定と平和を維持するための重要なステップとされているが、その実効性については議論が続いている。
➢ 「南海各側行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea, DOC)」について、さらに詳しく説明する。
背景と目的
南シナ海は豊富な天然資源と重要な航路があるため、地域の国々にとって重要な地域である。しかし、領有権を巡る争いが激化しており、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイなどが領有権を主張している。この地域での緊張を緩和し、平和的な解決を目指すために、2002年に「南海各側行動宣言」が採択された。
主要な内容
自制の約束: 宣言により、関係国は南シナ海における軍事活動や挑発的行動を控え、地域の安定を損なうような行動を避けることを約束している。
平和的解決の促進: 領有権を巡る紛争は平和的手段で解決することが求められている。これにより、武力による解決や紛争の激化を防ぐことが目指されている。
信頼醸成措置: 信頼醸成のための措置を導入し、関係国間のコミュニケーションを改善し、誤解や衝突を避けるための取り組みが含まれている。
国際法の遵守: 宣言の中で、国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)の尊重が求められている。これは、海洋権益の正当性を確認し、国際的な法的枠組みの下での行動を促進するものである。
実効性と課題
DOCは、あくまで政治的な合意に過ぎないため、法的拘束力がない点が大きな課題である。このため、宣言の遵守や実行に関する監視や制裁の仕組みが存在しないことが、実効性を欠く要因となっている。また、DOCの採択後も、南シナ海での領有権を巡る争いは続いており、特に中国の軍事活動や人工島の建設が国際的な懸念を呼んでいる。
未来の展望
DOCの後、関係国は「南シナ海行動規範(COC)」の策定に取り組んでいる。COCは、より詳細で法的拘束力のあるルールを提供し、南シナ海での行動を規律することを目指している。しかし、COCの交渉は複雑であり、合意に至るまでには時間がかかると見込まれている。
このように、DOCは南シナ海の安定を図るための重要なステップではあるが、実効性を確保し、具体的な行動規範を導入することが今後の課題となっている。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
域外諸国と南海で軍事演習をしたフィリピンは宣言精神に違反=国防部 CRI 2024.08.16
https://japanese.cri.cn/2024/08/16/ARTI0517zdtLvewY9ucU1hBM240816.shtml?spm=C96518.PRESjy5iCnqn.ER99YRrWlW3t.9

